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気遣いが出来る男後編
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「うめえ! 何だこれ! ほどよい辛さににんにくがガツンと加わり、味が豊かになって最高に旨いカレーに仕上がってるぜ!」
どうやら都筑は皆より先に食べてしまったようだ。悪くない感想だが⋯⋯。
「そんなに美味しいんだ」
「でもにんにくが入っているのかあ」
「ちょっと匂いが気になっちゃうよね」
花の乙女である女子高生達は、にんにくの匂いが気になるようだ。しかし⋯⋯。
「大丈夫、入っているのは辛口だけだから。中辛と甘口にはにんにくは入れてないから安心して食べてくれ」
「そうなの?」
「それじゃあ遠慮なく頂きます」
「もうさっきからこの食欲をそそる匂いがやばくて我慢の限界だったよ」
そしてクラスメート達が一斉にカレーを口の中に運ぶ。
「この甘口のカレー美味しいです! マイルドで甘さだけではなく深みがある味になっていて⋯⋯何か隠し味を使っているのですか?」
神奈さんが珍しく興奮気味に話しかけてくる。
「甘口はバニラアイスと少量のチョコを入れてるかな。女性や子供が食べやすいようにイメージして作った一品だね」
「バ、バニラアイスですか! チョコレートは聞いたことありますけどカレーにアイスを入れるなんて初めて聞きました」
コト姉とユズに喜んでもらうために試行錯誤した結果、たどり着いたのがこのカレーだ。どうやらクラスメート達からも好評で俺は安心する。
「このカレー⋯⋯紬にも食べさせてあげたいなあ」
そして神奈さんから微かだがポツリと声が聞こえた。なるほど⋯⋯紬ちゃんにか。
「リウト、こっちの中辛には何が入っているの?」
「ちひろには前にご馳走した時に教えたはずなんだが」
「もう忘れちゃった。ほら、クラスのみんなも聞きたがってるから教えてよ」
確かにちひろの言うとおり、クラスメートはこちらに注目している。何だか少し恥ずかしいぞ。
「え~と⋯⋯中辛は粉チーズと味噌を入れて風味とコクが出るように作りました」
「へえ~、その2つは家で作ったカレーに入れたことがあるけどこんなに美味しく出来なかったよ」
「元のルーの味が違うのからかな?」
この言葉が返ってくるということは、どうやら白井さんと水瀬さんは家でも料理をするようだ。自宅に帰ったらタブレットに入力しておこ。
「天城、こんな量じゃ全然足りねえ。もっとカレーはないのか?」
都筑は俺のカレーを気にいってくれたようだが、残念ながらここにある物でもう終わりだ。
「何言ってんの都筑! あんた男が作るカレーなら試食しなくていいとか言ってたじゃない!」
「だってよ⋯⋯まさかこんなに美味しいカレーが出てくるなんて思わなかったから。白井だって驚いてたろ?」
「そうね。これはもうお店で売ってるレベルだわ。このカレーを出せば新入生歓迎会でうちのクラスは上位を狙えるんじゃない?」
クラスメート達は白井の言葉に頷く。
「ふふ⋯⋯どうやら私の思惑どおりの結果になったようね」
「ちひろさんの言うとおり、このカレーなら他のクラスと勝負できますね」
確かにちひろが案を出したから皆にカレーを振る舞うことになったけど、何だが釈然としないのは気のせいか?
「それにしても天城がこんなに料理が上手いとはな」
「今度私に料理を教えてほしいなあ」
「私も私も」
しかし俺はクラスメートから褒められることによって、ちひろの独断先行を許してやるかと思い始めるのであった。
―――――――――――――――
【読者の皆様へお願い】
作品を読んで少しでも『面白い、面白くなりそう』と思われた方は、作品フォロー、応援等もして頂けると嬉しいです。
どうやら都筑は皆より先に食べてしまったようだ。悪くない感想だが⋯⋯。
「そんなに美味しいんだ」
「でもにんにくが入っているのかあ」
「ちょっと匂いが気になっちゃうよね」
花の乙女である女子高生達は、にんにくの匂いが気になるようだ。しかし⋯⋯。
「大丈夫、入っているのは辛口だけだから。中辛と甘口にはにんにくは入れてないから安心して食べてくれ」
「そうなの?」
「それじゃあ遠慮なく頂きます」
「もうさっきからこの食欲をそそる匂いがやばくて我慢の限界だったよ」
そしてクラスメート達が一斉にカレーを口の中に運ぶ。
「この甘口のカレー美味しいです! マイルドで甘さだけではなく深みがある味になっていて⋯⋯何か隠し味を使っているのですか?」
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「バ、バニラアイスですか! チョコレートは聞いたことありますけどカレーにアイスを入れるなんて初めて聞きました」
コト姉とユズに喜んでもらうために試行錯誤した結果、たどり着いたのがこのカレーだ。どうやらクラスメート達からも好評で俺は安心する。
「このカレー⋯⋯紬にも食べさせてあげたいなあ」
そして神奈さんから微かだがポツリと声が聞こえた。なるほど⋯⋯紬ちゃんにか。
「リウト、こっちの中辛には何が入っているの?」
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「もう忘れちゃった。ほら、クラスのみんなも聞きたがってるから教えてよ」
確かにちひろの言うとおり、クラスメートはこちらに注目している。何だか少し恥ずかしいぞ。
「え~と⋯⋯中辛は粉チーズと味噌を入れて風味とコクが出るように作りました」
「へえ~、その2つは家で作ったカレーに入れたことがあるけどこんなに美味しく出来なかったよ」
「元のルーの味が違うのからかな?」
この言葉が返ってくるということは、どうやら白井さんと水瀬さんは家でも料理をするようだ。自宅に帰ったらタブレットに入力しておこ。
「天城、こんな量じゃ全然足りねえ。もっとカレーはないのか?」
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「何言ってんの都筑! あんた男が作るカレーなら試食しなくていいとか言ってたじゃない!」
「だってよ⋯⋯まさかこんなに美味しいカレーが出てくるなんて思わなかったから。白井だって驚いてたろ?」
「そうね。これはもうお店で売ってるレベルだわ。このカレーを出せば新入生歓迎会でうちのクラスは上位を狙えるんじゃない?」
クラスメート達は白井の言葉に頷く。
「ふふ⋯⋯どうやら私の思惑どおりの結果になったようね」
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確かにちひろが案を出したから皆にカレーを振る舞うことになったけど、何だが釈然としないのは気のせいか?
「それにしても天城がこんなに料理が上手いとはな」
「今度私に料理を教えてほしいなあ」
「私も私も」
しかし俺はクラスメートから褒められることによって、ちひろの独断先行を許してやるかと思い始めるのであった。
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