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姉はいつも俺より一枚上手
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新入生歓迎会当日の早朝
俺はスマートフォンのアラームで5時30分に起きると、昨日降っていた雨はすっかりと上がっていた。
晴れて良かったよ。
昨日は風も強かったため、もしこれが今日の日中だったら、新入生歓迎会が中止になっていたかもしれない。
俺は制服に着替えて一階に降りると、朝食の用意をしているコト姉の姿が目に入った。
「おはよ~」
「リウトちゃんおはよう~」
俺はコト姉と挨拶をかわし、辺りを見渡す。
あれ? おかしい。ユズがいないぞ。確か今日は早起きして朝から学園でケーキを作るって言っていたのに。
「ユズはまだ起きてないの?」
「ううん、起きてるよ。何かどこからか連絡があったみたいで、朝御飯も食べずに学園へ行っちゃった。あっ、リウトちゃんは目玉焼きとソーセージ、サラダ、豆腐とワカメの味噌汁、鮭の塩焼き、とろろ、納豆、味付け海苔、ポテトサラダ、ご飯でいい? すぐ作るから待っててね」
コト姉は俺を肥らせて、どこかへ出荷するつもりなのかと疑いたくなるオカズの量だな。
「いや、朝からそんなに食べれません。目玉焼きとソーセージ、ポテトサラダ、後味噌汁とご飯でお願いします」
「わかった~。すぐ作るからちょっと待っててね」
そしてコト姉はキッチンへと向かい、朝食を作るため電気コンロの火をつけた。
それにしても、ユズは朝早くから出かけるなんて何かあったのだろうか? 少し心配だな。学園に着いたら一度ユズの所へ行ってみるか。
「はい、どうぞ」
俺がコト姉に朝御飯をリクエストして、2分も経たない内に朝食が出てきた。
「えっ? 作るの早くない?」
「ふふ⋯⋯実は全部作ってあったから後は火を通すだけだったの」
「そ、そうなんだ。ありがとう」
「今日は新入生歓迎会があるからいっぱい食べておかないとね」
「朝早くから準備するのたいへんだったんじゃない?」
「そんなことないよ~、リウトちゃんに愛情がいっぱいこもったご飯を食べてもらえるなら、お姉ちゃんは全然苦じゃないよ」
今は早朝の5時35分。コト姉はいったい何時から朝御飯を作っていたんだ。しかもこれだけの量を。
嬉しい⋯⋯嬉しいけど⋯⋯。
あ、姉の愛が重すぎる⋯⋯。
これは本当に彼女でも作ろうものなら、コト姉がどんな行動に出るか想像がつかないな。
もしかしたら包丁を持って殺⋯⋯いや、今は考えるのを止めよう。今日は楽しい楽しい新入生歓迎会なのだから。
そして俺はコト姉が作ってくれた朝食を食べ、6時10分頃自宅を出ると⋯⋯。
「待ってリウトちゃん。お姉ちゃんも一緒に行く」
リビングからコト姉が追いかけて来たので、並んで俺達は家を出る。
自宅を出ると朝日が俺達に注いでくるが、まだこの時期の早朝は少し肌寒い。
「寒いね~」
「まだ朝早いからな」
「ねえ、手を繋ごうよ。お姉ちゃん凍えて死んじゃうよ~」
この姉は急に何を言い出すんだ。
「いやいや、こんな往来の道路で手を繋ぐなんてできないよ」
「でもでも、朝早いから誰もいないよ」
「いるから。俺達みたいに新入生歓迎会の準備で早起きしているやつがいっぱい」
周囲を見渡すと、俺達と同じ学生服を着た生徒がちらほらと見える。
「ぶう⋯⋯リウトちゃんのイケズ~」
「頬を膨らませてもダメだぞ」
たまにコト姉は子供っぽくなる時があり、本当に年上なのか疑いたくなる。
「だったら代わりに今日の新入生歓迎会一緒に回ろうよ」
「午前中は当番だから午後だったら⋯⋯」
「お姉ちゃんも午前中は生徒会で見回りしないといけないから一緒に回れそうだね。じゃあリウトちゃんの時間が空いたら連絡ちょうだいね~」
そう言ってコト姉は、ニコニコと笑顔で1人学園へと走り去ってしまった。
まだ学園まで10分程あるんだが。
もしかしたら、コト姉は生徒会の仕事があるのに、俺と新入生歓迎会を回る話をするために待っていたのか? 聡明なコト姉なら手を繋ぐのを断られることを読んで、この話を持ってきた気がする。
まあ新入生歓迎会に回ろうなんて、誰からも誘われてないからいいんだけどさ。
そんな虚しい気持ちを抱えながら、俺は1人学園へと向かった。
羽ヶ鷺学園に到着しAクラスへ向かうと、時刻は6時28分というとても早い時間だったが、多くの人がいた。
「ちひろ、早いな」
「ええ。まあ暇してるし、何か手伝えることがないかなって⋯⋯」
中々殊勝な考えである。だがちひろはこの案件に俺を巻き込んだので、存分に働いてもらいたいものだ。
教室には女子を中心に⋯⋯というか女子10人程と男は俺しかいないな。その中には接客担当の神奈さんもいて、水瀬さんと何やら談笑している。
悟がいたらハーレムだとか言いそうだが⋯⋯悪くないなこの状況。
ラブコメやエロゲの主人公だとラッキースケベ的な展開になるが⋯⋯高望みはしない方がいいな。とにかく今はこの状況を楽しむことにしよう。
「皆さん朝早くお集まり頂きありがとうございます。それでは移動しましょう」
水瀬さんの指示で俺達は調理室へと移動し、部屋の中に入るが、何やら人垣が出来ており、周囲は異様な空気に包まれていた。
「何かあったのかな?」
好奇心旺盛なちひろは人垣を掻き分けて、状況を確認しに行ってしまう。
「そういえばユズはどこにいるんだ?」
コト姉の話だと俺達より早く学園へ向かったとのことだが⋯⋯。
周囲を見渡してもユズの姿は見つからなかったので、俺はちひろを追って人垣が出来ている場所へ向かう。
すると人垣の中心部分に、探していたユズと瑠璃の姿を見つけることが出来た。
なんだ? まさかユズ達に何かあったのか?
俺は人垣の中心に駆け寄ると、瑠璃は泣きそうな表情をしており、ユズの目には光るものが見えた。
「瑠璃、何かあったのか?」
ユズが泣くなんてただ事じゃない。俺は状況を聞くため、まだ喋ることが出来そうな瑠璃に話しかけた。
俺はスマートフォンのアラームで5時30分に起きると、昨日降っていた雨はすっかりと上がっていた。
晴れて良かったよ。
昨日は風も強かったため、もしこれが今日の日中だったら、新入生歓迎会が中止になっていたかもしれない。
俺は制服に着替えて一階に降りると、朝食の用意をしているコト姉の姿が目に入った。
「おはよ~」
「リウトちゃんおはよう~」
俺はコト姉と挨拶をかわし、辺りを見渡す。
あれ? おかしい。ユズがいないぞ。確か今日は早起きして朝から学園でケーキを作るって言っていたのに。
「ユズはまだ起きてないの?」
「ううん、起きてるよ。何かどこからか連絡があったみたいで、朝御飯も食べずに学園へ行っちゃった。あっ、リウトちゃんは目玉焼きとソーセージ、サラダ、豆腐とワカメの味噌汁、鮭の塩焼き、とろろ、納豆、味付け海苔、ポテトサラダ、ご飯でいい? すぐ作るから待っててね」
コト姉は俺を肥らせて、どこかへ出荷するつもりなのかと疑いたくなるオカズの量だな。
「いや、朝からそんなに食べれません。目玉焼きとソーセージ、ポテトサラダ、後味噌汁とご飯でお願いします」
「わかった~。すぐ作るからちょっと待っててね」
そしてコト姉はキッチンへと向かい、朝食を作るため電気コンロの火をつけた。
それにしても、ユズは朝早くから出かけるなんて何かあったのだろうか? 少し心配だな。学園に着いたら一度ユズの所へ行ってみるか。
「はい、どうぞ」
俺がコト姉に朝御飯をリクエストして、2分も経たない内に朝食が出てきた。
「えっ? 作るの早くない?」
「ふふ⋯⋯実は全部作ってあったから後は火を通すだけだったの」
「そ、そうなんだ。ありがとう」
「今日は新入生歓迎会があるからいっぱい食べておかないとね」
「朝早くから準備するのたいへんだったんじゃない?」
「そんなことないよ~、リウトちゃんに愛情がいっぱいこもったご飯を食べてもらえるなら、お姉ちゃんは全然苦じゃないよ」
今は早朝の5時35分。コト姉はいったい何時から朝御飯を作っていたんだ。しかもこれだけの量を。
嬉しい⋯⋯嬉しいけど⋯⋯。
あ、姉の愛が重すぎる⋯⋯。
これは本当に彼女でも作ろうものなら、コト姉がどんな行動に出るか想像がつかないな。
もしかしたら包丁を持って殺⋯⋯いや、今は考えるのを止めよう。今日は楽しい楽しい新入生歓迎会なのだから。
そして俺はコト姉が作ってくれた朝食を食べ、6時10分頃自宅を出ると⋯⋯。
「待ってリウトちゃん。お姉ちゃんも一緒に行く」
リビングからコト姉が追いかけて来たので、並んで俺達は家を出る。
自宅を出ると朝日が俺達に注いでくるが、まだこの時期の早朝は少し肌寒い。
「寒いね~」
「まだ朝早いからな」
「ねえ、手を繋ごうよ。お姉ちゃん凍えて死んじゃうよ~」
この姉は急に何を言い出すんだ。
「いやいや、こんな往来の道路で手を繋ぐなんてできないよ」
「でもでも、朝早いから誰もいないよ」
「いるから。俺達みたいに新入生歓迎会の準備で早起きしているやつがいっぱい」
周囲を見渡すと、俺達と同じ学生服を着た生徒がちらほらと見える。
「ぶう⋯⋯リウトちゃんのイケズ~」
「頬を膨らませてもダメだぞ」
たまにコト姉は子供っぽくなる時があり、本当に年上なのか疑いたくなる。
「だったら代わりに今日の新入生歓迎会一緒に回ろうよ」
「午前中は当番だから午後だったら⋯⋯」
「お姉ちゃんも午前中は生徒会で見回りしないといけないから一緒に回れそうだね。じゃあリウトちゃんの時間が空いたら連絡ちょうだいね~」
そう言ってコト姉は、ニコニコと笑顔で1人学園へと走り去ってしまった。
まだ学園まで10分程あるんだが。
もしかしたら、コト姉は生徒会の仕事があるのに、俺と新入生歓迎会を回る話をするために待っていたのか? 聡明なコト姉なら手を繋ぐのを断られることを読んで、この話を持ってきた気がする。
まあ新入生歓迎会に回ろうなんて、誰からも誘われてないからいいんだけどさ。
そんな虚しい気持ちを抱えながら、俺は1人学園へと向かった。
羽ヶ鷺学園に到着しAクラスへ向かうと、時刻は6時28分というとても早い時間だったが、多くの人がいた。
「ちひろ、早いな」
「ええ。まあ暇してるし、何か手伝えることがないかなって⋯⋯」
中々殊勝な考えである。だがちひろはこの案件に俺を巻き込んだので、存分に働いてもらいたいものだ。
教室には女子を中心に⋯⋯というか女子10人程と男は俺しかいないな。その中には接客担当の神奈さんもいて、水瀬さんと何やら談笑している。
悟がいたらハーレムだとか言いそうだが⋯⋯悪くないなこの状況。
ラブコメやエロゲの主人公だとラッキースケベ的な展開になるが⋯⋯高望みはしない方がいいな。とにかく今はこの状況を楽しむことにしよう。
「皆さん朝早くお集まり頂きありがとうございます。それでは移動しましょう」
水瀬さんの指示で俺達は調理室へと移動し、部屋の中に入るが、何やら人垣が出来ており、周囲は異様な空気に包まれていた。
「何かあったのかな?」
好奇心旺盛なちひろは人垣を掻き分けて、状況を確認しに行ってしまう。
「そういえばユズはどこにいるんだ?」
コト姉の話だと俺達より早く学園へ向かったとのことだが⋯⋯。
周囲を見渡してもユズの姿は見つからなかったので、俺はちひろを追って人垣が出来ている場所へ向かう。
すると人垣の中心部分に、探していたユズと瑠璃の姿を見つけることが出来た。
なんだ? まさかユズ達に何かあったのか?
俺は人垣の中心に駆け寄ると、瑠璃は泣きそうな表情をしており、ユズの目には光るものが見えた。
「瑠璃、何かあったのか?」
ユズが泣くなんてただ事じゃない。俺は状況を聞くため、まだ喋ることが出来そうな瑠璃に話しかけた。
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