すみません。その魔王は親友なので、勝手に起こさないでもらえます?

行枝ローザ

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賢者、勇者のひとりに会う。

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門番はとりあえず機嫌よく私を通してくれたが、後から何か言ってくるかもしれない──冒険者ギルドがどこまで個人情報を秘してくれるかわからないが、訪ねる先を明かしたのはまずかったかもと少し後悔する。
「なるべく早めに発つことにした方がいいかも……宿に泊まるのはやめておいた方がいいか……」
門番が言っていた『ギルド街』というのはいったい何だろうか?
とにかく私は言われた方角に歩を進めたが、大広場に向かうにつれ、15年という月日の長さを実感することになった。
「……へぇ……ずいぶんと栄えているんだなぁ」
確かに15年前は町というよりも少し大きめの村ではあったが、旅人が数多く訪れているのは当時から感じていた。
警護した商人も「この町で少し売買をするから2日間ほど待機していてほしい」と言われたことを思い出す。
その際には下働きの少年と一緒に報酬とは別に少しばかりお小遣いをもらえて、仲良く買い食いをさせてもらったのもいい思い出だ。
だがそんな記憶のある場所に露店はなく、代わりに立派な食堂や衣料品屋など、人口が多くなったことを感じさせる。
「……えぇと……ギルド街、ギルド街……」
呟きながら歩き続けると、アーケードのついた道の両側に3階から5階建ての立派な建物がいくつもあるのを見つけ、思わず目を奪われた。
「はぁ~~………」
「どうしましたぁ?」
思わず立ち止まって見上げていると、傍らから声がかかった。
「え?」
横を向いても声の主とは顔を合せなかったので視線をやや下に落とすと、大きな弓を肩に、そして矢筒を袈裟懸けにしたツインテールの少女がぴょこんと首を傾げて私を見ている。
「ひょっとして、この町初めてですかぁ?どこのギルドにご用?手前が食べ物関係の食糧ギルド、その向かいが農業のお手伝いをしてくれる農業ギルド、その隣が酪農のギルドで、食糧ギルドの横にあるのが、厨房用品が揃うギルド、武器とか防具の仕事を紹介してくれるのがその横の道具ギルドでぇ……」
「あっ、いえ、私は……」
「あっ、ひょっとして錬金術師さんか何かですか?この町には錬金術ギルドはないんですよねぇ……薬師と一緒くたにされてるから、病院に行った方がいいですよ?」
「え?病院?」
「そう!大病院があっちの方にあるので、そこの薬剤局で薬師か錬金術師の申請をすれば、お仕事紹介してもらえますよぉ~」
彼女がくるりと後ろを振り返り、今来た道のやや左側を指してくれたが、私はそこに用があるわけではない。
そう言おうとしたのに──
「じゃっ!」
そう言うとその小さな女の子はポテポテと音がしそうな足取りで私の横を通り過ぎて、おそらく私の目的でもあるギルドの建物を目指して進む。
奥に見える一番高い建物がそうだろうと、私は彼女からやや距離を置いてゆっくり進んだ。
見たことのない建物ばかりで、仕事を請け負う者たちだけでなく、商品を購入しているらしい市民の姿もあるので見ていて飽きない。
あっという間に弓使いらしい少女の姿は消えたので、私は安心して歩を進めた。

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