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賢者、仲間の由来を知る。

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まさかと目を疑う者もいたが、実力は本物だった──むしろ、年齢を誤魔化して経験値を稼いでいたのではないかと疑うほど、魔物への対処は完璧だったとデューンは呆れたように笑った。
「信じられんのは、この子が……いや、もう子供ではないな。ケヴィンが故郷の村で師匠も無しで魔獣を退治していたってことだ」
「いやぁ……」
「えっ……?師匠がいないって……どうやって剣の握り方とか……」
「ん?そりゃ、子供同士で棒切れで戦いごっことかやってれば、嫌でも身につくでしょ?」
私も思わずデューンと同じような表情になってしまう。
いくら何でも子供の遊び程度で剣の正しい握り方や振り方、それから攻撃の仕方、防ぎ方──すべてが身につくわけがない。
確かに規格外の天才なのだろう。
そこに来てさらに単独で魔獣を退治していたとか。
「いやぁ……狩人程度じゃ魔獣を狩れないでしょ?かといって冒険者ギルドもできないようなちっちゃい村までわずかな報奨金で魔獣退治の依頼を受けてくれるような冒険者なんていなくって……村人じゃ逃げるしかできないから、何かと住み着いちゃってねぇ。被害ばっかり増えるから、僕がやっつければいーじゃないって」
「やっつければいい……」
「本当に何言ってるんだって感じでしょ?でも本当にどんどん魔獣を追い払っちゃうんだもん。あの頃はたぶん村が一番平和だったんじゃない?」
「そうだね~。ほとんどいなくなったから、ラダの村の方にまで足を延ばして……」
ラダも呆れたように肩を竦める。
ようやく手の甲の印に慣れたらしいミウが、一緒に付き合っていたウルを連れて私たちの輪に戻ってきて、興味深そうな顔で話に加わった。
「でもケガとか毒とか、心配じゃなかったの?」
「え?だって、ラダがいたし」
「見習い薬師にどれだけ信頼寄せてたの?!ていうか、あの頃はただの使いっ走りよ?アタシ」
「でも薬の知識はすごかったじゃないか。魔法も独学で習得してたし」
「……いつか行ってみたいですよ、ケヴィンやラダの育った村に」
どれだけ埋もれた宝がいるのだろうと、私は思わず遠い目になってしまう。


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