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『すみません、潜入がバレました。A1,2は目標に向かい行動中、A3が攪乱行動に移行します』
「分かりました。こちらも、出来る限り稼ぎます」
『了解です。アウト』
通信が終われば、会場内の和やかさが顕著に表れる。
ラザニアの政治中枢である城の中では、私の祖国であるダフニー国との交流会が行われている最中。
大国であるダフニーはラザニアに対しての複雑な政治状況に対しての支援と称し、この地域一帯の影響力を伸ばそうと手を打った。具体的には、ラザニアに対しての駐屯兵の手配と軍事協定だ。
大国オーガスタや南イーグル地方の小国連盟等に影響しない中立の為の処置だと公言はしているが、実質属国扱いであるという事は否めない。
どちらにしろ、軍事力を保持しないラザニアにはこの同盟に一部の望みをかけるしかない。属国になるか、国が無くなるか。彼らのはその選択肢しかないのだから。
「どうされましたか?」
「いえ、すみません。あいにく、こういうパーティーは苦手で」
ワインは少し苦手な物で、それが形式的な物であったとしても慣れる事は無かった。
一口付けただけだというのに。この場の空気に当てられてしまったのだろうか?何方にせよ、私はこういうのが心底苦手だという事は再確認できた。
声を掛けた主たは、此方の様子に気付かっているのだろう。差し出されたハンカチを、慎みながら拒否し代わりにスタッフにグラスを返した。今の私は世界図書館としての立場であり、王族としてこの場にいる訳ではない。先程知り合いに会った事も災いしているのかもしれない。今は王室を離れているとはいえ、王族扱いの私は、懐かしい顔ぶれに質問攻めにされた後だ。
それも影響してか、気分が悪いのは演技ではない。
「ああ、そうでしたか。では外の空気でも?」
『こちら、A3。敵を引きつけます』
「そうします。えっと、貴方は確か」
「リズ・ノッジです。国王の補佐をしております」
この国の副官。
リズ・ノッジは、心配そうにこちらを見ていた。この国の王族と我が国の使節団が和やかに進めているこの状況下では、他に十数名の商人や有力者が様々なコネを得ようと作意を巡らせている。表向きは両国の軍事同盟の締結に懇談会ではあるが、様々な思惑が錯綜している様子は見るに絶えない。
彼とも彼女ともとれる容姿は、男物の仕立てた礼服も相まってその造形が人当たりの良さを思わせる。
「そうそう。優秀な副官さんにお目に欠かれて光栄です」
「よしてください、王女陛下。そう言えば、護衛の方々はどうされたのですか?」
よく見れば、王族の周りには様々な護衛が肩を並べている。軍関係の人間が常に目を光らせているのが今の現状だ。同盟関係を結ぶとはいえ、ダフニーの政府は未だに信用を得ていないのだろう。このパーティー自体、彼らの信用を見極める場として存在している。
騒ぎが起きれば、それだけで国の信用にかかわる事態になるだろう。それはこの国の暗明に繋がる話になる。__だけどそれは、私の仕事とは関係が無い話だ。
「王女と言っても、継承権は下の方ですよ。それに、会場内ではこの国の警備が居ますので。彼らには、待機室でくつろいでもらっています。今回は世界図書館の職員としての参加ですからね。
機会ががありましたら、今度は王女として楽しみたいですけどね。
所で、我が国との外交交渉ですが。やはり支援の内容は軍事力の駐在でしょうか?」
出来る限り話題作りに勤しみたい所ではあるが、今の情勢下。世界図書館の職員である私がこの国を訪れているという話は彼にとって疑いの目を向ける一端に他ならない。
実際、その瞳孔にはこちらの真意を探ろうとしている気が見えたし、世間話をするにしてもそういった相手は欠かせない筈だ。王族の方々の談笑に混ざり腹の探り合いをするべきなのだ。彼は。
しかして私の方へと近づいているこの状況は、”世界図書館に対して気がある”と公言しているようなものだ。
「それは世界図書館としての質問ですか?」
「いえいえ、私の個人的な物ですよ」
「王女で無いあなたには答える事は出来ませんね」
苦笑しそう答える彼の表情は変わらない……か。
まあ、それが気のせいにしろ。彼が一筋縄ではいかない人間である事を留意するに越した事は無い。この行動が茶番劇だろうが、彼は植物人間を携えている。
彼は何処か疲れているように見える、外交の場に赴く前に、様々な下準備を行っている筈でその過労から来るものである事は明らかだろう。
冗談交じりに少し休まれては、なんていえば仕事が山済みだと答えた。
「そちらの外交官との交渉がうまく進めば、此方としても安泰です」
「私は気楽ですけど。貴方はそうは見えませんね」
「これでも大分ましです。貴方が来てくれているという事実が、国民を勇気づけていますよ」
言葉の割には、落胆している様子が垣間見える。
世界図書館は魔術書の管理、回収だけではなく各国に対して支援を行う事もある。だが、事軍事力という支援については、国際的な機関であるからこそ積極的に踏み切れない。医療支援、食糧支援ならともかく、戦争は国同士の問題だ。中立の立場として意見を述べたり仲介を買う事はあっても、足を踏み入れる事は無い。
だからこそ、彼は世界図書館に対してあまりいい感情を持っていない筈だ。
「__だから、植物共を量産しているのですか?」
私は出来る限り、小さな声で答える。
談笑で盛り上がる多くの声がその小さな言葉を掻き消しても、リズ外交官の耳には届いたようだ。
「……やはり、その理由でしたか」
「ほんとは管轄外の仕事なんですけどね」
__少し、席を外しましょうか?
その提案に、私は言葉で返す。
イスとテーブルがあれば尚良いと。
案内された場所は、本館から離れた小部屋だった。
人通りは無く、声を上げても誰も気づかない様な辺境だ。
リズ外交官の脇には、武装した警備兵が二名、私の後方には目を光らせている槍持ちが一人。促されるままに部屋に案内された私は、駐在所のような場所へ連れられる。
ようやく社交場から抜け出せた私は、嫌に重い溜息を吐いてヒールを脱いだ。その行動に目を合わせる警備兵と、リズ外交官に、私は本心からの言葉をかける。
「子供の時から、ああいった場所が嫌いなんです。靴も履きづらいですしね」
そうして頭を下げれば、面食らった表情は親しみやすい表情に戻った。
それがデフォルメである事を確認し終え、私はテーブルに備えられた椅子に座る。
「本音の話ですよ、リズ外交官。私は何もあなた方の国を亡ぼしに来たのではない。逆です。この国にある危険物を回収しに来ました。貴方が携えているその紙切れは、人を化け物に置き換える危険な代物です。それはいつかこの国を滅ぼします」
「__どうする気ですか?」
「とりあえず、貴方が貯めている植物共と紙片を燃やします」
「……この国が滅んでもですか?」
ラザニアは建国以来攻められた経験がない。
先の軍事侵攻の一件以外、彼らには防衛する軍隊を組織し始めていると聞いているが、それは戦闘の経験がない警備兵から抜粋された軍隊だろう。弱小な軍隊が大国に渡り合う事は出来ない。
この国は、植物という抑止力で均衡を保っている。
「ラザニアには軍隊がありません。あるとすれば、人員の少ない警備局に所属する警備兵のみです。この国には即効性のある兵士が必要不可欠です。国が攻められるのを回避するには。__それでも、我々から武力を取りますか?」
やはりだ。
この国が軍備を持たないという理想ではない。彼らは、生き残る為の武力を望んでいる。
しかし、災害を武力とした所で。
その結末は、どうなるかは想像に難くないだろう。
「あなたの所業を止める為には、そうしますよ」
「守らないあなたが責任を取ってくれるんですか?」
「リズさん。それを言うなら、我々から盗み出した本をあのような場所に放置した責任は貴方が払ってくれるんですか?本は、日向に出したら痛むんです」
この国は、魔術書に頼らず進まなければならないのだから。
「……此処までです、か」
交渉は決裂した。
目の前の兵士が槍を構え、此方にその先端を向けている。
後ろの兵士は私の手を掴んで、私を抑えようとその力を強めようとする。
嘆息をついて、リズ外交官が残念そうに答えた。
「すみませんが、貴方にも一員となってもらいます。そうすれば外交官も首を振ってくれるはず。この化け物共を使わなくても、我々にはあなたの国の軍隊が味方をしてくれます」
「言っていませんでしたっけ?私には王位継承権が無いに等しいんですよ。形だけの王女です」
「それでも貴方は影響力を持っています。だから」
だが、しかし。
私は、その言葉を遮る。
「一度しかいいません。”それ”は、止めた方がいい」
どこか遠くで、爆発音がした。
「っっ!」
それに気を取られた隙に、あらゆる方向から飛散した鉛玉が束縛した兵士を貫いた。
兵士は露出した部分から出血し、あるいは鎧を貫かれ。その大きな膝を落としてしまう。それを見ていた外交官と残りの兵士が、何が起きたのか戸惑いの目を向ける。
これは魔術か?
確かに、発達した技術は魔法とは言う。
だがそれは、本来この世界には存在しない技術の塊だ。
「護衛は応接室に居る。と言いましたが、無理を承知で来てもらった”彼ら”は我が国としての護衛です。世界図書館。我々、調律協定としての護衛は彼らよりも容赦はありません。諦めて投降して下さい」
小さな影たちが続々と侵入し、兵士二人を射殺。残りの外交官に対して銃口を向ける。それがどういう道具かは理解できなくても、三人の亡骸がどういう用途で使われる道具なのかしった外交官は、それでも諦めが悪いようで逃亡を図ろうと画策しているだろう。
「__諦めると思いますか?」
「知っています」
その言葉だけを言い、私は合図を送った。
『こういう役回りは苦手なんだがな』
「人に嫌われるのは苦手ですか?」
『いや?弱い者苛めがだよ』
例え鉄の鎧に身を包んでいたとしても。
鋼の塊は容赦なく彼らを砕き、死神の如く死体の山を成す。
『第三小隊。元凶を断て』
その聲と共に、虐殺が始まった。
「分かりました。こちらも、出来る限り稼ぎます」
『了解です。アウト』
通信が終われば、会場内の和やかさが顕著に表れる。
ラザニアの政治中枢である城の中では、私の祖国であるダフニー国との交流会が行われている最中。
大国であるダフニーはラザニアに対しての複雑な政治状況に対しての支援と称し、この地域一帯の影響力を伸ばそうと手を打った。具体的には、ラザニアに対しての駐屯兵の手配と軍事協定だ。
大国オーガスタや南イーグル地方の小国連盟等に影響しない中立の為の処置だと公言はしているが、実質属国扱いであるという事は否めない。
どちらにしろ、軍事力を保持しないラザニアにはこの同盟に一部の望みをかけるしかない。属国になるか、国が無くなるか。彼らのはその選択肢しかないのだから。
「どうされましたか?」
「いえ、すみません。あいにく、こういうパーティーは苦手で」
ワインは少し苦手な物で、それが形式的な物であったとしても慣れる事は無かった。
一口付けただけだというのに。この場の空気に当てられてしまったのだろうか?何方にせよ、私はこういうのが心底苦手だという事は再確認できた。
声を掛けた主たは、此方の様子に気付かっているのだろう。差し出されたハンカチを、慎みながら拒否し代わりにスタッフにグラスを返した。今の私は世界図書館としての立場であり、王族としてこの場にいる訳ではない。先程知り合いに会った事も災いしているのかもしれない。今は王室を離れているとはいえ、王族扱いの私は、懐かしい顔ぶれに質問攻めにされた後だ。
それも影響してか、気分が悪いのは演技ではない。
「ああ、そうでしたか。では外の空気でも?」
『こちら、A3。敵を引きつけます』
「そうします。えっと、貴方は確か」
「リズ・ノッジです。国王の補佐をしております」
この国の副官。
リズ・ノッジは、心配そうにこちらを見ていた。この国の王族と我が国の使節団が和やかに進めているこの状況下では、他に十数名の商人や有力者が様々なコネを得ようと作意を巡らせている。表向きは両国の軍事同盟の締結に懇談会ではあるが、様々な思惑が錯綜している様子は見るに絶えない。
彼とも彼女ともとれる容姿は、男物の仕立てた礼服も相まってその造形が人当たりの良さを思わせる。
「そうそう。優秀な副官さんにお目に欠かれて光栄です」
「よしてください、王女陛下。そう言えば、護衛の方々はどうされたのですか?」
よく見れば、王族の周りには様々な護衛が肩を並べている。軍関係の人間が常に目を光らせているのが今の現状だ。同盟関係を結ぶとはいえ、ダフニーの政府は未だに信用を得ていないのだろう。このパーティー自体、彼らの信用を見極める場として存在している。
騒ぎが起きれば、それだけで国の信用にかかわる事態になるだろう。それはこの国の暗明に繋がる話になる。__だけどそれは、私の仕事とは関係が無い話だ。
「王女と言っても、継承権は下の方ですよ。それに、会場内ではこの国の警備が居ますので。彼らには、待機室でくつろいでもらっています。今回は世界図書館の職員としての参加ですからね。
機会ががありましたら、今度は王女として楽しみたいですけどね。
所で、我が国との外交交渉ですが。やはり支援の内容は軍事力の駐在でしょうか?」
出来る限り話題作りに勤しみたい所ではあるが、今の情勢下。世界図書館の職員である私がこの国を訪れているという話は彼にとって疑いの目を向ける一端に他ならない。
実際、その瞳孔にはこちらの真意を探ろうとしている気が見えたし、世間話をするにしてもそういった相手は欠かせない筈だ。王族の方々の談笑に混ざり腹の探り合いをするべきなのだ。彼は。
しかして私の方へと近づいているこの状況は、”世界図書館に対して気がある”と公言しているようなものだ。
「それは世界図書館としての質問ですか?」
「いえいえ、私の個人的な物ですよ」
「王女で無いあなたには答える事は出来ませんね」
苦笑しそう答える彼の表情は変わらない……か。
まあ、それが気のせいにしろ。彼が一筋縄ではいかない人間である事を留意するに越した事は無い。この行動が茶番劇だろうが、彼は植物人間を携えている。
彼は何処か疲れているように見える、外交の場に赴く前に、様々な下準備を行っている筈でその過労から来るものである事は明らかだろう。
冗談交じりに少し休まれては、なんていえば仕事が山済みだと答えた。
「そちらの外交官との交渉がうまく進めば、此方としても安泰です」
「私は気楽ですけど。貴方はそうは見えませんね」
「これでも大分ましです。貴方が来てくれているという事実が、国民を勇気づけていますよ」
言葉の割には、落胆している様子が垣間見える。
世界図書館は魔術書の管理、回収だけではなく各国に対して支援を行う事もある。だが、事軍事力という支援については、国際的な機関であるからこそ積極的に踏み切れない。医療支援、食糧支援ならともかく、戦争は国同士の問題だ。中立の立場として意見を述べたり仲介を買う事はあっても、足を踏み入れる事は無い。
だからこそ、彼は世界図書館に対してあまりいい感情を持っていない筈だ。
「__だから、植物共を量産しているのですか?」
私は出来る限り、小さな声で答える。
談笑で盛り上がる多くの声がその小さな言葉を掻き消しても、リズ外交官の耳には届いたようだ。
「……やはり、その理由でしたか」
「ほんとは管轄外の仕事なんですけどね」
__少し、席を外しましょうか?
その提案に、私は言葉で返す。
イスとテーブルがあれば尚良いと。
案内された場所は、本館から離れた小部屋だった。
人通りは無く、声を上げても誰も気づかない様な辺境だ。
リズ外交官の脇には、武装した警備兵が二名、私の後方には目を光らせている槍持ちが一人。促されるままに部屋に案内された私は、駐在所のような場所へ連れられる。
ようやく社交場から抜け出せた私は、嫌に重い溜息を吐いてヒールを脱いだ。その行動に目を合わせる警備兵と、リズ外交官に、私は本心からの言葉をかける。
「子供の時から、ああいった場所が嫌いなんです。靴も履きづらいですしね」
そうして頭を下げれば、面食らった表情は親しみやすい表情に戻った。
それがデフォルメである事を確認し終え、私はテーブルに備えられた椅子に座る。
「本音の話ですよ、リズ外交官。私は何もあなた方の国を亡ぼしに来たのではない。逆です。この国にある危険物を回収しに来ました。貴方が携えているその紙切れは、人を化け物に置き換える危険な代物です。それはいつかこの国を滅ぼします」
「__どうする気ですか?」
「とりあえず、貴方が貯めている植物共と紙片を燃やします」
「……この国が滅んでもですか?」
ラザニアは建国以来攻められた経験がない。
先の軍事侵攻の一件以外、彼らには防衛する軍隊を組織し始めていると聞いているが、それは戦闘の経験がない警備兵から抜粋された軍隊だろう。弱小な軍隊が大国に渡り合う事は出来ない。
この国は、植物という抑止力で均衡を保っている。
「ラザニアには軍隊がありません。あるとすれば、人員の少ない警備局に所属する警備兵のみです。この国には即効性のある兵士が必要不可欠です。国が攻められるのを回避するには。__それでも、我々から武力を取りますか?」
やはりだ。
この国が軍備を持たないという理想ではない。彼らは、生き残る為の武力を望んでいる。
しかし、災害を武力とした所で。
その結末は、どうなるかは想像に難くないだろう。
「あなたの所業を止める為には、そうしますよ」
「守らないあなたが責任を取ってくれるんですか?」
「リズさん。それを言うなら、我々から盗み出した本をあのような場所に放置した責任は貴方が払ってくれるんですか?本は、日向に出したら痛むんです」
この国は、魔術書に頼らず進まなければならないのだから。
「……此処までです、か」
交渉は決裂した。
目の前の兵士が槍を構え、此方にその先端を向けている。
後ろの兵士は私の手を掴んで、私を抑えようとその力を強めようとする。
嘆息をついて、リズ外交官が残念そうに答えた。
「すみませんが、貴方にも一員となってもらいます。そうすれば外交官も首を振ってくれるはず。この化け物共を使わなくても、我々にはあなたの国の軍隊が味方をしてくれます」
「言っていませんでしたっけ?私には王位継承権が無いに等しいんですよ。形だけの王女です」
「それでも貴方は影響力を持っています。だから」
だが、しかし。
私は、その言葉を遮る。
「一度しかいいません。”それ”は、止めた方がいい」
どこか遠くで、爆発音がした。
「っっ!」
それに気を取られた隙に、あらゆる方向から飛散した鉛玉が束縛した兵士を貫いた。
兵士は露出した部分から出血し、あるいは鎧を貫かれ。その大きな膝を落としてしまう。それを見ていた外交官と残りの兵士が、何が起きたのか戸惑いの目を向ける。
これは魔術か?
確かに、発達した技術は魔法とは言う。
だがそれは、本来この世界には存在しない技術の塊だ。
「護衛は応接室に居る。と言いましたが、無理を承知で来てもらった”彼ら”は我が国としての護衛です。世界図書館。我々、調律協定としての護衛は彼らよりも容赦はありません。諦めて投降して下さい」
小さな影たちが続々と侵入し、兵士二人を射殺。残りの外交官に対して銃口を向ける。それがどういう道具かは理解できなくても、三人の亡骸がどういう用途で使われる道具なのかしった外交官は、それでも諦めが悪いようで逃亡を図ろうと画策しているだろう。
「__諦めると思いますか?」
「知っています」
その言葉だけを言い、私は合図を送った。
『こういう役回りは苦手なんだがな』
「人に嫌われるのは苦手ですか?」
『いや?弱い者苛めがだよ』
例え鉄の鎧に身を包んでいたとしても。
鋼の塊は容赦なく彼らを砕き、死神の如く死体の山を成す。
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