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噂の布おむつ信仰ってこれ?
②
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「急にごめんなさいねぇ」
隣県の為、頻繁に会うことはない和馬の母、道子はかなり憔悴しきった顔で現れた。和馬もなんとも言えない顔をしている。
恐る恐る話を聞くと、なんと実家の半分が燃えてしまい、住めたもんではないとのことだ。現在道子が独り暮らしをしており、建て替えるという選択もなく、このまま取り壊して土地を売りに出すということにしたようだ。
「お父さんの仏壇も燃えてしまって……」
しかも火元は隣の家の煙草だという。隣の家は全焼したらしく、和馬の実家の他にもう一件にも飛び火する大火事だ。死者は幸い出なかったようだが、それにしても。
「命だけでも助かって、本当に良かったですね」
杏奈は心の底から同情して道子に声をかけた。すると。
「火事って物凄く辛いことよ。命だけが助かっても、ほとんどを失っては死んだほうがましって思ってしまうこともあるの」
……。じゃあ生き残って残念でしたねと言えばいいのか。いやいや、ほんとに辛いのだ。少々卑屈になるくらい当然ではないか。
「でも和馬が、一緒に住もうって言ってくれたことだけが救いだったわ。可愛い孫とも毎日一緒に居られるなんて、いいことよね。ありがとうね和馬」
……?
「……え?」
「家事くらいしかできないけれど」
杏奈は和馬を見た。和馬は「やべー」というような顔をしている。杏奈は「てめー」という顔をしていただろう。
「え、あれですか? お義母さんもうちに住むってことですか? これからずっと? え、私初耳なんですけど」
「いやこれから言おうと思ったんだよ」
和馬が慌てて口を挟む。
「これからって、それはすごく大事な問題でしょ? 事後報告じゃすまないけど?」
「だってしょうがないだろ家がないんだから」
「次の家が見つかるまでってことなの?」
「……いやそれは」
杏奈は目の前が真っ暗になった。まさかこんなに早く姑との同居が始まるなんて想定外だ。そんなことを勝手に決めるなんて家が燃えたからって許せない。
「だってほら、瑠璃夏の面倒見たりとか、人手があると助かるだろ?」
道子が和馬の横でにこにこしている。そして言った。
「杏奈さん、気を使わないで、本当のおかあさんだと思って頼ってちょうだいね」
……むり。
無理!
隣県の為、頻繁に会うことはない和馬の母、道子はかなり憔悴しきった顔で現れた。和馬もなんとも言えない顔をしている。
恐る恐る話を聞くと、なんと実家の半分が燃えてしまい、住めたもんではないとのことだ。現在道子が独り暮らしをしており、建て替えるという選択もなく、このまま取り壊して土地を売りに出すということにしたようだ。
「お父さんの仏壇も燃えてしまって……」
しかも火元は隣の家の煙草だという。隣の家は全焼したらしく、和馬の実家の他にもう一件にも飛び火する大火事だ。死者は幸い出なかったようだが、それにしても。
「命だけでも助かって、本当に良かったですね」
杏奈は心の底から同情して道子に声をかけた。すると。
「火事って物凄く辛いことよ。命だけが助かっても、ほとんどを失っては死んだほうがましって思ってしまうこともあるの」
……。じゃあ生き残って残念でしたねと言えばいいのか。いやいや、ほんとに辛いのだ。少々卑屈になるくらい当然ではないか。
「でも和馬が、一緒に住もうって言ってくれたことだけが救いだったわ。可愛い孫とも毎日一緒に居られるなんて、いいことよね。ありがとうね和馬」
……?
「……え?」
「家事くらいしかできないけれど」
杏奈は和馬を見た。和馬は「やべー」というような顔をしている。杏奈は「てめー」という顔をしていただろう。
「え、あれですか? お義母さんもうちに住むってことですか? これからずっと? え、私初耳なんですけど」
「いやこれから言おうと思ったんだよ」
和馬が慌てて口を挟む。
「これからって、それはすごく大事な問題でしょ? 事後報告じゃすまないけど?」
「だってしょうがないだろ家がないんだから」
「次の家が見つかるまでってことなの?」
「……いやそれは」
杏奈は目の前が真っ暗になった。まさかこんなに早く姑との同居が始まるなんて想定外だ。そんなことを勝手に決めるなんて家が燃えたからって許せない。
「だってほら、瑠璃夏の面倒見たりとか、人手があると助かるだろ?」
道子が和馬の横でにこにこしている。そして言った。
「杏奈さん、気を使わないで、本当のおかあさんだと思って頼ってちょうだいね」
……むり。
無理!
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