10 / 34
スマホ育児って何? 今の子育てはこんなに手抜きなの?
④
しおりを挟む
数日杏奈と過ごしてみて解ったが、杏奈は極度のインドア派で一歩も外に出ようとしないのである。しかし家事をするでもなく、ただただスマホを見ている。赤ちゃんが泣く→おむつ→スマホ見ながら授乳→スマホで音楽かける→スマホ見ながら足元に放置→赤ちゃんが泣くのエンドレスループである。道子は布団を買ってもらって一気に立場が弱くなったが、勇気を出して問題点を指摘した。
「杏奈さん、スマホで一体何をしているのかしら。授乳しているときはちゃんと赤ちゃん見ていなくちゃ駄目じゃないの」
すると杏奈はこちらを煩わしそうにちらっと見て、「大丈夫なんで」と言う。何が大丈夫なのか。
「何が大丈夫なの」
「これでいいんで」
何がこれでいいものか。道子は日頃から、バスや電車の中などで修学前と思われる子供にタブレットを与え、自分もひたすらスマホばかり見ている母親を目にする度に胸を痛めてきたのだ。まさかうちの嫁が彼女らと同類だとは。
「スマホって何がそんなにいいのかしら。赤ちゃんを見るよりも楽しいものなの?」
「授乳中の空いた時間に買い物したり、離乳食のレシピ見たり、子育ての悩み相談したりされたり、赤ちゃんの体の不調検索したりしてるんですよ」
「……」
そんなことより赤ちゃんを見てあげなさい! と、言いたかったが言えなかった。杏奈は遊んでいるわけではなかったのだ。
「……レシピ見ているわりには台所に立たないわね」
「お義母さんが炊事をするって言うからじゃないですか」
「たまには一緒に料理でもしましょうよ」
道子は歩み寄ろうとした。これから一緒に暮らすのに、こんな関係は嫌だと思った。スマホばっかりしている嫁は嫌だ。
「……一緒だとやりづらいんで、私が今日は作ります」
杏奈が立ち上がった。
「杏奈さん、スマホで一体何をしているのかしら。授乳しているときはちゃんと赤ちゃん見ていなくちゃ駄目じゃないの」
すると杏奈はこちらを煩わしそうにちらっと見て、「大丈夫なんで」と言う。何が大丈夫なのか。
「何が大丈夫なの」
「これでいいんで」
何がこれでいいものか。道子は日頃から、バスや電車の中などで修学前と思われる子供にタブレットを与え、自分もひたすらスマホばかり見ている母親を目にする度に胸を痛めてきたのだ。まさかうちの嫁が彼女らと同類だとは。
「スマホって何がそんなにいいのかしら。赤ちゃんを見るよりも楽しいものなの?」
「授乳中の空いた時間に買い物したり、離乳食のレシピ見たり、子育ての悩み相談したりされたり、赤ちゃんの体の不調検索したりしてるんですよ」
「……」
そんなことより赤ちゃんを見てあげなさい! と、言いたかったが言えなかった。杏奈は遊んでいるわけではなかったのだ。
「……レシピ見ているわりには台所に立たないわね」
「お義母さんが炊事をするって言うからじゃないですか」
「たまには一緒に料理でもしましょうよ」
道子は歩み寄ろうとした。これから一緒に暮らすのに、こんな関係は嫌だと思った。スマホばっかりしている嫁は嫌だ。
「……一緒だとやりづらいんで、私が今日は作ります」
杏奈が立ち上がった。
0
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる