26 / 57
沙織(駿斗ママ)②
②
しおりを挟む
小児科では風邪だと言われて、薬を貰って帰宅した。本人も元気がなく、普段から食が細いというのに今日はリンゴジュースしか摂らなかった。テレビも見せずに、沙織は駿斗を早く寝かせた。
四歳になっても、まだ熱が出るのだな。溶連菌やインフルエンザはたまになるが、それでも三歳頃からは呼び出しは格段に減った。でもまだ四歳なんだ。四年しか生きていない、弱い生き物。
駿斗が寝たのを見計らって、沙織は眼鏡君にラインする。
《風邪引いちゃって、お熱あるから今日は早く寝よー。めがねっちも、気を付けてね》
風邪を引いたのは駿斗なのに、こんな内容にした。
金曜日に飲みに来た眼鏡君は思ったよりかなりイケメンで、当たりだった。年齢は三十六で少し上だが、かっこいいから関係ない。カラフルなおもちゃで有名な玩具メーカーに勤めている。個人的に会ったら訊けないが、仕事中だったので勢いでざっくり年収を訊いたらこの地域にしてはかなり貰っていた。エリーも気に入ったようで、ちょっとしたライバルになった。
《お疲れ様。ゆっくりしてね》
すぐに返事がきた。異性とこういうやりとりをするのは楽しい。
しかし眼鏡君は女に飢えている感じも、結婚を焦っている感じもしなかった。既婚者の可能性が高い。最初に訊けばよかったのに、しまった。既婚者だったら恋愛しようとする意味はないのだが、それでもイケメンなら或いはという気持ちもある。既婚者だったら遊びに、独身なら本気で、と完璧に振り分けができないところが女の面倒なところだ。沙織はすぐに本気になるがすぐに冷めるタイプで、続かないから恋愛を楽しむなら既婚者でも何ら問題がないのだった。
眼鏡君にスタンプを送ると、沙織は本当に寝ることにした。結局この間面接したエックスエックスからは連絡が来ないので、暫くハンバーグ屋を続けることにしている。立ちっぱなしは疲れる。仕事、この先どうしようか。眼鏡君に昼職のことも言ったら、掛け持ちなんて頑張り屋さんだねと言われた。頑張り屋さんは、好印象だろうか。それとも貧乏くさいか。
眼鏡君は、どうして出会いアプリなんかやっているんだろう。
四歳になっても、まだ熱が出るのだな。溶連菌やインフルエンザはたまになるが、それでも三歳頃からは呼び出しは格段に減った。でもまだ四歳なんだ。四年しか生きていない、弱い生き物。
駿斗が寝たのを見計らって、沙織は眼鏡君にラインする。
《風邪引いちゃって、お熱あるから今日は早く寝よー。めがねっちも、気を付けてね》
風邪を引いたのは駿斗なのに、こんな内容にした。
金曜日に飲みに来た眼鏡君は思ったよりかなりイケメンで、当たりだった。年齢は三十六で少し上だが、かっこいいから関係ない。カラフルなおもちゃで有名な玩具メーカーに勤めている。個人的に会ったら訊けないが、仕事中だったので勢いでざっくり年収を訊いたらこの地域にしてはかなり貰っていた。エリーも気に入ったようで、ちょっとしたライバルになった。
《お疲れ様。ゆっくりしてね》
すぐに返事がきた。異性とこういうやりとりをするのは楽しい。
しかし眼鏡君は女に飢えている感じも、結婚を焦っている感じもしなかった。既婚者の可能性が高い。最初に訊けばよかったのに、しまった。既婚者だったら恋愛しようとする意味はないのだが、それでもイケメンなら或いはという気持ちもある。既婚者だったら遊びに、独身なら本気で、と完璧に振り分けができないところが女の面倒なところだ。沙織はすぐに本気になるがすぐに冷めるタイプで、続かないから恋愛を楽しむなら既婚者でも何ら問題がないのだった。
眼鏡君にスタンプを送ると、沙織は本当に寝ることにした。結局この間面接したエックスエックスからは連絡が来ないので、暫くハンバーグ屋を続けることにしている。立ちっぱなしは疲れる。仕事、この先どうしようか。眼鏡君に昼職のことも言ったら、掛け持ちなんて頑張り屋さんだねと言われた。頑張り屋さんは、好印象だろうか。それとも貧乏くさいか。
眼鏡君は、どうして出会いアプリなんかやっているんだろう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
16
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる