詩集「支離滅裂」

相良武有

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第一章 二十歳の詩集

④思慕

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 おとうさあん・・・

 おとうさあん・・・

  <父の想い出を持ち合わさぬ子の
   
   胸の寂しさ>

 
 一、二歳の赤児が父親の深い懐で

 すやすやと安心そのもの

 そんな苦しい夢に目覚めて

 あなたへの慕わしさで

 僕の瞼は熱く滲んでいます


 四つ五つの男の子が

 父親の大きな手に引かれて

 その脚は嬉々として跳んで弾む

 そんな朧げな記憶を手繰って

 あなたへの繋がりを

 僕は懸命に探っています


 成人した息子が大らかな父親と

 盃を酌み交わす食卓には

 情愛が、親子が、いっぱい

 そんな涙する情景から

 あなたへの思いで

 僕の胸は堪らなく切なく

 震えています


 おとうさあん・・・

  <あなたは僕の父なんです>


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