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ゴールデンなウィーク
ゴールデンな夜
しおりを挟む黒い布の中から凶暴化されたソレが出てきたのはそれから間も無くのことだった。
柾哉さんがパンツを脱いでいる間にベッドの引き出しの中に入っているコンドームを一つ取って袋を開ける。
「今日もつけてくれるの?」
「うん」
最近はこれが私のお仕事だ。怒髪天のごとく真っ直ぐに勃ち上がっているそれに丁寧に薄い膜を被せていく。私がそれを被せている間、柾哉さんは私の頬や頭にキスをくれた。初めは被せることに集中しすぎて「邪魔」だと思ったりしたけど(ごめんなさい)ネットで色々調べたところ、それが柾哉さんの気遣いだったり愛情表現だと理解したので今はされるがままになっている。
「ん、できた」
「上手になったね」
さっきまでのギラついた瞳とは一転。今は溶けそうなほど甘い視線に毎回心の中で白旗をあげる。仰向けに寝転がって脚を開くと彼が薄膜を被った愛棒を戦慄くそこにあてがった。入口を探すように擦られて腰をくねらせる。
「んん…っ、」
もう何度も胎内に彼を受け入れたせいで、この異物感にも慣れてしまった。
むしろ最近は恋しく思う日もある。
「ぁあ…っ」
ゆっくりと押し入ってくるそれが最奥の壁を擦る。
みちっと膨らんだ愛路から蜜が溢れ出て、待ち望んでいた瞬間、歓喜に沸いた。
「っ、果穂…っ」
切ない声で名前を呼ばれると伝染するように胎内が啜り哭く。甘く切ない眼差しが心をキュウと締め付けた。熱く汗ばんだ体温を抱きしめながら粘膜を擦り合わせる。
「柾哉さん…っ、」
抱きしめた首の耳元で愛しい人の名前を呼んだ。胎内から溢れ出すそれに比例するように胎内に埋まる彼がひとまわり大きく硬くなる。
「っ…」
もっともっと気持ちよくなって。
歯を食いしばって苦しそうな表情を見上げていると愛しさよりもどこか優越感が強くなる。私のナカで彼がこんなになって悦んでくれているなんていつも夢じゃないかと思うから。
「…っ、果穂、」
苦しげな表情も、甘く滴る蜜の交わりも、隠し切れていない独占欲も全部全部私のもの。茅野さんも誰も知らないの。愛に飢えた獣のようにこんなにも私を求めてくれる。普段冷静で涼しい顔をしているのに、私を見る眼差しはいつだって熱くて甘いって。
「…柾哉さんも私だけのものでしょう?」
交わり疲れて一眠りした後。バスタブの中で彼に問いかけた。
彼の胸元や鎖骨には私の下手くそな噛み跡がある。柾哉さんに唆されてつけてみたけどまったくうまくいかない。そのせいで虫に刺されて数日経った痕みたいになっている。
「…そうだけど。突然どうしたの?」
「柾哉さんのそんな顔、茅野さんは知らないと思ったから」
「やきもち焼いてくれたの?」
敵を知らねば、と芳佳さんに茅野さんの情報は仕入れた。
柾哉さんが最初止めたけど知らないと戦えない。
芳佳さん曰く「柾哉のことはきっと好きなんだけど、プライドが高くて素直になれなくて権力でなんとかしようとする哀れな子」と言っていた。
柾哉さんと茅野さんは大学時代の同期。それ以前に父親同士が友人で昔から面識はあったそう。だけど柾哉さんは全く茅野さんに興味がなかったらしい。そして、「産業医を辞めるつもりもないし、病院を継ぐつもりもない。大切な人に誤解されたくないからこれ以上連絡をしてこないでくれ」と茅野さんにはっきりと言ったようだ。
「うん。茅野さんに優ってるところって他にないから」
学歴も見た目も肩書きだって。きっと私にはないものばかり持っている。
柾哉さんと肩を並べられるぐらいに。隣を歩く人ならきっと彼女ほどふさわしい人はいないと思う。
「俺に取って果穂以上に素敵な女性はいないけど?」
「…本当?」
「こんな嘘つくと思う?」
柾哉さんは私の顎を掬うと宥めるようにキスをくれた。
濡れた唇が後ろ髪を引かれるように離れていく。寂しくて物足りなくてもっとと強請れば応えるようにキスをくれる。
ザバーと湯船が揺れて身体が持ち上がった。それでも私たちのキスは続いている。濡れた瞳が落ち着いた欲望を掻き立てる。私のお腹に押しつけられたそれをそっと握りしめた。
「俺は果穂にしかこんなにならない」
だめ、とやんわりと手を解かれて浴室を出るように促される。脱衣所のバスマットの上で振り返って背伸びをするとタオルを持ったままの彼が返事をするようにキスをくれた。
「もっとシて?」
「先に身体拭いてから」
「私も拭いてあげる」
貸して、とバスタオルを受け取って彼の身体を拭いていく。
背が高い彼はきっと辛いだろうに私に合わせて膝を曲げてしゃがんでくれた。
「気持ち悪いところないですか?」
「うん」
「じゃあ」
裸の胸を彼の背中に押し付けて後ろからハグをする。
「果穂」
「柾哉さんの好きなおっぱい攻撃」
「それは語弊がある。おっぱいが好きなんじゃなくて果穂が好きなだけ」
柾哉さんは呆れたように笑いながら私に彼のロンティーを被せると自分はテキパキとパジャマを着た。
せっかく買った可愛いパジャマはしばらく柾哉さん家のクローゼットの中で出番がない。
なぜなら彼の「学会を頑張ったご褒美」が彼のパジャマのTシャツを着る(ズボンなし)ことだったから。
そしてなぜか一回限りじゃなくエンドレスだ。
「こんな性癖全開の格好をさせたいのも果穂だけだよ」
180センチの彼が着るTシャツはちょうど膝上10センチ丈のワンピースだった。裸の上から白のロンティーってとてもいやらしくてエッチだ。鏡を見れば首元は柾哉さんに取ってそれほど開きはなくとも私が着ると適度に開いて見える。ゆるっとしているけれど、真っ直ぐ立つと胸の先端がどこかわかるし横になれば足下が心もとない。
「変態だよね」
朝はたいていティーシャツを捲られて下半身も胸も愛撫されてずぐずぐになったところに柾哉さんがおし挿ってくる。寝ぼけたままのエッチが実はとても気持ちいい。それを言いたいけど今はまだ我慢している。だって何かあった時に秘密兵器にしたいから。
「果穂に言われたくないけど」
「柾哉さんに変態にされました」
「人聞き悪いな、それ」
くすくすと笑って手を繋いで寝室に向かう。
広げられて腕の中に飛び込むと好きな人の香りに包まれて目を閉じた。
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