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第3話 仕組まれた誤解
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ヒューが去った後も、クラウディアの胸の中は静かに波立っていた。
王都から遠く離れたこの地にまで、王太子の陰が忍び寄るとは思ってもいなかった。
その上、自分を信じて訪ねてきた騎士まで現れたのだ。
運命は皮肉なほど彼女を試しているのだろう。
夜、月の光が机上を照らす。クラウディアは報告書に目を通していた。
領地の工房で働く職人たちの記録、新しく立ち上げた孤児支援事業の会計。
彼女はもともと王都に出る前、この領地経営を手伝っていた。
「愛される妃」としてだけでなく、「働く女性」として領民に寄り添いたいと思っていたからだ。
だが、王太子はそんな彼女の願いを「見せかけの慈善」と蔑み、彼女を軟禁同然に王宮へ閉じ込めた。
「……皮肉ね。ようやく自由になったのに。」
そう呟いて椅子にもたれかけた刹那、扉がノックされた。
マーサが入ってきて、手紙を差し出す。封蝋には見覚えのある紋章が押されていた。
それは王太子の婚約破棄を伝えた、王家の封蝋と同じものだった。
「また、ですか……?」
「ええ。王城からの早馬が運んできました。」
クラウディアは封を切った。視線が文字を追うたび、表情が次第に険しくなる。
『クラウディア・エルンスト公爵令嬢に対し、国家財政の不正流用及び職権乱用の疑いあり。
調査のため、王都の裁定会議への出廷を命ずる。』
「……財政の不正流用、ですって?」
マーサが声を上げる。「そんな馬鹿な! お嬢様が領地の金を動かすことなど、ございませんでしたのに!」
「……わかっているわ、マーサ。これは“仕組まれた”のよ。」
クラウディアの声は低く、冷たく沈んでいた。
王太子が仕掛けた計画だろう。彼女の社会活動――孤児院支援の資金流れを、意図的に不正会計に偽装する。それができるのは、王都の財務局とつながる誰か。
つまり、権力を握る王太子の命令がなければ動作するはずがない。
「殿下……そこまでして、私を潰したいのね。」
机の上の封書が、握り締められた手の中でくしゃりと音を立てた。
しかし、その瞳には怯えも涙もなかった。
あるのは、ただ怒りにも似た静かな光。
「お嬢様、どうなさるおつもりですか?」
「このままでは罪をかぶせられるだけ。……行くしかないわ、王都へ。」
マーサの顔が凍りつく。「まさか。殿下の罠だと分かっていながら?」
「分かっているわ。それでも、逃げては何も変わらない。」
クラウディアは立ち上がり、鏡の前に立つ。
映る顔は、もう“泣き虫な令嬢”ではなかった。
ただ、真実を見極めようとするひとりの女性の表情。
「私を倒そうとするなら、彼も覚悟してもらわないと。」
***
三日後、クラウディアは小規模な護衛を連れて王都に戻った。
しかしその姿を見た通行人たちは、露骨に囁き合う。
「あれが例の“罪深き令嬢”だ」
「見かけによらず、裏では何をしていたのやら」
「王太子殿下を裏切るとは、まあ恐ろしい女ね」
耳に入るたび、胸が重くなる。だが彼女は微笑みを絶やさず、馬車の窓を開けたまま通り過ぎた。
今さら彼らの言葉に傷つくほど、子供ではない。
それよりも――王太子ハロルドがどんな表情で自分を見るのか、その方が気になっていた。
王城の正門をくぐると、空気が変わった。
冷たい石造りの廊下。遠い昔、婚約者として歩いたときとは全く違う温度。
見送りに立つ侍女たちは無言で視線を落とした。
まるで彼女を忌むもののように。
「……殿下のお戻りをまだ告げぬのに、もう噂だけが先に広がっているのですね。」
小さく吐き捨てるように言い、クラウディアは謁見の間へと通された。
その正面、王座の手前に立つのは――ハロルド。
彼はかつての冷ややかな笑みを浮かべていたが、その瞳の奥には確かに焦りが見えた。
もしかすると、彼自身もこの“罠”の裏で何かを恐れているのかもしれない。
クラウディアは一礼し、静かに口を開いた。
「殿下。私に不正の疑いがあると仰いましたね。証拠を、拝見してもよろしいでしょうか。」
「証拠……だと?」
「当然ですわ。不正の罪をかけられ、反論の機会もなく処分されるのは法に反します。……殿下が法を軽んじるお方でなければ、きっと証拠をお見せくださるでしょう?」
彼女の毅然とした姿に、広間がざわめいた。
ハロルドの眉がぴくりと動く。
セリーヌが隣で不安そうに腕を握った。
「ハロルド様、あまり刺激なさらないで……彼女、怖いですわ。」
その声が炎に油を注ぐ。ハロルドは怒りを隠すようにため息を吐き、形式的に紙束を渡した。
だがクラウディアは、それを受け取りながら淡々と目を走らせ――一枚の署名を見つけて止まった。
「……これは。」
目にしたその筆跡は、間違いようがなかった。
“リカルド・ゲイズ、王都財務官”――王太子腹心の役人、そしてかつてクラウディアの孤児院を担当していた人物。
その署名と印章が、すべての書類に“改ざん済”の印とともに押されていた。
「殿下。この書類は無効です。」
「何だと?」
「リカルド財務官の署名欄、印章の彫りが二年前のもの。彼は昨年、王室紋章が改定された際に印章を新調しており、旧式の印はすでに回収済み。……この書面が本物なら、殿下の側近が“没収済みの偽印章”を使って改ざんしたことになりますわね。」
広間が静まり返った。
ハロルドの顔色が変わる。王族としての威厳を守ろうと口を開くが、その言葉は震えていた。
「まさか、証拠を偽造したとでも言うのか!」
「ええ。その通りかと存じます。」
クラウディアの瞳は真っ直ぐだった。
「殿下。私は、もう泣きません。卑怯な罠も、貴方の下僕たちの策略も、すべて暴きます。」
広間の空気が張り詰める。
だがその時、別の声が響いた。
「証言いたします!」
扉が開き、銀鎧の騎士が姿を現した。
――ヒュー・レオンハート。彼は大勢の前で堂々と進み出た。
「書類の改ざん、および虚偽の調書作成を命じたのは、王太子付き文官バルネス。その命令を私は自らこの耳で聞きました。」
「ヒュー……!」
クラウディアが小さく息を呑む。
ヒューは一瞥だけ彼女に微笑み、剣の柄に手をかけて言葉を続けた。
「この場で偽りを証明するならば、証拠はここにございます。リカルド財務官本人の宣誓書。彼が隠れていた町から、あなたの命を受けずに私が独自に保護しました。」
その瞬間、王太子の顔が蒼ざめた。
周囲の貴族たちがざわめき立つ。
裁定官が書状を受け取り、封を開く手が震えていた。
「……確かに本物、でございます。」
王太子は呻くように言葉を漏らしたが、すぐにそれを怒りで覆い隠した。
「貴様、近衛の分際で私を裏切る気か!」
「正義を守るためです。」
ヒューは一歩も退かなかった。
静かな沈黙が広間を包み、クラウディアはゆっくりと目を閉じた。
背筋を伸ばし、そのまま告げる。
「これで明らかになりましたわね。……この“誤解”が、誰に仕組まれたものだったのか。」
その言葉に、ハロルドは何も言い返せなかった。
ただ、歯を噛みしめたまま彼女を睨みつけていた。
その瞳に浮かぶものが動揺なのか、後悔なのか――クラウディアにはもはや関係がなかった。
「殿下。私は、真実のみを信じます。」
声が静かに、しかしはっきりと王城の空気を震わせた。
その瞬間、クラウディアという名の令嬢が初めて“王政の檻”を超えた。
(第3話 終)
王都から遠く離れたこの地にまで、王太子の陰が忍び寄るとは思ってもいなかった。
その上、自分を信じて訪ねてきた騎士まで現れたのだ。
運命は皮肉なほど彼女を試しているのだろう。
夜、月の光が机上を照らす。クラウディアは報告書に目を通していた。
領地の工房で働く職人たちの記録、新しく立ち上げた孤児支援事業の会計。
彼女はもともと王都に出る前、この領地経営を手伝っていた。
「愛される妃」としてだけでなく、「働く女性」として領民に寄り添いたいと思っていたからだ。
だが、王太子はそんな彼女の願いを「見せかけの慈善」と蔑み、彼女を軟禁同然に王宮へ閉じ込めた。
「……皮肉ね。ようやく自由になったのに。」
そう呟いて椅子にもたれかけた刹那、扉がノックされた。
マーサが入ってきて、手紙を差し出す。封蝋には見覚えのある紋章が押されていた。
それは王太子の婚約破棄を伝えた、王家の封蝋と同じものだった。
「また、ですか……?」
「ええ。王城からの早馬が運んできました。」
クラウディアは封を切った。視線が文字を追うたび、表情が次第に険しくなる。
『クラウディア・エルンスト公爵令嬢に対し、国家財政の不正流用及び職権乱用の疑いあり。
調査のため、王都の裁定会議への出廷を命ずる。』
「……財政の不正流用、ですって?」
マーサが声を上げる。「そんな馬鹿な! お嬢様が領地の金を動かすことなど、ございませんでしたのに!」
「……わかっているわ、マーサ。これは“仕組まれた”のよ。」
クラウディアの声は低く、冷たく沈んでいた。
王太子が仕掛けた計画だろう。彼女の社会活動――孤児院支援の資金流れを、意図的に不正会計に偽装する。それができるのは、王都の財務局とつながる誰か。
つまり、権力を握る王太子の命令がなければ動作するはずがない。
「殿下……そこまでして、私を潰したいのね。」
机の上の封書が、握り締められた手の中でくしゃりと音を立てた。
しかし、その瞳には怯えも涙もなかった。
あるのは、ただ怒りにも似た静かな光。
「お嬢様、どうなさるおつもりですか?」
「このままでは罪をかぶせられるだけ。……行くしかないわ、王都へ。」
マーサの顔が凍りつく。「まさか。殿下の罠だと分かっていながら?」
「分かっているわ。それでも、逃げては何も変わらない。」
クラウディアは立ち上がり、鏡の前に立つ。
映る顔は、もう“泣き虫な令嬢”ではなかった。
ただ、真実を見極めようとするひとりの女性の表情。
「私を倒そうとするなら、彼も覚悟してもらわないと。」
***
三日後、クラウディアは小規模な護衛を連れて王都に戻った。
しかしその姿を見た通行人たちは、露骨に囁き合う。
「あれが例の“罪深き令嬢”だ」
「見かけによらず、裏では何をしていたのやら」
「王太子殿下を裏切るとは、まあ恐ろしい女ね」
耳に入るたび、胸が重くなる。だが彼女は微笑みを絶やさず、馬車の窓を開けたまま通り過ぎた。
今さら彼らの言葉に傷つくほど、子供ではない。
それよりも――王太子ハロルドがどんな表情で自分を見るのか、その方が気になっていた。
王城の正門をくぐると、空気が変わった。
冷たい石造りの廊下。遠い昔、婚約者として歩いたときとは全く違う温度。
見送りに立つ侍女たちは無言で視線を落とした。
まるで彼女を忌むもののように。
「……殿下のお戻りをまだ告げぬのに、もう噂だけが先に広がっているのですね。」
小さく吐き捨てるように言い、クラウディアは謁見の間へと通された。
その正面、王座の手前に立つのは――ハロルド。
彼はかつての冷ややかな笑みを浮かべていたが、その瞳の奥には確かに焦りが見えた。
もしかすると、彼自身もこの“罠”の裏で何かを恐れているのかもしれない。
クラウディアは一礼し、静かに口を開いた。
「殿下。私に不正の疑いがあると仰いましたね。証拠を、拝見してもよろしいでしょうか。」
「証拠……だと?」
「当然ですわ。不正の罪をかけられ、反論の機会もなく処分されるのは法に反します。……殿下が法を軽んじるお方でなければ、きっと証拠をお見せくださるでしょう?」
彼女の毅然とした姿に、広間がざわめいた。
ハロルドの眉がぴくりと動く。
セリーヌが隣で不安そうに腕を握った。
「ハロルド様、あまり刺激なさらないで……彼女、怖いですわ。」
その声が炎に油を注ぐ。ハロルドは怒りを隠すようにため息を吐き、形式的に紙束を渡した。
だがクラウディアは、それを受け取りながら淡々と目を走らせ――一枚の署名を見つけて止まった。
「……これは。」
目にしたその筆跡は、間違いようがなかった。
“リカルド・ゲイズ、王都財務官”――王太子腹心の役人、そしてかつてクラウディアの孤児院を担当していた人物。
その署名と印章が、すべての書類に“改ざん済”の印とともに押されていた。
「殿下。この書類は無効です。」
「何だと?」
「リカルド財務官の署名欄、印章の彫りが二年前のもの。彼は昨年、王室紋章が改定された際に印章を新調しており、旧式の印はすでに回収済み。……この書面が本物なら、殿下の側近が“没収済みの偽印章”を使って改ざんしたことになりますわね。」
広間が静まり返った。
ハロルドの顔色が変わる。王族としての威厳を守ろうと口を開くが、その言葉は震えていた。
「まさか、証拠を偽造したとでも言うのか!」
「ええ。その通りかと存じます。」
クラウディアの瞳は真っ直ぐだった。
「殿下。私は、もう泣きません。卑怯な罠も、貴方の下僕たちの策略も、すべて暴きます。」
広間の空気が張り詰める。
だがその時、別の声が響いた。
「証言いたします!」
扉が開き、銀鎧の騎士が姿を現した。
――ヒュー・レオンハート。彼は大勢の前で堂々と進み出た。
「書類の改ざん、および虚偽の調書作成を命じたのは、王太子付き文官バルネス。その命令を私は自らこの耳で聞きました。」
「ヒュー……!」
クラウディアが小さく息を呑む。
ヒューは一瞥だけ彼女に微笑み、剣の柄に手をかけて言葉を続けた。
「この場で偽りを証明するならば、証拠はここにございます。リカルド財務官本人の宣誓書。彼が隠れていた町から、あなたの命を受けずに私が独自に保護しました。」
その瞬間、王太子の顔が蒼ざめた。
周囲の貴族たちがざわめき立つ。
裁定官が書状を受け取り、封を開く手が震えていた。
「……確かに本物、でございます。」
王太子は呻くように言葉を漏らしたが、すぐにそれを怒りで覆い隠した。
「貴様、近衛の分際で私を裏切る気か!」
「正義を守るためです。」
ヒューは一歩も退かなかった。
静かな沈黙が広間を包み、クラウディアはゆっくりと目を閉じた。
背筋を伸ばし、そのまま告げる。
「これで明らかになりましたわね。……この“誤解”が、誰に仕組まれたものだったのか。」
その言葉に、ハロルドは何も言い返せなかった。
ただ、歯を噛みしめたまま彼女を睨みつけていた。
その瞳に浮かぶものが動揺なのか、後悔なのか――クラウディアにはもはや関係がなかった。
「殿下。私は、真実のみを信じます。」
声が静かに、しかしはっきりと王城の空気を震わせた。
その瞬間、クラウディアという名の令嬢が初めて“王政の檻”を超えた。
(第3話 終)
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