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第4話 政略結婚の裏に隠された意図
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宰相邸の執務室は、夜更けになっても灯が消えなかった。
セドリックは重厚な机に向かい、書類の山を前に腕を組んでいた。
窓の外では湖面が月光を映し、静かな波紋が広がっている。
リリアナは控えめにノックし、入室を許された。
「殿下、まだお忙しいのですね。紅茶をお持ちしましたわ。」
銀のトレイに載せられたカップから、甘い香りが立ち上る。
セドリックは視線を上げ、わずかに頷いた。
「気遣い感謝する。座ってくれ。」
二人は向かい合って腰を下ろした。
リリアナはカップを差し出しながら、静かに切り出す。
「今日の大聖堂での一件……王太子殿下の顔、忘れられませんわ。青ざめていて、まるで幽霊のようでした。」
セドリックは紅茶を一口飲み、淡々と答える。
「奴らは動揺した。予想外の婚約発表で、計画が狂ったからだ。」
「計画……つまり、私を悪女に仕立てたのも、すべて計算ずくですのね。」
「そうだ。王太子の派閥は、グランシュタイン家の影響力を削ぎたかった。ルシアの家、アルメリア伯爵家が裏で糸を引いている。」
リリアナの瞳が鋭くなる。
学院時代、ルシアの周りには常に陰湿な噂がまとわりついていた。
階段からの転落騒ぎも、彼女自身が自作自演だった可能性が高い。
「殿下は、どうしてそこまでお見通しなのですか?何か証拠をお持ちですの?」
セドリックは机の引き出しから、薄い封書を取り出した。
蝋で封されたそれは、王太子の私的な通信文書だ。
「宰相として、王家内の監視は職務だ。奴らが贈賄と地位取引で手を汚している証拠を掴んだ。」
文書を広げ、リリアナに差し出す。そこには、エドワードの筆跡でルシア家への便宜供与が記されていた。
リリアナは読み進め、息を呑んだ。
「これでは……王太子殿下の座が揺らぎますわ。」
「その通り。だから君を犠牲にした。公爵家を黙らせ、陰謀を隠蔽するためにな。」
セドリックの声に、冷たい怒りが滲む。
彼自身、王国の安定を第一に考える男だ。だが、王太子の愚行は国を蝕む毒だった。
「政略結婚の裏にあるのは、これか。私の名誉回復ではなく、殿下の政治闘争ですのね。」
リリアナの言葉に、セドリックは静かに首を振る。
「半分正解だ。政治は確かにある。だが、もう半分は……君自身を守りたいからだ。」
部屋に沈黙が落ちる。
リリアナはカップを置き、彼の瞳をまっすぐ見つめた。
氷のように冷たいはずの眼差しに、微かな揺らぎがある。
「守る……だなんて、私のような者に?殿下は冷徹と呼ばれていらっしゃるのに。」
セドリックは視線を逸らし、窓の外を眺めた。
「冷徹は仮面だ。学院で君を見ていた。誰もが媚びる中、ただ真っ直ぐに生きる姿を。」
その告白に、リリアナの胸が小さく疼く。
王太子との婚約中も、セドリックは遠くから見守っていたのだ。
「では、この結婚は形式だけじゃありませんの?」
「形式から始まる。だが、君が望めば本物にできる。」
セドリックの言葉は静かだが、重い。
リリアナは立ち上がり、窓辺に寄った。
湖の風がカーテンを揺らし、夜の冷気が肌を刺す。
「わかりましたわ、殿下。私は利用される身として、この結婚を受け入れます。ただ……復讐の果てに、何が残るのかしら。」
セドリックも立ち上がり、彼女の隣に並んだ。
「残るのは、自由だ。君の誇り高い人生だよ。」
翌朝、宰相邸に公爵が訪れた。
グランシュタイン公爵は、娘の安否を確かめに来たのだ。
応接間で再会した父娘は、互いに抱きしめ合った。
「リリアナ、無事でよかった。宰相殿下との婚約……本心か?」
「父上。本心と政略の狭間です。でも、これが最善ですわ。」
公爵は頷き、セドリックに向き直る。
「殿下、我が娘をよろしく頼みます。グランシュタイン家は全力で協力します。」
セドリックは一礼し、改めて条件を提示した。
「公爵閣下。正式婚約の日を一週間後に。事前に、王都の貴族を招いて発表を。」
その準備が急ピッチで進む中、王太子側からの動きがあった。
エドワードは密かに使者を送り、宰相邸に接触を試みた。
使者はハロルド子爵。昨日の大聖堂で気まずい思いをした男だ。
「宰相閣下、殿下からのお話です。リリアナ嬢との婚約は、誤解を招きます。取り下げを検討しては?」
セドリックは冷笑を浮かべ、即座に断る。
「断る。王太子の私事介入はご法度だ。」
ハロルドは汗を拭い、引き下がった。だがその背後で、ルシアの影がちらつく。
午後、リリアナはセドリックと共に街へ出た。
婚約準備のための宝石店訪問だ。
王都の繁華街は人で溢れ、噂話が飛び交う。
「あの金髪の令嬢、リリアナ様よね?宰相殿下と一緒に……」
囁きが聞こえるたび、リリアナは優雅に微笑んだ。
宝石店では、セドリックが青いサファイアの指輪を選んだ。
「君の瞳に似合う。」
店主が感嘆の声を上げ、リリアナは照れくさく指を差し出す。
指輪が嵌められると、不思議な温もりが広がった。
帰り道、馬車の中でリリアナが尋ねる。
「殿下、本当にこれでいいのですか?王太子派が黙っていないはずですわ。」
「黙らせよう。それが宰相の務めだ。」
セドリックの決意に、リリアナは小さく頷いた。
だがその夜、異変が起きた。
宰相邸の門前で、小さな騒ぎ。衛兵が不審者を捕らえたのだ。
尋問の結果、それはルシア家の刺客だった。
「リリアナ嬢を脅せば、婚約が解けると思ったか。」
セドリックの冷たい声に、男は震え上がる。
リリアナは知らせを聞き、執務室へ急いだ。
「殿下、私のせいで……」
「君のせいではない。奴らの焦りだ。」
セドリックは男の自白書を見せた。ルシアの指示で、リリアナに警告の手紙を届けるはずだったという。
「これで証拠が増えた。婚約発表で、一気に暴く。」
リリアナの瞳に、決意の炎が灯る。
「ええ。政略結婚の裏に、こんな闇があったなんて。殿下、私も戦いますわ。」
一週間後、正式婚約発表の宴が執り行われた。
宰相邸の大広間に、貴族たちが集う。
シャンデリアの光がクリスタルグラスを輝かせ、弦楽の調べが流れる。
セドリックとリリアナは中央に立ち、誓いの言葉を交わした。
「グランシュタイン公爵令嬢リリアナを、我が妻として迎えます。」
拍手が沸き、祝福の声が上がる。
だがその裏で、王太子の使者が忍び寄る。
エドワード本人が、密かに接触を試みたのだ。
宴の最中、エドワードがリリアナに近づいた。
「リリアナ、話がある。一人になれ。」
彼女は微笑を崩さず、応接室へ導く。
「殿下、何のご用ですの?」
エドワードの顔は蒼白だ。
「この結婚、取り消せ。宰相などと組むな。お前は俺のものだ。」
リリアナは静かに笑った。
「殿下のもの?冗談ですわ。私は捨てられた身。あなたが選んだ“純白の天使”をお楽しみくださいませ。」
エドワードの手が彼女の腕を掴む。
「黙れ!ルシアは道具だ。お前を愛しているのは俺だ!」
その瞬間、扉が開きセドリックが入る。
「手を離せ、王太子殿下。」
氷のような声。エドワードは慌てて手を引く。
「宰相、これは……」
「立ち去れ。さもなくば、証拠を公表する。」
エドワードは歯噛みし、退出した。
リリアナはセドリックに寄りかかり、囁く。
「殿下、ありがとうございます。この結婚の意図……少し、わかりましたわ。」
セドリックは彼女を抱き寄せ、耳元で答えた。
「政略の裏に、私の想いがある。それだけだ。」
宴は成功裡に終わり、王都に新たな風が吹き始めた。
政略結婚の裏に隠された真実が、少しずつ明らかになる夜だった。
リリアナの心に、冷たい復讐の炎と共に、温かな予感が芽生えていた。
(続く)
セドリックは重厚な机に向かい、書類の山を前に腕を組んでいた。
窓の外では湖面が月光を映し、静かな波紋が広がっている。
リリアナは控えめにノックし、入室を許された。
「殿下、まだお忙しいのですね。紅茶をお持ちしましたわ。」
銀のトレイに載せられたカップから、甘い香りが立ち上る。
セドリックは視線を上げ、わずかに頷いた。
「気遣い感謝する。座ってくれ。」
二人は向かい合って腰を下ろした。
リリアナはカップを差し出しながら、静かに切り出す。
「今日の大聖堂での一件……王太子殿下の顔、忘れられませんわ。青ざめていて、まるで幽霊のようでした。」
セドリックは紅茶を一口飲み、淡々と答える。
「奴らは動揺した。予想外の婚約発表で、計画が狂ったからだ。」
「計画……つまり、私を悪女に仕立てたのも、すべて計算ずくですのね。」
「そうだ。王太子の派閥は、グランシュタイン家の影響力を削ぎたかった。ルシアの家、アルメリア伯爵家が裏で糸を引いている。」
リリアナの瞳が鋭くなる。
学院時代、ルシアの周りには常に陰湿な噂がまとわりついていた。
階段からの転落騒ぎも、彼女自身が自作自演だった可能性が高い。
「殿下は、どうしてそこまでお見通しなのですか?何か証拠をお持ちですの?」
セドリックは机の引き出しから、薄い封書を取り出した。
蝋で封されたそれは、王太子の私的な通信文書だ。
「宰相として、王家内の監視は職務だ。奴らが贈賄と地位取引で手を汚している証拠を掴んだ。」
文書を広げ、リリアナに差し出す。そこには、エドワードの筆跡でルシア家への便宜供与が記されていた。
リリアナは読み進め、息を呑んだ。
「これでは……王太子殿下の座が揺らぎますわ。」
「その通り。だから君を犠牲にした。公爵家を黙らせ、陰謀を隠蔽するためにな。」
セドリックの声に、冷たい怒りが滲む。
彼自身、王国の安定を第一に考える男だ。だが、王太子の愚行は国を蝕む毒だった。
「政略結婚の裏にあるのは、これか。私の名誉回復ではなく、殿下の政治闘争ですのね。」
リリアナの言葉に、セドリックは静かに首を振る。
「半分正解だ。政治は確かにある。だが、もう半分は……君自身を守りたいからだ。」
部屋に沈黙が落ちる。
リリアナはカップを置き、彼の瞳をまっすぐ見つめた。
氷のように冷たいはずの眼差しに、微かな揺らぎがある。
「守る……だなんて、私のような者に?殿下は冷徹と呼ばれていらっしゃるのに。」
セドリックは視線を逸らし、窓の外を眺めた。
「冷徹は仮面だ。学院で君を見ていた。誰もが媚びる中、ただ真っ直ぐに生きる姿を。」
その告白に、リリアナの胸が小さく疼く。
王太子との婚約中も、セドリックは遠くから見守っていたのだ。
「では、この結婚は形式だけじゃありませんの?」
「形式から始まる。だが、君が望めば本物にできる。」
セドリックの言葉は静かだが、重い。
リリアナは立ち上がり、窓辺に寄った。
湖の風がカーテンを揺らし、夜の冷気が肌を刺す。
「わかりましたわ、殿下。私は利用される身として、この結婚を受け入れます。ただ……復讐の果てに、何が残るのかしら。」
セドリックも立ち上がり、彼女の隣に並んだ。
「残るのは、自由だ。君の誇り高い人生だよ。」
翌朝、宰相邸に公爵が訪れた。
グランシュタイン公爵は、娘の安否を確かめに来たのだ。
応接間で再会した父娘は、互いに抱きしめ合った。
「リリアナ、無事でよかった。宰相殿下との婚約……本心か?」
「父上。本心と政略の狭間です。でも、これが最善ですわ。」
公爵は頷き、セドリックに向き直る。
「殿下、我が娘をよろしく頼みます。グランシュタイン家は全力で協力します。」
セドリックは一礼し、改めて条件を提示した。
「公爵閣下。正式婚約の日を一週間後に。事前に、王都の貴族を招いて発表を。」
その準備が急ピッチで進む中、王太子側からの動きがあった。
エドワードは密かに使者を送り、宰相邸に接触を試みた。
使者はハロルド子爵。昨日の大聖堂で気まずい思いをした男だ。
「宰相閣下、殿下からのお話です。リリアナ嬢との婚約は、誤解を招きます。取り下げを検討しては?」
セドリックは冷笑を浮かべ、即座に断る。
「断る。王太子の私事介入はご法度だ。」
ハロルドは汗を拭い、引き下がった。だがその背後で、ルシアの影がちらつく。
午後、リリアナはセドリックと共に街へ出た。
婚約準備のための宝石店訪問だ。
王都の繁華街は人で溢れ、噂話が飛び交う。
「あの金髪の令嬢、リリアナ様よね?宰相殿下と一緒に……」
囁きが聞こえるたび、リリアナは優雅に微笑んだ。
宝石店では、セドリックが青いサファイアの指輪を選んだ。
「君の瞳に似合う。」
店主が感嘆の声を上げ、リリアナは照れくさく指を差し出す。
指輪が嵌められると、不思議な温もりが広がった。
帰り道、馬車の中でリリアナが尋ねる。
「殿下、本当にこれでいいのですか?王太子派が黙っていないはずですわ。」
「黙らせよう。それが宰相の務めだ。」
セドリックの決意に、リリアナは小さく頷いた。
だがその夜、異変が起きた。
宰相邸の門前で、小さな騒ぎ。衛兵が不審者を捕らえたのだ。
尋問の結果、それはルシア家の刺客だった。
「リリアナ嬢を脅せば、婚約が解けると思ったか。」
セドリックの冷たい声に、男は震え上がる。
リリアナは知らせを聞き、執務室へ急いだ。
「殿下、私のせいで……」
「君のせいではない。奴らの焦りだ。」
セドリックは男の自白書を見せた。ルシアの指示で、リリアナに警告の手紙を届けるはずだったという。
「これで証拠が増えた。婚約発表で、一気に暴く。」
リリアナの瞳に、決意の炎が灯る。
「ええ。政略結婚の裏に、こんな闇があったなんて。殿下、私も戦いますわ。」
一週間後、正式婚約発表の宴が執り行われた。
宰相邸の大広間に、貴族たちが集う。
シャンデリアの光がクリスタルグラスを輝かせ、弦楽の調べが流れる。
セドリックとリリアナは中央に立ち、誓いの言葉を交わした。
「グランシュタイン公爵令嬢リリアナを、我が妻として迎えます。」
拍手が沸き、祝福の声が上がる。
だがその裏で、王太子の使者が忍び寄る。
エドワード本人が、密かに接触を試みたのだ。
宴の最中、エドワードがリリアナに近づいた。
「リリアナ、話がある。一人になれ。」
彼女は微笑を崩さず、応接室へ導く。
「殿下、何のご用ですの?」
エドワードの顔は蒼白だ。
「この結婚、取り消せ。宰相などと組むな。お前は俺のものだ。」
リリアナは静かに笑った。
「殿下のもの?冗談ですわ。私は捨てられた身。あなたが選んだ“純白の天使”をお楽しみくださいませ。」
エドワードの手が彼女の腕を掴む。
「黙れ!ルシアは道具だ。お前を愛しているのは俺だ!」
その瞬間、扉が開きセドリックが入る。
「手を離せ、王太子殿下。」
氷のような声。エドワードは慌てて手を引く。
「宰相、これは……」
「立ち去れ。さもなくば、証拠を公表する。」
エドワードは歯噛みし、退出した。
リリアナはセドリックに寄りかかり、囁く。
「殿下、ありがとうございます。この結婚の意図……少し、わかりましたわ。」
セドリックは彼女を抱き寄せ、耳元で答えた。
「政略の裏に、私の想いがある。それだけだ。」
宴は成功裡に終わり、王都に新たな風が吹き始めた。
政略結婚の裏に隠された真実が、少しずつ明らかになる夜だった。
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