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1章
20 初めてのこと
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アリシアが目を覚ますと、レイヴンの腕の中だった。
「おはよう、アリシア」
「…おはようございます」
レイヴンと朝、ベッドの中で言葉を交わすのは初めてだ。
以前は互いに目が覚めるとすぐに自室へ移っていたし、最近はアリシアが昼頃まで眠っているので、レイヴンと言葉を交わすことがなかったのだ。
レイヴンはアリシアの頬に掛かった髪を後ろへそっと払うと、そのまま髪を撫で始めた。
その感触に昨夜のことを思い出す。
昨日は互いに楽な服装をして、2人きりで夕食を食べた。
アリシアがうまく話せなくてもレイヴンは気にした様子を見せずに、アリシアの興味を引きそうな話を続けてくれていた。
とても気を使ってくれていたのだと思う。
レイヴンは食後のお茶の時間も、その後も、アリシアが眠りに落ちる瞬間まで優しく接してくれていたのに、アリシアはその優しさに応えることができなかった。
アリシアは今、突然変わった状況に適応できずに、自分の感情に振り回されてしまっている。
だけど今は、昨日の陰鬱な気分は無くなっていた。
早い時間からぐっすりと眠ることができたからだろうか。
今日はいつも通りに接することができそうだ。
寝室の扉を叩く音が聞こえる。レイヴン付きの侍女が起こしに来たようだ。
レイヴンががっかりしたような顔をする。
「レイヴン様、今日は私の部屋で一緒に朝食をいただきましょう」
自然と言葉が出ていた。
瞬間、レイヴンは驚いたような顔をして、アリシアを強く抱き締める。
無自覚にも花がほころぶような笑顔を見せていたのだ。
朝食はアリシアの部屋のテラスで食べた。
そよぐ風が気持ちいい。
レイヴンは終始上機嫌で、アリシアも普段通りにレイヴンと話をすることが出来ていた。
不思議なほど和やかな時間だった。
この日、アリシアはゆっくりと過ごすことにした。
久しぶりに朝から起きているので時間がたっぷりある。
レイヴンが執務に出た後は読書をしたり刺繍をしたりしてした。
午後、庭園を散策して部屋に戻ると、レイヴンとレオナルドが待っていた。
部屋の中にはドレス、装飾品、調度品が溢れている。
初めて見るものばかりだ。
「…これは何ですの?」
呆然として呟くアリシアを、レイヴンがいつもの様に抱き締める。
レオナルドは困ったような笑みを見せていた。
「昨日喧嘩をしたから、仲直りの贈り物だよ」
レイヴンはアリシアの唇にちゅっと口づけた。
その表情はとても幸せそうで、アリシアは戸惑ってしまう。
昨日のあれは喧嘩ではない。
レイヴンがアリシアの心得違いを注意して、注意を受けたアリシアが癇癪を起しただけだ。
「喧嘩ではありませんわ。あれは私が悪いのですもの」
「だけど嫌な思いをさせただろう?ごめんね、アリシア」
背中にまわされた腕に力がこもる。
レイヴンが謝ることではないのだと言おうとして気がついた。
悪いのはアリシアなのに、昨日からレイヴンばかりが謝っていてアリシアは謝っていない。
今日もレイヴンがいつも通りに接してくれているから、アリシアも何もなかったかのように過ごしてしまった。
レイヴンの体をそっと押して距離を取ると、アリシアは頭を下げた。
「申し訳ありませんでした。私の心得違いでございました。お許しくださいませ」
レイヴンはアリシアの頬に触れると、そっと上げさせた。
2人の視線が絡む。
「僕がもっと早くに言うべきことだったんだ。アリシアが無事で良かった」
「喧嘩をしておられたのですか」
レオナルドの声がして、アリシアはハッとなった。
レオナルドが面白い物を見るような目で2人を見ている。
レイヴンはアリシアの腰に腕を回して引き寄せてから、レオナルドに向き直った。
「そうだよ。僕たちは初めて喧嘩をして、初めて仲直りをしたんだ」
レイヴンはそう言うと、アリシアの額にちゅっと口づける。
レイヴンは浮かれ切っていた。
アリシアは昨日初めてレイヴンに怒りを見せた。
泣かせてしまったことには心が痛むけれど、取り繕ったものではない、素の感情を見せてくれていた。
喧嘩も仲直りも、感情を見せずに表面だけで接していたこれまでにはできなかったことだ。
ずっと危険だと思っていたことも改善することができたし、アリシアも今は理解してくれている。
昨日はレイヴンにとって良いことばかりだった。
レイヴンは、アリシアと一緒に並べられtドレスや調度品を見る。
「僕が選んだ贈り物を気に入ってくれたら嬉しいな」
…贈り物に関しての、これまでの鬱憤晴らしもしているようだ。
「おはよう、アリシア」
「…おはようございます」
レイヴンと朝、ベッドの中で言葉を交わすのは初めてだ。
以前は互いに目が覚めるとすぐに自室へ移っていたし、最近はアリシアが昼頃まで眠っているので、レイヴンと言葉を交わすことがなかったのだ。
レイヴンはアリシアの頬に掛かった髪を後ろへそっと払うと、そのまま髪を撫で始めた。
その感触に昨夜のことを思い出す。
昨日は互いに楽な服装をして、2人きりで夕食を食べた。
アリシアがうまく話せなくてもレイヴンは気にした様子を見せずに、アリシアの興味を引きそうな話を続けてくれていた。
とても気を使ってくれていたのだと思う。
レイヴンは食後のお茶の時間も、その後も、アリシアが眠りに落ちる瞬間まで優しく接してくれていたのに、アリシアはその優しさに応えることができなかった。
アリシアは今、突然変わった状況に適応できずに、自分の感情に振り回されてしまっている。
だけど今は、昨日の陰鬱な気分は無くなっていた。
早い時間からぐっすりと眠ることができたからだろうか。
今日はいつも通りに接することができそうだ。
寝室の扉を叩く音が聞こえる。レイヴン付きの侍女が起こしに来たようだ。
レイヴンががっかりしたような顔をする。
「レイヴン様、今日は私の部屋で一緒に朝食をいただきましょう」
自然と言葉が出ていた。
瞬間、レイヴンは驚いたような顔をして、アリシアを強く抱き締める。
無自覚にも花がほころぶような笑顔を見せていたのだ。
朝食はアリシアの部屋のテラスで食べた。
そよぐ風が気持ちいい。
レイヴンは終始上機嫌で、アリシアも普段通りにレイヴンと話をすることが出来ていた。
不思議なほど和やかな時間だった。
この日、アリシアはゆっくりと過ごすことにした。
久しぶりに朝から起きているので時間がたっぷりある。
レイヴンが執務に出た後は読書をしたり刺繍をしたりしてした。
午後、庭園を散策して部屋に戻ると、レイヴンとレオナルドが待っていた。
部屋の中にはドレス、装飾品、調度品が溢れている。
初めて見るものばかりだ。
「…これは何ですの?」
呆然として呟くアリシアを、レイヴンがいつもの様に抱き締める。
レオナルドは困ったような笑みを見せていた。
「昨日喧嘩をしたから、仲直りの贈り物だよ」
レイヴンはアリシアの唇にちゅっと口づけた。
その表情はとても幸せそうで、アリシアは戸惑ってしまう。
昨日のあれは喧嘩ではない。
レイヴンがアリシアの心得違いを注意して、注意を受けたアリシアが癇癪を起しただけだ。
「喧嘩ではありませんわ。あれは私が悪いのですもの」
「だけど嫌な思いをさせただろう?ごめんね、アリシア」
背中にまわされた腕に力がこもる。
レイヴンが謝ることではないのだと言おうとして気がついた。
悪いのはアリシアなのに、昨日からレイヴンばかりが謝っていてアリシアは謝っていない。
今日もレイヴンがいつも通りに接してくれているから、アリシアも何もなかったかのように過ごしてしまった。
レイヴンの体をそっと押して距離を取ると、アリシアは頭を下げた。
「申し訳ありませんでした。私の心得違いでございました。お許しくださいませ」
レイヴンはアリシアの頬に触れると、そっと上げさせた。
2人の視線が絡む。
「僕がもっと早くに言うべきことだったんだ。アリシアが無事で良かった」
「喧嘩をしておられたのですか」
レオナルドの声がして、アリシアはハッとなった。
レオナルドが面白い物を見るような目で2人を見ている。
レイヴンはアリシアの腰に腕を回して引き寄せてから、レオナルドに向き直った。
「そうだよ。僕たちは初めて喧嘩をして、初めて仲直りをしたんだ」
レイヴンはそう言うと、アリシアの額にちゅっと口づける。
レイヴンは浮かれ切っていた。
アリシアは昨日初めてレイヴンに怒りを見せた。
泣かせてしまったことには心が痛むけれど、取り繕ったものではない、素の感情を見せてくれていた。
喧嘩も仲直りも、感情を見せずに表面だけで接していたこれまでにはできなかったことだ。
ずっと危険だと思っていたことも改善することができたし、アリシアも今は理解してくれている。
昨日はレイヴンにとって良いことばかりだった。
レイヴンは、アリシアと一緒に並べられtドレスや調度品を見る。
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