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2章
3 舞踏会での遭遇①
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あら?あれはノティス殿下?
アリシアは王族席の片隅、一番目立たないところで所在無げに座るノティスの姿を見つけた。
ノティスは国王の幽閉された側妃が生んだ王子である。
側妃が幽閉された時ノティスは8歳だったが、王の不興を買って幽閉された者の子の面倒をみようという者はいなかった。
幽閉されるまでの側妃は王の寵愛を笠に着て王妃と同等の扱いを求め、ノティスこそが王太子にふさわしいとの放言もあった。母やその親族に祭り上げられて増長したノティスも、年少の王子とは思えない程の傲慢な態度を見せていた。
この頃アリシアまだ結婚前で、レイヴンの婚約者でしかなかった。
それでも側妃やノティスの分を弁えない横柄な振る舞いを目にすることは多く、不愉快に思っていた。
だから幽閉された側妃を気の毒に思うことはない。
だけど幼い王子が増長し、傲慢な振る舞いをするようになったのは、母や周りの大人たちが間違った接し方を続けたせいである。
結果的にノティスは8歳で全ての梯子を外され、味方のいない王宮に置き去りにされてしまった。
これまでどれ程横柄な態度で接していても機嫌を取りに来ていた大人達が一斉に無視するようになり、まるで見えていないかのように扱われるようになったノティスの絶望は、如何ほどだっただろうか。
そうして面倒を見る者がいなくなったノティスだが、王子である為に側妃の実家へ預けるわけにもいかず、今は仕方なくマルグリットが面倒を見ている。
マルグリットは王妃であり、国民の母だ。
国民全ての母であるマルグリットが、王の子であるノティスを見捨てるわけにはいかなかないのだ。
今日の舞踏会はマルグリットが主催している為ノティスも参加しているのだろうが、普段こうした席で姿を見ることはほとんどない。
今でもノティスに関わろうとする貴族は少なく、こうして舞踏会に参加していても話し掛ける者がいない為、周りはひっそりしている。
今のノティスはいるようでいない王子なのだ。
アリシアはノティスのような王子を作ろうとは決して思わない。
だからレイヴンの側妃は慎重に選ばなくてはならないと、ノティスの姿を目にする度に強く思うのだ。
レイヴンに促されて中央に進む。
レイヴンとアリシアのファーストダンスだ。
レイヴンとファーストダンスを踊るのはいつものことなのに、どこかいつもと違っている様な気がした。
組んでいる手も、腰に添えられた手もいつもより優しいように感じられる。何よりレイヴンの目がうっとりとアリシアに見惚れているのだ。
2人のダンスを見ている貴族たちも、見慣れているはずの2人のダンスに見惚れていたようで、感嘆の声がきこえていた。
音楽が終わってダンスも終わる。アリシアはそのまま引き寄せられて抱き締められた。
愛し気に額に口づけられる。
いつもはファーストダンスが終わると、そこで別れてそれぞれ挨拶に来る貴族たちと交流していた。
だけどレイヴンは、アリシアの腰を引き寄せて離さず、そのまま貴族たちの相手をするようだ。
逆らう必要もないのでそのまま過ごすことにする。
貴族たちと接する時は、2人ともいつもと同じ笑顔だ。
それでもレイヴンは抱き寄せたアリシアの腰を離さず、アリシアを見る瞳は甘い。
好奇心を丸出しにした者や、2人の仲を探ろうとする者など人々の反応は様々だが、これまでになく注目を集めているのは間違いなかった。
アリシアは王族席の片隅、一番目立たないところで所在無げに座るノティスの姿を見つけた。
ノティスは国王の幽閉された側妃が生んだ王子である。
側妃が幽閉された時ノティスは8歳だったが、王の不興を買って幽閉された者の子の面倒をみようという者はいなかった。
幽閉されるまでの側妃は王の寵愛を笠に着て王妃と同等の扱いを求め、ノティスこそが王太子にふさわしいとの放言もあった。母やその親族に祭り上げられて増長したノティスも、年少の王子とは思えない程の傲慢な態度を見せていた。
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それでも側妃やノティスの分を弁えない横柄な振る舞いを目にすることは多く、不愉快に思っていた。
だから幽閉された側妃を気の毒に思うことはない。
だけど幼い王子が増長し、傲慢な振る舞いをするようになったのは、母や周りの大人たちが間違った接し方を続けたせいである。
結果的にノティスは8歳で全ての梯子を外され、味方のいない王宮に置き去りにされてしまった。
これまでどれ程横柄な態度で接していても機嫌を取りに来ていた大人達が一斉に無視するようになり、まるで見えていないかのように扱われるようになったノティスの絶望は、如何ほどだっただろうか。
そうして面倒を見る者がいなくなったノティスだが、王子である為に側妃の実家へ預けるわけにもいかず、今は仕方なくマルグリットが面倒を見ている。
マルグリットは王妃であり、国民の母だ。
国民全ての母であるマルグリットが、王の子であるノティスを見捨てるわけにはいかなかないのだ。
今日の舞踏会はマルグリットが主催している為ノティスも参加しているのだろうが、普段こうした席で姿を見ることはほとんどない。
今でもノティスに関わろうとする貴族は少なく、こうして舞踏会に参加していても話し掛ける者がいない為、周りはひっそりしている。
今のノティスはいるようでいない王子なのだ。
アリシアはノティスのような王子を作ろうとは決して思わない。
だからレイヴンの側妃は慎重に選ばなくてはならないと、ノティスの姿を目にする度に強く思うのだ。
レイヴンに促されて中央に進む。
レイヴンとアリシアのファーストダンスだ。
レイヴンとファーストダンスを踊るのはいつものことなのに、どこかいつもと違っている様な気がした。
組んでいる手も、腰に添えられた手もいつもより優しいように感じられる。何よりレイヴンの目がうっとりとアリシアに見惚れているのだ。
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音楽が終わってダンスも終わる。アリシアはそのまま引き寄せられて抱き締められた。
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いつもはファーストダンスが終わると、そこで別れてそれぞれ挨拶に来る貴族たちと交流していた。
だけどレイヴンは、アリシアの腰を引き寄せて離さず、そのまま貴族たちの相手をするようだ。
逆らう必要もないのでそのまま過ごすことにする。
貴族たちと接する時は、2人ともいつもと同じ笑顔だ。
それでもレイヴンは抱き寄せたアリシアの腰を離さず、アリシアを見る瞳は甘い。
好奇心を丸出しにした者や、2人の仲を探ろうとする者など人々の反応は様々だが、これまでになく注目を集めているのは間違いなかった。
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