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2章
94 婚約の解消と新たな婚約①
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謁見の間には既にカルヴィエ伯爵夫妻とジョッシュ、そしてキャンベル侯爵夫妻とエミリ―が揃っていた。
カルヴィエ伯爵夫妻は「何故呼ばれたのかわからない」といった困惑の表情を浮かべている。
あの後ジェーンはエレノアの手を借りて首飾りをつけた。
ジェーンが着ているのは今日も簡単な形のワンピースなので不釣り合いだが、それは仕方がない。
その様子をノティスが動揺した顔で見ていた。
ノティスも周りの大人の悪意に振り回されて育ったけれど、実の親から暴力を受けたことはない。
ジェーンの過去を聞いてはいても、金の為に――それも一族の家宝を売り払う為に――娘を鞭打つ親がいるとは思わなかったのだろう。
ノティスは今回のことに関与していないので謁見の間へ一緒に来ることはない。
呆然としたままジェーンの後姿を見送っていた。
謁見の間へは身分の低い者から入り、それぞれが所定の場所につく。
アダムたち臣下の者は玉座に向かって右側に並ぶので、玉座の正面に立つデミオンたちの横側に来ることになる。
デミオンたちは、ロバートに続いて入室したジェーンを見て忌々しそうな顔を向けていたが、ジェーンの胸元を飾る首飾りに気がついたデミオンはサッと顔色を変えた。
そこへアリシアが入ってくる。
アリシアの姿を目にしたデミオンは、蒼白になっていた。
ここに呼ばれた理由に思い当ったようだ。
アリシアは顔には出さないものの、集まった者たちの表情を見て楽しんでいた。
カルヴィエ伯爵夫妻は、何故呼ばれたのかわからずに困惑し、心当たりのあるジョッシュは両親の隣で項垂れている。
デミオンは蒼白になり、アンジュは未だに忌々しそうな顔をジェーンへ向けている。
エミリーはここに呼ばれた理由やジェーンがいる理由にも興味がないようで、自分の方をちらりとも見ないジョッシュに不満そうな顔を向けていた。
最後に入室した国王が玉座についたところで全員が一斉に礼をする。
ここで礼をすることは流石のエミリーでも知っていたようだ。
「頭を上げよ」
重々しい国王の声が響き、幕が上がった。
「突然の呼び出しに驚いているだろうが、そなたたちには其々申し渡すことがある。まずはキャンベル侯爵令嬢、ジェーン・キャンベル」
「はい」
陛下に名を呼ばれたジェーンが一歩前進し、玉座に向き直り頭を下げる。
「頭を上げよ」
国王の言葉に従い、頭を上げる。
「ジェーン・キャンベル。そなたに欠員の出たアルスタ使節団への参加を命じる。明日から研修に参加するように」
「承りました」
「これにより、侯爵令嬢ジェーン・キャンベルと伯爵令息ジョッシュ・カルヴィエの婚約を解消とし、ジョッシュ・カルヴィエをキャンベル侯爵家の次期当主とする許可を取り消す。そしてジョッシュ・カルヴィエにはキャンベル侯爵家の次女、エミリ―・キャンベルとの婚姻を命じる」
「ええっ?!」
伯爵夫妻と侯爵夫妻は揃って驚愕の声を上げた。
ジョッシュはこうなることを半ば予想していたようで、青白い顔を上げただけだった。
そして状況を理解していないのだろう。エミリーはきょとんとした顔をしていた。
カルヴィエ伯爵夫妻は「何故呼ばれたのかわからない」といった困惑の表情を浮かべている。
あの後ジェーンはエレノアの手を借りて首飾りをつけた。
ジェーンが着ているのは今日も簡単な形のワンピースなので不釣り合いだが、それは仕方がない。
その様子をノティスが動揺した顔で見ていた。
ノティスも周りの大人の悪意に振り回されて育ったけれど、実の親から暴力を受けたことはない。
ジェーンの過去を聞いてはいても、金の為に――それも一族の家宝を売り払う為に――娘を鞭打つ親がいるとは思わなかったのだろう。
ノティスは今回のことに関与していないので謁見の間へ一緒に来ることはない。
呆然としたままジェーンの後姿を見送っていた。
謁見の間へは身分の低い者から入り、それぞれが所定の場所につく。
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デミオンたちは、ロバートに続いて入室したジェーンを見て忌々しそうな顔を向けていたが、ジェーンの胸元を飾る首飾りに気がついたデミオンはサッと顔色を変えた。
そこへアリシアが入ってくる。
アリシアの姿を目にしたデミオンは、蒼白になっていた。
ここに呼ばれた理由に思い当ったようだ。
アリシアは顔には出さないものの、集まった者たちの表情を見て楽しんでいた。
カルヴィエ伯爵夫妻は、何故呼ばれたのかわからずに困惑し、心当たりのあるジョッシュは両親の隣で項垂れている。
デミオンは蒼白になり、アンジュは未だに忌々しそうな顔をジェーンへ向けている。
エミリーはここに呼ばれた理由やジェーンがいる理由にも興味がないようで、自分の方をちらりとも見ないジョッシュに不満そうな顔を向けていた。
最後に入室した国王が玉座についたところで全員が一斉に礼をする。
ここで礼をすることは流石のエミリーでも知っていたようだ。
「頭を上げよ」
重々しい国王の声が響き、幕が上がった。
「突然の呼び出しに驚いているだろうが、そなたたちには其々申し渡すことがある。まずはキャンベル侯爵令嬢、ジェーン・キャンベル」
「はい」
陛下に名を呼ばれたジェーンが一歩前進し、玉座に向き直り頭を下げる。
「頭を上げよ」
国王の言葉に従い、頭を上げる。
「ジェーン・キャンベル。そなたに欠員の出たアルスタ使節団への参加を命じる。明日から研修に参加するように」
「承りました」
「これにより、侯爵令嬢ジェーン・キャンベルと伯爵令息ジョッシュ・カルヴィエの婚約を解消とし、ジョッシュ・カルヴィエをキャンベル侯爵家の次期当主とする許可を取り消す。そしてジョッシュ・カルヴィエにはキャンベル侯爵家の次女、エミリ―・キャンベルとの婚姻を命じる」
「ええっ?!」
伯爵夫妻と侯爵夫妻は揃って驚愕の声を上げた。
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そして状況を理解していないのだろう。エミリーはきょとんとした顔をしていた。
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