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3章
73 波及効果②
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「レイヴン殿下はお忙しいようですね」
「ええ。昨日もお戻りになったのは随分遅くなってからだったわ」
自然とそう答えるアリシアにジェーンは少し目を見開いたが、すぐに表情を元に戻した。
驚いたことに気づかれない方が良いと思ったからだ。
「お戻りになるのを待っておられるのですね」
「ええ、待つようにしているわ。…待ちきれずに寝てしまうこともあるのだけど」
そんなアリシアを見ていてジェーンは微笑ましく思う。
少し前のアリシアなら、レイヴンのことなど気にせず先に寝ていたはずだ。
最近レイヴンは夕食の後、国王の執務室に詰めている。
執務室に集められた者たちで、女性の継承権を認めるに当たっての様々なことを話し合っているのだ。
どこの家にも既に届け出られている後継者がいる。
その後継者を変更するのに、いつから女性への変更が認められるのか。また、変更を望まない家でも変更しなければならないのか。
女婿を迎えた家でも爵位を継ぐことを望まない女性もいる。
大抵の女性はこれまで自身が爵位を継ぐことなど考えたことが無く、領主としての勉強もしていない。
夫婦仲が上手くいっていて、2人の間に子どもも生まれていれば、後継者を変える必要などないと考える女性も少くないのだ。
そういったことから、既に婚姻済みの家ではどちらが後継者になるのか話し合いで決められるようにした方が良いという者がいて、それではその話し合いに立ち会い、互いに納得した結果だと証明する為の第三者機関を立ち上げるべきだという者がいる。
それでは今婚約中の者たちはどうなのか。
婚約中といっても、まだ幼い者から今年中に婚姻予定の者たちまでいる。
すべての事柄に対応するのは無理であっても、執務室に集った面々で可能な限りの想定をして対策を講じていく。
最終の決定権をもっているのは国王だが、話し合いを主導するのはレイヴンである。
その為、アリシアは久しぶりに1人で過ごす夜が続いているのだ。
最近、アリシアとジェーンのお茶会はいつも夜の時間に行われている。
ジェーンがそうなるように仕向けたからだ。
忙しくなったレイヴンは夜の時間をアリシアと一緒に過ごすことができなくなった。それなのに昼間の休憩時間もジェーンに取られてしまうと、2人が一緒にいられる時が無くなってしまう。
それなら昼間は2人で過ごせるようにすればいい。
ジェーンはアリシアに、しばらくお茶会は夜の時間にして欲しいと頼んだ。
アリシアは驚いていたけれど、ジェーンが「この機会にカナリー殿下とも仲良くなりたいのです」と言えば、すんなりと信じてくれていた。
最近は王宮のあちらこちらで王太子夫妻の仲睦まじい姿が目撃されている。
「レオ兄様も最近とても忙しそうにされていますね」
「ええ、そうなの。お兄様は何をされているのかしら」
アリシアは不思議そうに首を傾げた。
レオナルドは国王の執務室には呼ばれていない。レイヴンの側近ではあるものの、まだ法の制定に携わる程の立場にはなっていないからだ。
それなのに漏れ聞こえてくる様子はいつにも増して忙しそうである。
レオナルドは議会でジェーンを攻撃した者たちの徹底した身辺調査を行っていた。
だけどそれを知っているのは、レイヴンとアダムだけである。
「ええ。昨日もお戻りになったのは随分遅くなってからだったわ」
自然とそう答えるアリシアにジェーンは少し目を見開いたが、すぐに表情を元に戻した。
驚いたことに気づかれない方が良いと思ったからだ。
「お戻りになるのを待っておられるのですね」
「ええ、待つようにしているわ。…待ちきれずに寝てしまうこともあるのだけど」
そんなアリシアを見ていてジェーンは微笑ましく思う。
少し前のアリシアなら、レイヴンのことなど気にせず先に寝ていたはずだ。
最近レイヴンは夕食の後、国王の執務室に詰めている。
執務室に集められた者たちで、女性の継承権を認めるに当たっての様々なことを話し合っているのだ。
どこの家にも既に届け出られている後継者がいる。
その後継者を変更するのに、いつから女性への変更が認められるのか。また、変更を望まない家でも変更しなければならないのか。
女婿を迎えた家でも爵位を継ぐことを望まない女性もいる。
大抵の女性はこれまで自身が爵位を継ぐことなど考えたことが無く、領主としての勉強もしていない。
夫婦仲が上手くいっていて、2人の間に子どもも生まれていれば、後継者を変える必要などないと考える女性も少くないのだ。
そういったことから、既に婚姻済みの家ではどちらが後継者になるのか話し合いで決められるようにした方が良いという者がいて、それではその話し合いに立ち会い、互いに納得した結果だと証明する為の第三者機関を立ち上げるべきだという者がいる。
それでは今婚約中の者たちはどうなのか。
婚約中といっても、まだ幼い者から今年中に婚姻予定の者たちまでいる。
すべての事柄に対応するのは無理であっても、執務室に集った面々で可能な限りの想定をして対策を講じていく。
最終の決定権をもっているのは国王だが、話し合いを主導するのはレイヴンである。
その為、アリシアは久しぶりに1人で過ごす夜が続いているのだ。
最近、アリシアとジェーンのお茶会はいつも夜の時間に行われている。
ジェーンがそうなるように仕向けたからだ。
忙しくなったレイヴンは夜の時間をアリシアと一緒に過ごすことができなくなった。それなのに昼間の休憩時間もジェーンに取られてしまうと、2人が一緒にいられる時が無くなってしまう。
それなら昼間は2人で過ごせるようにすればいい。
ジェーンはアリシアに、しばらくお茶会は夜の時間にして欲しいと頼んだ。
アリシアは驚いていたけれど、ジェーンが「この機会にカナリー殿下とも仲良くなりたいのです」と言えば、すんなりと信じてくれていた。
最近は王宮のあちらこちらで王太子夫妻の仲睦まじい姿が目撃されている。
「レオ兄様も最近とても忙しそうにされていますね」
「ええ、そうなの。お兄様は何をされているのかしら」
アリシアは不思議そうに首を傾げた。
レオナルドは国王の執務室には呼ばれていない。レイヴンの側近ではあるものの、まだ法の制定に携わる程の立場にはなっていないからだ。
それなのに漏れ聞こえてくる様子はいつにも増して忙しそうである。
レオナルドは議会でジェーンを攻撃した者たちの徹底した身辺調査を行っていた。
だけどそれを知っているのは、レイヴンとアダムだけである。
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