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3章
117 お茶会②
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お茶会の時間が近づき、庭園に設けられた会場へ招待客が訪れはじめる。
レイヴンはアリシアの隣に寄り添い、一緒に挨拶を受けていた。
このお茶会を主催しているのはアリシアで、レイヴンも招かれた側なのだから、本来ならばその立ち位置はおかしい。
だけどいつものお茶会と違って気掛かりなことが多いアリシアは気を張っている。それを知っているレイヴンは、るだけ近くで支えたいと思ったのだ。
「大丈夫?」
レイヴンが小声で囁くとアリシアが笑顔を見せて小さく頷く。
その笑顔が可愛くてレイヴンの目尻が下がる。
アリシアへ向けられる熱が籠った視線に、居合わせた夫人たちは顔を赤らめた。
2人の仲睦まじい姿を見せるのもお茶会の目的のひとつだったが、意識しなくても十分にその目的を果たしている。
このお茶会は元々アリシアが各家の夫人と交流を持つために行っている為、一度に招かれる人数は少ない。
その少ない招待客を今回はレイヴンも一緒に選んだ。
選ばれたのは社交界でも選りすぐりの噂好きばかりである。
だけど本質的に悪い人たちではなく、どんな相手でもまずは好意的に見ようする人たちだ。
ここでジェーンが気に入られることができれば、これまでの悪評を覆すことができるだろう。
今、彼女たちは王太子夫妻が仲睦まじく寄り添って客を迎え入れている姿や、時折目を合わせては微笑み合う姿を目を輝かせて見ている。
数日後にはこの2人の様子が社交界を駆け巡っているのは間違いない。
暫くするとざわめきが起きた。
アリシアが会場の入り口へ視線を向けると、そこにジェーンとカナリーの姿があった。
「アリシア」
耳元で聞こえた声にハッとして顔を上げると、レイヴンが優しい顔でアリシアを見つめていた。
知らずに強張っていた体から力が抜けていく。
ジェーンがこれまでとは違う美しい動きで近づいてきた時には、いつもの自分を取り戻すことが出来ていた。
ここからが大事なところなのだ。
「本日はお招きいただき、ありがとうございます」
美しいカテーシーを披露したジェーンにまたざわめきが起きた。
このざわめきには色々な意味がある。
ジェーンとレイヴンの噂を知らない者はいない。
噂が本当であれば、正妻の前で夫と愛人が顔を合わせていることになるのだ。
僅かに聞こえる囁き声には、なぜジェーンが招かれているのか、それを訝しがる声もあった。
また、夫人の中にはジェーンが話をした議会を聴講してた者もいた。
あれからまだ数か月しか経っていないのに、ジェーンが見せたカテーシーはあの時とは比べ物にならない程美しい。
夫人は急成長を見せたジェーンにただただ驚きの声を上げていた。
アリシアはそんな夫人たちの視線を感じながら、いつも通りの完璧な笑顔を見せる。
「忙しいところを来てくれて嬉しいわ。暫く会えなくなってしまうから、その前にゆっくり話をしたいと思っていたのよ」
「出立前の忙しい時にありがとう。アリシアは本当にジェーン嬢と会いたがっていたんだ。お茶会の間くらいは是非ゆっくりとして、楽しんで欲しい」
「はい。お心遣いをいただき、ありがとうございます」
ジェーンがアリシアと視線を合わせて笑顔を見せる。
その親愛に満ちた笑顔は、とても愛人から正妻へ向けるようなものではなかった。
それに初めから今も、レイヴンが熱の籠った目を向けているのはアリシアだけだ。
夫人たちは顔を見合わせ、レイヴンとジェーンの噂はやはり間違いなのだと囁き合った。
レイヴンはアリシアの隣に寄り添い、一緒に挨拶を受けていた。
このお茶会を主催しているのはアリシアで、レイヴンも招かれた側なのだから、本来ならばその立ち位置はおかしい。
だけどいつものお茶会と違って気掛かりなことが多いアリシアは気を張っている。それを知っているレイヴンは、るだけ近くで支えたいと思ったのだ。
「大丈夫?」
レイヴンが小声で囁くとアリシアが笑顔を見せて小さく頷く。
その笑顔が可愛くてレイヴンの目尻が下がる。
アリシアへ向けられる熱が籠った視線に、居合わせた夫人たちは顔を赤らめた。
2人の仲睦まじい姿を見せるのもお茶会の目的のひとつだったが、意識しなくても十分にその目的を果たしている。
このお茶会は元々アリシアが各家の夫人と交流を持つために行っている為、一度に招かれる人数は少ない。
その少ない招待客を今回はレイヴンも一緒に選んだ。
選ばれたのは社交界でも選りすぐりの噂好きばかりである。
だけど本質的に悪い人たちではなく、どんな相手でもまずは好意的に見ようする人たちだ。
ここでジェーンが気に入られることができれば、これまでの悪評を覆すことができるだろう。
今、彼女たちは王太子夫妻が仲睦まじく寄り添って客を迎え入れている姿や、時折目を合わせては微笑み合う姿を目を輝かせて見ている。
数日後にはこの2人の様子が社交界を駆け巡っているのは間違いない。
暫くするとざわめきが起きた。
アリシアが会場の入り口へ視線を向けると、そこにジェーンとカナリーの姿があった。
「アリシア」
耳元で聞こえた声にハッとして顔を上げると、レイヴンが優しい顔でアリシアを見つめていた。
知らずに強張っていた体から力が抜けていく。
ジェーンがこれまでとは違う美しい動きで近づいてきた時には、いつもの自分を取り戻すことが出来ていた。
ここからが大事なところなのだ。
「本日はお招きいただき、ありがとうございます」
美しいカテーシーを披露したジェーンにまたざわめきが起きた。
このざわめきには色々な意味がある。
ジェーンとレイヴンの噂を知らない者はいない。
噂が本当であれば、正妻の前で夫と愛人が顔を合わせていることになるのだ。
僅かに聞こえる囁き声には、なぜジェーンが招かれているのか、それを訝しがる声もあった。
また、夫人の中にはジェーンが話をした議会を聴講してた者もいた。
あれからまだ数か月しか経っていないのに、ジェーンが見せたカテーシーはあの時とは比べ物にならない程美しい。
夫人は急成長を見せたジェーンにただただ驚きの声を上げていた。
アリシアはそんな夫人たちの視線を感じながら、いつも通りの完璧な笑顔を見せる。
「忙しいところを来てくれて嬉しいわ。暫く会えなくなってしまうから、その前にゆっくり話をしたいと思っていたのよ」
「出立前の忙しい時にありがとう。アリシアは本当にジェーン嬢と会いたがっていたんだ。お茶会の間くらいは是非ゆっくりとして、楽しんで欲しい」
「はい。お心遣いをいただき、ありがとうございます」
ジェーンがアリシアと視線を合わせて笑顔を見せる。
その親愛に満ちた笑顔は、とても愛人から正妻へ向けるようなものではなかった。
それに初めから今も、レイヴンが熱の籠った目を向けているのはアリシアだけだ。
夫人たちは顔を見合わせ、レイヴンとジェーンの噂はやはり間違いなのだと囁き合った。
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