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3章
136 食事①
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「ん…」
「アリシア、目が覚めた?」
「レイヴン様…?」
アリシアが目を覚ますとレイヴンに抱き締められていた。いつもの様に優しい目でアリシアを見つめている。
じんわりと胸が温かくなるのを感じて、くすぐったいような気持ちになる。
アリシアは自然と浮かんでくる笑みを隠すようにレイヴンの胸に頬を寄せた。
眠りにつく前のことをぼんやりと思い出す。
街から帰ってきてすぐにレイヴンに抱かれた。
いつもと比べて随分と性急に求められたのに、愛されているのだと感じて嬉しくなった。
レイヴンに貫かれ、揺すぶられている内にわけがわからなくなってしまったけれど、レイヴンの背中に腕をまわしているとこれまでよりレイヴンに近づけたような気がした。
そしてこれまで感じたことがない程の満たされた気持ちになって意識を手放したのだ。
一日歩いていたので疲れていたのかもしれない。
「夕食がまだだったから簡単に食べられるものを用意させたんだけど、食べられるかな?」
愛し気にアリシアの髪を撫でていたレイヴンが、アリシアの旋毛にちゅっと口づけるとゆっくりと起き上がった。
部屋の灯りがレイヴンの白い肌に反射している。
レイヴンの視線を追って見れば、テーブルにクローシュが被せられたままの皿がいくつか並んでいた。
「あれは…エレノアが?」
言葉にした途端、ざわりと胸に嫌な気持ちが広がった。
あれをエレノアが用意したということは、エレノアが寝室へ入って来たということだ。
寝室で、レイヴンと顔を合わせた。
「そうだよ。エレノアはアリシアを気にしていたから……アリシア?!どうしたの?!」
テーブルを見ていたレイヴンがアリシアへ視線を移した途端慌てた声を出した。
あれほど温かかった気持ちは霧散して嫌な気持ちが広がっている。
レイヴンがこれほど慌てるのなら余程暗い顔をしているのだろう。
レイヴンもエレノアも当然のことをしただけだ。
レイヴンは侍女へ食事の支度を命じてエレノアはその命に従った。
それだけなのに。
アリシアはレイヴンへ手を伸ばすとぎゅっと抱きついた。
「アリシア?!」
レイヴンは驚きながらも抱き締め返してくれる。
アリシアはレイヴンの胸に顔を埋めたまま小さい声で呟いた。
「エレノアは、寝室へ入ってきて、……レイヴン様の肌を、見たのですか」
「っ!!」
アリシアもレイヴンも愛し合った時のまま何も着ていない。
レイヴンがずっとそのままだったのなら、寝室へ入って来たエレノアは指示を出すレイヴンの肌を見たはずだ。
それを思うと胸が灼けた。
エレノアはいつも良くしてくれる大切な侍女だ。
今日のことだってただの職務であり、エレノアは指示されたことをしただけである。
わかっているのに、嫌な気持ちを止めることが出来ない。
「ごめん、アリシア!迂闊だった…。エレノアを部屋へ入れた時はガウンを着ていたよ。だけどまったく見えなかったわけじゃない…」
「…ガウンを?」
「うん、本当にごめん。次からはちゃんと服を着る。絶対に同じことはしない。…もしアリシアの肌を侍従が見たとしたら、絶対に許せない。それが仕事でも、僕は許すことができない」
その時のことを想像したのか、レイヴンの体がぶるっと震えた。
アリシアを抱き締める腕に力がこもる。
「僕が嫌なことは、アリシアも嫌だよね。なんで気づかなかったんだろう、僕だったら絶対許せないのに…。だけど、ごめん。アリシアが、妬いてくれるのは嬉しい。アリシアが僕のこと愛してくれてるって、感じることができる。アリシアは嫌な思いしているのに、僕は今嬉しいんだ。…ごめんね」
アリシアは小さく首を振った。
そうしていると嫌な気持ちが消えていく。
レイヴンに抱き締められると安心することができる。
アリシアに抱き締められたいと願ったレイヴンは、これまで安心できずにいたのだろうか。
そう思うと申し訳ない気持ちになった。
「アリシア、目が覚めた?」
「レイヴン様…?」
アリシアが目を覚ますとレイヴンに抱き締められていた。いつもの様に優しい目でアリシアを見つめている。
じんわりと胸が温かくなるのを感じて、くすぐったいような気持ちになる。
アリシアは自然と浮かんでくる笑みを隠すようにレイヴンの胸に頬を寄せた。
眠りにつく前のことをぼんやりと思い出す。
街から帰ってきてすぐにレイヴンに抱かれた。
いつもと比べて随分と性急に求められたのに、愛されているのだと感じて嬉しくなった。
レイヴンに貫かれ、揺すぶられている内にわけがわからなくなってしまったけれど、レイヴンの背中に腕をまわしているとこれまでよりレイヴンに近づけたような気がした。
そしてこれまで感じたことがない程の満たされた気持ちになって意識を手放したのだ。
一日歩いていたので疲れていたのかもしれない。
「夕食がまだだったから簡単に食べられるものを用意させたんだけど、食べられるかな?」
愛し気にアリシアの髪を撫でていたレイヴンが、アリシアの旋毛にちゅっと口づけるとゆっくりと起き上がった。
部屋の灯りがレイヴンの白い肌に反射している。
レイヴンの視線を追って見れば、テーブルにクローシュが被せられたままの皿がいくつか並んでいた。
「あれは…エレノアが?」
言葉にした途端、ざわりと胸に嫌な気持ちが広がった。
あれをエレノアが用意したということは、エレノアが寝室へ入って来たということだ。
寝室で、レイヴンと顔を合わせた。
「そうだよ。エレノアはアリシアを気にしていたから……アリシア?!どうしたの?!」
テーブルを見ていたレイヴンがアリシアへ視線を移した途端慌てた声を出した。
あれほど温かかった気持ちは霧散して嫌な気持ちが広がっている。
レイヴンがこれほど慌てるのなら余程暗い顔をしているのだろう。
レイヴンもエレノアも当然のことをしただけだ。
レイヴンは侍女へ食事の支度を命じてエレノアはその命に従った。
それだけなのに。
アリシアはレイヴンへ手を伸ばすとぎゅっと抱きついた。
「アリシア?!」
レイヴンは驚きながらも抱き締め返してくれる。
アリシアはレイヴンの胸に顔を埋めたまま小さい声で呟いた。
「エレノアは、寝室へ入ってきて、……レイヴン様の肌を、見たのですか」
「っ!!」
アリシアもレイヴンも愛し合った時のまま何も着ていない。
レイヴンがずっとそのままだったのなら、寝室へ入って来たエレノアは指示を出すレイヴンの肌を見たはずだ。
それを思うと胸が灼けた。
エレノアはいつも良くしてくれる大切な侍女だ。
今日のことだってただの職務であり、エレノアは指示されたことをしただけである。
わかっているのに、嫌な気持ちを止めることが出来ない。
「ごめん、アリシア!迂闊だった…。エレノアを部屋へ入れた時はガウンを着ていたよ。だけどまったく見えなかったわけじゃない…」
「…ガウンを?」
「うん、本当にごめん。次からはちゃんと服を着る。絶対に同じことはしない。…もしアリシアの肌を侍従が見たとしたら、絶対に許せない。それが仕事でも、僕は許すことができない」
その時のことを想像したのか、レイヴンの体がぶるっと震えた。
アリシアを抱き締める腕に力がこもる。
「僕が嫌なことは、アリシアも嫌だよね。なんで気づかなかったんだろう、僕だったら絶対許せないのに…。だけど、ごめん。アリシアが、妬いてくれるのは嬉しい。アリシアが僕のこと愛してくれてるって、感じることができる。アリシアは嫌な思いしているのに、僕は今嬉しいんだ。…ごめんね」
アリシアは小さく首を振った。
そうしていると嫌な気持ちが消えていく。
レイヴンに抱き締められると安心することができる。
アリシアに抱き締められたいと願ったレイヴンは、これまで安心できずにいたのだろうか。
そう思うと申し訳ない気持ちになった。
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