【本編完結】幸福のかたち【R18】

朱里 麗華(reika2854)

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3章

138 食事③※微

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 テーブルにはサンドイッチと果物、保温ポットに入れた紅茶が用意されていた。
 レイヴンは紅茶をカップへ淹れてアリシアの前へ置く。
 自分の分の紅茶を淹れると少し離れたところへ座った。

 本当はアリシアと少しも離れていたくない。だけどレイヴンは欲望を無理矢理抑えつけている。
 いつもの様に膝に乗せてしまえば欲望を抑えきれなくなるのはわかっていた。
 アリシアにゆっくり食事をしてもらう為には少し離れているしかない。

 アリシアはレイヴンのそんな事情がわからないようで、食事をしながらレイヴンの顔を窺っている。
 そんな様子も可愛くて仕方ない。自然とレイヴンの頬が緩んだ。


 食事の後はまた2人でベッドへ戻った。
 ヘッドボードに凭れて座ったレイヴンは、広げた足の間にアリシアを座らせると背中からぎゅっと抱き締める。
 頬やこめかみ、首筋へと口づけていく内にアリシアの体から力が抜けていくのがわかった。

「可愛い、アリシア」

 耳元で囁くと、アリシアの頬が赤く染まる。
 それが可愛くて耳たぶを軽く食んだ。
 
 アリシアの体が小さく跳ねる。
 それがまた可愛い。

 そうしてレイヴンの悪戯はどんどん大胆になっていく。
 夜着の下から手を入れて胸に触れるとアリシアが少し笑った。

「レイヴン様は胸がお好きですね」

「え?!」

 思いがけない言葉にレイヴンは驚いた。
 アリシアがそんなことを口にするとは思わなかったのだ。

 アリシアはレイヴンが驚いたことに驚いていた。
 閨の時、いつもレイヴンはアリシアの胸を執拗に愛撫している。
 だからレイヴンは胸が好きなのだとずっと思っていたけれど、違っていたのだろうか。

「いつも、その…胸をよく、触っておられるので…」

「っ!それは……」

 レイヴンの顔が赤く染まる。

 アリシアの胸が好きかと訊かれたら、勿論好きだ。
 だけどレイヴンがアリシアの胸ばかりを舐めていたのには別の理由がある。

「……アリシアに、抱き締めて欲しかったんだ」

「え?」

「…胸をずっと触っていると、アリシアが僕の頭に腕をまわして、引き寄せてくれるから…。抱き締められているような気がして、それが嬉しかったんだ」

「っ!!」

 その言葉が事実なら、レイヴンはほとんど初めの時からアリシアに抱き締められたいと思っていたということだ。
 アリシアからレイヴンに触れても良いのかわからないなら、初夜の時に確認すれば良かったのだ。

「…今まで、申し訳ありませんでした」
 
 アリシアは初夜の時にレイヴンに触れて良いのかわからなかったこと、許可が出るまで触れない方が良いと思ったことを話した。
 レイヴンからの許可が出ることなく回数が重なる内に、いつの間にかそれが当然のことになっていたのだ。

 話を聞いたレイヴンは愕然とした。
 許可を求められていたなんて、レイヴンは考えたことがなかったのだ。
 ただ義務として抱かれるアリシアが抱き締めてくれなくても仕方がないと諦めていた。

「もっと早くに言えば良かった…」

 そうしたら、アリシアは抱き締めてくれたのだ。



「…もう1つ、お願いしたいことがあるんだ」

 レイヴンにはもう1つ、仕方がないと諦めていたことがあった。
 だけどもう諦めていたくない。

「…嫌なら嫌って言って良いんだ。だから、口を塞がないで欲しい。『嫌だ』ってちゃんと聞かせて」
 
「っ!!」
 
 

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