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第2部 4章
13 団欒①
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その頃アリシアは庭園の東屋で母たちとの和やかな時を過ごしていた。
サラとルーファスはアリシアが物心ついた時には既に婚約していた。
ルーファスとはロバート程親しくないとはいえ、親族として何度も顔を合わせている。その時にはいつもサラと一緒だったので、サラのことも従姉と同じ様に思っている。
ここにいるのはアリシアにとって気心の知れた身内だけだ。
レイヴンがアリシアの為に花を入れ替えた庭園は、季節の移り変わりと共にその様相を変えていた。
それでもその素晴らしさに変わりはない。
庭園に足を踏み入れたオレリアたちは感嘆の声を上げていた。
アリシアたちがいる東屋は庭園の中ほどにある。
夏場は暑さを凌ぐ工夫がされていた東屋も、秋の今はそよぐ風が気持ち良い。
特に今日は良く晴れているものの暑すぎず、寒いわけでもない。外でお茶を飲むには良い気温である。
そよぐ風を感じながらアリシアたちは互いの近況報告に花を咲かせていた。
中でもアシュリーたちが興味を示しているのがレイヴンとアリシアの仲である。
「アリシア様の為にこんなに美しい庭園を造られるなんて、殿下は本当にアリシア様を愛しておられるのですね」
感心したようなサラの言葉にアリシアは薄っすらと頬を染めた。
それを見たアシュリーが、「まあ、お可愛らしい」と弾んだ声を上げる。
女性同士の会話は華やかで賑やかだ。
領地にいたサラの元にも最近レイヴンがアリシアを寵愛している噂は届いていた。
だけど長年表面的な関係だった2人を見ていたサラは、噂をほとんど信じていなかった。同時にジェーンがレイヴンの愛人だとか、ジェーンを公妾にするとか言われていたので猶更である。
だけど昨日、サラとアシュリーは広場でレイヴンとアリシアを見ていた。
スピーチをするジェーンの姿に堪えきれず涙を流すアリシアを、レイヴンがそっと抱き寄せていた。
その後も舞踏会で2人が仲睦まじく寄り添うところを見ていたサラは、噂は本当なのかと驚いていた。
それがアリシアのこの様子では間違いないだろう。
サラは幸せそうな従妹の姿に頬を緩めた。
オレリアも幸せそうな娘の姿に目を細めていた。
婚姻前の2人の仲はオレリアの目から見ても冷めきっていて、アリシアを案じる使用人から、「結婚は止めた方が良いのでは」という声も出ていたのだ。
特にアリシア付きの侍女だったマリアンは、今もレイヴンを毛嫌いしている。
ジェーンが王宮で保護されたあの日、帰宅したオレリアはレオナルドからレイヴンの気持ちを聞かされた。レイヴンは昔からアリシアを想っているというのだ。
初めは半信半疑だったオレリアも、処罰の日に明かされたドレスやいちご、そして庭園の話で何とか信じることができた。
そうでなければその後流れたレイヴンとジェーンの噂に耐えられなかっただろう。大切に思っているはずのジェーンを憎んだかもしれない。
それを思えばレイヴンとアリシアを仲違いさせようと企んだ貴族たちの狙いは正解だったのだ。
本当に2人が世間で思われていたような関係であれば、拗れていたに違いない。
「幸せなのね?」
オレリアに訊かれたアリシアは、恥ずかしそうに笑いながら頷いた。
それはオレリアが良く知っている、昔ながらの笑顔だった。
サラとルーファスはアリシアが物心ついた時には既に婚約していた。
ルーファスとはロバート程親しくないとはいえ、親族として何度も顔を合わせている。その時にはいつもサラと一緒だったので、サラのことも従姉と同じ様に思っている。
ここにいるのはアリシアにとって気心の知れた身内だけだ。
レイヴンがアリシアの為に花を入れ替えた庭園は、季節の移り変わりと共にその様相を変えていた。
それでもその素晴らしさに変わりはない。
庭園に足を踏み入れたオレリアたちは感嘆の声を上げていた。
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夏場は暑さを凌ぐ工夫がされていた東屋も、秋の今はそよぐ風が気持ち良い。
特に今日は良く晴れているものの暑すぎず、寒いわけでもない。外でお茶を飲むには良い気温である。
そよぐ風を感じながらアリシアたちは互いの近況報告に花を咲かせていた。
中でもアシュリーたちが興味を示しているのがレイヴンとアリシアの仲である。
「アリシア様の為にこんなに美しい庭園を造られるなんて、殿下は本当にアリシア様を愛しておられるのですね」
感心したようなサラの言葉にアリシアは薄っすらと頬を染めた。
それを見たアシュリーが、「まあ、お可愛らしい」と弾んだ声を上げる。
女性同士の会話は華やかで賑やかだ。
領地にいたサラの元にも最近レイヴンがアリシアを寵愛している噂は届いていた。
だけど長年表面的な関係だった2人を見ていたサラは、噂をほとんど信じていなかった。同時にジェーンがレイヴンの愛人だとか、ジェーンを公妾にするとか言われていたので猶更である。
だけど昨日、サラとアシュリーは広場でレイヴンとアリシアを見ていた。
スピーチをするジェーンの姿に堪えきれず涙を流すアリシアを、レイヴンがそっと抱き寄せていた。
その後も舞踏会で2人が仲睦まじく寄り添うところを見ていたサラは、噂は本当なのかと驚いていた。
それがアリシアのこの様子では間違いないだろう。
サラは幸せそうな従妹の姿に頬を緩めた。
オレリアも幸せそうな娘の姿に目を細めていた。
婚姻前の2人の仲はオレリアの目から見ても冷めきっていて、アリシアを案じる使用人から、「結婚は止めた方が良いのでは」という声も出ていたのだ。
特にアリシア付きの侍女だったマリアンは、今もレイヴンを毛嫌いしている。
ジェーンが王宮で保護されたあの日、帰宅したオレリアはレオナルドからレイヴンの気持ちを聞かされた。レイヴンは昔からアリシアを想っているというのだ。
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そうでなければその後流れたレイヴンとジェーンの噂に耐えられなかっただろう。大切に思っているはずのジェーンを憎んだかもしれない。
それを思えばレイヴンとアリシアを仲違いさせようと企んだ貴族たちの狙いは正解だったのだ。
本当に2人が世間で思われていたような関係であれば、拗れていたに違いない。
「幸せなのね?」
オレリアに訊かれたアリシアは、恥ずかしそうに笑いながら頷いた。
それはオレリアが良く知っている、昔ながらの笑顔だった。
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