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第2部 4章
45 収穫②
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「アンジュ様というと…、キャンベル侯爵夫人でしょうか」
…
「そんな!妃殿下とキャンベル侯爵夫人を同じように考えるなんて!!」
「本当に、なんて無礼なのでしょう!!」
ドナとジーナは信じられらないといった様相だ。
彼女たちがアンジュと直接関わることなどなかったはずだが、ジェーンと知り合う内に嫌悪感を募らせていたようだ。これにはエレノアも不快そうに顔を歪めている。
アンナは更に身を縮こませた。
アンナはアンジュを知らないだろうが、良い話でないことは伝わったようだ。
「まあ、イメージなのだから仕方ないわよね」
アリシアは苦笑する。
受け入れる側のことを考えていなかったのはアリシアの落ち度だ。
慣例を破ってついてくるアリシアを皆が警戒するのは仕方がない。
国賓を招いた晩餐へ、王妃の代わりに出席したいと強請った側妃もいた。
その側妃は今、幽閉されている。
レイヴンはこうなることがわかっていたのだろう。
アリシアが無理矢理ついて来たという思い込みを払拭する為に、城に着いた時からアリシアを女主人として立てるよう言い渡し、寵愛を示してみせた。アリシアが今日、時間通りに起きられるよう気にしていたのもその為だ。
いくらレイヴンがアリシアを大切にしていても、アリシアが昼まで寝ていたのでは悪いイメージを覆せない。
そしてマルグリットもこうなることを予測していた。
マルグリットが選んでくれたドレスは、王族としての気品を保ちながら地方でも受け入れられやすい落ち着きがある。きっとアリシアがいつも王宮で着ているようなドレスであれば、贅沢で高慢な女だと言われていただろう。
「マルグリット様に感謝しないといけないわね」
「王妃殿下、ですか……?」
…
アンナも当然王妃であるマルグリットは知っている。
なぜここでマルグリットの名前が出てくるのか、アリシアの顔を窺っていた。
「このドレスはマルグリット様が一緒に選んで下さったのよ」
「っ!!」
アンナが息を飲んだ。
アニーはアリシアに無礼を働いただけではなく、マルグリットを侮辱したことにもなるのだ。
「も、申し訳ありません……」
「だからもう謝らなくても良いわよ」
今のところこれ以上の罰を誰かに与えるつもりはない。アリシアはここの使用人を一掃する為に来たわけではないのだ。
メトワの使用人にも領民にも女主人として認めて欲しい。
その為には皆の考えがわかっただけで収穫である。
レイヴン様と親密なところを見せながら、生活はきちんとすること、ね。
親密な様子を見せるのは普段通りに過ごしていれば十分である。
きちんとした生活も、レイヴンが協力してくれるのなら問題はない。決められた時間に起きられないのは、レイヴンに抱き潰された時だけなのだから。
アリシアのドレスをマルグリットが一緒に選んだことは、アンナが広めてくれるだろう。
それは意地悪や噂話としてではなく、アニーのようにドレスを侮辱する者を出さない為だ。
彼らにとっては衝撃的な事実だろう。
傲慢で我儘、愛人と変わらないと嘲ていた妃が、王妃に認められているのだ。
マルグリットもレイヴンも十分に協力してくれている。あとはアリシアが自分で信頼を勝ち取るしかない。
レイヴンの正妃として、そしてこのメトワの女主人として相応しいと認められること。
それはアリシアがずっと取り組んできたことでもある。
アリシアはこちらを窺うアンナににっこり笑ってみせた。
王太子妃としての完璧な笑顔だった。
…
「そんな!妃殿下とキャンベル侯爵夫人を同じように考えるなんて!!」
「本当に、なんて無礼なのでしょう!!」
ドナとジーナは信じられらないといった様相だ。
彼女たちがアンジュと直接関わることなどなかったはずだが、ジェーンと知り合う内に嫌悪感を募らせていたようだ。これにはエレノアも不快そうに顔を歪めている。
アンナは更に身を縮こませた。
アンナはアンジュを知らないだろうが、良い話でないことは伝わったようだ。
「まあ、イメージなのだから仕方ないわよね」
アリシアは苦笑する。
受け入れる側のことを考えていなかったのはアリシアの落ち度だ。
慣例を破ってついてくるアリシアを皆が警戒するのは仕方がない。
国賓を招いた晩餐へ、王妃の代わりに出席したいと強請った側妃もいた。
その側妃は今、幽閉されている。
レイヴンはこうなることがわかっていたのだろう。
アリシアが無理矢理ついて来たという思い込みを払拭する為に、城に着いた時からアリシアを女主人として立てるよう言い渡し、寵愛を示してみせた。アリシアが今日、時間通りに起きられるよう気にしていたのもその為だ。
いくらレイヴンがアリシアを大切にしていても、アリシアが昼まで寝ていたのでは悪いイメージを覆せない。
そしてマルグリットもこうなることを予測していた。
マルグリットが選んでくれたドレスは、王族としての気品を保ちながら地方でも受け入れられやすい落ち着きがある。きっとアリシアがいつも王宮で着ているようなドレスであれば、贅沢で高慢な女だと言われていただろう。
「マルグリット様に感謝しないといけないわね」
「王妃殿下、ですか……?」
…
アンナも当然王妃であるマルグリットは知っている。
なぜここでマルグリットの名前が出てくるのか、アリシアの顔を窺っていた。
「このドレスはマルグリット様が一緒に選んで下さったのよ」
「っ!!」
アンナが息を飲んだ。
アニーはアリシアに無礼を働いただけではなく、マルグリットを侮辱したことにもなるのだ。
「も、申し訳ありません……」
「だからもう謝らなくても良いわよ」
今のところこれ以上の罰を誰かに与えるつもりはない。アリシアはここの使用人を一掃する為に来たわけではないのだ。
メトワの使用人にも領民にも女主人として認めて欲しい。
その為には皆の考えがわかっただけで収穫である。
レイヴン様と親密なところを見せながら、生活はきちんとすること、ね。
親密な様子を見せるのは普段通りに過ごしていれば十分である。
きちんとした生活も、レイヴンが協力してくれるのなら問題はない。決められた時間に起きられないのは、レイヴンに抱き潰された時だけなのだから。
アリシアのドレスをマルグリットが一緒に選んだことは、アンナが広めてくれるだろう。
それは意地悪や噂話としてではなく、アニーのようにドレスを侮辱する者を出さない為だ。
彼らにとっては衝撃的な事実だろう。
傲慢で我儘、愛人と変わらないと嘲ていた妃が、王妃に認められているのだ。
マルグリットもレイヴンも十分に協力してくれている。あとはアリシアが自分で信頼を勝ち取るしかない。
レイヴンの正妃として、そしてこのメトワの女主人として相応しいと認められること。
それはアリシアがずっと取り組んできたことでもある。
アリシアはこちらを窺うアンナににっこり笑ってみせた。
王太子妃としての完璧な笑顔だった。
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