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第2部 4章
52 応接間での交流①
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それからもこちらを探る様な会話が度々あった。
そうしている内にわかってくることがある。
探られているのは、まず何よりレイヴンとの関係。そしてここまでついて来た理由と、アリシアの人となり……だろうか。
メトワの領民であり、アナトリアの国民である彼らがアリシアの人となりを探るのは当然のことだ。
いずれ王妃となるアリシアがどんな人物なのか、中央から離れた彼らが直接確認できる数少ないチャンスである。
そしてこれはアリシアにとっても好機だった。
城の使用人たちとの関りやこれまでの会話の中で、メトワの人たちに良いイメージを持たれていないことは良く理解できた。それはきっと領民も同じことで、なぜ突然現れたのか訝しく思っているのだろう。
ここにいる彼らは、領民と直接関わり合って生活している。
彼らの持つ、アリシアのイメージを覆すことがことができたら。
彼らの口から領民へ、アリシアのイメージを良い方へ変えるような話をしてくれるかもしれない。
晩餐が終わると応接間へ移動した。
通常の晩餐会であればここで男女別れて交流を図るものだが、そうしてしまうと別のテーブルにいた家族たちはレイヴンやアリシアと交流ができなくなってしまう。
レイヴンの愛妾になりたいとは望まなくても、一度くらいは王太子殿下と話してみたいと望む女性は多くいるはずだ。
また、そもそもこれまでは王太子妃の参加がなかった。
女主人となる立場の者がいなかった為、去年までは晩餐が終わった後も男女別れることなく交流をしていたという。
そうした事情もあって今回も全員で交流することになっていた。
レイヴンにエスコートされて応接間へ入ると、中ほどにある二人掛けのソファに座った。
何人もの人が声を掛けに来るけれど、レイヴンはここを離れるつもりがないらしい。
レイヴンに群がっているのはやはり若い女性たちだ。
恥じらいながら、ひと言ふた言話して去っていく少女もいれば、他の女性を押しのけて前に出ようとする女性もいる。
そうした女性の多くがアンジュやエミリーのようなドレスを着ていた。
私もこんな女性だと思われていたのね。
アリシアは内心で苦笑する。
イブニングドレスといえば聞こえが良いが、原色の生地に派手な大柄のドレスは胸元が大きく開いていて、胸が今にも零れ落ちそうだ。マーメイドラインのドレスに大きくスリットが入っている女性もいる。
彼女たちは甘い声を出しながら、なんとかレイヴンに触れようと手を伸ばす。
だけどレイヴンは気づかない振りをしてさり気なく避けていた。
彼女たちが大胆に動けないのは隣にアリシアが座っているからだ。レイヴンが手を避ける度にアリシアが睨まれる。
常識的な両親であればここで娘を止めるものだ。
いくら気安い会話が許されていても限度がある。
さり気なく両親の姿を探してみると、平民出身の夫人なのだろう。レイヴンが娘の手を避ける度に顔を顰めている。また夫人同士でも牽制し合うように睨み合っていた。
本当にアンジュとエミリーが何人もいるみたいだわ。
アリシアは表情を変えないまま、すっかり呆れていた。
しばらくして次の人に譲るよう促された彼女たちは、忌々し気にアリシアを睨みながら去っていった。
アリシアは人に敵意を向けられることに慣れている。
どれほど睨まれても恐ろしいと思うことはない。
ただ去年までの視察では、レイヴンの隣の席が空いていた。
そこに彼女たちのような女性が座り、腕に胸を押し付けていたのだろうか――。
そうしている内にわかってくることがある。
探られているのは、まず何よりレイヴンとの関係。そしてここまでついて来た理由と、アリシアの人となり……だろうか。
メトワの領民であり、アナトリアの国民である彼らがアリシアの人となりを探るのは当然のことだ。
いずれ王妃となるアリシアがどんな人物なのか、中央から離れた彼らが直接確認できる数少ないチャンスである。
そしてこれはアリシアにとっても好機だった。
城の使用人たちとの関りやこれまでの会話の中で、メトワの人たちに良いイメージを持たれていないことは良く理解できた。それはきっと領民も同じことで、なぜ突然現れたのか訝しく思っているのだろう。
ここにいる彼らは、領民と直接関わり合って生活している。
彼らの持つ、アリシアのイメージを覆すことがことができたら。
彼らの口から領民へ、アリシアのイメージを良い方へ変えるような話をしてくれるかもしれない。
晩餐が終わると応接間へ移動した。
通常の晩餐会であればここで男女別れて交流を図るものだが、そうしてしまうと別のテーブルにいた家族たちはレイヴンやアリシアと交流ができなくなってしまう。
レイヴンの愛妾になりたいとは望まなくても、一度くらいは王太子殿下と話してみたいと望む女性は多くいるはずだ。
また、そもそもこれまでは王太子妃の参加がなかった。
女主人となる立場の者がいなかった為、去年までは晩餐が終わった後も男女別れることなく交流をしていたという。
そうした事情もあって今回も全員で交流することになっていた。
レイヴンにエスコートされて応接間へ入ると、中ほどにある二人掛けのソファに座った。
何人もの人が声を掛けに来るけれど、レイヴンはここを離れるつもりがないらしい。
レイヴンに群がっているのはやはり若い女性たちだ。
恥じらいながら、ひと言ふた言話して去っていく少女もいれば、他の女性を押しのけて前に出ようとする女性もいる。
そうした女性の多くがアンジュやエミリーのようなドレスを着ていた。
私もこんな女性だと思われていたのね。
アリシアは内心で苦笑する。
イブニングドレスといえば聞こえが良いが、原色の生地に派手な大柄のドレスは胸元が大きく開いていて、胸が今にも零れ落ちそうだ。マーメイドラインのドレスに大きくスリットが入っている女性もいる。
彼女たちは甘い声を出しながら、なんとかレイヴンに触れようと手を伸ばす。
だけどレイヴンは気づかない振りをしてさり気なく避けていた。
彼女たちが大胆に動けないのは隣にアリシアが座っているからだ。レイヴンが手を避ける度にアリシアが睨まれる。
常識的な両親であればここで娘を止めるものだ。
いくら気安い会話が許されていても限度がある。
さり気なく両親の姿を探してみると、平民出身の夫人なのだろう。レイヴンが娘の手を避ける度に顔を顰めている。また夫人同士でも牽制し合うように睨み合っていた。
本当にアンジュとエミリーが何人もいるみたいだわ。
アリシアは表情を変えないまま、すっかり呆れていた。
しばらくして次の人に譲るよう促された彼女たちは、忌々し気にアリシアを睨みながら去っていった。
アリシアは人に敵意を向けられることに慣れている。
どれほど睨まれても恐ろしいと思うことはない。
ただ去年までの視察では、レイヴンの隣の席が空いていた。
そこに彼女たちのような女性が座り、腕に胸を押し付けていたのだろうか――。
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