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第2部 5章
4 あれから1年①
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調度品を一通り見せてもらった後は、カナリーの部屋でお茶を飲むことになった。
休憩時間が終わるレイヴンは、名残惜しそうにしながらも執務室へ戻っている。アリシアはカナリーと2人だけで向かい合っていた。
カナリーは先程のレイヴンとアリシアの様子を見ても何も言わない。
ただ、もし何があったのかと訊かれても、事実としてあるのは「夢を見た」だけである。とても答えようがない。
だからカナリーが何も訊かずにいてくれることがとても有難かった。
カナリーがお茶に誘ってくれたのは、沈んだ様子のアリシアを見て、気晴らしになればと思ってくれたのだろう。
「それで、ノティス殿下は最近どんなご様子ですの?」
「そうですね。学園にも慣れて来たようですわ。ただやはり人が多い場所ですから、気疲れすることもあるようです。それでも1日も休まず通っていますから、今のところ十分だと思っています」
カナリーが学園を卒業したのと入れ替わりにノティスが入学している。
これまでも何度か様子を聞いているが、舞踏会でレイヴンやアリシアと親しく話していたのが功を奏したようで、入学前に心配されていたような、誰にも話し掛けられずにぽつんとしているような状況は回避されているらしい。まだ遠巻きに見ている者も多いようだが、友人と呼べる存在もできたようだ。
ノティスは人との関り方に不安を抱えているので多くの学友と一度に接するのは疲れるらしいが、それは徐々に慣れていくしかないだろう。
それでもノティスは懸命に努力している。
以前レイヴンは、ノティスが学園に通うのは人付き合いに慣れる為で成績は二の次だと言っていた。
だけどノティスは真剣に授業を受け、課題にも必死で取り組んでいる。2学年になったジェイがよく手助けしているようだ。正殿の応接間で、一緒に課題に取り組む2人の姿を度々見かけていた。
「ジェーン様からの文が良い刺激になっているようです。ジェーン様に恥ずかしい姿を見せずに済むよう、必死なのですわ」
「まあ。それは良かったこと」
アリシアとカナリーは顔を見合わせて笑い合う。
ジェーンの存在がノティスに良い影響を与えているなら、それは喜ばしいことだ。
アリシアがジェーンと文のやり取りをしているように、ノティスもジェーンと文のやり取りをしている。
文を読む限り、ジェーンは充実した毎日を過ごしているようだ。
積極的に外交に取り組みながら、休みの日には街の散策をしたり美術館へ通ったりして観光を楽しんでいる。あちらで友人もできたようで、年末年始休暇には友人の邸へ招かれていた。
文に綴られるそのすべてがきらきら輝いているようで少し羨ましい。
だけどそれはジェーンが必死に努力をして掴み取ったものだ。研修だけではなく厳しい補講を受けることで、人が憧れるような美しい作法や立ち居振る舞いを身につけた結果である。
一緒に補講を受けていたノティスはそれを良く理解していた。
そしてそんなジェーンに負けないよう必死に努力しているのだ。
休憩時間が終わるレイヴンは、名残惜しそうにしながらも執務室へ戻っている。アリシアはカナリーと2人だけで向かい合っていた。
カナリーは先程のレイヴンとアリシアの様子を見ても何も言わない。
ただ、もし何があったのかと訊かれても、事実としてあるのは「夢を見た」だけである。とても答えようがない。
だからカナリーが何も訊かずにいてくれることがとても有難かった。
カナリーがお茶に誘ってくれたのは、沈んだ様子のアリシアを見て、気晴らしになればと思ってくれたのだろう。
「それで、ノティス殿下は最近どんなご様子ですの?」
「そうですね。学園にも慣れて来たようですわ。ただやはり人が多い場所ですから、気疲れすることもあるようです。それでも1日も休まず通っていますから、今のところ十分だと思っています」
カナリーが学園を卒業したのと入れ替わりにノティスが入学している。
これまでも何度か様子を聞いているが、舞踏会でレイヴンやアリシアと親しく話していたのが功を奏したようで、入学前に心配されていたような、誰にも話し掛けられずにぽつんとしているような状況は回避されているらしい。まだ遠巻きに見ている者も多いようだが、友人と呼べる存在もできたようだ。
ノティスは人との関り方に不安を抱えているので多くの学友と一度に接するのは疲れるらしいが、それは徐々に慣れていくしかないだろう。
それでもノティスは懸命に努力している。
以前レイヴンは、ノティスが学園に通うのは人付き合いに慣れる為で成績は二の次だと言っていた。
だけどノティスは真剣に授業を受け、課題にも必死で取り組んでいる。2学年になったジェイがよく手助けしているようだ。正殿の応接間で、一緒に課題に取り組む2人の姿を度々見かけていた。
「ジェーン様からの文が良い刺激になっているようです。ジェーン様に恥ずかしい姿を見せずに済むよう、必死なのですわ」
「まあ。それは良かったこと」
アリシアとカナリーは顔を見合わせて笑い合う。
ジェーンの存在がノティスに良い影響を与えているなら、それは喜ばしいことだ。
アリシアがジェーンと文のやり取りをしているように、ノティスもジェーンと文のやり取りをしている。
文を読む限り、ジェーンは充実した毎日を過ごしているようだ。
積極的に外交に取り組みながら、休みの日には街の散策をしたり美術館へ通ったりして観光を楽しんでいる。あちらで友人もできたようで、年末年始休暇には友人の邸へ招かれていた。
文に綴られるそのすべてがきらきら輝いているようで少し羨ましい。
だけどそれはジェーンが必死に努力をして掴み取ったものだ。研修だけではなく厳しい補講を受けることで、人が憧れるような美しい作法や立ち居振る舞いを身につけた結果である。
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そしてそんなジェーンに負けないよう必死に努力しているのだ。
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