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第2部 5章
21 婚約挨拶⑤
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学園での心無い中傷を経験しているのはアリシアも同じである。
レオナルドの婚約者がこれだけ妬まれるのだ。王太子の婚約者が妬まれないはずがない。
彼女たちは相手を攻撃できる粗を探している。そしてアリシアには攻撃されやすいネタがあった。
学生時代、レイヴンはジェーンを想っていると言われていた。
その話は有名で、当事者たちが卒業した今も残っている。ディアナも最近まで信じていた。それだけ信憑性の高い話だったのだ。
当時アリシアがどれだけのことを言われていたのか、容易に想像することができる。
アリシアは同じ様な経験をした。
だからディアナを気遣ってくれたのだろう。
「確かに色々仰る方はいます。ですが皆さま、誰がレオナルド様の婚約者になろうと気に入らないのではないでしょうか。レオナルド様はそれだけ素敵な方ですから」
「まあ」
アリシアがぽかんとした顔をする。
レオナルドとレイヴンも目を見開いてディアナを見つめていた。
その顔を見ていると可笑しくなってくる。
これまでレオナルドがこんなに分かり易く感情を見せたことはなかった。
実はこの言葉を言ったのはカナリーである。
カナリーは正式な発表前から2人の婚約を知っていた。
そして卒業までの数か月間、1年生のディアナを良く訪ねてきてくれたのだ。
カナリーとは壮行会のスピーチを一緒に聴きに行っている。
あの頃は、まだディアナが婚約者に決まったわけではなかった。だから余計な憶測を生まない為にも人目につかないよう気をつけていた。だけど正式な婚約者になってからは、王家との繋がりを見せることで煩い周りを牽制しようとしていたのだ。
カナリーとはあまり長い時間を一緒に過ごせたわけではない。
それでも顔を合わせた時は、勉強を見てくれることもあった。下心を持って近づいてくる者たちの見分け方やかわし方を教えてくれることもあった。
その中で言われたのがこの言葉である。
カナリーはディアナが中傷に晒されていることを知っていた。
そしてそれが避けては通れないものだと知っていたのだ。
「あなたは今、沢山の方の悪意に晒されて辛いでしょうね。自分が駄目な人間だと感じることも、あるかもしれないわ。でもね、彼女たちは誰がレオナルド殿の婚約者に選ばれても気に入らないの。認めたくないのよ。それだけレオナルド殿が素敵な方だからよ」
「レオナルド様が素敵な方だから……?」
ぽかんとするディアナにカナリーは不敵に笑う。
王女らしい、自信に満ちた笑顔だった。
「ねえ?そう考えると気楽じゃない?彼女たちはあなた以外の、どんな素敵な令嬢だって気に入らないのよ。だから何を言われたって気にすることないわ」
それを聞いた時、すとんと気持ちが楽になった。
彼女たちはディアナが不出来だから気に入らないんじゃない。誰であっても気に入らないのだ。
そんな人たちの言葉を真に受けて気にしていても仕方がないと思えた。
「あなたはそんな素敵なレオナルド殿に選ばれたのよ。自信を持ちなさい」
「はい。そう致します」
この時、ディアナは本当の意味でオレリアの言葉を受け入れられたのかもしれない。
公爵家とレオナルドに相応しいかどうか、決めるのは公爵家の人たちだ。周りではない。
そして今日も確信することができた。
公爵家ではオレリアもレオナルドも良くしてくれている。あまり顔を合わせることはないが、アダムも顔を合わせた時は優しく接してくれている。
アリシアやレイヴン、カナリーも気遣ってくれている。
レオナルドの婚約者として認めてくれているのだ。
レオナルドの婚約者がこれだけ妬まれるのだ。王太子の婚約者が妬まれないはずがない。
彼女たちは相手を攻撃できる粗を探している。そしてアリシアには攻撃されやすいネタがあった。
学生時代、レイヴンはジェーンを想っていると言われていた。
その話は有名で、当事者たちが卒業した今も残っている。ディアナも最近まで信じていた。それだけ信憑性の高い話だったのだ。
当時アリシアがどれだけのことを言われていたのか、容易に想像することができる。
アリシアは同じ様な経験をした。
だからディアナを気遣ってくれたのだろう。
「確かに色々仰る方はいます。ですが皆さま、誰がレオナルド様の婚約者になろうと気に入らないのではないでしょうか。レオナルド様はそれだけ素敵な方ですから」
「まあ」
アリシアがぽかんとした顔をする。
レオナルドとレイヴンも目を見開いてディアナを見つめていた。
その顔を見ていると可笑しくなってくる。
これまでレオナルドがこんなに分かり易く感情を見せたことはなかった。
実はこの言葉を言ったのはカナリーである。
カナリーは正式な発表前から2人の婚約を知っていた。
そして卒業までの数か月間、1年生のディアナを良く訪ねてきてくれたのだ。
カナリーとは壮行会のスピーチを一緒に聴きに行っている。
あの頃は、まだディアナが婚約者に決まったわけではなかった。だから余計な憶測を生まない為にも人目につかないよう気をつけていた。だけど正式な婚約者になってからは、王家との繋がりを見せることで煩い周りを牽制しようとしていたのだ。
カナリーとはあまり長い時間を一緒に過ごせたわけではない。
それでも顔を合わせた時は、勉強を見てくれることもあった。下心を持って近づいてくる者たちの見分け方やかわし方を教えてくれることもあった。
その中で言われたのがこの言葉である。
カナリーはディアナが中傷に晒されていることを知っていた。
そしてそれが避けては通れないものだと知っていたのだ。
「あなたは今、沢山の方の悪意に晒されて辛いでしょうね。自分が駄目な人間だと感じることも、あるかもしれないわ。でもね、彼女たちは誰がレオナルド殿の婚約者に選ばれても気に入らないの。認めたくないのよ。それだけレオナルド殿が素敵な方だからよ」
「レオナルド様が素敵な方だから……?」
ぽかんとするディアナにカナリーは不敵に笑う。
王女らしい、自信に満ちた笑顔だった。
「ねえ?そう考えると気楽じゃない?彼女たちはあなた以外の、どんな素敵な令嬢だって気に入らないのよ。だから何を言われたって気にすることないわ」
それを聞いた時、すとんと気持ちが楽になった。
彼女たちはディアナが不出来だから気に入らないんじゃない。誰であっても気に入らないのだ。
そんな人たちの言葉を真に受けて気にしていても仕方がないと思えた。
「あなたはそんな素敵なレオナルド殿に選ばれたのよ。自信を持ちなさい」
「はい。そう致します」
この時、ディアナは本当の意味でオレリアの言葉を受け入れられたのかもしれない。
公爵家とレオナルドに相応しいかどうか、決めるのは公爵家の人たちだ。周りではない。
そして今日も確信することができた。
公爵家ではオレリアもレオナルドも良くしてくれている。あまり顔を合わせることはないが、アダムも顔を合わせた時は優しく接してくれている。
アリシアやレイヴン、カナリーも気遣ってくれている。
レオナルドの婚約者として認めてくれているのだ。
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