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番外編2
休日 1
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翌日レイヴンとアリシアは、アリシアの部屋でクロウを待っていた。
最近子どもたちと過ごす時は子ども部屋へ行くようにしていた。だけど子ども部屋にはマーレットもいる。
クロウの気持ちを落ち着かせる為に、思い切って今日は3人だけで過ごすことにしてみたのだ。マーレットのところへはマルグリットに来てもらうよう朝早いうちに文を送って頼んでいる。
「かあちゃあ!」
クロウはアリシアに気づいた途端喜んで声を上げた。
ルクセンヌ伯爵夫人が床へ下ろすと、とてとてと走ってくる。アリシアが抱き上げ膝へ乗せると、アリシアにぎゅっと抱き着いた。
「まあ、クロウ。甘えん坊さんね」
アリシアが優しく話し掛ける。
クロウはここにマーレットがいないことをわかっているだろう。
マーレットが生まれるまで執務前や夕食後の時間に両親と過ごした部屋だと気づいたかもしれない。
今ならアリシアを独占できると全力で甘えているのだ。
「クロウ?父様にも顔を見せて?」
レイヴンがオロオロしながらクロウに話し掛ける。
クロウはアリシアに笑顔で駆け寄って来たけれど、レイヴンの方は一度も見ていないのだ。
レイヴンが呼びかけてもアリシアにぎゅっと抱き着き、胸に顔を押し付けている。
「……クロウ?お父様にお顔を見せてあげて?」
アリシアは驚いていた。
最近クロウはアリシアの後ばかりを追いかけて、レイヴンが抱き締めても嫌がって泣くと聞いていた。
だけどこれ程はっきりと拒否するとは思っていなかったのだ。
アリシアが優しく言い聞かせても、クロウは「いやいや」と首を振っている。
「……お父様も、クロウと一緒に過ごせるって楽しみにしていたのよ?」
まずはクロウの気持ちを落ち着かせなければならない。
そう思ったアリシアは、クロウの背中を撫でながら優しく囁いた。つむじにちゅっと口づける。
アリシアの胸に顔を押し付けたままじっとしていたクロウだったが、しばらくすると小さな声で話し出した。
「とおちゃはマーットがかぁいぃって。マーットがしゅきなの」
「そんな!クロウだって可愛いし、大好きだよ!!」
「そうよ、クロウ。お父様はクロウもマーレットも大好きなの。2人とも可愛いと思ってるわ」
「……おんと?」
その時初めてクロウが顔を上げてレイヴンを見た。
その顔は不安気で目元に涙が浮かんでいる。
レイヴンは胸をぎゅっと掴まれたような気がした。
こんな小さな息子を、こんなに不安にさせていたのだ。
「本当だよ、クロウ!父様はクロウが大好きだよ!淋しい思いをさせてごめんね」
「ふぇ…っうあぁーーん」
頬を撫でるとクロウが声を上げて泣き出す。
レイヴンはアリシアごとクロウを抱き締めた。クロウもレイヴンに抱き着いてくる。
気がつけばアリシアとレイヴンの目にも涙が浮かんでいた。
そのままクロウが泣き止むまで、3人で抱き合っていた。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
とっても久しぶりになってしまいました…。。。
今6章のアリシアがアシェントへ行った辺りの改訂作業をしているのですが、あれを読むと、クロウを母様大好きっ子にしてやろう!って思います…(/_;)
ちょっと甘えっ子くらいで丁度良い!!
以下宣伝です。
新作「影の王宮」を始めています。
※元サヤ・ざまあなし・シリアス・子どもに関するセンシティブな表現あり、です。
試行錯誤しながら書いているので更新ペースはゆっくりなのですが、よろしければ覗いてみてください<(_ _)>
この話を書きたい!と思いついたのは、「幸福のかたち」の3章でカナリーが初めてアリシアの部屋を訪ねて来る話を書いていた時でした。
だから全然関係ないのですが、もし6章の前半でレイヴンが側妃を娶る選択をしていたらこうなってたかも…なんて思いながら書いています。
まあレイヴンとカール(「影の王宮」の国王)では性格が全然違うんですけどね…。
ただヤンデレ気質なところは一緒(^-^;
最近子どもたちと過ごす時は子ども部屋へ行くようにしていた。だけど子ども部屋にはマーレットもいる。
クロウの気持ちを落ち着かせる為に、思い切って今日は3人だけで過ごすことにしてみたのだ。マーレットのところへはマルグリットに来てもらうよう朝早いうちに文を送って頼んでいる。
「かあちゃあ!」
クロウはアリシアに気づいた途端喜んで声を上げた。
ルクセンヌ伯爵夫人が床へ下ろすと、とてとてと走ってくる。アリシアが抱き上げ膝へ乗せると、アリシアにぎゅっと抱き着いた。
「まあ、クロウ。甘えん坊さんね」
アリシアが優しく話し掛ける。
クロウはここにマーレットがいないことをわかっているだろう。
マーレットが生まれるまで執務前や夕食後の時間に両親と過ごした部屋だと気づいたかもしれない。
今ならアリシアを独占できると全力で甘えているのだ。
「クロウ?父様にも顔を見せて?」
レイヴンがオロオロしながらクロウに話し掛ける。
クロウはアリシアに笑顔で駆け寄って来たけれど、レイヴンの方は一度も見ていないのだ。
レイヴンが呼びかけてもアリシアにぎゅっと抱き着き、胸に顔を押し付けている。
「……クロウ?お父様にお顔を見せてあげて?」
アリシアは驚いていた。
最近クロウはアリシアの後ばかりを追いかけて、レイヴンが抱き締めても嫌がって泣くと聞いていた。
だけどこれ程はっきりと拒否するとは思っていなかったのだ。
アリシアが優しく言い聞かせても、クロウは「いやいや」と首を振っている。
「……お父様も、クロウと一緒に過ごせるって楽しみにしていたのよ?」
まずはクロウの気持ちを落ち着かせなければならない。
そう思ったアリシアは、クロウの背中を撫でながら優しく囁いた。つむじにちゅっと口づける。
アリシアの胸に顔を押し付けたままじっとしていたクロウだったが、しばらくすると小さな声で話し出した。
「とおちゃはマーットがかぁいぃって。マーットがしゅきなの」
「そんな!クロウだって可愛いし、大好きだよ!!」
「そうよ、クロウ。お父様はクロウもマーレットも大好きなの。2人とも可愛いと思ってるわ」
「……おんと?」
その時初めてクロウが顔を上げてレイヴンを見た。
その顔は不安気で目元に涙が浮かんでいる。
レイヴンは胸をぎゅっと掴まれたような気がした。
こんな小さな息子を、こんなに不安にさせていたのだ。
「本当だよ、クロウ!父様はクロウが大好きだよ!淋しい思いをさせてごめんね」
「ふぇ…っうあぁーーん」
頬を撫でるとクロウが声を上げて泣き出す。
レイヴンはアリシアごとクロウを抱き締めた。クロウもレイヴンに抱き着いてくる。
気がつけばアリシアとレイヴンの目にも涙が浮かんでいた。
そのままクロウが泣き止むまで、3人で抱き合っていた。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
とっても久しぶりになってしまいました…。。。
今6章のアリシアがアシェントへ行った辺りの改訂作業をしているのですが、あれを読むと、クロウを母様大好きっ子にしてやろう!って思います…(/_;)
ちょっと甘えっ子くらいで丁度良い!!
以下宣伝です。
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試行錯誤しながら書いているので更新ペースはゆっくりなのですが、よろしければ覗いてみてください<(_ _)>
この話を書きたい!と思いついたのは、「幸福のかたち」の3章でカナリーが初めてアリシアの部屋を訪ねて来る話を書いていた時でした。
だから全然関係ないのですが、もし6章の前半でレイヴンが側妃を娶る選択をしていたらこうなってたかも…なんて思いながら書いています。
まあレイヴンとカール(「影の王宮」の国王)では性格が全然違うんですけどね…。
ただヤンデレ気質なところは一緒(^-^;
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