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41.動揺がとまりません。
しおりを挟む朝、寝室を出て動揺もあって、足の小指を角に強打しつつ、洗面所にたどり着いた。案の定赤くなった顔を冷やすように水で顔を洗う。
けれど、やはりぼーっとしていて、気がつけば手が自分の唇で止まる。そして先程のことを思いかえす。キス…
また顔が熱くなる。そんなことを繰り返しながらも、顔を洗い終えて、歯も磨いた。そしてリビングに向かって、着替えを取り出す。
ガチャリ
藍月くんが起きたのだろう。寝室の方でドアの音がする。藍月くんは寝ぼけてるように見えたけど、覚えてるのかな?
とにかく、あんまり顔に出さないようにしなきゃ。気まずくなりたくないし。よし、着替えも終わったし、最悪の場合、帰ることができる。
「おはようございます、リンさん。朝ごはん今作りますね!ちょっと待っててください」
「おはよう、藍月くん。ありがとう。」
藍月くんの様子は至って普通だな。特に変わった様子はない。覚えていないのか…。それともキスくらいなら気にならないくらい、慣れているのか…。
慣れているとは思いたくないけど…。でもイケメンでアイドルなんだから、慣れててもおかしくはない。そんなことを考えると少し胸が痛む。
気にしないようにと思っても、そちらにばかり考えが行ってしまう。それに藍月くんを見れば否応なしに、頭に浮かんでくる。
「うぅ…あー…」
俺が唸っている間に、どうやらそこそこの時間が経っていたらしい。変な顔で唸る俺に、藍月くんが怪訝そうな視線を向けながら呼びかけてくる。
「リンさん?ご飯出来ましたよー!」
「ああ、うん、ありがとう」
「はい!食べましょう!」
「「いただきます」」
ご飯を食べ終わって、片付けもした。食後の飲み物として、温かい紅茶を入れてくれた。それをリビングのソファに、二人で並んで座って飲む。
「リンさん、さっき…いきなりキスしてごめんなさい。」
いきなりそう言った藍月くんの言葉に、紅茶を吹き出すところだった。ギリギリ耐えたけど、やっぱり覚えてたんだね。なんて答えればいいのか…。
「…うん…びっくりした」
「いきなりしたのは、謝ります。でもキスしたのは、悪いことだと思ってません。順番は間違えたと思ってます。」
「…どういう意味?」
「俺、リンさんのことが好きです。そういう意味で。」
「…え…?」
「好きなんです。リンさんにも俺のこと好きになってほしい。駄目ですか?」
「…そんなの…だめ…だよ…。」
あまりにも突然で…あまりにも衝撃的だった。俺は荷物を引っ掴んで、藍月くんの家を飛び出した。
どうしよう…。最後に見えた藍月くんの顔があまりにも真剣で。ドキドキしている。けれど離れないといけないとも思う。
俺のせいで、alfalfaの人生を潰すようなことになったら…。そんな考えが頭から離れない。暫くは藍月くんに会わないようにしよう。
少し冷静になったら、藍月くんだってきっと目が覚めるよ。俺みたいなチビで普通の男、好きになるわけ無いって…。
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