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66.初デートです。2
しおりを挟む電車で移動するのはリスキーだということで、タクシーを拾って移動する。藍月くん普通に歩いてるだけでも目立つし。有名人だし、気を使っていかないと。
「楽しみだね、水族館のショーとか見たいね」
「そうですね!今日のイベントはペンギンのやつみたいです!」
「へー!ペンギンって可愛いよね」
「はい!写真とかいっぱい撮りたいですね!」
「そうだね」
「楽しみだなー」
30分ほどで辿り着いた。ちょっと並んでるけど、すぐに入れそうだな。並んでる人たちにはカップルや小さい子連れの家族が多いな。男二人で来るようなところではないから、ちょっと目立つ。
軽く視線を感じるけれど、別に何があると言うわけでもないので、無視しておく。けれど、視線を受け慣れていないので、居心地が悪い。藍月くんは慣れてるようで、全く気にしていないみたいだ。
「パンフレットとったけど見る?」
「はい!あ、道順とか書いてますね」
「そうだね、生き物触れるところとかもあるね」
「そうですね、楽しみですね!」
「ふふっそうだね」
チケットを買うときにどっちが払うかでひと悶着あったものの、結局喫茶店アルマでは俺が払ったからと、藍月くんが払ってしまった。
ぐぅ…今日は俺が年上として出そうと思ってたのに…。
「ありがとうアイくん」
「はい!じゃ、行きましょ」
「そうだね、順路はあっちだね」
「暗くて落ち着きますね」
「たしかに落ち着くね」
暗くなったし、みんな水槽を見ているので視線を感じることもなくなった。小さな魚の水槽を一緒に見て、不意に顔が近づいていた。気付いてぱっと離れる。
「リンさん?」
「あー…その…近くて…照れる」
「!?かわ…可愛すぎる…」
「アイくん?」
「はい、ああ、進みましょうか」
「うん」
ゆっくりと次の水槽に進む。近くなっていた距離によって、手が触れる。ソレだけの接触にもドキドキしてしまう。もっと凄いこともしているのに、自分でも不思議だ。たしかに恋人になってからは一気に進んだもんな。
こういう恋人らしいことってほとんどしていない。外だと藍月くんの立場的に見られると面倒なことになる可能性が高かったし。外で一番恋人っぽいことしたのって、多分撮影のときだ。そう思えばあの雑誌の撮影って結構貴重な機会だったんだな。
「ねぇ、写真撮らない?」
「はい!撮りたいです!リンさんから言ってくれるなんて嬉しいです!」
「よかった、嫌がられたらどうしようかと思った。」
「嫌なんて言うわけないです!」
藍月くんがスマホで写真を撮ってくれる。二人で顔を寄せ合って、水槽を背景に撮った写真は、少しは恋人に見えるだろうか、なんて、らしくないけど。それでも、俺だってちゃんと恋人だって思ってるし藍月くんにもデートを楽しいって思ってほしい。
初めてのデートなんだ。良い思い出にしたい。人との交流も全然していないし、誰かと付き合ったことなんてなかった俺なんかじゃ駄目駄目かもしれないけど、精一杯楽しませよう。
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