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副総長×平凡6
しおりを挟む日曜になって、何をするでもなく二人で部屋でダラダラしていた。
夕方あたりになって、秋夜さんのスマホの音が鳴り響く。画面を見て面倒臭そうに秋夜さんが電話に出る。
「凰李うるさいから電話してくんな。」
「心配してやってんのに散々な言い様だな、おい。」
「別に心配されることなんてないけど」
「お前ここ2日溜まり場に顔出してねぇだろ。ほぼ毎日来てたのに変だろ?なんかあったのか?」
「なにも」
「家突撃されたいのか?」
「勝手にすれば?」
「じゃあ行くわ。なんだっけ?如月だっけ?の家」
「…なんで知ってんだよ。ウザいキモいサイアク。」
「お?アタリか。お前目立つからな。情報すぐ集まるわ。」
「…溜まり場行けばいいんだろ…。絶対こっちに来るなよ」
「ハイハイ。まってるからなー。」
なんだかよくわからないけど、秋夜さんが丸め込まれた…?相手誰だったんだろ…秋夜さんすっごい嫌そうな顔してる。ちょっと面白いかも。始めてあんな顔見たな。
「香夜、溜まり場行くぞ。」
「えぇっ!!俺もですか?」
「そー、どうせ連れてくつもりだったし。ちょうどいいよな。」
「待ってくださ…あ、まだ心の準備が…引っ張らないでください!」
そのまま引き摺られるように、連れて行かれた。ごねてみたものの、やはり秋夜さんには勝てなかった。なんかヤバそうな倉庫とかに連れて行かれるのかと思ってたけど、予想外にもオシャレ?レトロ?な感じのカフェだった。
「入るよ。大丈夫だから。」
「うぅ…はい」
カランとドアベルが鳴る。秋夜さんが先に入ると中から人が立ち上がる椅子のがたがた言う音が聞こえる。お疲れ様ですという声があちこちで上がる。
入るのをためらっていると、腕を引かれる。中はやはりレトロチックな雰囲気だったが、そこに座っているのは、カラフルな髪の不良たちだった。一斉に視線がこちら向く。不良さんたちの視線に固まっていると、秋夜さんが俺を背に隠すように立ってくれる。
「お!来たか、秋夜。…ん?後ろのやつ誰だ?」
「凰李、お前が呼び出したんだろうが…この子はお前には紹介しない。」
「なんだよ、拗ねんなよ秋夜。」
「香夜、コイツがGRACEの総長の凰李な。それだけ知っとけばいい。」
「…なるほど…えーと、凰李さん?はじめまして、如月香夜です…」
GRACE?それがこの不良グループの名前なのか…初めて知った。凰李さんって電話してた人だよな。秋夜さんを丸め込める人、総長さんだったか…。
「おう!よろしくな。秋夜と仲良くしてやってくれ。」
「はい、秋夜さんとは会ったばっかですけど、良くしてもらってます!」
凰李さんと話していると、秋夜さんが邪魔するように割り込んでくる。
「凰李何かと話さなくていいから、取り敢えず飲み物頼むか?紅茶の入れ方ここで教わったんだ。だからここの紅茶美味いよ。オススメ」
「そうなんですね!楽しみです!うーん、ミルクかレモンか…迷う…よし、今日はミルクティーにします!」
「ん、俺はレモンにするから、飲んでみれば。」
「いいんですか!ありがとうございます!」
「秋夜が表情豊かだ……如月、お前秋夜になんかしたのか?そんなに笑ったりしてんの初めて見たわ。」
「秋夜さんに?とくに…何もしてないと思います…けど…割と最初から笑ってましたけど?逆にそんなに表情無いの見たことないですね…。あ、外では無表情でしたね!」
「…ふーん?秋夜、その子のことお気に入りなのか?」
「…うるさい…。」
「否定しないのな。面白ぇな。」
「凰李…もう黙ってろ。」
「秋夜がそんなになるなんてなぁ?皆に教えてこよ!」
「クソ野郎…」
凰李さんが立ち去っていって、程なくして紅茶が運ばれてきた。秋夜さんが教わっただけあってとても美味しかった。
「俺の飲んでみれば。」
「ありがとうございます。俺のもどーぞ!」
「ん、ありがと」
ん?これってか、間接キス…いやいや、男同士だし…友達だし…。気にしない気にしない。そう思って秋夜さんの飲んでいたレモンティーのカップに口をつける。レモンの香り、紅茶の香りがふわりと口の中に広がり、とても美味しかった。
「おお!美味しいですね!」
「でしょ?ここの紅茶好きなんだよね。」
「秋夜さんのオススメなだけありますね!」
紅茶を一杯飲んで、帰るという秋夜さんと一緒に帰宅する。もはや当然のように秋夜さんは俺の家についてきた。俺も一人でご飯とか寂しかったから良いんだけどね。
明日は学校かー…金曜日からの記憶が濃すぎてすごく一緒にいる感じがするけど、秋夜さんと出会ってまだ3日か…こう考えると短いな…。
またもや、当然のように秋夜さんに髪を乾かされて、お返しに乾かしてあげて、抱き枕にされて眠った。
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