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147.卒業旅行8
しおりを挟む皆それぞれで楽しんだ後は、合流して宿の夕食を頂いた。素材が良いらしく、シンプルな味付けしかしていないのにとても美味しい。魚料理も肉も野菜も出てきて、種類も豊富だ。おかわりもできるらしい。
「ほっぺたが落ちる美味しさだね!」
「…ナルア…何その物騒な言い方…」
「え?あー…その美味しすぎてほっぺたがゆるゆるになるみたいな?とにかく!美味しいってこと!」
「そう…たまにナルアって変なこと言うよね…。」
たまに出てしまう日本独自の表現はこの世界では異端らしい。若干みんなに引かれている気がする…悲しい…。そして美味しいけどもうお腹いっぱいだ。手を付けられていないものもあるけど、普段に比べれば沢山食べた方だろう。
「そう…かな、リオネル、俺もう限界。残り食べてくれる?」
「うん、いいよ。でも、これ食べな?ナルア好きそうな味だったから」
「ん、あーん」
リオネルが勧めてくれたのは、魚の塩焼きだ。小さかったけど、ぎゅっと旨味の詰まっていて、確かにとても美味しい。流石リオネル!俺のこと分かってる!
「うん!美味しい!ありがとリオネル」
「ん、じゃあ後は食べておくね。」
「うん、いつもありがとね」
「いいよ。僕もいっぱい食べれて嬉しいし」
俺の弟、優しい。最高。イケメンだよな!!ロウくんって本当見る目ある!!
「お前食べなさすぎ…リリスやメルでももっと食うぞ?」
「ウルは逆に食べすぎでしょ…俺は十分食べてるし!」
「んなことねぇ。そんなに食わねぇからチビなんだろ」
「んなっ!?チビだと…!?許さん!!やるのか!!ウル!!今日の恩を忘れたか?」
「あー…はいはい、落ち着けよ。」
「うにゃあ!!なんだよ!!俺がガキっぽいみたいじゃん!」
くそっ!いきなり冷静になるなよ!俺だけ馬鹿みたいじゃん?!向こうから仕掛けてきたのに!!ズルじゃん!
「ガキだろ」
「シャーーーッ!!!」
「んな威嚇すんなよ。おチビさん」
「許さん!!こうなれば奥の手だ!リリスに色々言ってやるからなー!!」
「なっ!?それはずりぃだろうが!!」
「ふんっ!!」
「おい、悪かったって…」
「本当に思ってる?」
「まぁ、思ってる」
「よし!次チビって言ったら本当に怒るからね!俺だって気にしてるんだからあんまり言わないで…」
「おう…悪かった…」
「いいよ!」
「ウル、ナルアのこと揶揄ったらだめだよ?そんなことばっかりしてたら嫌われちゃうんだからねー?」
「わぁったよリリス…」
「ふふっ良い子良い子!」
「やめろっての…ガキ扱いすんじゃねぇよ」
「んふふー!あ!ウルこのお肉美味しいよ!ほら!食べなよ!」
「お、おう。食うから置けって」
「いいよー食べさせてあげる!」
「いや…だから…はぁ…はむ…ん、うめぇな」
「でしょー!!」
ふふんっ!やはりリリスには弱いらしいな。まぁこんな軽い口喧嘩は日常茶飯事で、別に本気で喧嘩している訳でもないので、みんなも気にしない。もちろん俺だってウルが嫌いな訳ではないからね。
「エル、あれを取ってくれ」
「はい、どうぞ」
「ありがとう。ふむ、これは旨いな。また食べに来たいものだな。」
「情勢が落ち着くまでは王都を離れるのは難しいでしょうね」
「…そうだな…しかしこの国を良くするためには必要な事だ。」
「ええ、私も出来る限り力を尽くします。」
「ああ、助かる。」
「まぁ今は楽しみましょう」
「そうだな。メル、口元についているぞ」
「え?…むむっ取れた?」
「取れていない。私が取ってやる。じっとしていろ」
「うん!ありがとうエル」
「よし、いいぞ」
ふと、隣に目を向ければ、丁度リオネルがロウくんにスプーンを差し出しているところだった。これは見逃せない!存分にイチャついてくれ!萌える!
「ロウ、あーん」
「へっ!?……あ、あーん?」
「ん、美味しい?」
「…ん、あ、うん!美味しいよ!」
「良かった。あんまり食べてないみたいだったから…体調とか悪いのかと思って…大丈夫?」
「あ、それは大丈夫!ごめん心配かけて…でも僕のことちゃんと見ててくれて嬉しい」
「そりゃあ見てるよ。好きな子の事だもん。」
爽やかに笑いながらサラッと言ってのけるリオネル。これはイケメンスキルがカンストしてるよ…。ロウくんも照れちゃってる。そりゃこんなに真っ直ぐ言われたら照れるよね。
「////」
「ふふっ赤くなっちゃって可愛いね」
「もう!!」
「二人っきりになったら…もっとちゃんと教えてあげるね?」
「なっ?!」
「あはは!期待してて?」
「…もうむり…かんべんして……////」
「そう?元気がないから、元気付けようとしたんだけど…」
「心臓に悪いよ…それに元気がないのはただ疲れてただけだから大丈夫だよ」
「それは…ごめん?」
「うぅ…悪いと思ってないでしょ?」
「うん」
清々しい「うん」だったな。全く悪びれる様子がない。これだけ甘やかしてくれる恋人なら嬉しいだろうな。まぁロウくんは苦労しているみたいだけど…。
そうして和やかに夜は過ぎていった。
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