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明日からは授業選択をするために見学する時間が取られている。1週間かかけて授業を選ぶことになっている。必修科目はともかくとして、それ以外に何を取るかは自分の裁量次第というわけだ。

私の選択肢は…まぁ殆どの教科について無知なので、将来に役立ちそうな事を学ぼうと思っている。んー、領地の方は義兄がどうにかしてくれるとして…その補助は姉がするだろう。

私はなにを学ぶべきなのかしら?まずそこから分からない。けれど学んでおいて損はないのよね。どれだけ授業をとっても掛かる費用は変わらないのだもの。あとは私の努力次第よね。

「ねぇ、レイラは授業選択についてはもう考えているかしら?」

「一応は考えています。取り敢えず、取れる授業は全て取ろうかと。」

「私もそうしようかしら?でも…勉強自信ないのよ…。」

「ふふっ私も力になりますよ。ウェンディ様」

「ありがとう、レイラ。とても頼りにしているわ。本当に。貴女に見捨てられたら私…留年してしまうかもしれないから…本当によろしくね?」

「あはは!任されましょう!」

「あの…お金は出せないのだけれど…大丈夫かしら?」

「ふふっ初めてのお友達ですから。」

「ありがとう!」

レイラの助けがあるのなら、少しくらい無理を通せるかもしれないわ。人を当てにし過ぎるのはよくないけれど。

「あの、代わりと言っては何ですが、貴族としてのマナーや所作を教えていただけませんか?」

「え?ええ、構わないけれど…私が教えられることなんて高が知れているわよ?」

「ふふっウェンディ様の所作はとても美しいですよ。」

「そうかしら?褒められるのは嬉しいわね。」

「ウェンディ様は幼い頃から教わっていたんですか?」

「ええ、そのあたりの躾はしっかりされたわ。母と姉が教えてくれたのよ。」

「そうなんですね。私も勉強は母が見てくれていました。最近は仕事で忙しそうですが…」

まさか私の所作をそんなに褒めてもらえるなんて思っていなかったけれど、役に立てそうなことがあって良かったわ。一方的な貸りが出来る関係は友達としては良くないものね。

それにしてもレイラの賢さはお母様譲りなのね。勤勉なところも似ているのかしら?どんな方なのか気になるけれど、突っ込んで聞きすぎるのも良くないものね。

「そろそろ時間ですね。見学、行きましょう。」

「ええ、そうね。遅れるわけには行かないわ。」

「私は取り敢えず歴史学を見てきます。一緒に行きます?」

「ええ、なにを学んだらいいかまだ分からないの。だから視野は広く、様々な勉学を修めたいと思っているわ。」

「私もです。狭く深く学びたいと思うことをまず見つけたいと思います。」

「将来に関わることだものね。慎重に考えるのはいい事だと思うわ。」

見学とは言うものの、それは説明会に近いもので、授業ではどんな内容を習うのか、テストの形式なんかを担当教員から聞くことができる。先輩に知り合いがいれば、そこから情報を仕入れるのもありなんでしょうけど、生憎そんな知り合いはいないものね。しっかりと自分で情報収集するしか無いわ。地道に全ての見学をしていきましょう。


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