【完結済】こんなに好きになるつもりなんて、なかったのに~彼とわたしの愛欲にまみれた日々~

水鏡こうしき

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38/肉欲の宴(3)

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 ほたる以外の女を、初めて抱いた。名前も知らぬ、行きずりの女を。

「ッぁあ……!」

 約二週間ぶりのセックスに、身体は悦び自然と腰を振る速度が早まる。俺の下で恥ずかしそうに声を抑える彼女の膣内は、なんとなくほたるとは違う。人それぞれ形が違うのだろう、快感の雰囲気がかなり違うのだ。

「んッ、んぐぅッ……んッ……ぅんッ……!」
「気持ちいい?」
「はいッ……んくッ、あッぁ……」
「お礼、してくれるんだよな?」
「ふあッ……ふ、ぅ、はい」
「じゃあ色々してもらうから」
「んッ……あッ」

 繋がったまま俺は仰向けに寝転び、腰の上に彼女を跨がらせたまま、好き放題胸を愛撫した。ピンと立つ乳首やそれを囲う乳輪はなんのことはない、AVでよく見るような普通の茶色。ほたるのものとは大違いの、日本人らしい平凡な胸。
 仰向けの俺がゆっくりと腰を振ると彼女は涙声で啼くので、太股を撫で付けながら「おい」と低い声で唸った。

「自分で、イクまで動いて」
「いっ……イクまで、ですか」
「そう」
「でも」
「早く」

 パイパンのせいで繋がっている部分が丸見えだ。……なんてエロいマンコなんだ。俺が仰向けでそこをガン見している間にも、彼女は懸命に腰を振る。クリトリスを弄くってやれば、涎を垂らしながら前のめりになり、つま先立ちになったかと思えば動物のように腰を振る彼女。

「あ、あぅ、あッ……はぁッ……はぁッ……」

 騎乗位は良い。女の全てが見える。下になって征服されているように感じることもあるが、それは相手の力量次第なのかもしれない。相手が俺を同じように快感にいざなってくれるほどセックスが上手い女でなければ、俺がいつまでも優位なままだ。下から突き上げるように腰を振れば、少なくともほたるは──そのままびくびく身体を震わせて何度もイッていた。

 こいつはどうだろうかと様子をみていたが、俺が考え事をしている間にどうやら一人でイッてしまったようだ。呼吸を整えながらキスをしてくるので、舌を捩じ込み深く激しいものを与えてやった。

「んんんぅッ、んッ……ッはぁッ……はぁッ……」
「後ろ向いて」
「このまま……ッ……ですか……」
「そう」

 腰を支えてやると、彼女は繋がったまま器用にくるりと背を向けた。尻を掴み揉みながら揺すってやるとまたしても零れ落ちる甘い声。

「んッぁ……あッあ……あぅッあうぅッ……」
「バックするぞ」
「えっ……あ、あぁんッ……!」

 身を起こして一旦陰茎を引抜き、直後に指を二本挿し込んだ。膣内を掻き回すと、とろっとろの愛液で手のひらまでもがぐっしょりと濡れてしまった。その間にも彼女は達してしまったようで、甲高く喘ぎながら腰をびくりと震わせた。

「あ……う、は、はぁッ……はぁッ……」
れるぞ」
「ああッ……!」

 指を引き抜いた刹那、間髪いれず後ろから挿入を果たす。覆い被さり激しく腰を振れば、彼女は獣のような声で啼きはじめる。

「うッ!うッ!うぅッうあッ……う、イクッ!イクッ……!!」

「まだまだ……もっと」

「あうぅッううッ!イクッイグイグぅッ!!」

 見た目のわりに、達する時は汚い声で喘ぐ女だ。それだけ俺の身体が良いのかもしれないと思い込むことにし、快感を得るため激しく腰を打ち付ける。

「ッ!ッ!く……あッ……!」

「はぁッ……はぁッ……はぁッ……ちょっと、激し……」

「……ッ!気持ちよく……ねえの?」

「気持ちいいけどッ……おかしく、なりそうで……」

「……ふうん」

 一旦引抜き、彼女をバックのまま押し倒す。耳に唇を寄せ耳朶を甘噛し、胸を揉みながら甘い声で囁いてやる。

「……なあ」
「なに?」
「前と後ろ、どっちが好き?」
「……前」
「そ。それなら──」

 彼女の肩を掴み、その身をくるんと仰向けに。上気し、乱れ、快感で眉根を寄せ続けたせいか、くっきりと眉間に皺が残るその顔の、唇に軽く触れ股をこじ開ける。

「あッ……あぁ……だめ、いや、もう……!」

 ふるふると首を振り、俺の肩を押し返して僅かながら抵抗をする。そんな力で止められるはずなどないだろうに、彼女は俺の肩を掴んで離さない。

「俺がこの体位でイケば、お前ももっと気持ち良くなるだろ」
「それ、激しくなるの確定なんじゃ……」
「そうだな」

 未だ健在の、ガチガチな陰茎を──とろっとろな彼女のなかにぶち込んだ。溢れすぎた愛液のせいでかなり滑りが良く、腰を打ち付ける度にパンパンと身体の合わさる音と水音が混じり合う。

「うッ!ああッ!……ッお、あ、あぅ、あぁんッ!」

「ッう……まだ……」

「だめえ……イクッイ゛、グ、あ、イグッ……イク、イクッぁ!!」

「う……まだ、もっと……」

「はあッ……はあッ……こわれるッ、もう、こわれる、うッ!!」

「あ…………あぁ……イッ……い、イクッ……ぅ!!」

 達し、全てを出しきるとベッドに肘をつき彼女の胸に唇でそっと触れた。目を開けたとき、放心状態の彼女の顔を見て驚いた。別人のように狂った顔のまま、ぐったりと動かないのだ。

「大丈夫?」
「駄目……何これ……気持ちよすぎなんです……けど」
「あ?」
「めちゃくちゃ気持ち良かったって、言ってるんです!」

 何故怒るのか。理由は全くわからないが、互いに気持ち良かったのであればトントンじゃないか。

「何……あなた、エッチ上手くないですか?」
「いや……別に普通なんじゃ」
「……」
「どうした?」
「これ、私の連絡先です。今度、呼んだら来てくれますか?」
「……ああ」

 メモ紙に書かれたのは、 彼女の名前──「ノア」と言うらしい──と、連絡先。

「ノア、って片仮名?」
「はい。可愛いでしょう?」
「……そうだな」

 適当に相槌を返しながら使用済みの避妊具を外す。疲れきった俺の陰茎は、自分のものでベタベタだった。

「なあ」
「何ですか?」
「咥えて、舐めて」
「えっ?」

 胡座をかいた俺の真ん中に鎮座するものを、穴が空くほど見つめるノア。終わったあとのものを舐めるのは初めてなのか、顔に嫌だと書いてあった。

「早く」
「うん……」
「お礼は?」
「…………わかりました」

 「うっ……」と唸りながら先端からそろりと咥えるノアの後頭部を片手で押さえつけ、グッと深く口に含むよう強く押し込む。

「うッ……ん、ん、うぅッ……!」
「ッはぁッ……!」
「けほッ、けほッ……」
「ほら、もっと」
「うぐぅッ!」

 ゴム臭いのはわかりきっている。


(けれど、それを無理矢理咥えさせるのが堪んねえ……)


 慣れているのか、ほたるは自ら悦んで事後の性器をしつこいくらい舐め回してくれた。だが全ての女がそうではないらしい。あいつが嬉しそうに咥える姿にいつも興奮して、その後再び交わるのが常だった。この女──ノアが、苦し気に、早く終われと言わんばかりの顔で咥え、しゃぶる姿にも興奮はする……けれど、もう一度セックスをしたいという気は湧いてこなかった。

「勃ってきたけど」
「あのっ……」
「いいよ、別に」
「でもっ!」
「シャワー借りていい?」
「はい……」

 満腹感のないセックス、そんな印象だった。何故だろう、絶頂には達したというのに食べたりない。


(やっぱり、ほたるじゃねえと俺は──……)


「……はあ」

 ほたるのことを考えるのは止めようと決めたのに。あいつのことばかり考えてしまう。俺は──あいつに心底惚れていると自覚してはいたが、どうやら自分で思っていたよりも深く、深く彼女を愛してしまっていたようだった。


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