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大陸の闇編
次は本隊だ!
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残った敵の司令官を生かして帰した後、俺達はイセカイ号で反省会中だ。
「カズトが見ていると思うとついつい張り切ってしまって…魔力のペース配分が上手く行きませんでした」
セリカが代表で言ったが殆どはそんな感じに見えたな。チンゼイ解放戦に同行したメンバーはそうでも無かったけど。
「坊主、水弾砲の砲身は伸ばした方がいいようだ。すぐにでも改装したいが構わんか?」
ああ、戦闘中にマジカルハンマーでカンカンやってたあれな。
「ああ、いいぜ。他にも気付いた事があれば言ってくれ。検討すっから」
とまあ、こんな感じで意見やら反省やら色々と出て来るが、それ程重要視しなければならないものは無かった。微調整で済む範囲のものだ。
「それじゃあ俺から。さっき敵の司令官から入手したまだあったかい情報だ。まず敵本隊の戦力は十七万」
「……じゅうなな…」
サニーが絶句だ。まあ、ほかのメンバーも表情は似たようなモンだな。
「けど、何も十七万を丸々相手にする必要はないし、俺達しかいないってのは返って都合がいい。下手に援軍なんかに来られても十七万の前じゃ押し潰されて終わりだからな」
「かずとが単身で神王の所に乗り込んで勝負を付ける?」
ライムは何でもお見通しだな。
「ああ。自重しなけりゃ十七万だろうが二十万だろうが全滅させるのは可能だ。多重融合して能力全開でやればな。ただ、敵の司令官の話を聞いた感じじゃ奴らは神王に忠誠を誓ってる訳じゃないらしい」
ここで俺は司令官から聞いた神王の情報を話した。
「それじゃあ、女の人を集める為に戦争を仕掛けてるだけで、女の人さえ集まってしまえば後はどうでもいいように聞こえるんだけど?」
「俺の印象もライムと一緒だ。どっちみち、接触してみる必要はあるだろう。女集めも何か事情があるのか。事情があったとしても許すつもりは無いけどな。この戦争は多くの人間が死に過ぎている。奴には落とし前を付けて貰わなきゃならん」
「……そうだね」
「ただ、ゲンの本隊と対峙している時に後ろを心配しなくちゃいけないのは面白くない。イオタ!」
「なに?」
「チンゼイ艦隊の精霊を通してハカタ公に連絡してくれるか?俺達はこれから半島に行くからチンゼイの兵力でツシマの前線基地の戦力を足止めしてくれって」
「うん、任せて!」
「あくまでも足止めでいいんだからな?」
「………わかった」
「その間はなんだ?コラ!ちゃんと俺の目を見ろ!」
「………」
「おーい!」
「……ごめんなさい」
はぁ…チンゼイの連中も結構血の気が多いからなぁ…
「ま、いいか。チンゼイが本格的に動くにしたって数日は掛かるだろ。それまでにこっちで決着を着けちまおう」
みんなが俺の言葉に頷いた。それじゃあ半島の本陣目指して出発だ!
◇◇◇
先鋒を率いていた司令官はその頃ツシマの前線基地へと向かっていた。
(恐ろしい連中だった。たった一隻の船で我ら三万の軍が壊滅だ。この目で見ても信じ難いのに果たして話したところで受け入れて貰えるだろうか)
未だ網膜に焼き付いている瞬時に船団を壊滅させた大爆発。それを起こした男はたった一人で空を舞い、莫大な魔力を振り撒きながら蹂躙していった。
「あれは人ではない。神か悪魔だろう。神王陛下も恐ろしいお方だが、まだ人間の範疇に収まっていると思われるがあの男は…」
だが司令官は感じていた。情け容赦なく多くの命を奪い、躊躇なく強大な力を振るう。その姿に畏怖や恐怖を抱けども不思議と邪悪さは感じない。
「触れなければどうという事はないが怒りを買えば必滅。神がいるとすればああいったものなのかも知れんな」
誰ともなしに呟いた言葉だが周囲にいた兵達が頷いていた。
「ならばこれ以上関わるの愚の骨頂。本隊に戻れば私は何も出来ずに処刑されて終わるだろう。だがツシマに赴けばツシマの同胞は救えるかも知れん」
ツシマの前線基地にはまだ五千の兵力が駐留していた。その中には辛くもイキ島攻防戦を生き延びた者もいる。チンゼイ艦隊の異常な強さとその中でも異彩を放っていた強力な戦力が存在していた情報は生き残りの兵からツシマの駐留軍にもたらされていた。
二日後、司令官がもたらした先鋒軍三万が全滅とイセカイ号が本隊を叩きに向かったという報告を受けたツシマ駐留軍は秘密裏に全軍撤退、半島の本隊ではなく直接本国へ帰投したのだった。
一方すれ違いでツシマに乗り込んだチンゼイ軍はもぬけの殻となっていた前線基地に拍子抜けしたが、イキからツシマに前線を押し上げ海賊化したゲンの残党討伐に本腰を入れる事になった。
「カズトが見ていると思うとついつい張り切ってしまって…魔力のペース配分が上手く行きませんでした」
セリカが代表で言ったが殆どはそんな感じに見えたな。チンゼイ解放戦に同行したメンバーはそうでも無かったけど。
「坊主、水弾砲の砲身は伸ばした方がいいようだ。すぐにでも改装したいが構わんか?」
ああ、戦闘中にマジカルハンマーでカンカンやってたあれな。
「ああ、いいぜ。他にも気付いた事があれば言ってくれ。検討すっから」
とまあ、こんな感じで意見やら反省やら色々と出て来るが、それ程重要視しなければならないものは無かった。微調整で済む範囲のものだ。
「それじゃあ俺から。さっき敵の司令官から入手したまだあったかい情報だ。まず敵本隊の戦力は十七万」
「……じゅうなな…」
サニーが絶句だ。まあ、ほかのメンバーも表情は似たようなモンだな。
「けど、何も十七万を丸々相手にする必要はないし、俺達しかいないってのは返って都合がいい。下手に援軍なんかに来られても十七万の前じゃ押し潰されて終わりだからな」
「かずとが単身で神王の所に乗り込んで勝負を付ける?」
ライムは何でもお見通しだな。
「ああ。自重しなけりゃ十七万だろうが二十万だろうが全滅させるのは可能だ。多重融合して能力全開でやればな。ただ、敵の司令官の話を聞いた感じじゃ奴らは神王に忠誠を誓ってる訳じゃないらしい」
ここで俺は司令官から聞いた神王の情報を話した。
「それじゃあ、女の人を集める為に戦争を仕掛けてるだけで、女の人さえ集まってしまえば後はどうでもいいように聞こえるんだけど?」
「俺の印象もライムと一緒だ。どっちみち、接触してみる必要はあるだろう。女集めも何か事情があるのか。事情があったとしても許すつもりは無いけどな。この戦争は多くの人間が死に過ぎている。奴には落とし前を付けて貰わなきゃならん」
「……そうだね」
「ただ、ゲンの本隊と対峙している時に後ろを心配しなくちゃいけないのは面白くない。イオタ!」
「なに?」
「チンゼイ艦隊の精霊を通してハカタ公に連絡してくれるか?俺達はこれから半島に行くからチンゼイの兵力でツシマの前線基地の戦力を足止めしてくれって」
「うん、任せて!」
「あくまでも足止めでいいんだからな?」
「………わかった」
「その間はなんだ?コラ!ちゃんと俺の目を見ろ!」
「………」
「おーい!」
「……ごめんなさい」
はぁ…チンゼイの連中も結構血の気が多いからなぁ…
「ま、いいか。チンゼイが本格的に動くにしたって数日は掛かるだろ。それまでにこっちで決着を着けちまおう」
みんなが俺の言葉に頷いた。それじゃあ半島の本陣目指して出発だ!
◇◇◇
先鋒を率いていた司令官はその頃ツシマの前線基地へと向かっていた。
(恐ろしい連中だった。たった一隻の船で我ら三万の軍が壊滅だ。この目で見ても信じ難いのに果たして話したところで受け入れて貰えるだろうか)
未だ網膜に焼き付いている瞬時に船団を壊滅させた大爆発。それを起こした男はたった一人で空を舞い、莫大な魔力を振り撒きながら蹂躙していった。
「あれは人ではない。神か悪魔だろう。神王陛下も恐ろしいお方だが、まだ人間の範疇に収まっていると思われるがあの男は…」
だが司令官は感じていた。情け容赦なく多くの命を奪い、躊躇なく強大な力を振るう。その姿に畏怖や恐怖を抱けども不思議と邪悪さは感じない。
「触れなければどうという事はないが怒りを買えば必滅。神がいるとすればああいったものなのかも知れんな」
誰ともなしに呟いた言葉だが周囲にいた兵達が頷いていた。
「ならばこれ以上関わるの愚の骨頂。本隊に戻れば私は何も出来ずに処刑されて終わるだろう。だがツシマに赴けばツシマの同胞は救えるかも知れん」
ツシマの前線基地にはまだ五千の兵力が駐留していた。その中には辛くもイキ島攻防戦を生き延びた者もいる。チンゼイ艦隊の異常な強さとその中でも異彩を放っていた強力な戦力が存在していた情報は生き残りの兵からツシマの駐留軍にもたらされていた。
二日後、司令官がもたらした先鋒軍三万が全滅とイセカイ号が本隊を叩きに向かったという報告を受けたツシマ駐留軍は秘密裏に全軍撤退、半島の本隊ではなく直接本国へ帰投したのだった。
一方すれ違いでツシマに乗り込んだチンゼイ軍はもぬけの殻となっていた前線基地に拍子抜けしたが、イキからツシマに前線を押し上げ海賊化したゲンの残党討伐に本腰を入れる事になった。
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