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盲目の私は、自身の婚約者に相応しくないと王子に捨てられてしまいました…。
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ある日を境に、突然目が見えなくなった私。
しかしそれと引き換えに、ある力を得る事が出来た。
そしてその力のおかげで、私はこの国の王子の婚約者に選ばれたのだった。
しかし当の王子は…目の見えない私に自分の婚約者は務まらないと言い、私を愛そうとはしなかった。
それどころか、王達の不在を良い事に密かに城下に囲って居た愛人達の中から、自分の婚約者を選ぶ事にしてしまった。
だがそれを知った私は、その愛人達こそ王子に相応しくない相手だと言い切った。
「彼女達は実に醜い者達です!彼女達はあなた自身を愛して居る訳ではない…あなたの地位に惹かれ、欲に目がくらんだ者達ばかりです!私には彼女達の本性が見えるのです!」
すると王子は、目が見えない癖に何を馬鹿な事をと私を責めた。
「お前の力などどうせいかさまに違いない!王や他の者達が信じたせいでお前と婚約させられたが、俺自身はお前の力など信じて居ないからな!」
そして王子は、人の悪口を平気で言う私こそ一番婚約者に相応しくないと言い…私との婚約を一方的に破棄し城から追放してしまうのだった。
私はあなたの為に真実を述べただけなのに…。
なのにそれを信じず私を捨てると言うなら、もうどうしようも無いわね─。
だがそれから一週間後、隣国から戻って来た王がこの出来事を知る事に─。
すると王は、私を追い出した王子に対し大層激怒した。
と言うのも…私は目は見えないが、心の目で相手の本性を見抜くと言う「神の目」を持った娘だったからだ。
「あの娘を城に置けば他国との外交時にとても役に立ったものを…。お前の様な女好きの無能には、並外れた力を持ったあの娘が必要だったのだ。だがそんな彼女を失ったお前にもう次の王は任せられない。王の座はお前ではなくお前の弟に譲る事にしよう。」
王にそう言われ、王子はその場に崩れ落ちてしまったと言う。
そして王子は、私を大事にしなかった事できっとこの国の守護神から罰を受けると言われ…そんな者を城に、この国に置いておく訳には行かないと愛人達と共にこの国から永久追放される事になってしまった。
それから数日後…家に戻って居た私の元を王子の弟君が訪ね、自分と一緒に城に戻って欲しいと仰った。
弟君は隣国での留学を終え、城に帰還する途中なのだと言う。
「この度は、兄が本当に無礼な事をしました。兄に代わり心からお詫び申し上げます。」
そう言って頭を下げる彼に、私は何て物腰の柔らかい穏やかな方なのだろうと心惹かれた。
だが私は…大きな力を得た代わりに視力を失った私でもあなたは本当に大丈夫なのかと問うた。
すると彼は、だったら自分がその力を半分引き受け…そして自分の片方の目の視力を私に譲るよう、神にお願いすると言って来た。
「でもそんな事をしたら、あなたも色々とお困りに─」
「ならばよりお互いを大事にし、支え合って生きて行きていけばいいんです。何もあなただけがこの力とその代償を背負う必要は無い。」
そう言って微笑む弟君に、私は再び城に戻る事を決意するのだった。
そして城に戻った私達は共に守護神に祈りを捧げ…これからは二人で力を合わせ、この城と国を守って行く事を誓った。
すると私達の決意を聞いた守護神は、自らの身を犠牲にしても私と共にあろうとする彼のその想いに感動したと、私の力はそのままに視力だけを元に戻して下さった。
そしてそのおかげで、私の目は再び光を取り戻す事に─。
私の目に映った弟君は、私の回復を喜びとても優しい笑みを浮かべて居て…そんな彼を見た私は、この方と結ばれた事を心から嬉しく思うのだった─。
しかしそれと引き換えに、ある力を得る事が出来た。
そしてその力のおかげで、私はこの国の王子の婚約者に選ばれたのだった。
しかし当の王子は…目の見えない私に自分の婚約者は務まらないと言い、私を愛そうとはしなかった。
それどころか、王達の不在を良い事に密かに城下に囲って居た愛人達の中から、自分の婚約者を選ぶ事にしてしまった。
だがそれを知った私は、その愛人達こそ王子に相応しくない相手だと言い切った。
「彼女達は実に醜い者達です!彼女達はあなた自身を愛して居る訳ではない…あなたの地位に惹かれ、欲に目がくらんだ者達ばかりです!私には彼女達の本性が見えるのです!」
すると王子は、目が見えない癖に何を馬鹿な事をと私を責めた。
「お前の力などどうせいかさまに違いない!王や他の者達が信じたせいでお前と婚約させられたが、俺自身はお前の力など信じて居ないからな!」
そして王子は、人の悪口を平気で言う私こそ一番婚約者に相応しくないと言い…私との婚約を一方的に破棄し城から追放してしまうのだった。
私はあなたの為に真実を述べただけなのに…。
なのにそれを信じず私を捨てると言うなら、もうどうしようも無いわね─。
だがそれから一週間後、隣国から戻って来た王がこの出来事を知る事に─。
すると王は、私を追い出した王子に対し大層激怒した。
と言うのも…私は目は見えないが、心の目で相手の本性を見抜くと言う「神の目」を持った娘だったからだ。
「あの娘を城に置けば他国との外交時にとても役に立ったものを…。お前の様な女好きの無能には、並外れた力を持ったあの娘が必要だったのだ。だがそんな彼女を失ったお前にもう次の王は任せられない。王の座はお前ではなくお前の弟に譲る事にしよう。」
王にそう言われ、王子はその場に崩れ落ちてしまったと言う。
そして王子は、私を大事にしなかった事できっとこの国の守護神から罰を受けると言われ…そんな者を城に、この国に置いておく訳には行かないと愛人達と共にこの国から永久追放される事になってしまった。
それから数日後…家に戻って居た私の元を王子の弟君が訪ね、自分と一緒に城に戻って欲しいと仰った。
弟君は隣国での留学を終え、城に帰還する途中なのだと言う。
「この度は、兄が本当に無礼な事をしました。兄に代わり心からお詫び申し上げます。」
そう言って頭を下げる彼に、私は何て物腰の柔らかい穏やかな方なのだろうと心惹かれた。
だが私は…大きな力を得た代わりに視力を失った私でもあなたは本当に大丈夫なのかと問うた。
すると彼は、だったら自分がその力を半分引き受け…そして自分の片方の目の視力を私に譲るよう、神にお願いすると言って来た。
「でもそんな事をしたら、あなたも色々とお困りに─」
「ならばよりお互いを大事にし、支え合って生きて行きていけばいいんです。何もあなただけがこの力とその代償を背負う必要は無い。」
そう言って微笑む弟君に、私は再び城に戻る事を決意するのだった。
そして城に戻った私達は共に守護神に祈りを捧げ…これからは二人で力を合わせ、この城と国を守って行く事を誓った。
すると私達の決意を聞いた守護神は、自らの身を犠牲にしても私と共にあろうとする彼のその想いに感動したと、私の力はそのままに視力だけを元に戻して下さった。
そしてそのおかげで、私の目は再び光を取り戻す事に─。
私の目に映った弟君は、私の回復を喜びとても優しい笑みを浮かべて居て…そんな彼を見た私は、この方と結ばれた事を心から嬉しく思うのだった─。
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