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極秘
ガース視点
団長に呼ばれ、ブライアン達の噂を聞いた。
どんだけあの二人の邪魔をすれば気が済むのだろうか。
一体あの二人が何をしたというのか。
ただ二人とも人より整った顔で生まれただけなのに。
中身はその辺にいる奴らと変わらないというのに、勝手に神格化して理想を押し付け、誰かのものになるのを許さない、そのくせ、自分のモノにはしたい…本当に腹が立つ。
俺は努力している人間を貶めるような奴が大嫌いだ。
エドワード先輩が団長になってからは減ったが、前の団長の時は、騎士団内の空気は悪かった。
とにかく足の引っ張り合いが多かった。
そのせいで同期や可愛がっていた後輩がどんどん辞めていった。
エドワード先輩がどんどん昇格していき、ブライアンが入った事で、少しずつ騎士団内が変わっていった。
エドワード先輩は、先輩だろうが上司だろうが、間違っている時は真っ向から向かって行った。
ブライアンは実力とガン無視という武器で、どんどん騎士団での地位を上げていった。
すると、今まで何も出来ずにいたまともな奴らが変わり始めた。
俺もだが。
間違っている事は正して良いのだと先輩が教えてくれているのだからと、皆がロクでもない先輩、上司に反論し出した。
正論を言われているのだ、文句も言えなくなり、黙るようになった。
そのうち居場所がなくなり、移動したり辞めたり、更生したりで、今のファルコンはエドワード団長をトップとした勧善懲悪を理想とした騎士団になった。
そのファルコンに喧嘩を打ったのなら、買うしかあるまい。
団長の執務室へ戻る途中、一番隊の執務室を除こうと思ったが、鍵がかかっていた。
自分の執務室へ戻ると、ヤコブがミッシェルと雑談していた。
「あ、おかえりなさい、ガースさん。」
「ちょうど良かった、ヤコブ、ミッシェル、話しがある。」
団長から聞いた話しを二人に説明する。
「マジですか、どんだけ邪魔するんだか…」
「誰がとかは分かってないんですね?」
「ああ、ラルス団長も奥様からの又聞きだからあまり情報もない。」
「私、数少ない令嬢友達に聞いてみます。
今どんな噂が流れているか。」
「ミッシェル…悲しい言い方しないで。
一応、ミッシェルも貴族令嬢なんだから。」
「淑女教育なんてもう忘れたので。」
「ハア~ま、それは置いといて、とにかく極秘で調べてほしい。何もなかったらそれでいいから。」
「分かりました。俺も友人にさり気なく聞いてみます。」
「済まないが、何を探ってるのかバレないようにね。」
「了解しました。」
「はい!」
その日はこれで解散した。
俺もだが、二人はすぐ動いてくれたようで、
噂はかなり広がっている事が分かった。
今の段階で分かった事は、お茶会では今、ブライアン達の事が一番の話題なのだとか。
噂は、ブライアンがとうとう浮気をして、シシリーを捨て、別の女性と結婚するらしい。
シシリーはその事を気に病み、自殺未遂をした事になってた。
手ぇ繋いで帰ってる二人を見て、どうやったらそんな噂が出るのか、全く分からない。
それだけ悪意ある噂という事だ。
「お茶会の参加者リストが手に入るかやってみます。リストが入らなければ、噂を聞いたお茶会の参加者を友達に頼んで教えて貰います。」
「その友達自体は大丈夫なのか?」
「大丈夫です、その友達、ブライアンみたいな人好きじゃないんで。長髪キモって言ってるくらいなんで。」
「そんな人いるんだ…すげぇ…女子はもれなく副団長の事好きになるんかと思ってた…」
「んなわけあるか!第一、私はブライアンを一度も素敵だなんて思った事ないし!」
「だよね、ミッシェルは団長だから。」
「は?」
「良いの良いの、みんな知ってるから。」
「え?」
「ミッシェルぱいせん、シシリー先輩ですら知ってるのに、他知らない訳ないじゃないですか。」
「嘘でしょ?だ、団長は?団長は知らないでしょ?」
「さあ~」
「ガース先輩、言わないとブッ飛ばす!」
「あーこわいこわい。はい、続きね。
とにかく、どのお茶会で噂が出たか探ろう。どのお茶会にも参加してる奴がいたらソイツかもしれない。先ず、ラルス団長の奥様に聞いてもらおう。そして、シックスも引き込もう。既婚者一人入れたい。」
「そうですね、婦人会みたいなのもありますから。」
「じゃあ、そういう事で!」
トントン、「シシリーです。」
三人が思わず顔を見合わす。
悪い事をしているわけではないが、今シシリーと会うのは気まずい。
「大丈夫か?キミら。」
「「大丈夫です」」
「いるよ、どうぞ~」
「あれ、ヤコブここにいた!探してたのに!」
「すみません、ガースさんに用事がありました。」
「そうなの?何の?」
「団長に頼まれた事があって。」
「そうなんだ。で、ミッシェルは何でそこにいるの?」
「ヤコブの話しが終わったから三人で雑談してた。」
「へえ、そうなの?じゃあ、ヤコブ回収していい?」
「「どうぞどうぞ!」」
「へんなの。じゃ、ヤコブ行くよ!」
「はい、シシリー先輩!」
シシリーは鈍いくせに、勘は良い。
「シシリー、今、ブライアンは何処にいる?」
「ブライアン?団長のところじゃないかな?」
「分かった、ありがとう。」
二人が出て行った後、
「なんで今ブライアンの事聞いたんですか?」
「シシリーは変に勘がいい。何か気付いてブライアンと相談した後来たのかと思った。
あまり心配かけたくないからな、二人に。」
「ガース先輩って、良い人ですよね。」
「今更?俺、かなり良い人よ!」
「ソウデスネ」
「ミッシェルはまだお子様だな、俺の魅力に気付かないとは。」
「ソウデスネ」
こいつ、さっきの事根に持ってんな。
「ごめんね、ミッシェル。もう誰にも言わないから。」
「みんな知ってるなら黙ってる意味ないじゃん!ドアホ!」
口が悪いミッシェル、俺は嫌いじゃない。
ニヤニヤ見ていたら、
「気持ち悪!」
と逃げってった。
さて、仕事しよ。
「お前、今日の仕事終わらせてから逃げろよ!」
ドアを開け、逃げようとしたミッシェルに声をかけると、
「・・・・・はい」
と言って仕事を始めた。
素直な後輩は可愛い。
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