私の婚約者の苦手なもの

jun

文字の大きさ
23 / 125

尋問

しおりを挟む


二人でオイオイ泣いていた為、起こしてしまった…。


鎮静剤がまだ効いてるのか、ボォーっとしているが、上半身を起こしてこちらを見ている。


ベッドに近づこうとしたら、ロイに止められ、ロイが行こうとしたら、カトリーヌ様に止められた。


「私が参ります。お二人は医師をお呼び下さい。」

と、目と鼻を赤くしたカトリーヌ様が私達に指示を出す。


二人で医師を呼びに行くことにする。


他の別室を覗くといらっしゃったので彼女の意識が戻った事を伝える。


殿下にも伝え、四人で戻ると、なにやら険悪な空気が漂っていた。


医師が診察し、興奮状態は治まっており、話しても大丈夫となった。


殿下が、

「意識が戻ったんだな、イレーネ嬢。講堂での事は覚えているか?」

「まったく覚えておりません。」

「自分が何をしたのかも覚えていないのか?」

「はい」


私達は顔を見合わす。


カトリーヌ様は鬼のような顔で彼女を見ている。



「ではどこまで覚えているんだ」

「集会が終わり調査書を提出する所までです。」

「分からなくなるまでを細かく説明してもらえないだろうか?」

「・・・分かりました。渡された調査書を記入して出口の医師のところに持って行き、渡した所までは覚えております。」

「どの辺で記入していたのだろうか。近くに誰がいた?」

「・・・場所は空いている所に座って記入しましたので、ハッキリとは…。」

「ある程度で構わない。特定しなくても大体この辺だと分ればいいのだが。」


「・・・大体ですか…出口から離れた端の方で記入しました…。」


「端とは?先生達は出口に向かって右側に集まっていた。左側にはオレやロイがいた。どっち側だろうか?」


「左側です。」


「調査書を渡したのはどこにいた医師に渡したのだろうか?医師は10人で回収していたが。」


「・・・右側に近い医師に渡しました。」


「分かった。意識が戻ったばかりの時にすまなかった。もうしばらく休んで医師の指示に従ってくれ。」

「あの!一人は心細いのでどなたか付いてて下さると助かるのですが…。」

「医師が付いてるので一人ではない。ゆっくり休んでいてくれ。」

「・・・・・・・・分かりました。」

「それでは邪魔をした。」

「あの、ロナルド様!ありがとうございました!」

ロイは一瞥もせずスタスタと私の手を引いて退室した。










部屋を出た瞬間、四人の力が一気に抜けたのが分かった。


「なんだか緊張しました…。」と私。

「あいつ何か隠してるな。」と殿下。

「そうですね。」とカトリーヌ様。

「・・・」
ロイは一言も話さない。繋いでる手は力が入っていて少し痛い。

「ロイ、どうしたの?」

「リリーはどこで記入したの?」

「う~ん、近くで空いてたのが先生達がいた方かな。そのまま真正面の方に渡しに行ったよ」


私以外の3人の顔が厳しくなったのが分かった。


ロイが、
「リリー、少し殿下と確認したい事があるから隠密と待っていて。隠密、リリーを頼む。」

「御意」

「え?え?隠密って何よ?お前隠密いるの?それにトリーちゃん、御意って…。」
と騒いでる殿下をロイが引っ張って行った。


残った二人…。


とりあえず教室に向かうことにする。


「あの、カトリーヌ様…」

「リリーナ様、呼び捨てで構いません。カトリーヌとお呼び下さったら嬉しいです。」

「流石に呼び捨ては出来ないので…じゃあカトリーヌさんとお呼びしますね。
私の事はリリーナでもリリーでもお好きに呼んで下さい。」

「私の事はなんとお呼びしても構いません。リリーナ様のことを呼び捨てなど出来ませんので…では、リリー様とお呼びさせて頂きます。」

「話し方もそんな堅くなくてもいいんじゃないかな?私達、もうお友達でしょ?」

「ぐっ!…」

「大丈夫?カトリーヌさん。手、痛い?」

「いえ、お構いなく…リリー様の可愛らしさにやられただけでございます。」

「なにそれ、可笑しいの、カトリーヌさん。」

何故か目を瞠るカトリーヌさん。
ちょっと怖いよ。

でもリアクションが面白いカトリーヌさんとクスクス笑いながら、二人で教室に向かった。










しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私は既にフラれましたので。

椎茸
恋愛
子爵令嬢ルフェルニア・シラーは、国一番の美貌を持つ幼馴染の公爵令息ユリウス・ミネルウァへの想いを断ち切るため、告白をする。ルフェルニアは、予想どおりフラれると、元来の深く悩まない性格ゆえか、気持ちを切り替えて、仕事と婚活に邁進しようとする。一方、仕事一筋で自身の感情にも恋愛事情にも疎かったユリウスは、ずっと一緒に居てくれたルフェルニアに距離を置かれたことで、感情の蓋が外れてルフェルニアの言動に一喜一憂するように…? ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。

【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する

ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。 夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。 社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。 ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。 「私たち、離婚しましょう」 アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。 どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。 彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。 アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。 こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。

【完結】白い結婚を終えて自由に生きてまいります

なか
恋愛
––アロルド、私は貴方が結婚初日に告げた言葉を今でも覚えている。  忘れもしない、あの時貴方は確かにこう言った。  「初めに言っておく、俺達の婚姻関係は白い結婚として……この関係は三年間のみとする」 「白い結婚ですか?」 「実は俺には……他に愛する女性がいる」   それは「公爵家の令嬢との問題」を理由に、三年間だけの白い結婚を強いるもの。 私の意思を無視して三家が取り決めたものであったが、私は冷静に合意を決めた ――それは自由を得るため、そして『私自身の秘密を隠すため』の計算でもあった。 ところが、三年の終わりが近づいたとき、アロルドは突然告白する。「この三年間で君しか見えなくなった。白い結婚の約束をなかったことにしてくれ」と。 「セシーリア、頼む……どうか、どうか白い結婚の合意を無かった事にしてくれ」 アロルド、貴方は何を言い出すの? なにを言っているか、分かっているの? 「俺には君しかいないと、この三年間で分かったんだ」 私の答えは決まっていた。 受け入れられるはずがない。  自由のため、私の秘密を守るため、貴方の戯言に付き合う気はなかった。    ◇◇◇ 設定はゆるめです。 とても強い主人公が自由に暮らすお話となります。 もしよろしければ、読んでくださると嬉しいです!

傾国の王女は孤独な第一王子を溺愛したい

あねもね
恋愛
傾国の王女と評判のオルディアレス王国の第一王女フィオリーナが、ラキメニア王国の第一王子、クロードに嫁ぐことになった。 しかし初夜にクロードから愛も華やかな結婚生活も期待しないでくれと言われる。第一王子でありながら王太子ではないクロードも訳ありのようで……。 少々口達者で、少々居丈高なフィオリーナが義母である王妃や使用人の嫌がらせ、貴族らの好奇な目を蹴散らしながら、クロードの心をもぎ取っていく物語。

結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。

真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。 親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。 そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。 (しかも私にだけ!!) 社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。 最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。 (((こんな仕打ち、あんまりよーー!!))) 旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。

【完】出来損ない令嬢は、双子の娘を持つ公爵様と契約結婚する~いつの間にか公爵様と7歳のかわいい双子たちに、めいっぱい溺愛されていました~

夏芽空
恋愛
子爵令嬢のエレナは、常に優秀な妹と比較され家族からひどい扱いを受けてきた。 しかし彼女は7歳の双子の娘を持つ公爵――ジオルトと契約結婚したことで、最低な家族の元を離れることができた。 しかも、条件は最高。公の場で妻を演じる以外は自由に過ごしていい上に、さらには給料までも出してくてれるという。 夢のような生活を手に入れた――と、思ったのもつかの間。 いきなり事件が発生してしまう。 結婚したその翌日に、双子の姉が令嬢教育の教育係をやめさせてしまった。 しかもジオルトは仕事で出かけていて、帰ってくるのはなんと一週間後だ。 (こうなったら、私がなんとかするしかないわ!) 腹をくくったエレナは、おもいきった行動を起こす。 それがきっかけとなり、ちょっと癖のある美少女双子義娘と、彼女たちよりもさらに癖の強いジオルトとの距離が縮まっていくのだった――。

花言葉は「私のものになって」

岬 空弥
恋愛
(婚約者様との会話など必要ありません。) そうして今日もまた、見目麗しい婚約者様を前に、まるで人形のように微笑み、私は自分の世界に入ってゆくのでした。 その理由は、彼が私を利用して、私の姉を狙っているからなのです。 美しい姉を持つ思い込みの激しいユニーナと、少し考えの足りない美男子アレイドの拗れた恋愛。 青春ならではのちょっぴり恥ずかしい二人の言動を「気持ち悪い!」と吐き捨てる姉の婚約者にもご注目ください。

夫に捨てられた私は冷酷公爵と再婚しました

香木陽灯
恋愛
 伯爵夫人のマリアーヌは「夜を共に過ごす気にならない」と突然夫に告げられ、わずか五ヶ月で離縁することとなる。  これまで女癖の悪い夫に何度も不倫されても、役立たずと貶されても、文句ひとつ言わず彼を支えてきた。だがその苦労は報われることはなかった。  実家に帰っても父から不当な扱いを受けるマリアーヌ。気分転換に繰り出した街で倒れていた貴族の男性と出会い、彼を助ける。 「離縁したばかり? それは相手の見る目がなかっただけだ。良かったじゃないか。君はもう自由だ」 「自由……」  もう自由なのだとマリアーヌが気づいた矢先、両親と元夫の策略によって再婚を強いられる。相手は婚約者が逃げ出すことで有名な冷酷公爵だった。  ところが冷酷公爵と会ってみると、以前助けた男性だったのだ。  再婚を受け入れたマリアーヌは、公爵と少しずつ仲良くなっていく。  ところが公爵は王命を受け内密に仕事をしているようで……。  一方の元夫は、財政難に陥っていた。 「頼む、助けてくれ! お前は俺に恩があるだろう?」  元夫の悲痛な叫びに、マリアーヌはにっこりと微笑んだ。 「なぜかしら? 貴方を助ける気になりませんの」 ※ふんわり設定です

処理中です...