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カトリーヌ様は何者?
しおりを挟む帰る前にお礼に行こうと別室に二人で向かっています。
その方がいなかったら大怪我だったとか。
別室に入るとベッドの側に立っていました。
こちらに気付いた彼女は、急に跪いた。
え、え、ナニ?
「ロナルド様、リリーナ様、気付かず申し訳ございません。」
「え~と、」
「申し遅れました。わたくしカトリーヌ・イーガーと申します。
リリーナ様をお護り出来ず申し訳ございませんでした。」
「いえいえ、こちらこそ、カトリーヌ様がいらっしゃらなかったらもっと酷いことになっていたとか。ありがとうございました。」
と頭を下げた。
カトリーヌ様は泣いていた・・・。
ど、ど、ど、どうしたのでしょう?
「カトリーヌ様、大丈夫ですか?」
「なんてお優しいお言葉。わたくしはリリーナ様の真後ろにいたにも関わらずお助けする事が出来ませんでしたのに。
いつも陰ながらお二人を見守ってきた、我ら『愛でる会』代表として情けない限りでございます。今後はこのような事がないよう精進します故、何卒御容赦下さいませ。」
『愛でる会』とは??
一気に話されたカトリーヌ様は次にロイの前に移動し、跪いた。
「ロナルド様、こちらの令嬢、昨日の報告書に書かれている方かと。」
え?ロイの部下?報告書?え?ナニ?
「リリーに絡んだ輩か…」
「顔に包帯が巻かれておりますが、おそらく。」
「殺るか…。」
「ロナルド様、リリーナ様がおられます。」
えーどういう状況?やるってナニ?それにこの二人、どういう関係?怖いんですけど…。
「ロイ、どういうこと?」
「昨日リリー、食堂で絡まれたでしょ?その時の令嬢だと思うんだけど、違う?」
「エ⁉︎あの時ビカビカ虫ばかり見てたからあんまり顔は見てなかったし、包帯で分からないよ。この人が私を噛んだ人なの?」
「噛んだのは彼女で間違いないが、昨日の絡んできた令嬢かはまだ確信はないけど、隠密の話しでは間違いないと思う。」
隠密・・・って言ったよね・・・。
『愛でる会』の代表じゃないの?
てか、『愛でる会』ってナニ?
「ロナルド様、直ぐに確認して参ります。お待ちを。」
カトリーヌ様は静かに且つスピーディーに出て行ってしまった…。
「ねえ、ロイ、カトリーヌ様は何者?隠密っていったよね?ロイの隠密?『愛でる会』って何?」
「僕もよく知らないんだよ。でも悪い子じゃないと思うよ。」
「良い人だとは思う。手、怪我してたのはさっき助けてくれた時のもの?」
「そうだね…。」
「女の子の手なのに…。」
カトリーヌ様の手はガッチリ固定してから包帯が巻かれていた。
多分骨にヒビが入ってしまったのだろう…。
痛かっただろうに。
「リリー?」
ロイが心配そうに顔を覗いてくる。
泣きそう…。
ロイが抱きしめた時、
カトリーヌ様が戻ってきた。
カトリーヌ様は一瞬目を見開いたが、直ぐ跪いた。
「失礼いたしました。」
「構わない。結果は?」
「間違いございません。」
「うむ、ご苦労。」
泣いてるうちに報告は終わったらしい。
「カトリーヌ様、私のせいでお怪我させてしまい、申し訳ございません。傷跡が残らなければいいのですが…痛くはないですか?」
「勿体ないお言葉、痛み入ります。」
「ごめんなさい…そんな大怪我させてしまって…ホントにごめんなさい…。」
ポロポロと涙が溢れてしまう。
カトリーヌ様が駆け寄り、
「気にしないで下さいませ、リリーナ様。これくらいなんともございません。泣かないで下さいませ。」
と背中を摩ってくれて、二人でオイオイ泣いてしまった。
「二人とも、ちょっと少し落ち着いて!」
とロイ。
その騒ぎで、眠っていた彼女が起きた。
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