私の婚約者の苦手なもの

jun

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ルイジェルド視点



困った…。
カトリーヌを泣かせてしまった…。
あのカトリーヌが泣くなんて思わなかったから、焦った。

途中、リリーちゃんが乱入してきて、
とりあえず泣き止んだが口を聞いてくれない…。


離れた所でロイ達がコソコソ話しながらこっちを見ている。
見ているなら助けろ!
それにカトリーヌの代理で二人にくっついてる奴、いつもニヤニヤ見ていやがるくせに、こういう時は一切見ない。


リリーちゃんだけいつでも乱入しようとしてるけど、逆にリリーちゃんは来ないで欲しい!
あの子に知られたら大変だから!
いろいろ大事になるから!


でも、こればかりはカトリーヌに関わらせる事は出来ない。
ロックハート家の詳しい内情が分からない以上、関わらせてカトリーヌに何かあったら…
ちょっと想像もしたくない。

あれ、リリーちゃん達どっか行くな…

よし、今だ!
オレはカトリーヌを抱きしめた。


「カトリーヌ、聞いてくれ。」

「・・・・・」

「この件は媚薬が使われている可能性が高い。媚薬だけではないかもしれない。
そんな所に、正式に影の訓練を受けていないカトリーヌを行かせる訳にはいかない。
足手纏いだ。

それに…オレが心配なんだ。お前に何かあったらオレはどうすればいい…お前が傷ついた時、身体だけなら治るが心を傷つけられるような事だったらオレは…。
お前はオレと結婚して王子妃になる女なんだ。今までとは違う。
頼むから分かってくれ!」

「・・・・・分かりました。ごめんなさい…我儘言って…ごめんなさい…ルイ様のお気持ちを考えていませんでした…。」

「分かってくれたか?」

「はい。もう我儘はいいません。」

「他の我儘はいくらでも言っていいぞ。」

「今はありません。ですが、もう少しこのままでいて下さい…」

「ああ、いくらでも…ッ‼︎」






くそ!アイツら戻って見てやがった!
あーーーーもう!

でも、いい。
カトリーヌが落ち着くまで抱きしめる。











「うわぁ~甘いですね~」

「でも仲直り出来たみたいで良かったよ!」

「僕達が居ないと思って油断したな、殿下。」

「大丈夫そうだね!じゃあお茶しよう!」

「はい。行きましょう!実はクッキーはありません。」

「ええ⁉︎ないのーーー?」

「はい。あの時はリリー様が暴走しそうだったので止める為にあの場から遠ざけたかったんで。」

「もう、シンシアちゃん私暴走なんてしないよ!」

「いやいや、もう突っ込む気マンマンでしたよ、ですよね、ロナルド様。」

「マンマンだった。」

「さあさあ、お茶は飲みましょ。私サッと買ってきますんで、クッキー。」

「オオーーシンシアちゃん、ありがとう!」

「はいはい、行きますよ。」



なんだかいつの間にかシンシアちゃんは私の扱いが雑になったような気がする…。

そして、シンシアちゃんは走ってクッキーを買ってきた。








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