私の婚約者の苦手なもの

jun

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ランソル家の領地

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移動二日目の馬車は、何故かロイは反対もせず、お母様達と乗っている。
昨日はあんなに騒いでいたのに、どうしたんだろう…

「ロイ、体調でも悪いの?大丈夫?」

「大丈夫だよ、いつまでも反抗していてはいけないと思っただけだよ、リリーは大丈夫?」

「私は大丈夫だよ。でもやっぱり寒いね。」

「寒いなら、もっとこっちにおいで。」

「あら、お暑いわね。」

「これくらいいいでしょ。リリーが風邪をひいたらどうするんですか。」

「そうね、山間部だから寒いわね」

「お昼には宿に着くのかしら?」

「お昼には着くと思いますよ、マリア母様は寒くないですか?」

「私は大丈夫よ、ありがとう、ロイ君」

「私には言わないの?」

「ダイジョウブデスカ、ハハウエ」

「なにその棒読み!」

「あ、あの湖がそうかな?まだ凍ってないね。」

「きっとあれね。そろそろ着くわね。シェリル様、もうすぐ着きますわよ。」

「あら、意外と早かったわね。」


と言ってる間に宿に着いた。



馬車から降りるとシアが待っていてくれた。


「シェリル様、マリア様、ロナルド様、リリー様、お疲れ様でございました。
態々こんな所まで来ていただきありがとうございます。」

「楽しみにしていたから気にしないでね、シンシアさん。ねえ、シェリル様。」

「そうなの、滅多に息子と出掛ける事なんてないからとっても楽しみにしていたの。」

「だったら良いのですが、何もない所ですが、温泉には自信がありますのでごゆっくりなさって下さい。さあ、中へどうぞ。」


この宿はシアの家が経営している。
宿の事は領民を雇い運営しているそうだ。

「まあ、中は暖かいのね、暖炉もなさそうなのに。」

「ここは床下に温泉の源泉が流れていて、その熱で部屋を暖めています。各部屋もそのようになっているので暖かいですよ。」

「そうなのね、凄いわ!」

とシアが説明しているとシアのご両親が挨拶に来られた。


「ようこそおいで下さいました。
シェリル・グランディ侯爵夫人、
マリア・ワソニック伯爵夫人、
アルバート・ランソルでございます。」

「ベル・ランソルでございます。」

と挨拶があり、各部屋に案内された。

部屋割りは一人ずつに分けてくれたので、
ロイとおば様が揉める事はなかった。

お母様達はゆっくりするらしいので、
私とロイはシアに近くを案内してもらう事にした。


「リリー様、ロナルド様、お疲れではないですか?大丈夫ですか?」

「大丈夫だよ。ロイは疲れてるかも。」

「疲れてないよ、母上に対して疲れてるだけだから。」

「ロナルド様、珍しく大人しいですね。」

「僕は元々物静かなんだよ!」

「ご機嫌斜めなんですね~。田舎の空気を吸って癒やしてくださいな。」

「本当に空気が違うね」

「それくらいしか自慢出来る所がないんですよね~じゃあ行きますか。」


シアが案内してくれたのは宿からすぐの展望台だった。

湖も見えるし景色がとても良い。
花が咲く春も、夏の緑も、秋の紅葉も、冬の雪景色も美しいだろう。
これはたくさんの人に見てもらいたい。

「あそこに見えるのが、公共の温泉施設です。領民が気軽に温泉に入れるようにとお父様が作りました。
ですが、観光客相手の施設がここしかないので…。もう少し大勢のお客さんに来てもらいたいのですが、なかなか…」

「なるほど、勿体無いな…良い所なのに。」

「そうなんです。なので設備や施設は必要な事なのでマシュー様との結婚は避けられなくて…」

「う~ん、難しい問題だね…。
まだまだここにいるから一緒に考えよう、シア。」

「はい、ありがとうございます、リリー様、ロナルド様。」



どうすれば良いのか…戻ったらロイと考えようと宿へ帰った。



夜寝る前にロイが私の部屋にこっそり忍び込んできた。

「リリー、朝には戻るからここで眠ってもいい?母上へのストレスで頭破裂しそう。」

「なんでそんなに揉めてるの?」

「母上が面白がってるだけだから。滅多に一緒に出掛ける事も最近はないからはしゃいでるんだと思う。
怪我した時に心配かけたからこれも親孝行だと思って母上と楽しむよ。」

「そうだね、おば様あの時とっても心配していたもの。おじ様もおば様も泣いてたよ。」

「これからは心配かけないように気をつけるよ。それよりリリーはもうお風呂に入った?」

「入ったよ」

「露天風呂があったんだ。入った?」

「気付かなかった!ロイ入った?」

「リリーと入ろうと思ってまだ入ってないよ。混浴だから一緒に入ろう。」

「混浴なの…?」

「そう、今日はお客も僕らだけだし、この時間は母上達ももう寝てるだろう。行こう!」

「じゃあ行こうかな!」


と二人で露天風呂に向かった。

脱衣所で一旦別れてから中に入った。

ロイはすでに待っており、恥ずかしいけど二人で身体を流した後、湯船に入った。

「気持ちいいね~」
とロイが後ろから私を抱きしめて言った。


すると、湯船の中にある岩の陰から


「そうねえ~」


と返事があった。








お母様とおば様も入っていた…









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