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酔っ払いの会話
しおりを挟むアラン視点
リリーの卒業式も終わり、もうすぐ結婚式だ。
ロイ君とリリーが婚約したのは五歳の時だ。
その時も泣きそうだったけど、
今はリリーの顔を見るだけで泣きそうになる。
小さなリリー。
クルクル表情が変わり、怒り、泣き、笑うリリーが本当に可愛くていつまでも見ていられたし、抱いていられた。
少し大きくなったリリー。
赤ちゃんの時と同じく表情豊かだが、動きが加わり、更に愛らしくなった。
常にロイ君は側にいたが。
この時から背が伸びた位で、ほぼ何も変わらない愛らしさで成長してくれた。
「おとうちゃま」から「お父様」に変わっても、
いつでも抱っこをせがんでいたのに、
今は僕が抱っこさせてとせがむようになっても、
仕事をしてる僕を扉の陰からこっそり覗いていたのが、
僕がリリーの眠る顔をこっそり覗くようになっても、
いつまでも僕にとっては“小さなリリー”のままだ。
そのリリーがもうすぐ結婚して家を出る。
グランディ家はすぐそこだ。
すぐに会える距離ではある。
でも家の中にリリーの気配がなくなる事が寂しい…。
マリアも同じなのだろうが、結婚式の準備で忙しくて今はそれどころじゃないのだろう…
男親って悲しいなぁ~仲間に入れてもらえないし…。
ドレスは選んで貰えたけど!
そうして寂しさを紛らす為にここに来た。
「アラン、ため息つくな!」
「だって寂しいからーーー!」
「結婚してもこうしてここに来ればいいだけの話だろ。」
「それでも寂しい…」
「まあ、飲め。」
「うん…」
「俺だってウチの天使が結婚するなんて寂しいぞ!」
「お前は家にいるんだからいいだろう!」
「別邸に住むんだから寂しいだろ!」
「じゃあここに来ても意味ないじゃないか!」
「すぐそこだ!」
「「ハア~」」
「シェリルは物凄く喜んでるけどな。」
「シェリル殿は娘が欲しかったからな」
「頑張ったんだけどなぁ~」
「イアンも頑張ったけど娘は出来なかったな」
「あいつは今頑張ってるんじゃないか、ネズミ買ったから。」
「怖ぇーよ、僕らもう四十前だぞ、イアンなんか孫いるんだぞ、それで子供作るなんて恥ずかしいわ!」
「だよな、もうどうやって子供が出来るか知ってる状態でなんて子供なんか作れねぇよ。」
「イアンは作りそうで怖い。」
「まあ、国王だから。」
「国王って大変だな…」
「国民全員知ってんだぞ、いつ仕込んだか。怖、考えたら怖。」
「ほんとだ…恥ずかしい…」
「それ考えたら普通の結婚するロナルド達は安心するだろう。」
「それもそうかも。」
「だろ?だからそんなに落ち込むな。
まあ、飲め。」
「うん、じゃあカトリーヌちゃんは子供出来たら、いつ仕込んだかばれちゃうんだ…」
「お前止めろよ、生々しいだろ!」
「お前が言ったんだろ!」
「でも、殿下の答辞良かったなぁ」
「良かった。泣いた。」
「ロナルドのとこであん時のこと思い出して泣いた。」
「年取るとすぐ泣くよな。」
「泣く泣く。」
「俺、最近は小さい子供見ても泣きそうになる…」
「なんで⁉︎」
「リリーを思い出す…」
「でも少し分かる。俺は親子愛みたいな話聞いたら泣く。」
「分かる、犬の出産見ても泣く。」
「分かるーーー」
「俺らも歳取ったんだな、実感する。」
「だな。」
「話し変わるけど、お前、ジュリア様と友達になったの?」
「・・・なった…の?」
「遊びに来るんだろ、たまに。」
「別に俺の所に来るわけじゃないから、どうなんだろ。」
「でもハロルドが言ってたぞ、“ジュリアとアランは友達になったんだってな、今度俺も行こ!”って。」
「マジで⁉︎」
「マジで。」
「あのデカいの来るのかぁー暑苦しいな。」
「だな。アラン、飲み過ぎじゃないの?」
「お前が飲ませるからだろ!」
花嫁の父は花婿の父に慰められて、少し元気になった。
帰ってからマリアに、
「酒臭い‼︎あっち行って!」
と言われた。
やっぱり寂しい…。
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