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新婚編
リリーナ視点
しおりを挟む「「ハアーーーー⁉︎」」
「だから、“ローリー”になって欲しいの。
それで、中庭ウロウロして王女と話しして欲しいの。
それで今何を思ってるのか探って欲しい。
なんなら友達になって、悩み相談して欲しい。」
「ヤダよ、隠密の敵だよ、意地悪マルボウズ王女なんかと話したくないよ!」
「ブッ‼︎」
「サイモン?どうした?」
「いえ、…マルボウズって…」
「マルボウズだって友達くらい欲しいよ、暇なんだもの。」
「でもなぁ~嫌だなぁ~」
「リリーちゃん、マルボウズって何?」
「殿下、ダメです!聞いてはダメです!」
「何でだよ、気になるだろ!」
「マルボウズ王女のことです。」
「へ?」
「だからマルボウズ王女です。」
「マルボウズ・・・・マルガリータ・・・マルボウズ王女・・ブッ‼︎」
「あーあ、殿下もこの呪縛に掛かったな。」
「また、あの時みたいに別名付けたのか、リリーちゃん!」
「だって…丸刈りだから…」
「・・・・リリーちゃん、もう言わないで。イレーネの時の失敗は二度としたくないから!」
「アハハハ、ウチは定着してしまいました。」
「ヤバい、俺、もう定着したかも…」
「そんな事いいんですよ!ローリーの事です!
リリー、どうしてもやらなきゃダメ?」
「そうだった、ローリー!」
「リリーナちゃん、ローリーって何?」
「ロイが女装した時の名前がローリーなんです。」
「女装⁉︎」
「最初から説明しますね。」
サイモン様に学院でのシンシアとマシューの時の話を教えてあげた。
「ロナルド君…俺は是非とも見てみたい!」
「俺ももう一度見たい!」
「なんで、貴方達の為に女装しなきゃならないんですか!やるとしても王女を帰国させる為です!」
「じゃあ、ドレス準備しよう!ロイが持ってるドレス持って来ようか?」
「待って待って、リリー、決定なの?」
「時間がないんだよ、王太子様に無理矢理連れて帰られたらマルボウズは絶対諦めないよ!」
「・・・・・分かったよ…」
「よし!殿下、ロイが着れそうなドレスってありますか?」
「ここにはないなぁ…義姉も母上も身長が合わないなぁ…」
「じゃあ、シェリル母様に持ってきてもらおう!」
「ハアーーーー母上かぁーー」
「母様は喜んで手伝ってくれるよ。」
「それが嫌なの!」
ロイはゴネたが結局折れて母様に持ってきてもらう事になった。
母様を馬車の降り口まで迎えに行き、
それから大急ぎで支度した。
サイモン様に王女が今何をしているのか確認してもらいに行ってもらった。
支度が終わり、殿下の所に戻ってわちゃわちゃ騒いでるところにサイモン様が戻って来た。
「確認して・・・・・・誰?」
「「「ローリー」」」
「嘘⁉︎マジで⁉︎超綺麗なんだけどーーー」
「元が良いので!」
「あ、王女は今部屋でお茶してた。中庭行くかは分からないけど、窓から見える所に居たら気が付くかも。」
「じゃあ、サイモン様連れて行って下さい。私も陰からこっそり見ますから。」
「なら私がローリーについててあげるわ。
その方が疑われないわ。」
「さすが母様!その通りです。」
「ハア~でも母上が一緒なら安心できます。」
「あら、嬉しい。行きましょう。貴方はグランディ家の遠縁の娘のローリーよ。今日は私の付き添いでここに来たって事でね。」
「はいはい、行きましょう。」
『王女のお悩み相談作戦』が始まった。
と思ったら、陛下達が飛び込んで来た。
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