私の婚約者の苦手なもの 番外編

jun

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新婚旅行編

ルイジェルド視点

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俺のせいで全く甘い空気が無くなり、プレゼントを開けることにした。
最初の箱を開けてみる。

「これは誰からでしょう?」

開けてみると、

「マカロン…だな…」

「私達の顔が描かれています…」

「どなたからでしょう?カードを見てみます。」

「誰からだ?」

「お義父様です…」

「父上⁉︎」

「ルイジェルド、カトリーヌ、結婚おめでとう!シンシアに二人の顔を描いてもらってから、お前達の顔の焼きゴテをワソニックの工場で作ってもらった。可愛いだろう!二人で食べてくれ!  父イアン」

「「・・・・・・」」

「美味し…そうだな…。」

「ええ、後で…食べましょう…。」



「次だ、次!」

次の包みを開けてみると、

「・・・チョコ?」

「チョコ?」

「「あ!」」

父上と同じく俺達に似せたチョコだが、リアルだ…。
あまりにもそっくりで食べづらい…。
カードには、
「エリスのお気に入りの菓子店が新しく本人そっくりのチョコを作るというサービスを始めたと聞いて作ってもらった。二人で食べてくれ。   ヘンリー」


兄上、父上と同じ発想だったと知ったらショックだろうなぁ…。



「そっくりだな…。」

「はい、それも全身です…」

「何処から食べたら良いんだろう…。」

「腕辺りからですかね…」

結婚祝いってなんだろう…こんなだったかな…

「さあ、次に行こう…」

次の箱は、

服?

「シャツかな?何か書いてあるぞ。」

頭から被るゆったりしたシャツだ。
黒のシャツの前面には、

“旦那様だもの”

白のシャツには、

“嫁だもの”

「「・・・・・・・・」」

カードには、

「俺の行きつけの服屋が好きな文字が入れられるって言うから入れてもらいました。部屋着として使って下さい!  ハンス」


「ゆったりしていて…着やすそうだぞ、俺は嫌いじゃないかも!」

「・・・そうですね…」

「カトリーヌ、まだまだあるぞ、次だ!」


もう期待はしない。楽しもう!


次の箱は、

「これはタオルですね。良かった、普通です。」

「カトリーヌ、油断するな、普通などあるはずがない!」

タオルを広げてみる。


すると、

白いタオルの真ん中に、筋肉モリモリの男性の首から下の絵が描かれた物と、
同じく白いタオルの真ん中に、セクシーな下着姿の女性が描かれている物だった…。

「これは、何が面白いのだろう…」

「そうですね…ちょっと身体に巻いてみましょう。」

タオルをお風呂あがりのようにカトリーヌが巻いた。


「これは!」

なかなか良い!なんか良い!

なんだろうと思ったカトリーヌが鏡で自分の姿を見た。


「ダメです、ルイ様、見ないで下さい!」

「これはこれでいいかも!」

「一体これは誰からですか!」

カードを見れば、

「殿下、代表、このタオル凄くないですか?殿下がセクシーな女性に、代表はマッチョな男性に変身出来るんですよ!二人の夜にほんの少しの笑いをと思いました。 シンシア」

代理…お前はこんな物何処で見つけてくるんだ!でも、

「これ、カトリーヌが要らないなら、俺がもらっていい?」

「お好きにどうぞ…」

「カトリーヌ、楽しめ楽しめ、どうせこの後もこんなんだぞ。」

「そうですね、でも、こういったものは、何処で仕入れるのでしょうか?私も調べておかなければなりませんね!」

「そうだな、次は俺達がやり返そう。」

「そうですね、さあ、次です!」

次は、

「男性物の下着みたいです、ルイ様にですね。」


見てみると、

下着の真ん前に、“ルイ”と書かれている。
すべてに書いてある。

お尻の部分だったり、小さく書かれていたり、たくさん書かれていたり…。

「いつ履けと…。これをいつ履けと!」

「これはこれで・・・・プッ…」

「カトリーヌ、今笑ったな?笑ったよな?」

「笑っていません…プッ」

「クソッ、誰だ!コレは!」

カードを見ると、
「さすがに妹に下着は送れないから殿下にだけ送ります。毎日履けるようにたくさん作りました。 サイモン」

「サーーイーーモーーーン!」

「さあさあ、次ですよ、ルイ様。」

次は、

「・・・ティーカップだけど…」

「またですね…今流行ってるんですか?」

「そうなのかも…」

ティーカップには俺の顔の物、カトリーヌの顔の物の二つ入っていた。

「記念だから二人の顔を代理に描いてもらった。上手くかけているだろう。
二人でお茶の時間にでも使ってくれ。  ロナルド」


「俺やだよ、これ洗ってもらうの…」

「でも、ロナルド様の気持ちがこもっています!」

「そうだろうけど…カトリーヌは使えるのか?」

「・・・・ほら、まだありますよ!」


次の箱には、

「これ、何でしょう?傘ですか?」

「それにしては小さいな、何だろう?」

開いて見れば、持つところがない。
だが、内側の中央に丸い輪が付いていて紐も付いている。
説明書が付いていたので読んでみると、
“荷物も持てる、帽子型日傘”と書かれています…。

帽子型…。

カトリーヌが被っている姿を想像してみた…。

「プッ」

「ルイ様!」

「笑ってないよ、カトリーヌが被ってる姿なんて想像してないから!・・・プッ…」

「笑ってますよね?私が被ってる姿を想像して笑ってますよね?ルイ様が被って下さい。剣も使える・・・・・プッ」

「「アハハハーーー」」

「これは、リリーちゃんだな」

「ですね、それにしても帽子型日傘って、アハハハ、おかしい、ルイ様、被って下さい!」

「ヤダ、絶対ヤダ!でも父上は被りそう!アハハハ!」

「ハアーーおかしい、じゃあ最後だな、これはデカいな…ちょっと怖いぞ…」

「今までが今までですからね…慎重に開けましょう。」


開けてみると、


大きな絵が描いてあった。

真ん中に俺とカトリーヌ、
周りに父上と母上、兄上、義姉上とユージン、
ハロルドとジュリア殿、
サイモンとシンシア、
グランディ侯爵夫婦、
ワソニック伯爵夫婦、
ハンス、
そしてとロナルドとリリーちゃんに囲まれ、皆が笑顔の大きな絵だった。

その中に手紙が入っていた。

「ルイ、お前は私に似て口は悪いが、明るく優しい息子だ。女性を見る目もある。
父はいつでもお前の味方だ。
カトリーヌ、お前はハロルドに似て真面目だが誰よりも情に厚い、優秀な子だ。
どうかルイジェルドを支え愛してやってくれ。二人共、幸せになりなさい。 イアン」


「ルイ、カトリーヌ、貴方達は辛い経験もしたけれど、それがあったからこそ、お互いの絆が深くなったのではないかと思います。
辛い時、悲しい時はいつでも母が貴方達の相談に乗りますので、心配いりませんよ。
心から二人の結婚を祝福致します。  アイリス」


「ルイ、カトリーヌ、お前達は、よくぞ見つけたなという位、お似合いだ。
素直で曲がったことが嫌いで鈍い所があるルイを、真面目で気遣いが出来る、優秀なカトリーヌが一緒なら何も心配する事はない。
二人の幸せを心から祈っている。 ヘンリー、エリス、ユージン」


「ルイジェルド殿下、カトリーヌ、結婚おめでとう。ルイジェルド殿下の誠実さとカトリーヌの清廉さがあれば何も心配はいらない。幸せになりなさい。私もジュリアも二人の親だ。困った時はいつでも頼りなさい。  ハロルド・イーガー ジュリア・イーガー」


「ルイジェルド殿下、カトリーヌ妃殿下、ご結婚おめでとうございます。
お二人の仲睦まじいお話しをロナルドとリリーナから聞いておりますが、また、殿下がバカな事をしたらいつでもご相談下さい、カトリーヌ妃殿下。  カイル・グランディ シェリル・グランディ」


「ルイジェルド殿下、カトリーヌ妃殿下、ご結婚おめでとうございます。
クロの件では色々と御心配をおかけし申し訳ございませんでした。今後とも親子共々、宜しくお願い致します。
尚、イアンの様に私の姿絵を持ち歩くのではなく、妃殿下のものを持ち運びますようお願い致します。決してロイの姿絵を持ち歩く事などありませんように!
お二人が末永く幸せでありますようお祈り致します。 アラン・ワソニック マリア・ワソニック」


「殿下、カトリーヌ、結婚おめでとう。
本当に俺の義弟になってくれてありがとう。カトリーヌを心の底から愛してくれてありがとう。
そんな殿下を選んだ妹よ、お前は男を見る目があるぞ。幸せになれ。 サイモン・イーガー」


「殿下、カトリーヌ様、ご結婚おめでとうございます。お二人のキスシーンを覗いていたのが昨日の事のようです。
いつも代表を守るように寄り添う殿下は素敵でした。どうかいついつまでもお二人が幸福でありますように。  シンシア・ランソル」


「ルイジェルド殿下、カトリーヌ妃殿下、ご結婚おめでとうございます。
一言だけ、言わせていただきます。
殿下、隠密、本当に二人が結婚出来て嬉しい。幸せになれ。 ロナルド・グランディ」


「ルイジェルド殿下、カトリーヌ妃殿下、ご結婚おめでとうございます。
私も一言だけ、
本当に嬉しい!この日を迎えられて心の底から嬉しい!おめでとう、殿下、トリー!
お幸せに!  リリーナ・グランディ」



俺達の大事な人達に囲まれ、幸せそうに笑っている俺とカトリーヌ。

大好きな家族と、大好きな友達の大切な家族と、大事で大好きな友達の絵は何よりのプレゼントだ。


幸せな気持ちになったところで、初夜のやり直しだ。


大きな絵は箱に一旦戻した。
覗かれてる様で寝室には決して飾らないと二人で決めた。


さあ、これから長い夜の始まりだ。












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