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「……何ですの、あれは」
馬車から降り立った老婦人は、開口一番、不愉快そうに鼻にしわを寄せた。
彼女の名はエレノア・ヴァレンタイン。
王都の国立劇場で40年間トップに君臨し続ける、「伝説のプリマドンナ」。演技力は国宝級だが、プライドの高さも成層圏レベルと言われる、演劇界の女帝だ。
彼女が指差したのは、私の自慢の新作――完成したばかりの『全天候型ガラス張り大劇場』、通称『スノー・クリスタル・ドーム』だ。
雪原の中に忽然と現れた巨大なガラスのドームは、中の暖かな光を透過させ、まるで巨大な宝石箱のように輝いている。
「温室? 野菜でも育てるおつもり?」
エレノア夫人は、私の顔も見ずに言い放った。
「いいえ、文化を育てるのですわ。ようこそ、辺境ヴェルンシュタインへ」
私は扇子を開き、極上の笑顔で出迎えた。
今日の私は、ガラスの城に合わせて、銀糸を織り込んだアイスブルーのドレス。対する夫人は、重厚なベルベットのドレスに、時代がかった古めかしい宝飾品をジャラジャラとつけている。
「ふん。王都で噂の『革命児』とお聞きしていましたが……ただの派手好きな娘っ子のようですわね」
夫人は私を値踏みするようにジロジロと見た。
「視察団に同行したのは、貴女が『最高の劇場を作った』と豪語していると聞いたからですの。でも、期待はずれでしたわ」
「まだ中もご覧になっていないのに?」
「外見で分かります。あんなガラス張りでは、音響は最悪、照明も散漫。あそこで演じられるのは、せいぜい猿回しか道化芝居がお似合いでしょう」
夫人が嘲笑うと、取り巻きの劇団員たちもクスクスと笑った。
「失礼な!」
後ろに控えていたマーサが色めき立つ。
私は扇子でマーサを制し、涼しい顔で言った。
「猿回し……ええ、あながち間違いではありませんわ。隣の露天風呂には猿が入っていますし」
「さ、猿!? 野蛮な!」
「ですが夫人。……百聞は一見にしかず、ですわ。まずは中へどうぞ」
私はキースに目配せをした。
キースは無言で頷き、重厚なガラスの扉を開け放った。
◇
「……っ!?」
ドームの中に足を踏み入れた瞬間、エレノア夫人の足が止まった。
外は氷点下の吹雪。しかし、一歩中は春のような暖かさに包まれている。
床には大理石が敷き詰められ、パイプを通った温泉熱が床暖房として機能している。
そして何より圧巻なのは、天井だ。
頭上360度、すべてが透明な強化ガラス。
雪が降り積もらないよう計算された角度と熱源により、視界を遮るものは何もない。
夜空から降り注ぐ雪が、まるでスローモーションの星屑のように見える。
「……綺麗……」
取り巻きの若い女優が、思わず声を漏らした。
「……見かけ倒しですわ」
エレノア夫人は、必死に動揺を隠してフンと鼻を鳴らした。
「確かに景色は良いでしょう。ですが、劇場としての機能はどうかしら? こんな広すぎて音が散ってしまう空間で、繊細な台詞回しが届くとでも?」
夫人はステージの中央に進み出ると、大仰な身振りで声を張り上げた。
「ああ、神よ! なぜ私にこのような試練を与えたもうか!」
流石は伝説の大女優。腹から出た声は朗々と響く。
しかし、ガラスの反響音がわずかにズレて、声が重なって聞こえてしまった。
「ほらご覧なさい! これでは演技になりません! 三流の箱ですわ!」
夫人は勝ち誇ったように私を指差した。
「こんな欠陥ホール、私が舞台に立つ価値もありません。取り壊しなさい!」
キースが怒りで眉をひそめる。
「……貴様、俺の妻の仕事を愚弄するか」
「いいのよ、キース」
私はキースの前に立ち、夫人に歩み寄った。
カツン、カツン。
ヒールの音が、静まり返ったドームにクリアに響く。
「音響が悪い? それは貴女の発声法が『古い』からですわ」
「な、なんですって!?」
「ここは王都の石造りの劇場とは違います。声を張り上げて遠くまで届かせる必要はありませんの」
私はステージの端に設置された、奇妙なラッパ型の装置を指差した。
「これは『集音魔道具』。ささやき声ですら拾い上げ、ドーム全体に優しく届ける最新鋭のスピーカーですわ」
私はマイク代わりの魔石を手に取り、吐息混じりに囁いた。
『……聞こえて? マダム』
そのウィスパーボイスは、ドームの隅々まで、まるで耳元で囁かれたかのように艶やかに響き渡った。
「ひゃっ!?」
劇団員たちが肩を震わせる。
「こ、小賢しい魔道具など……! 芝居とは、役者の肉体のみで表現する芸術です!」
「だから古いですのよ。時代は『テクノロジーと自然の融合』ですわ」
私はステージの中央に立った。
「貴女は言いましたわね。『演技力』こそが全てだと。……では、私が『演出力』とは何かをお見せしましょう」
私は頭上のガラス天井を指差した。
「キース、照明を落として」
「ああ」
キースがスイッチを切り替える。
フッ。
ドーム内の明かりが一斉に消えた。
「な、何よ! 真っ暗じゃない!」
夫人が狼狽える。
「上をご覧なさい」
私の声が響く。
暗闇に目が慣れた頃、頭上のガラス越しに、信じられない光景が広がっていた。
夜空に揺らめく、巨大な光の帯。
緑、紫、そして赤。
極北の空にしか現れない奇跡、オーロラが、ドーム全体を包み込むように爆発していた。
「な……なんという……」
全員が息を呑み、言葉を失う。
雪原の静寂。揺らめく光のカーテン。
その神秘的な光景の中、私は魔道具のスイッチを入れ、静かなピアノ曲(魔石レコード)を流した。
そして、オーロラの光だけをスポットライトにして、ゆっくりと踊り出した。
台詞はない。
ただ、光に合わせて手を伸ばし、回り、扇子を広げるだけ。
けれど、ガラスに反射するオーロラと、私のドレスの銀糸が共鳴し、私はまるで光の精霊のように見えたはずだ。
「……美しい……」
誰かが呟いた。
エレノア夫人も、口を開けたまま空を見上げている。
彼女が40年かけて磨いた「演技」も、大自然が織りなす圧倒的な「本物」の前では霞んでしまう。
私は最後に、オーロラに向かって手を掲げるポーズで静止した。
静寂。
そして、キースがゆっくりと拍手を始めた。
パチ、パチ、パチ。
それが合図となり、視察団や劇団員たちから割れんばかりの拍手が巻き起こった。
「ブラボー!」
「こんな劇場、見たことがない!」
「魔法みたいだ!」
照明が戻り、私は優雅に一礼した。
「いかがかしら、マダム? これが私の作った『舞台装置』ですわ」
エレノア夫人は、しばらく呆然としていたが、やがてガックリと肩を落とした。
「……負けましたわ」
彼女は悔しそうに、でもどこか清々しい顔で私を見た。
「私の演技は、劇場という『箱』の中で完結していました。でも貴女は……世界そのものを舞台にしてしまった」
夫人は私の手を取り、跪いた。
「撤回しますわ。ここは温室ではありません。……新しい時代の『神殿』です」
「分かっていただけて嬉しいですわ」
私はニッコリと笑い、彼女の手を握り返した。
「でも、謙遜なさらないで。この神殿には、まだ足りないものがありますの」
「足りないもの?」
「ええ。この圧倒的な光景にも負けない、力強い『歌声』です」
私はウィンクした。
「こけら落とし公演、主演をお願いできますか? 伝説のプリマドンナ」
夫人は目を丸くし、それから、今までで一番女優らしい、華やかな笑みを浮かべた。
「……ふふ。生意気なプロデューサーだこと。いいでしょう、この私がオーロラさえもバックコーラスに従えてみせますわ!」
こうして、芸術界の女帝との対決は、私の完全勝利(と和解)で幕を閉じた。
数日後に行われたこけら落とし公演は、もちろん大成功。
王都からは「オーロラの下で観劇ができる」という噂を聞きつけ、チケットを求める貴族が殺到した。
「忙しくなるな、タリー」
楽屋裏で、キースが満足げに言った。
「ええ。でも、まだまだ序の口よ」
私は新しい計画書を彼に見せた。
「次は『雪上舞踏会』と『氷の遊園地』よ! 冬の辺境を、眠らないエンタメ都市にするまでは死ねませんわ!」
私の野望は、オーロラよりも高く、どこまでも広がっていくのだった。
馬車から降り立った老婦人は、開口一番、不愉快そうに鼻にしわを寄せた。
彼女の名はエレノア・ヴァレンタイン。
王都の国立劇場で40年間トップに君臨し続ける、「伝説のプリマドンナ」。演技力は国宝級だが、プライドの高さも成層圏レベルと言われる、演劇界の女帝だ。
彼女が指差したのは、私の自慢の新作――完成したばかりの『全天候型ガラス張り大劇場』、通称『スノー・クリスタル・ドーム』だ。
雪原の中に忽然と現れた巨大なガラスのドームは、中の暖かな光を透過させ、まるで巨大な宝石箱のように輝いている。
「温室? 野菜でも育てるおつもり?」
エレノア夫人は、私の顔も見ずに言い放った。
「いいえ、文化を育てるのですわ。ようこそ、辺境ヴェルンシュタインへ」
私は扇子を開き、極上の笑顔で出迎えた。
今日の私は、ガラスの城に合わせて、銀糸を織り込んだアイスブルーのドレス。対する夫人は、重厚なベルベットのドレスに、時代がかった古めかしい宝飾品をジャラジャラとつけている。
「ふん。王都で噂の『革命児』とお聞きしていましたが……ただの派手好きな娘っ子のようですわね」
夫人は私を値踏みするようにジロジロと見た。
「視察団に同行したのは、貴女が『最高の劇場を作った』と豪語していると聞いたからですの。でも、期待はずれでしたわ」
「まだ中もご覧になっていないのに?」
「外見で分かります。あんなガラス張りでは、音響は最悪、照明も散漫。あそこで演じられるのは、せいぜい猿回しか道化芝居がお似合いでしょう」
夫人が嘲笑うと、取り巻きの劇団員たちもクスクスと笑った。
「失礼な!」
後ろに控えていたマーサが色めき立つ。
私は扇子でマーサを制し、涼しい顔で言った。
「猿回し……ええ、あながち間違いではありませんわ。隣の露天風呂には猿が入っていますし」
「さ、猿!? 野蛮な!」
「ですが夫人。……百聞は一見にしかず、ですわ。まずは中へどうぞ」
私はキースに目配せをした。
キースは無言で頷き、重厚なガラスの扉を開け放った。
◇
「……っ!?」
ドームの中に足を踏み入れた瞬間、エレノア夫人の足が止まった。
外は氷点下の吹雪。しかし、一歩中は春のような暖かさに包まれている。
床には大理石が敷き詰められ、パイプを通った温泉熱が床暖房として機能している。
そして何より圧巻なのは、天井だ。
頭上360度、すべてが透明な強化ガラス。
雪が降り積もらないよう計算された角度と熱源により、視界を遮るものは何もない。
夜空から降り注ぐ雪が、まるでスローモーションの星屑のように見える。
「……綺麗……」
取り巻きの若い女優が、思わず声を漏らした。
「……見かけ倒しですわ」
エレノア夫人は、必死に動揺を隠してフンと鼻を鳴らした。
「確かに景色は良いでしょう。ですが、劇場としての機能はどうかしら? こんな広すぎて音が散ってしまう空間で、繊細な台詞回しが届くとでも?」
夫人はステージの中央に進み出ると、大仰な身振りで声を張り上げた。
「ああ、神よ! なぜ私にこのような試練を与えたもうか!」
流石は伝説の大女優。腹から出た声は朗々と響く。
しかし、ガラスの反響音がわずかにズレて、声が重なって聞こえてしまった。
「ほらご覧なさい! これでは演技になりません! 三流の箱ですわ!」
夫人は勝ち誇ったように私を指差した。
「こんな欠陥ホール、私が舞台に立つ価値もありません。取り壊しなさい!」
キースが怒りで眉をひそめる。
「……貴様、俺の妻の仕事を愚弄するか」
「いいのよ、キース」
私はキースの前に立ち、夫人に歩み寄った。
カツン、カツン。
ヒールの音が、静まり返ったドームにクリアに響く。
「音響が悪い? それは貴女の発声法が『古い』からですわ」
「な、なんですって!?」
「ここは王都の石造りの劇場とは違います。声を張り上げて遠くまで届かせる必要はありませんの」
私はステージの端に設置された、奇妙なラッパ型の装置を指差した。
「これは『集音魔道具』。ささやき声ですら拾い上げ、ドーム全体に優しく届ける最新鋭のスピーカーですわ」
私はマイク代わりの魔石を手に取り、吐息混じりに囁いた。
『……聞こえて? マダム』
そのウィスパーボイスは、ドームの隅々まで、まるで耳元で囁かれたかのように艶やかに響き渡った。
「ひゃっ!?」
劇団員たちが肩を震わせる。
「こ、小賢しい魔道具など……! 芝居とは、役者の肉体のみで表現する芸術です!」
「だから古いですのよ。時代は『テクノロジーと自然の融合』ですわ」
私はステージの中央に立った。
「貴女は言いましたわね。『演技力』こそが全てだと。……では、私が『演出力』とは何かをお見せしましょう」
私は頭上のガラス天井を指差した。
「キース、照明を落として」
「ああ」
キースがスイッチを切り替える。
フッ。
ドーム内の明かりが一斉に消えた。
「な、何よ! 真っ暗じゃない!」
夫人が狼狽える。
「上をご覧なさい」
私の声が響く。
暗闇に目が慣れた頃、頭上のガラス越しに、信じられない光景が広がっていた。
夜空に揺らめく、巨大な光の帯。
緑、紫、そして赤。
極北の空にしか現れない奇跡、オーロラが、ドーム全体を包み込むように爆発していた。
「な……なんという……」
全員が息を呑み、言葉を失う。
雪原の静寂。揺らめく光のカーテン。
その神秘的な光景の中、私は魔道具のスイッチを入れ、静かなピアノ曲(魔石レコード)を流した。
そして、オーロラの光だけをスポットライトにして、ゆっくりと踊り出した。
台詞はない。
ただ、光に合わせて手を伸ばし、回り、扇子を広げるだけ。
けれど、ガラスに反射するオーロラと、私のドレスの銀糸が共鳴し、私はまるで光の精霊のように見えたはずだ。
「……美しい……」
誰かが呟いた。
エレノア夫人も、口を開けたまま空を見上げている。
彼女が40年かけて磨いた「演技」も、大自然が織りなす圧倒的な「本物」の前では霞んでしまう。
私は最後に、オーロラに向かって手を掲げるポーズで静止した。
静寂。
そして、キースがゆっくりと拍手を始めた。
パチ、パチ、パチ。
それが合図となり、視察団や劇団員たちから割れんばかりの拍手が巻き起こった。
「ブラボー!」
「こんな劇場、見たことがない!」
「魔法みたいだ!」
照明が戻り、私は優雅に一礼した。
「いかがかしら、マダム? これが私の作った『舞台装置』ですわ」
エレノア夫人は、しばらく呆然としていたが、やがてガックリと肩を落とした。
「……負けましたわ」
彼女は悔しそうに、でもどこか清々しい顔で私を見た。
「私の演技は、劇場という『箱』の中で完結していました。でも貴女は……世界そのものを舞台にしてしまった」
夫人は私の手を取り、跪いた。
「撤回しますわ。ここは温室ではありません。……新しい時代の『神殿』です」
「分かっていただけて嬉しいですわ」
私はニッコリと笑い、彼女の手を握り返した。
「でも、謙遜なさらないで。この神殿には、まだ足りないものがありますの」
「足りないもの?」
「ええ。この圧倒的な光景にも負けない、力強い『歌声』です」
私はウィンクした。
「こけら落とし公演、主演をお願いできますか? 伝説のプリマドンナ」
夫人は目を丸くし、それから、今までで一番女優らしい、華やかな笑みを浮かべた。
「……ふふ。生意気なプロデューサーだこと。いいでしょう、この私がオーロラさえもバックコーラスに従えてみせますわ!」
こうして、芸術界の女帝との対決は、私の完全勝利(と和解)で幕を閉じた。
数日後に行われたこけら落とし公演は、もちろん大成功。
王都からは「オーロラの下で観劇ができる」という噂を聞きつけ、チケットを求める貴族が殺到した。
「忙しくなるな、タリー」
楽屋裏で、キースが満足げに言った。
「ええ。でも、まだまだ序の口よ」
私は新しい計画書を彼に見せた。
「次は『雪上舞踏会』と『氷の遊園地』よ! 冬の辺境を、眠らないエンタメ都市にするまでは死ねませんわ!」
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