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「見つけたわよ、ダンキアお姉様!」
金切り声が、優雅なワルツの余韻をかき消した。
大広間の入り口に立っていたのは、桃色のふわふわしたドレスを着た小柄な少女、ミーナである。
彼女の背後には、いかにも柄の悪そうな屈強な男たちが十名ほど控えていた。
「あら?」
ダンキアは七面鳥のモモ肉を片手に振り返った。
口元についたソースをナプキンで拭いながら、首をかしげる。
「ミーナ様ではありませんか。奇遇ですね。あなたも筋肉増量キャンペーン中ですか?」
「違います! あなたを捕まえに来たのよ!」
ミーナはビシッとダンキアを指差した。
「クラーク殿下が仰っていたわ。『ダンキアは隣国へ逃亡し、あることないこと吹き込んで同情を引こうとしている』って! だから私が連れ戻しに来てあげたのよ!」
会場がざわめく。
「連れ戻す?」
「そうよ! これ以上、殿下の顔に泥を塗るのはやめて! 大人しく国に帰って、修道院に入るのよ!」
ミーナは勝ち誇った顔をした。
彼女は自分を「正義のヒロイン」だと信じて疑っていない。
悪役令嬢を成敗し、愛する王子を救う。
そのシナリオに酔いしれていた。
しかし、ダンキアの反応は薄かった。
「修道院ですか。あそこは食事が質素だと聞いています。タンパク質が不足するのでお断りします」
「なっ……! そんな理由で!?」
「筋肉にとって栄養は命です。それよりミーナ様、わざわざ隣国まで来るなんて、随分と体力がつきましたね。以前は階段を数段上るだけで息切れしていたのに」
「う、うるさいわね! 馬車で来たに決まってるでしょ!」
ミーナは地団駄を踏んだ。
「もういいわ! 話が通じないなら力ずくよ! やっておしまいなさい!」
彼女の号令で、後ろに控えていた男たちが前に出た。
彼らはミーナが実家の財力で雇った傭兵団『黒き牙』の荒くれ者たちだ。
「へへっ、相手は女一人か。楽な仕事だぜ」
「綺麗な顔してやがる。手荒な真似はしたくねえが、恨むなよ」
男たちが武器を構え、ジリジリと包囲網を狭めてくる。
ルーファスが前に出ようとした。
「僕の客人に無礼な……衛兵!」
「お待ちください、ルーファス様」
ダンキアが彼を手で制した。
「食後の運動にはちょうど良いです。それに、彼らの立ち方……見てください」
「立ち方?」
「重心が浮いています。あれではタックル一つで転びますよ」
ダンキアは食べかけの七面鳥をルーファスに預けた。
「少しの間、私のターキーを持っていてください。冷めないうちに終わらせますので」
「……分かった。味わって待っているよ」
ルーファスは苦笑して下がった。
ダンキアはドレスの裾を再び持ち上げ(すでに破れているので動きやすい)、男たちの前に進み出た。
「では、参ります」
「ナメやがって! かかれぇ!」
先頭の男が剣を振りかぶり、襲いかかった。
速い。一般人なら反応できない速度だ。
だが。
「遅いです」
ダンキアはその場から一歩も動かず、上半身だけをスッと逸らした。
ブンッ!
剣が空を切る。
「隙だらけですよ」
彼女は男の懐に滑り込み、軽く掌底を押し当てた。
「ふんっ」
ドォォォン!!
「ぐはぁっ!?」
男の体が砲弾のように吹き飛んだ。
背後にいた仲間三人を巻き込み、ビュッフェのテーブルの下へと転がっていく。
「なっ……!?」
残った男たちが動きを止める。
「次の方、どうぞ。グループレッスンでも構いませんよ」
ダンキアはニッコリと微笑み、手招きをした。
「ち、畜生! 囲んで叩け!」
残りの六人が一斉に飛びかかる。
剣、槍、斧。
あらゆる方向からの同時攻撃。
しかし、ダンキアにとってはスローモーション映像を見ているようなものだった。
「はい、右足の踏み込みが甘い」
彼女は斧を避けると同時に、男の足を軽く蹴払った。男は自転しながら転倒。
「槍はもっと腰で突かないと」
突き出された槍の穂先を素手で掴み、強引に奪い取ると、槍の柄で男の頭をポカリと叩く。
「剣筋がブレています」
振り下ろされた剣を指先(デコピン)で弾き、軌道を逸らす。男は勢い余って隣の仲間の顔面を殴ってしまった。
ドカッ! バキッ! ズドン!
わずか数十秒。
大広間の床には、ピクピクと痙攣する男たちの山が築かれていた。
「ふう。皆様、基礎体力が足りませんね。明日からランニングと言いますか、走り込みを推奨します」
ダンキアは息一つ乱さず、優雅にカーテシーをした。
会場からは拍手すら起きない。
あまりの圧倒的な光景に、全員が言葉を失っていたのだ。
ただ一人、ミーナを除いて。
「ひ……ひぃぃ……」
ミーナは腰を抜かしてへたり込んでいた。
顔面は蒼白で、涙と鼻水で化粧が崩れている。
「な、なによそれ……人間じゃない……」
「失礼ですね。努力の結晶です」
ダンキアはミーナの方へ歩み寄った。
「く、来るな! 来ないで!」
ミーナは這いずって後退する。
「私をどうする気!? またいじめる気でしょ! 学園の時みたいに!」
その言葉に、ダンキアの足が止まった。
「いじめる?」
ダンキアは首を傾げた。
そして、何かを納得したようにポンと手を打った。
「ああ、なるほど。そういうことでしたか」
「え?」
「あなたは『いじめられた』と言いますが、それは私の指導が厳しすぎた、という意味ではなく……『物足りなかった』ということなのですね?」
「はあ!?」
ミーナの声が裏返る。
ダンキアの思考回路は、常に筋肉とポジティブ変換で構成されている。
彼女の解釈はこうだ。
『私が手加減しすぎたせいで、ミーナ様は成長の実感を得られず、それを不満(いじめ)として訴えているのだ』
「申し訳ありません、ミーナ様。私の配慮が足りませんでした」
ダンキアは慈愛に満ちた(ミーナには悪魔に見える)笑顔で言った。
「あなたはもっと強くなりたかったのですね。自分の足で立ち、男に頼らず生きていける強さを求めていた。だからこそ、こうして私を追いかけてきた」
「ち、違う! 全然違う!」
「遠慮なさらないで。その熱意、確かに受け取りました」
ダンキアが、ゴゴゴ……というオーラを背負いながら一歩踏み出す。
「今ここで、特別補習を行いましょう。まずはスクワット一万回からです」
「い、一万……!?」
「大丈夫、私が補助します。立てなくなったら、私が無理やり立たせて差し上げますから」
「ひぃぃぃぃぃ!!」
ミーナの恐怖許容量が限界を超えた。
彼女は火事場の馬鹿力で立ち上がり、脱兎のごとく駆け出した。
「嫌ぁぁぁぁ! 殺されるぅぅぅ!!」
「あっ、待ってください! フォームが乱れていますよ!」
「来るなぁぁぁぁ!!」
ミーナは大広間の出口へ向かって全力疾走した。
その速度は、過去最高記録を更新していただろう。
ドレスの裾をまくり上げ、なりふり構わず逃げていく彼女の姿は、ある意味で清々しかった。
「……行ってしまわれました」
ダンキアは残念そうに見送った。
「やはりスタミナ不足ですね。逃げ足だけは速いのですが」
「いや、素晴らしい逃げ足だったよ」
ルーファスが背後から声をかけた。
手には、まだ温かい七面鳥がある。
「あの子、君を見て本能で悟ったんだね。『これには勝てない』って」
「勝負などしていませんよ。私はただ、友情を育もうとしただけです」
「それが一番怖いんだよ」
ルーファスは笑いながら七面鳥を返した。
「さあ、邪魔者はいなくなった。食事の続きといこうか」
「はい!」
ダンキアは嬉々として肉にかぶりついた。
会場の貴族たちも、ようやく呪縛が解けたようにざわめき始める。
「聞いたか? あの方、襲撃者を素手で……」
「しかも、慈悲深い心で指導までしようとしていたぞ」
「やはり聖女だ……筋肉の……」
こうして、ミーナの襲撃は失敗に終わった。
しかし、これは単なる前哨戦に過ぎない。
逃げ帰ったミーナが、ある『禁断の場所』へ迷い込むことで、事態は思わぬ方向へと転がっていくことになる。
だが、今のダンキアはまだ知らない。
彼女の興味は、目の前のデザートタワーをどう攻略するか、という一点に注がれていた。
「ルーファス様、あのケーキの塔、下から抜いたら崩れますか?」
「ジェンガじゃないんだから、上から取ってね」
金切り声が、優雅なワルツの余韻をかき消した。
大広間の入り口に立っていたのは、桃色のふわふわしたドレスを着た小柄な少女、ミーナである。
彼女の背後には、いかにも柄の悪そうな屈強な男たちが十名ほど控えていた。
「あら?」
ダンキアは七面鳥のモモ肉を片手に振り返った。
口元についたソースをナプキンで拭いながら、首をかしげる。
「ミーナ様ではありませんか。奇遇ですね。あなたも筋肉増量キャンペーン中ですか?」
「違います! あなたを捕まえに来たのよ!」
ミーナはビシッとダンキアを指差した。
「クラーク殿下が仰っていたわ。『ダンキアは隣国へ逃亡し、あることないこと吹き込んで同情を引こうとしている』って! だから私が連れ戻しに来てあげたのよ!」
会場がざわめく。
「連れ戻す?」
「そうよ! これ以上、殿下の顔に泥を塗るのはやめて! 大人しく国に帰って、修道院に入るのよ!」
ミーナは勝ち誇った顔をした。
彼女は自分を「正義のヒロイン」だと信じて疑っていない。
悪役令嬢を成敗し、愛する王子を救う。
そのシナリオに酔いしれていた。
しかし、ダンキアの反応は薄かった。
「修道院ですか。あそこは食事が質素だと聞いています。タンパク質が不足するのでお断りします」
「なっ……! そんな理由で!?」
「筋肉にとって栄養は命です。それよりミーナ様、わざわざ隣国まで来るなんて、随分と体力がつきましたね。以前は階段を数段上るだけで息切れしていたのに」
「う、うるさいわね! 馬車で来たに決まってるでしょ!」
ミーナは地団駄を踏んだ。
「もういいわ! 話が通じないなら力ずくよ! やっておしまいなさい!」
彼女の号令で、後ろに控えていた男たちが前に出た。
彼らはミーナが実家の財力で雇った傭兵団『黒き牙』の荒くれ者たちだ。
「へへっ、相手は女一人か。楽な仕事だぜ」
「綺麗な顔してやがる。手荒な真似はしたくねえが、恨むなよ」
男たちが武器を構え、ジリジリと包囲網を狭めてくる。
ルーファスが前に出ようとした。
「僕の客人に無礼な……衛兵!」
「お待ちください、ルーファス様」
ダンキアが彼を手で制した。
「食後の運動にはちょうど良いです。それに、彼らの立ち方……見てください」
「立ち方?」
「重心が浮いています。あれではタックル一つで転びますよ」
ダンキアは食べかけの七面鳥をルーファスに預けた。
「少しの間、私のターキーを持っていてください。冷めないうちに終わらせますので」
「……分かった。味わって待っているよ」
ルーファスは苦笑して下がった。
ダンキアはドレスの裾を再び持ち上げ(すでに破れているので動きやすい)、男たちの前に進み出た。
「では、参ります」
「ナメやがって! かかれぇ!」
先頭の男が剣を振りかぶり、襲いかかった。
速い。一般人なら反応できない速度だ。
だが。
「遅いです」
ダンキアはその場から一歩も動かず、上半身だけをスッと逸らした。
ブンッ!
剣が空を切る。
「隙だらけですよ」
彼女は男の懐に滑り込み、軽く掌底を押し当てた。
「ふんっ」
ドォォォン!!
「ぐはぁっ!?」
男の体が砲弾のように吹き飛んだ。
背後にいた仲間三人を巻き込み、ビュッフェのテーブルの下へと転がっていく。
「なっ……!?」
残った男たちが動きを止める。
「次の方、どうぞ。グループレッスンでも構いませんよ」
ダンキアはニッコリと微笑み、手招きをした。
「ち、畜生! 囲んで叩け!」
残りの六人が一斉に飛びかかる。
剣、槍、斧。
あらゆる方向からの同時攻撃。
しかし、ダンキアにとってはスローモーション映像を見ているようなものだった。
「はい、右足の踏み込みが甘い」
彼女は斧を避けると同時に、男の足を軽く蹴払った。男は自転しながら転倒。
「槍はもっと腰で突かないと」
突き出された槍の穂先を素手で掴み、強引に奪い取ると、槍の柄で男の頭をポカリと叩く。
「剣筋がブレています」
振り下ろされた剣を指先(デコピン)で弾き、軌道を逸らす。男は勢い余って隣の仲間の顔面を殴ってしまった。
ドカッ! バキッ! ズドン!
わずか数十秒。
大広間の床には、ピクピクと痙攣する男たちの山が築かれていた。
「ふう。皆様、基礎体力が足りませんね。明日からランニングと言いますか、走り込みを推奨します」
ダンキアは息一つ乱さず、優雅にカーテシーをした。
会場からは拍手すら起きない。
あまりの圧倒的な光景に、全員が言葉を失っていたのだ。
ただ一人、ミーナを除いて。
「ひ……ひぃぃ……」
ミーナは腰を抜かしてへたり込んでいた。
顔面は蒼白で、涙と鼻水で化粧が崩れている。
「な、なによそれ……人間じゃない……」
「失礼ですね。努力の結晶です」
ダンキアはミーナの方へ歩み寄った。
「く、来るな! 来ないで!」
ミーナは這いずって後退する。
「私をどうする気!? またいじめる気でしょ! 学園の時みたいに!」
その言葉に、ダンキアの足が止まった。
「いじめる?」
ダンキアは首を傾げた。
そして、何かを納得したようにポンと手を打った。
「ああ、なるほど。そういうことでしたか」
「え?」
「あなたは『いじめられた』と言いますが、それは私の指導が厳しすぎた、という意味ではなく……『物足りなかった』ということなのですね?」
「はあ!?」
ミーナの声が裏返る。
ダンキアの思考回路は、常に筋肉とポジティブ変換で構成されている。
彼女の解釈はこうだ。
『私が手加減しすぎたせいで、ミーナ様は成長の実感を得られず、それを不満(いじめ)として訴えているのだ』
「申し訳ありません、ミーナ様。私の配慮が足りませんでした」
ダンキアは慈愛に満ちた(ミーナには悪魔に見える)笑顔で言った。
「あなたはもっと強くなりたかったのですね。自分の足で立ち、男に頼らず生きていける強さを求めていた。だからこそ、こうして私を追いかけてきた」
「ち、違う! 全然違う!」
「遠慮なさらないで。その熱意、確かに受け取りました」
ダンキアが、ゴゴゴ……というオーラを背負いながら一歩踏み出す。
「今ここで、特別補習を行いましょう。まずはスクワット一万回からです」
「い、一万……!?」
「大丈夫、私が補助します。立てなくなったら、私が無理やり立たせて差し上げますから」
「ひぃぃぃぃぃ!!」
ミーナの恐怖許容量が限界を超えた。
彼女は火事場の馬鹿力で立ち上がり、脱兎のごとく駆け出した。
「嫌ぁぁぁぁ! 殺されるぅぅぅ!!」
「あっ、待ってください! フォームが乱れていますよ!」
「来るなぁぁぁぁ!!」
ミーナは大広間の出口へ向かって全力疾走した。
その速度は、過去最高記録を更新していただろう。
ドレスの裾をまくり上げ、なりふり構わず逃げていく彼女の姿は、ある意味で清々しかった。
「……行ってしまわれました」
ダンキアは残念そうに見送った。
「やはりスタミナ不足ですね。逃げ足だけは速いのですが」
「いや、素晴らしい逃げ足だったよ」
ルーファスが背後から声をかけた。
手には、まだ温かい七面鳥がある。
「あの子、君を見て本能で悟ったんだね。『これには勝てない』って」
「勝負などしていませんよ。私はただ、友情を育もうとしただけです」
「それが一番怖いんだよ」
ルーファスは笑いながら七面鳥を返した。
「さあ、邪魔者はいなくなった。食事の続きといこうか」
「はい!」
ダンキアは嬉々として肉にかぶりついた。
会場の貴族たちも、ようやく呪縛が解けたようにざわめき始める。
「聞いたか? あの方、襲撃者を素手で……」
「しかも、慈悲深い心で指導までしようとしていたぞ」
「やはり聖女だ……筋肉の……」
こうして、ミーナの襲撃は失敗に終わった。
しかし、これは単なる前哨戦に過ぎない。
逃げ帰ったミーナが、ある『禁断の場所』へ迷い込むことで、事態は思わぬ方向へと転がっていくことになる。
だが、今のダンキアはまだ知らない。
彼女の興味は、目の前のデザートタワーをどう攻略するか、という一点に注がれていた。
「ルーファス様、あのケーキの塔、下から抜いたら崩れますか?」
「ジェンガじゃないんだから、上から取ってね」
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