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アルカディア王国軍が敗走した、その日の夜。
国境近くの深い森の中に、ひっそりと佇む古代遺跡があった。
そこへ、ボロボロになった一台の馬車が逃げ込んでくる。
「はぁ、はぁ……ここまで来れば、あの筋肉女も追ってこれまい」
馬車から降りてきたのは、煤だらけになったクラーク王太子だ。
かつての煌びやかな姿は見る影もない。
髪はボサボサ、服はポチ(ケルベロス)のヨダレでベトベトである。
「殿下、もう帰りましょうよぉ……」
続いて降りてきたミーナが、涙声で訴える。
彼女もまた、ドレスが泥だらけになり、ハイヒールの片方を失っていた。
「帰る? 馬鹿を言うな!」
クラークが血走った目で叫ぶ。
「このまま帰れるか! 五万の軍勢を失い、ゴミ拾いを命じられて逃げ帰ったなどと知れれば、廃嫡どころか国外追放だぞ!」
「じゃあどうするんですかぁ! あんなバケモノ、勝てるわけないじゃないですか!」
「勝てる。勝てるのだ!」
クラークは遺跡の奥、巨大な石扉を指差した。
「ここには、王家に伝わる『最終兵器』が封印されている。初代国王が魔王と戦うために作った、伝説の巨人兵『マジン・ガーディアン』だ!」
「マジン……?」
「そうだ。これさえあれば、ダンキアごとき一ひねりだ! 見ていろ!」
クラークは王家の紋章が入ったペンダントを、扉の窪みにはめ込んだ。
ゴゴゴゴゴ……!
重苦しい音と共に、石扉が開く。
中には、巨大な格納庫が広がっていた。
そして、その中央に鎮座していたのは。
「……え?」
ミーナが絶句した。
そこにあったのは、全長二十メートルはある巨大な鉄の塊。
人型をしているが、そのデザインはあまりに独特だった。
頭部が異常に大きく、体は寸胴。
そしてなぜか、顔の部分が『おじさんの顔(初代国王の肖像)』になっている。
「ダサッ……」
ミーナが思わず本音を漏らした。
「黙れ! 機能美だ!」
クラークは狂喜乱舞して巨人の足元へ駆け寄る。
「さあ、起動するぞ! 我が王家の血に応えよ、マジン・ガーディアン!」
彼はコクピットへの昇降口を開け、中へと乗り込んだ。
ブゥゥゥン……。
低い駆動音が響き、巨人の目がピカッと光る。
『システム起動……パイロット認証完了……クラーク・ド・アルカディア……』
「やった! 動いたぞ!」
『エネルギー残量低下……稼働には燃料が必要です』
「燃料? 魔石なら持っているぞ!」
クラークは懐から最高級の魔石を取り出し、投入口へ入れた。
しかし。
ペッ。
巨人が魔石を吐き出した。
『エラー。当機体の動力源は魔力ではありません』
「は? じゃあ何だ?」
『当機体は、パイロットの“負の感情”をエネルギー変換して稼働します。嫉妬、恨み、自己正当化、逆ギレ……それらが高純度であるほど出力が上がります』
「……」
ミーナが真顔で呟いた。
「殿下にぴったりですね」
「うるさい!」
クラークはコクピットで叫んだ。
「いいだろう! 私の恨みつらみを聞かせてやる! 聞いて驚け! 私はなぁ、生まれた時からチヤホヤされてきたんだ! それなのに、あのダンキアめ! 私より仕事ができるくせに、私を立てようともしない! しかも隣国の王子とイチャイチャしやがって! 悔しい! 羨ましい! ムカつくぅぅぅ!!」
『エネルギー充填開始……嫉妬レベル、マックス。自己中心度、測定不能。素晴らしい燃料です』
キュイイイイイーン!!
巨人の全身が赤黒く発光し始めた。
蒸気が噴き出し、遺跡が震える。
『出力120%! 暴走モードへ移行します』
「はーっはッは! 見たか! これが私の才能だ!」
クラークが高笑いする。
巨人がゆっくりと動き出した。
その一歩一歩が、地震のような衝撃を生む。
「待っていろダンキア! 今度こそ、その鼻っ柱をへし折ってやる!」
ズシン、ズシン……。
おじさんの顔をした巨大ロボットが、夜の森を進撃し始めた。
その背中を見送りながら、取り残されたミーナは冷めた目で呟いた。
「……もう、どうでもいいや」
彼女は近くの切り株に座り込んだ。
「私、なんであんな男に必死だったんだろ。……ダンキアお姉様の方が、よっぽど男らしいし頼りになるし……」
彼女の心の中で、何かが音を立てて崩れ落ちていた。
それはクラークへの愛(というか執着)であり、同時に新たな感情――『ダンキアへの憧れ』の芽生えであった。
***
一方、オルティス王国の国境守備隊の詰め所。
ダンキアたちは、勝利の祝杯(プロテインとお茶)を上げていた。
「ふぅ……やはり運動後のプロテインは格別ですね」
ダンキアが一気飲みをする。
「姉御、もう一杯どうですか?」
「いえ、過剰摂取は肝臓に負担をかけます。適量が大事です」
平和な空気が流れる中、ルーファスが深刻な顔で近づいてきた。
「ダンキア、少し熱っぽくないかい?」
彼はダンキアの額に手を当てた。
戦場での『壁ドン(治療)』は中断されたままだ。
「はい。まだ胸の奥が熱いです。心拍数も平常時の1.5倍を推移しています」
「それは……まだ僕にドキドキしているということ?」
ルーファスが期待を込めて尋ねる。
ダンキアは真剣に考え、そして答えた。
「恐らく、心筋のオーバーワークです」
「……は?」
「先ほどの戦闘で、少し張り切りすぎました。『大地返し』の際、血圧が急上昇したのが原因かと。これはクールダウンが必要です」
「……」
ルーファスはガクリと項垂れた。
(やっぱり筋肉のせいにするのか……)
「なので、心臓を鍛え直します」
「鍛える? どうやって?」
「心拍数を限界まで上げて、そこからリラックスさせる。インターバルトレーニングです。ルーファス様、手伝っていただけますか?」
「え、僕が? 何をすれば?」
「私を驚かせてください」
「驚かせる?」
「はい。恐怖、あるいは興奮で心臓を跳ねさせてください。そうすれば、私の心筋はより強靭に生まれ変わるはずです!」
「……そういう趣旨じゃないんだけどなぁ」
ルーファスは苦笑した。
だが、チャンスと言えばチャンスだ。
「分かった。君をドキドキさせればいいんだね?」
「はい! 全力でお願いします!」
ルーファスは不敵に笑った。
「じゃあ、覚悟してね。僕の『愛の囁き』攻撃は、物理攻撃より効くかもしれないよ」
彼がダンキアの耳元に顔を寄せようとした、その時。
ズシン……ズシン……。
遠くから、重低音の地響きが聞こえてきた。
「ん?」
ダンキアが耳をピクリと動かす。
「……リズムが悪いですね」
「え?」
「この足音。左右のバランスが悪く、重心が後ろに傾いています。かなり姿勢の悪い巨人が歩いているようです」
「巨人?」
兵士が慌てて部屋に入ってきた。
「ほ、報告! 森の方角から、巨大な……その、おじさんの顔をした鉄の塊が接近してきます!」
「はい?」
「おじさんの顔……?」
全員が外に出た。
夜の闇の中、月明かりに照らされて、それは姿を現した。
全長二十メートル。
テカテカと光るハゲ頭(鉄製)。
そして、ギョロリとした目。
『ダンキアァァァァァ!! ドコだァァァァァ!!』
巨人の口から、拡声されたクラークの声が響き渡る。
そのあまりにシュールで、かつ生理的に受け付けないビジュアルに、その場にいた全員が固まった。
「……うわぁ」
シルヴィアがドン引きする。
「なんて醜悪なデザイン……美学のかけらもありませんわ」
ルーファスも頭を抱えた。
「あれがアルカディアの最終兵器かい? 国民のセンスを疑うよ」
だが、ダンキアだけは違った。
「まあ……!」
彼女は目を輝かせた。
「なんて大きな……サンドバッグ!」
「えっ」
「見てください、あの平坦なボディ! あの殴りやすそうな顔! 最高の打撃練習マシンではありませんか!」
ダンキアはウズウズと準備運動を始めた。
「ルーファス様! 心拍数を上げるトレーニング、あれに変更してもいいですか?」
「え、あれと戦うの?」
「はい! あれなら思う存分、壊れるまで殴れそうです!」
ダンキアは嬉々として駆け出した。
「待っていなさい、巨大おじさん! 私が全身の歪みを矯正して差し上げます!」
『見つけたぞダンキア! このマジン・ガーディアンの錆となれぇぇぇ!』
クラークの絶叫と共に、巨人が拳を振り上げる。
最悪の兵器と、最強の令嬢。
ある意味、似た者同士(規格外)の頂上決戦が始まろうとしていた。
ルーファスは呟いた。
「……もう、勝手にしてくれ」
彼は胃薬を飲みながら、特等席で観戦することに決めた。
国境近くの深い森の中に、ひっそりと佇む古代遺跡があった。
そこへ、ボロボロになった一台の馬車が逃げ込んでくる。
「はぁ、はぁ……ここまで来れば、あの筋肉女も追ってこれまい」
馬車から降りてきたのは、煤だらけになったクラーク王太子だ。
かつての煌びやかな姿は見る影もない。
髪はボサボサ、服はポチ(ケルベロス)のヨダレでベトベトである。
「殿下、もう帰りましょうよぉ……」
続いて降りてきたミーナが、涙声で訴える。
彼女もまた、ドレスが泥だらけになり、ハイヒールの片方を失っていた。
「帰る? 馬鹿を言うな!」
クラークが血走った目で叫ぶ。
「このまま帰れるか! 五万の軍勢を失い、ゴミ拾いを命じられて逃げ帰ったなどと知れれば、廃嫡どころか国外追放だぞ!」
「じゃあどうするんですかぁ! あんなバケモノ、勝てるわけないじゃないですか!」
「勝てる。勝てるのだ!」
クラークは遺跡の奥、巨大な石扉を指差した。
「ここには、王家に伝わる『最終兵器』が封印されている。初代国王が魔王と戦うために作った、伝説の巨人兵『マジン・ガーディアン』だ!」
「マジン……?」
「そうだ。これさえあれば、ダンキアごとき一ひねりだ! 見ていろ!」
クラークは王家の紋章が入ったペンダントを、扉の窪みにはめ込んだ。
ゴゴゴゴゴ……!
重苦しい音と共に、石扉が開く。
中には、巨大な格納庫が広がっていた。
そして、その中央に鎮座していたのは。
「……え?」
ミーナが絶句した。
そこにあったのは、全長二十メートルはある巨大な鉄の塊。
人型をしているが、そのデザインはあまりに独特だった。
頭部が異常に大きく、体は寸胴。
そしてなぜか、顔の部分が『おじさんの顔(初代国王の肖像)』になっている。
「ダサッ……」
ミーナが思わず本音を漏らした。
「黙れ! 機能美だ!」
クラークは狂喜乱舞して巨人の足元へ駆け寄る。
「さあ、起動するぞ! 我が王家の血に応えよ、マジン・ガーディアン!」
彼はコクピットへの昇降口を開け、中へと乗り込んだ。
ブゥゥゥン……。
低い駆動音が響き、巨人の目がピカッと光る。
『システム起動……パイロット認証完了……クラーク・ド・アルカディア……』
「やった! 動いたぞ!」
『エネルギー残量低下……稼働には燃料が必要です』
「燃料? 魔石なら持っているぞ!」
クラークは懐から最高級の魔石を取り出し、投入口へ入れた。
しかし。
ペッ。
巨人が魔石を吐き出した。
『エラー。当機体の動力源は魔力ではありません』
「は? じゃあ何だ?」
『当機体は、パイロットの“負の感情”をエネルギー変換して稼働します。嫉妬、恨み、自己正当化、逆ギレ……それらが高純度であるほど出力が上がります』
「……」
ミーナが真顔で呟いた。
「殿下にぴったりですね」
「うるさい!」
クラークはコクピットで叫んだ。
「いいだろう! 私の恨みつらみを聞かせてやる! 聞いて驚け! 私はなぁ、生まれた時からチヤホヤされてきたんだ! それなのに、あのダンキアめ! 私より仕事ができるくせに、私を立てようともしない! しかも隣国の王子とイチャイチャしやがって! 悔しい! 羨ましい! ムカつくぅぅぅ!!」
『エネルギー充填開始……嫉妬レベル、マックス。自己中心度、測定不能。素晴らしい燃料です』
キュイイイイイーン!!
巨人の全身が赤黒く発光し始めた。
蒸気が噴き出し、遺跡が震える。
『出力120%! 暴走モードへ移行します』
「はーっはッは! 見たか! これが私の才能だ!」
クラークが高笑いする。
巨人がゆっくりと動き出した。
その一歩一歩が、地震のような衝撃を生む。
「待っていろダンキア! 今度こそ、その鼻っ柱をへし折ってやる!」
ズシン、ズシン……。
おじさんの顔をした巨大ロボットが、夜の森を進撃し始めた。
その背中を見送りながら、取り残されたミーナは冷めた目で呟いた。
「……もう、どうでもいいや」
彼女は近くの切り株に座り込んだ。
「私、なんであんな男に必死だったんだろ。……ダンキアお姉様の方が、よっぽど男らしいし頼りになるし……」
彼女の心の中で、何かが音を立てて崩れ落ちていた。
それはクラークへの愛(というか執着)であり、同時に新たな感情――『ダンキアへの憧れ』の芽生えであった。
***
一方、オルティス王国の国境守備隊の詰め所。
ダンキアたちは、勝利の祝杯(プロテインとお茶)を上げていた。
「ふぅ……やはり運動後のプロテインは格別ですね」
ダンキアが一気飲みをする。
「姉御、もう一杯どうですか?」
「いえ、過剰摂取は肝臓に負担をかけます。適量が大事です」
平和な空気が流れる中、ルーファスが深刻な顔で近づいてきた。
「ダンキア、少し熱っぽくないかい?」
彼はダンキアの額に手を当てた。
戦場での『壁ドン(治療)』は中断されたままだ。
「はい。まだ胸の奥が熱いです。心拍数も平常時の1.5倍を推移しています」
「それは……まだ僕にドキドキしているということ?」
ルーファスが期待を込めて尋ねる。
ダンキアは真剣に考え、そして答えた。
「恐らく、心筋のオーバーワークです」
「……は?」
「先ほどの戦闘で、少し張り切りすぎました。『大地返し』の際、血圧が急上昇したのが原因かと。これはクールダウンが必要です」
「……」
ルーファスはガクリと項垂れた。
(やっぱり筋肉のせいにするのか……)
「なので、心臓を鍛え直します」
「鍛える? どうやって?」
「心拍数を限界まで上げて、そこからリラックスさせる。インターバルトレーニングです。ルーファス様、手伝っていただけますか?」
「え、僕が? 何をすれば?」
「私を驚かせてください」
「驚かせる?」
「はい。恐怖、あるいは興奮で心臓を跳ねさせてください。そうすれば、私の心筋はより強靭に生まれ変わるはずです!」
「……そういう趣旨じゃないんだけどなぁ」
ルーファスは苦笑した。
だが、チャンスと言えばチャンスだ。
「分かった。君をドキドキさせればいいんだね?」
「はい! 全力でお願いします!」
ルーファスは不敵に笑った。
「じゃあ、覚悟してね。僕の『愛の囁き』攻撃は、物理攻撃より効くかもしれないよ」
彼がダンキアの耳元に顔を寄せようとした、その時。
ズシン……ズシン……。
遠くから、重低音の地響きが聞こえてきた。
「ん?」
ダンキアが耳をピクリと動かす。
「……リズムが悪いですね」
「え?」
「この足音。左右のバランスが悪く、重心が後ろに傾いています。かなり姿勢の悪い巨人が歩いているようです」
「巨人?」
兵士が慌てて部屋に入ってきた。
「ほ、報告! 森の方角から、巨大な……その、おじさんの顔をした鉄の塊が接近してきます!」
「はい?」
「おじさんの顔……?」
全員が外に出た。
夜の闇の中、月明かりに照らされて、それは姿を現した。
全長二十メートル。
テカテカと光るハゲ頭(鉄製)。
そして、ギョロリとした目。
『ダンキアァァァァァ!! ドコだァァァァァ!!』
巨人の口から、拡声されたクラークの声が響き渡る。
そのあまりにシュールで、かつ生理的に受け付けないビジュアルに、その場にいた全員が固まった。
「……うわぁ」
シルヴィアがドン引きする。
「なんて醜悪なデザイン……美学のかけらもありませんわ」
ルーファスも頭を抱えた。
「あれがアルカディアの最終兵器かい? 国民のセンスを疑うよ」
だが、ダンキアだけは違った。
「まあ……!」
彼女は目を輝かせた。
「なんて大きな……サンドバッグ!」
「えっ」
「見てください、あの平坦なボディ! あの殴りやすそうな顔! 最高の打撃練習マシンではありませんか!」
ダンキアはウズウズと準備運動を始めた。
「ルーファス様! 心拍数を上げるトレーニング、あれに変更してもいいですか?」
「え、あれと戦うの?」
「はい! あれなら思う存分、壊れるまで殴れそうです!」
ダンキアは嬉々として駆け出した。
「待っていなさい、巨大おじさん! 私が全身の歪みを矯正して差し上げます!」
『見つけたぞダンキア! このマジン・ガーディアンの錆となれぇぇぇ!』
クラークの絶叫と共に、巨人が拳を振り上げる。
最悪の兵器と、最強の令嬢。
ある意味、似た者同士(規格外)の頂上決戦が始まろうとしていた。
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