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その夜。
オルティス王城の最上階にある、ルーファスの私室。
コンコン。
控えめなノックの音が響いた。
「どうぞ。鍵は開いているよ」
ルーファスが声をかけると、ドアがガチャリと開いた。
「失礼します! ルーファス様、準備万端で参りました!」
元気よく入ってきたのは、ダンキアだ。
彼女の姿を見て、ルーファスは持っていたワイングラスを取り落としそうになった。
「……ダンキア?」
「はい!」
「その格好は……?」
今日の彼女は、いつものドレスでも、冒険者服でもない。
体にピタリとフィットした、伸縮性抜群の漆黒のボディスーツ(特注品)を着用していた。
髪はきっちりとポニーテールにまとめ、額には『闘魂』と刺繍されたハチマキが巻かれている。
「夜の秘密特訓ということでしたので、最も動きやすく、かつ発汗性の高いウェアを選びました!」
ダンキアはやる気満々でガッツポーズをした。
「さあ、今日はどんなメニューですか? ベッドの上での有酸素運動ですか? それとも家具を使った障害物競走ですか?」
ルーファスは額を手で覆った。
「……うん、予想はしていたけど、斜め上だった」
彼は気を取り直して室内を見渡した。
そこは、彼の指示でロマンチックな演出が施されていた。
照明は落とされ、数百本のキャンドルが揺らめいている。
テーブルには最高級の薔薇の花束と、年代物のワイン。
そして、部屋の中央にはふかふかの絨毯が敷かれている。
「あら?」
ダンキアがキョロキョロと周囲を見る。
「暗いですね。それに、蝋燭がいっぱい……」
彼女はハッとして、ルーファスを見た。
「分かりました! これは『低酸素トレーニング』ですね!」
「……え?」
「密閉された部屋で大量の蝋燭を燃やし、酸素濃度を下げる。その過酷な環境下で運動することで、心肺機能を極限まで高める高地トレーニングの一種! さすがルーファス様、科学的です!」
ダンキアは感動して深呼吸を始めた。
「スゥ……ハァ……。確かに空気が薄い気がします!」
「換気はしてるから安心してくれ……」
ルーファスはため息をつき、テーブルの前に立った。
「ダンキア、座ってくれ。まずは話をしよう」
「座学ですか? メンタルトレーニングも重要ですね」
ダンキアはソファに座る……のではなく、空気椅子で待機した。
「……普通に座ってくれないか?」
「いえ、少しでも大腿筋をいじめたいので」
「まあいいや」
ルーファスは彼女の前に立った。
そして、意を決して片膝を床についた。
貴族が求婚する際の、正式な姿勢だ。
それを見たダンキアが目を光らせた。
「おっ、ランジ(脚の筋トレ)ですね! いいフォームです!」
彼女はルーファスの太ももをペチペチと叩いた。
「ですが、もう少し背筋を伸ばした方が負荷がかかりますよ。膝の角度は九十度をキープして……」
「ダンキア、聞いてくれ」
ルーファスは彼女の手を握り、真剣な瞳で見つめた。
その熱量に、ダンキアの筋肉解説が止まる。
「あ……」
「僕は、君の強さが好きだ。その規格外のパワーも、鋼鉄の腹筋も、そして何より、真っ直ぐすぎるその心も」
ルーファスは言葉を紡ぐ。
「君と一緒にいると、退屈な日常が冒険に変わる。君が笑うと、世界が輝いて見えるんだ」
「ルーファス様……」
「以前、君は言ったね。結婚は墓場だと」
「は、はい。自由がなくなると思っていましたから」
「僕は君の自由を奪わない。むしろ、君がもっと自由に、もっと高く飛べるための翼になりたい」
ルーファスは懐から、小さな箱を取り出した。
パカッ。
箱が開くと、中には銀色の指輪が輝いていた。
シンプルだが、どこか不思議な光を放つ指輪だ。
「ダンキア・フォン・バルト。……僕と結婚してくれないか?」
静寂。
蝋燭の炎が揺れる音だけが聞こえる。
ダンキアは瞬きをした。
そして、指輪とルーファスを交互に見た。
「……私で、いいのですか?」
彼女の声は少し震えていた。
「私は、ただの筋肉バカですよ? ドレスは破くし、ドアは壊すし、魔王城を勝手に借りたりしますよ?」
「知っているよ」
「色気もないし、料理も焼くことしかできません。社交ダンスよりスクワットが好きです」
「それも知っている」
「……いつか、誤ってあなたを握りつぶしてしまうかもしれません」
ダンキアは自分の手を見つめた。
「私の力は、人を傷つけるものです。普通の幸せな家庭なんて、築けないかもしれません」
ルーファスは優しく微笑んだ。
「大丈夫。僕は頑丈だから」
彼は自分の胸を叩いた。
「それに、もし君が僕を握りつぶしそうになったら、僕が全力で鍛えて耐えてみせる。君の筋肉も、その天然な魂も、全て僕に管理させてくれないか?」
ダンキアの瞳が揺れた。
「管理……ですか?」
「ああ。君の専属トレーナー兼、夫として」
その言葉が、ダンキアの心臓を射抜いた。
(トレーナー兼、夫……!)
なんて甘美な響きだろうか。
彼女の中で、何かがストンと落ちた。
不整脈だと思っていた胸の痛み。
それは病気ではなく、この人を求めていた鼓動だったのだ。
「……条件があります」
ダンキアは潤んだ瞳で言った。
「なんだい? 何でも言ってくれ」
「食費は持ちますか? 私、燃費が悪いので、普通の人の五倍は食べます」
「国庫を傾けても、君のお腹を満たしてみせるよ」
「プロテインは飲み放題ですか?」
「最高級品を工場ごと買い取ろう」
「……毎日、一緒にトレーニングしてくれますか?」
「毎朝の日課にしよう」
「……合格です」
ダンキアは満面の笑みを咲かせた。
その笑顔は、どんな宝石よりも美しかった。
「謹んで、お受けいたします。ルーファス・ド・オルティス様」
「ありがとう……!」
ルーファスは感極まり、震える手で指輪を取り出した。
「さあ、左手を出して」
ダンキアはおずおずと左手を差し出した。
ルーファスが薬指に指輪を通す。
サイズはぴったりだった。
「綺麗……」
ダンキアは指輪に見惚れた。
しかし、すぐに不安げな顔になった。
「でも、ルーファス様。この指輪、大丈夫でしょうか?」
「何が?」
「私、うっかり手を強く握ると、金属を曲げてしまう癖がありまして……もし、この大切な指輪を壊してしまったら……」
「試してごらん」
「え?」
「壊れないから。全力で握ってみて」
「そんな、もったいない!」
「いいから。僕を信じて」
ダンキアは恐る恐る、左手の拳を握りしめた。
ググッ。
最初は軽く。
徐々に力を込める。
ミシミシッ。
骨が鳴るほどの握力。
普通の金やプラチナなら、とっくに飴のように潰れているはずだ。
「……あれ?」
指輪は無傷だった。
変形すらしていない。
「どうして……?」
「その素材、覚えているかい? 君が北の山脈で、ゴーレムを殴って手に入れた『アダマンタイト』だよ」
「あっ!」
「ガンドに頼んで、残った素材で指輪を作ってもらったんだ。世界で一番硬い金属で作った、世界で一番強い君のための指輪だ」
ルーファスは悪戯っぽく笑った。
「これなら、君がどんなに暴れても壊れない。僕たちの愛の証さ」
「アダマンタイトの指輪……」
ダンキアは指輪を胸に抱きしめた。
「最高です! これならトレーニング中にダンベルとぶつかっても安心ですね!」
「……そこ?」
「ルーファス様、大好きです!」
感極まったダンキアは、ルーファスに飛びついた。
「わっ!」
ガバッ!
強烈なタックル……ではなく、抱擁。
ドサッ。
勢い余って、二人は絨毯の上に転がった。
ダンキアが上、ルーファスが下の体勢だ。
「ぐふっ……!」
ルーファスが呻く。
「だ、ダンキア……ちょっと力が……肋骨が……」
「あ、すみません! 嬉しくてつい、ベアハグの形に……!」
ダンキアは慌てて力を緩めた。
だが、体は離さない。
至近距離で見つめ合う二人。
「……今夜は、トレーニングは中止かな?」
ルーファスが囁く。
ダンキアは顔を赤らめた。
「そうですね。今日は『回復(リカバリー)』の日ということにしましょう」
「そうだね。……愛しているよ」
「私もです。……筋肉と同じくらい」
「そこは僕一番と言ってほしかったけど、まあいいか」
ルーファスはダンキアの首を引き寄せ、優しく口づけをした。
蝋燭の炎が揺れ、二人の影が重なる。
こうして、最強のカップルが正式に成立した。
窓の外では、満月が二人を祝福するように輝いていた。
……そして、その満月の彼方から、金色の光を纏った『あの男』が、猛スピードで地上へ降下しつつあることを、幸せの絶頂にいる二人はまだ知る由もなかった。
「ふふふ……待っていろダンキア! 最高の結婚祝いを持っていってやるぞぉぉぉ!」
大気圏突入の熱に耐えながら、クラーク王子の絶叫が夜空に溶けていった。
オルティス王城の最上階にある、ルーファスの私室。
コンコン。
控えめなノックの音が響いた。
「どうぞ。鍵は開いているよ」
ルーファスが声をかけると、ドアがガチャリと開いた。
「失礼します! ルーファス様、準備万端で参りました!」
元気よく入ってきたのは、ダンキアだ。
彼女の姿を見て、ルーファスは持っていたワイングラスを取り落としそうになった。
「……ダンキア?」
「はい!」
「その格好は……?」
今日の彼女は、いつものドレスでも、冒険者服でもない。
体にピタリとフィットした、伸縮性抜群の漆黒のボディスーツ(特注品)を着用していた。
髪はきっちりとポニーテールにまとめ、額には『闘魂』と刺繍されたハチマキが巻かれている。
「夜の秘密特訓ということでしたので、最も動きやすく、かつ発汗性の高いウェアを選びました!」
ダンキアはやる気満々でガッツポーズをした。
「さあ、今日はどんなメニューですか? ベッドの上での有酸素運動ですか? それとも家具を使った障害物競走ですか?」
ルーファスは額を手で覆った。
「……うん、予想はしていたけど、斜め上だった」
彼は気を取り直して室内を見渡した。
そこは、彼の指示でロマンチックな演出が施されていた。
照明は落とされ、数百本のキャンドルが揺らめいている。
テーブルには最高級の薔薇の花束と、年代物のワイン。
そして、部屋の中央にはふかふかの絨毯が敷かれている。
「あら?」
ダンキアがキョロキョロと周囲を見る。
「暗いですね。それに、蝋燭がいっぱい……」
彼女はハッとして、ルーファスを見た。
「分かりました! これは『低酸素トレーニング』ですね!」
「……え?」
「密閉された部屋で大量の蝋燭を燃やし、酸素濃度を下げる。その過酷な環境下で運動することで、心肺機能を極限まで高める高地トレーニングの一種! さすがルーファス様、科学的です!」
ダンキアは感動して深呼吸を始めた。
「スゥ……ハァ……。確かに空気が薄い気がします!」
「換気はしてるから安心してくれ……」
ルーファスはため息をつき、テーブルの前に立った。
「ダンキア、座ってくれ。まずは話をしよう」
「座学ですか? メンタルトレーニングも重要ですね」
ダンキアはソファに座る……のではなく、空気椅子で待機した。
「……普通に座ってくれないか?」
「いえ、少しでも大腿筋をいじめたいので」
「まあいいや」
ルーファスは彼女の前に立った。
そして、意を決して片膝を床についた。
貴族が求婚する際の、正式な姿勢だ。
それを見たダンキアが目を光らせた。
「おっ、ランジ(脚の筋トレ)ですね! いいフォームです!」
彼女はルーファスの太ももをペチペチと叩いた。
「ですが、もう少し背筋を伸ばした方が負荷がかかりますよ。膝の角度は九十度をキープして……」
「ダンキア、聞いてくれ」
ルーファスは彼女の手を握り、真剣な瞳で見つめた。
その熱量に、ダンキアの筋肉解説が止まる。
「あ……」
「僕は、君の強さが好きだ。その規格外のパワーも、鋼鉄の腹筋も、そして何より、真っ直ぐすぎるその心も」
ルーファスは言葉を紡ぐ。
「君と一緒にいると、退屈な日常が冒険に変わる。君が笑うと、世界が輝いて見えるんだ」
「ルーファス様……」
「以前、君は言ったね。結婚は墓場だと」
「は、はい。自由がなくなると思っていましたから」
「僕は君の自由を奪わない。むしろ、君がもっと自由に、もっと高く飛べるための翼になりたい」
ルーファスは懐から、小さな箱を取り出した。
パカッ。
箱が開くと、中には銀色の指輪が輝いていた。
シンプルだが、どこか不思議な光を放つ指輪だ。
「ダンキア・フォン・バルト。……僕と結婚してくれないか?」
静寂。
蝋燭の炎が揺れる音だけが聞こえる。
ダンキアは瞬きをした。
そして、指輪とルーファスを交互に見た。
「……私で、いいのですか?」
彼女の声は少し震えていた。
「私は、ただの筋肉バカですよ? ドレスは破くし、ドアは壊すし、魔王城を勝手に借りたりしますよ?」
「知っているよ」
「色気もないし、料理も焼くことしかできません。社交ダンスよりスクワットが好きです」
「それも知っている」
「……いつか、誤ってあなたを握りつぶしてしまうかもしれません」
ダンキアは自分の手を見つめた。
「私の力は、人を傷つけるものです。普通の幸せな家庭なんて、築けないかもしれません」
ルーファスは優しく微笑んだ。
「大丈夫。僕は頑丈だから」
彼は自分の胸を叩いた。
「それに、もし君が僕を握りつぶしそうになったら、僕が全力で鍛えて耐えてみせる。君の筋肉も、その天然な魂も、全て僕に管理させてくれないか?」
ダンキアの瞳が揺れた。
「管理……ですか?」
「ああ。君の専属トレーナー兼、夫として」
その言葉が、ダンキアの心臓を射抜いた。
(トレーナー兼、夫……!)
なんて甘美な響きだろうか。
彼女の中で、何かがストンと落ちた。
不整脈だと思っていた胸の痛み。
それは病気ではなく、この人を求めていた鼓動だったのだ。
「……条件があります」
ダンキアは潤んだ瞳で言った。
「なんだい? 何でも言ってくれ」
「食費は持ちますか? 私、燃費が悪いので、普通の人の五倍は食べます」
「国庫を傾けても、君のお腹を満たしてみせるよ」
「プロテインは飲み放題ですか?」
「最高級品を工場ごと買い取ろう」
「……毎日、一緒にトレーニングしてくれますか?」
「毎朝の日課にしよう」
「……合格です」
ダンキアは満面の笑みを咲かせた。
その笑顔は、どんな宝石よりも美しかった。
「謹んで、お受けいたします。ルーファス・ド・オルティス様」
「ありがとう……!」
ルーファスは感極まり、震える手で指輪を取り出した。
「さあ、左手を出して」
ダンキアはおずおずと左手を差し出した。
ルーファスが薬指に指輪を通す。
サイズはぴったりだった。
「綺麗……」
ダンキアは指輪に見惚れた。
しかし、すぐに不安げな顔になった。
「でも、ルーファス様。この指輪、大丈夫でしょうか?」
「何が?」
「私、うっかり手を強く握ると、金属を曲げてしまう癖がありまして……もし、この大切な指輪を壊してしまったら……」
「試してごらん」
「え?」
「壊れないから。全力で握ってみて」
「そんな、もったいない!」
「いいから。僕を信じて」
ダンキアは恐る恐る、左手の拳を握りしめた。
ググッ。
最初は軽く。
徐々に力を込める。
ミシミシッ。
骨が鳴るほどの握力。
普通の金やプラチナなら、とっくに飴のように潰れているはずだ。
「……あれ?」
指輪は無傷だった。
変形すらしていない。
「どうして……?」
「その素材、覚えているかい? 君が北の山脈で、ゴーレムを殴って手に入れた『アダマンタイト』だよ」
「あっ!」
「ガンドに頼んで、残った素材で指輪を作ってもらったんだ。世界で一番硬い金属で作った、世界で一番強い君のための指輪だ」
ルーファスは悪戯っぽく笑った。
「これなら、君がどんなに暴れても壊れない。僕たちの愛の証さ」
「アダマンタイトの指輪……」
ダンキアは指輪を胸に抱きしめた。
「最高です! これならトレーニング中にダンベルとぶつかっても安心ですね!」
「……そこ?」
「ルーファス様、大好きです!」
感極まったダンキアは、ルーファスに飛びついた。
「わっ!」
ガバッ!
強烈なタックル……ではなく、抱擁。
ドサッ。
勢い余って、二人は絨毯の上に転がった。
ダンキアが上、ルーファスが下の体勢だ。
「ぐふっ……!」
ルーファスが呻く。
「だ、ダンキア……ちょっと力が……肋骨が……」
「あ、すみません! 嬉しくてつい、ベアハグの形に……!」
ダンキアは慌てて力を緩めた。
だが、体は離さない。
至近距離で見つめ合う二人。
「……今夜は、トレーニングは中止かな?」
ルーファスが囁く。
ダンキアは顔を赤らめた。
「そうですね。今日は『回復(リカバリー)』の日ということにしましょう」
「そうだね。……愛しているよ」
「私もです。……筋肉と同じくらい」
「そこは僕一番と言ってほしかったけど、まあいいか」
ルーファスはダンキアの首を引き寄せ、優しく口づけをした。
蝋燭の炎が揺れ、二人の影が重なる。
こうして、最強のカップルが正式に成立した。
窓の外では、満月が二人を祝福するように輝いていた。
……そして、その満月の彼方から、金色の光を纏った『あの男』が、猛スピードで地上へ降下しつつあることを、幸せの絶頂にいる二人はまだ知る由もなかった。
「ふふふ……待っていろダンキア! 最高の結婚祝いを持っていってやるぞぉぉぉ!」
大気圏突入の熱に耐えながら、クラーク王子の絶叫が夜空に溶けていった。
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