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一章 雨梁学園の日常
四(side:高橋翼)
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「あー、ボウリングしたかったな」
俺はトムに聞こえるように声を上げた。
「うるさい。もう四時半だし今日は帰るぞ」
トムはいつに無く強い口調で押し切ろうとする。こうなったら頑なに意見を変えないのがこいつだ。俺も長い付き合いで学んだ。それでも昔は食ってかかったりもしたもんだ。しかし、俺はもうガキじゃねぇからな。無駄な抵抗はしない。ただ単にトムの効率重視主義がうつってしまっただけなのかもしれねぇけど。
「そんなにやりたきゃ穴でも掘ってろ」
もう初夏だという言うのに夕風が冷たい。そう感じていない人もいるみてぇだが。
「ボウリングとボーリングを掛けてるんや。流石は努や」
夏海は手を叩いて喜んだ。こいつのセンスは相変わらずだ。
努が少し気の毒だし話を少し逸らしてやるか。
「それにしても春ちゃんはよく食うよな」
俺は常套句で切り出した。
「そんなことないですよ。お昼ご飯も食べてきちゃいましたし」
「あんなに食べといて、よー言うなぁ。空腹で来たら店の人もえらいビックリするんと違う?」
春ちゃんの謙遜に夏海が合わせた。いや、もしかしたら謙遜じゃなくて事実かも知れない。
だって、二時間のカラオケ中にソフトクリーム八個とソフトドリンク一〇杯以上だぜ。それで四曲も歌ってるんだぞ。これをバケモノと言わず、何をバケモノと言うんだってレベルだぞ。
マジで鉄の胃袋って言うか、腹の中に飢えた狼でも飼ってるんじゃないか。
「まぁ、昔から見て来てる俺でさえドン引くぐらい食べるからね」
悟も同調して苦笑いを浮かべた。何を隠そう悟と春ちゃんは幼馴染なんだ。
しかしなぁ、食べる割には太っていないんだよな。痩せてるとは言えないけど特別太っているようには見えないから不思議だ。
「あの子迷子かな」
今まで口を閉ざしていた彩和ちゃんが唐突に口を挟むと、前方に目を遣った。珍しく会話に入ってこないと思ったらあの子のことが気になっていたからか。
歳は三歳、四歳と言ったところ。少し険しい表情のその女の子の周りには保護者らしき人影が無かった。迷子かと問われれば迷子なのかもな。
だけど、なんと言うか彩和ちゃんはよく周りが見えてるよな。違和感に気づきやすいというか、洞察力が凄いというか。
そして往々にして優しい。困った人がいても通り過ぎる人が多いこの世の中であれだけ積極的に面倒事に顔を突っ込んでいけるのは正直すげぇと思う。
俺の思考より早く彩和ちゃんは動き出していた。
「その髪ゴム可愛いね」
おろおろとする女の子の前にスカートを気にしつつもしゃがみこむと問いかけた。女の子は髪を高めの位置で綺麗に二つで分けていた。その子は暫く黙ってビーズの髪ゴムを触っていたが意を決したように彩和ちゃんの顔を見つめた。
「うん。ママにね、買ってもらったの」
その子の顔に少しの笑顔が戻った。返答を受けた彩和ちゃんも長く伸ばした髪を耳に掛けると微笑んだ。
「そうなんだ。素敵なお母さんね。ところで今日はお母さん一緒じゃないの?」
彩和ちゃんに気を許したのか、お母さんを褒められたからなのか、今度は満面の笑みで答えてくれる。
「今日はね、あのね、お兄ちゃんとね、一緒。でもどっかに行っちゃったの。あたしから離れちゃダメよって言ったのにね。お兄ちゃん迷子になっちゃったの」
誰もが迷子はお前の方だよ、と突っ込みたいとこだ。ただ、ここで機嫌損ねると面倒だし彩和ちゃんの邪魔はしたくない。トムにぶっ飛ばされるのもごめんだしな。
彩和ちゃんはそのまましぜんと女の子の手を取った。
「そうなんだ。じゃあお兄ちゃん探しに交番行こうか。お姉ちゃんが一緒に行ってあげるからね」
ドジなとこもあるけど、こういう一面を見ると流石は我等がお母さんだな。面倒見が良くて、良く気が付き、優しくも厳しい。トムの気持ちもよく分かるよ。
交番ってのは大抵駅前にある。それは雨梁駅も例外では無い。俺らは何となく彩和ちゃんから微妙な距離感で交番を目指した。
「七人も居ても邪魔なだけだ。コンビニで暇潰しとけ」
交番に近づくとトムの冷たい一言で一蹴された俺は、悟、春ちゃん、夏海、千秋とコンビニへと入っていった。何も買うつもりないのに入るのは何だが気が引けるな、と感じていたのもあって、ついでに夕飯でも買おうかななんて思いを巡らす。俺は悩んだ挙句、一つ弁当を手に取ると会計へと向かった。どうやら他の皆はもう店を出ているみたいだ。
やっぱり朝昼晩とコンビニ弁当にするとコストがかかりすぎるな。最近会計で財布を開く度に溜息が出る。
母親死亡、父親は海外出張。妹は父親に着いて行った。そんな事情で小学校高学年から一人暮らしを続けている俺だけど、成長に伴って食費がやばい。最近はお菓子代も結構削ってるはずなんだ。にも関わらず月末はきつい。それこそ自炊しなくてはならないのかってくらい追い詰められてる。
人がこんな思いしてるっつーのに。コンビニの自動ドアを出ると春ちゃんは肉まんを頬張っていた。俺があのくらいの食欲だったら毎日もやしでも金欠になりそうだな。
「翼くんも間食ですか? やっぱりお腹空きますよね」
春ちゃんはコンビニから出てきた俺のレジ袋をまじまじと見ていた。
「物欲しそうな目で見るなよな。俺も腹ペコペコなんだけど節約しなきゃいけねぇし、今日の晩飯しか買ってねぇよ」
その後、「もう少し早く出てきてくれてたら一つ、二つ分けてあげましたのに」なーんてのが聞こえた気もするが。幻聴だと思いたい。幾ら何でもそんなに食べてる訳ないよな。
それから春ちゃんのもぐもぐタイムも終わって、コンビニ前にたむろすること数分。交番からトムと彩和ちゃんがぺこぺこと頭を下げて出てきた。
結局そこで解散。用事があると言う彩和ちゃんとトムを残して、皆帰路についた。トムが執拗にボウリングを拒否したのはこの用事のせいなのかもしれないな、ということも心の片隅にあった。ただ、この日は面倒で問う気は起きなかったので、そのままだらだらと帰った。
俺はトムに聞こえるように声を上げた。
「うるさい。もう四時半だし今日は帰るぞ」
トムはいつに無く強い口調で押し切ろうとする。こうなったら頑なに意見を変えないのがこいつだ。俺も長い付き合いで学んだ。それでも昔は食ってかかったりもしたもんだ。しかし、俺はもうガキじゃねぇからな。無駄な抵抗はしない。ただ単にトムの効率重視主義がうつってしまっただけなのかもしれねぇけど。
「そんなにやりたきゃ穴でも掘ってろ」
もう初夏だという言うのに夕風が冷たい。そう感じていない人もいるみてぇだが。
「ボウリングとボーリングを掛けてるんや。流石は努や」
夏海は手を叩いて喜んだ。こいつのセンスは相変わらずだ。
努が少し気の毒だし話を少し逸らしてやるか。
「それにしても春ちゃんはよく食うよな」
俺は常套句で切り出した。
「そんなことないですよ。お昼ご飯も食べてきちゃいましたし」
「あんなに食べといて、よー言うなぁ。空腹で来たら店の人もえらいビックリするんと違う?」
春ちゃんの謙遜に夏海が合わせた。いや、もしかしたら謙遜じゃなくて事実かも知れない。
だって、二時間のカラオケ中にソフトクリーム八個とソフトドリンク一〇杯以上だぜ。それで四曲も歌ってるんだぞ。これをバケモノと言わず、何をバケモノと言うんだってレベルだぞ。
マジで鉄の胃袋って言うか、腹の中に飢えた狼でも飼ってるんじゃないか。
「まぁ、昔から見て来てる俺でさえドン引くぐらい食べるからね」
悟も同調して苦笑いを浮かべた。何を隠そう悟と春ちゃんは幼馴染なんだ。
しかしなぁ、食べる割には太っていないんだよな。痩せてるとは言えないけど特別太っているようには見えないから不思議だ。
「あの子迷子かな」
今まで口を閉ざしていた彩和ちゃんが唐突に口を挟むと、前方に目を遣った。珍しく会話に入ってこないと思ったらあの子のことが気になっていたからか。
歳は三歳、四歳と言ったところ。少し険しい表情のその女の子の周りには保護者らしき人影が無かった。迷子かと問われれば迷子なのかもな。
だけど、なんと言うか彩和ちゃんはよく周りが見えてるよな。違和感に気づきやすいというか、洞察力が凄いというか。
そして往々にして優しい。困った人がいても通り過ぎる人が多いこの世の中であれだけ積極的に面倒事に顔を突っ込んでいけるのは正直すげぇと思う。
俺の思考より早く彩和ちゃんは動き出していた。
「その髪ゴム可愛いね」
おろおろとする女の子の前にスカートを気にしつつもしゃがみこむと問いかけた。女の子は髪を高めの位置で綺麗に二つで分けていた。その子は暫く黙ってビーズの髪ゴムを触っていたが意を決したように彩和ちゃんの顔を見つめた。
「うん。ママにね、買ってもらったの」
その子の顔に少しの笑顔が戻った。返答を受けた彩和ちゃんも長く伸ばした髪を耳に掛けると微笑んだ。
「そうなんだ。素敵なお母さんね。ところで今日はお母さん一緒じゃないの?」
彩和ちゃんに気を許したのか、お母さんを褒められたからなのか、今度は満面の笑みで答えてくれる。
「今日はね、あのね、お兄ちゃんとね、一緒。でもどっかに行っちゃったの。あたしから離れちゃダメよって言ったのにね。お兄ちゃん迷子になっちゃったの」
誰もが迷子はお前の方だよ、と突っ込みたいとこだ。ただ、ここで機嫌損ねると面倒だし彩和ちゃんの邪魔はしたくない。トムにぶっ飛ばされるのもごめんだしな。
彩和ちゃんはそのまましぜんと女の子の手を取った。
「そうなんだ。じゃあお兄ちゃん探しに交番行こうか。お姉ちゃんが一緒に行ってあげるからね」
ドジなとこもあるけど、こういう一面を見ると流石は我等がお母さんだな。面倒見が良くて、良く気が付き、優しくも厳しい。トムの気持ちもよく分かるよ。
交番ってのは大抵駅前にある。それは雨梁駅も例外では無い。俺らは何となく彩和ちゃんから微妙な距離感で交番を目指した。
「七人も居ても邪魔なだけだ。コンビニで暇潰しとけ」
交番に近づくとトムの冷たい一言で一蹴された俺は、悟、春ちゃん、夏海、千秋とコンビニへと入っていった。何も買うつもりないのに入るのは何だが気が引けるな、と感じていたのもあって、ついでに夕飯でも買おうかななんて思いを巡らす。俺は悩んだ挙句、一つ弁当を手に取ると会計へと向かった。どうやら他の皆はもう店を出ているみたいだ。
やっぱり朝昼晩とコンビニ弁当にするとコストがかかりすぎるな。最近会計で財布を開く度に溜息が出る。
母親死亡、父親は海外出張。妹は父親に着いて行った。そんな事情で小学校高学年から一人暮らしを続けている俺だけど、成長に伴って食費がやばい。最近はお菓子代も結構削ってるはずなんだ。にも関わらず月末はきつい。それこそ自炊しなくてはならないのかってくらい追い詰められてる。
人がこんな思いしてるっつーのに。コンビニの自動ドアを出ると春ちゃんは肉まんを頬張っていた。俺があのくらいの食欲だったら毎日もやしでも金欠になりそうだな。
「翼くんも間食ですか? やっぱりお腹空きますよね」
春ちゃんはコンビニから出てきた俺のレジ袋をまじまじと見ていた。
「物欲しそうな目で見るなよな。俺も腹ペコペコなんだけど節約しなきゃいけねぇし、今日の晩飯しか買ってねぇよ」
その後、「もう少し早く出てきてくれてたら一つ、二つ分けてあげましたのに」なーんてのが聞こえた気もするが。幻聴だと思いたい。幾ら何でもそんなに食べてる訳ないよな。
それから春ちゃんのもぐもぐタイムも終わって、コンビニ前にたむろすること数分。交番からトムと彩和ちゃんがぺこぺこと頭を下げて出てきた。
結局そこで解散。用事があると言う彩和ちゃんとトムを残して、皆帰路についた。トムが執拗にボウリングを拒否したのはこの用事のせいなのかもしれないな、ということも心の片隅にあった。ただ、この日は面倒で問う気は起きなかったので、そのままだらだらと帰った。
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