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第一章:どっちのアオ?
5. どう? 気持ちいい?
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正直に白状すると――。
年下のイケメンくんに意味深に微笑まれて。
全然、まったく、一ミリも期待しなかったか……と言えばウソになる。
でも、ここでホイホイついてったら、それこそ蒼士に合わせる顔がない!
さすがにそれくらいの理性は残ってた。もう酔いは覚めてるし。
だから、そう……踏みとどまったさ。
「待って待って待って。ホテルはムリ! 無理無理!!」
首をぶんぶんと千切れんばかりに振って断固たる態度でお断りする。
「ふ~ん。じゃあ、ウチ来る?」
「え?」
「大丈夫。兄さんもいるはずだし。それなら問題ないでしょ?」
まぁ二人きりじゃないならいいか。いいのか?
しかし、このやり取り、つい一日前にも蒼士と交わしたような……?
デジャヴか。
「なにぶつぶつ言ってんの? ほら行くよ」
声に出ていたか。恥ずかしい。
羞恥のあまり身悶える私の手をぐいっと握りしめて蒼太くんがスタスタと歩き出した。
華奢な見た目に反して、けっこう力が強い。
私はされるがまま、親に手を引かれた子供のように蒼太くんに引きずられていく。
数時間ぶりにお邪魔する藤沼家はひんやりと暗く静まり返っていた。
蒼太くんがリビングの電気を点けてエアコンのスイッチを入れる。
「あれ? 蒼士は?」
「んー? 知らない」
「は?」
「月曜までに復旧しなきゃいけない障害があるとか言ってたから、今日は会社に泊まり込みじゃないの」
「えぇ……!?」
そういや、蒼士ってSEなんだっけ?
「でもその方が都合いいでしょ。昨日の話をするんなら。……ヨイショ、っと」
ヨイショ、って。オッサンくさいぞ。
――なんてツッコむヒマもなく、
「わ。なになになに……!?」
蒼太くんがいきなり私を横抱きにして抱えあげた。
わーやめてやめて。
実家に戻ってきてから太ったんだよー!
「昨日の再現。ほら、オレの部屋行くよ」
蒼太くんが私を見下ろしてニヤッと微笑む。
ニコ、ではなない。ニヤ、である。
もう彼の笑顔が胡散臭いものにしか思えなくなってきた。
「ぎゃ……っ!」
見覚えのあるベッドに下ろされて、そうか、ここは蒼太くんの部屋だったのか、と今さら理解する。
「兄さん、昨日も夜中に会社から呼び出されて……って、これは覚えてる?」
全然、覚えてない。
私はフルフルと首を左右に振る。
「そっか。まぁそれはいいや。で、オレと朱莉さんは兄さんがいなくなってからも二人でしばらく飲んでたんだけど。朱莉さんがオレの身体をまさぐり始めたから……」
「ウソ!?」
もしそれが本当だとしたら……私ってばどんな痴女だよ!?
「ホントだよ。オレの顔とか身体とかスリスリ撫でまわしてさ。可愛い可愛い、って連呼して……」
「うわ……」
なんということ……自分で自分の所業に引くわ。それ、会社の飲み会とかでやったら完全にアウトなやつ! セクハラ案件!!
欲求不満の自覚はあったけど、まさかここまで末期とは……。ついに爆発して目の前の若い肉体にぶつけてしまったということ? うわー。
「朱莉さん、飲み過ぎだよー、もう寝た方がいいよー……ってことで、とりあえずオレのベッドを貸そうと思って運んだんだ。今みたいな感じで」
「それはそれは……とんだご迷惑をおかけして」
ベッドの上で正座し、三つ指をついて、丁重に頭を下げた。
「まだまだ、話はココからだから」
そうだ。そのまま大人しく寝入っていれば、朝起きた時に素っ裸で身体中あちこちにキスマークが付いてるわけないはず。
「はっ……! もしかして、私が有無を言わさず蒼太くんに襲いかかったんじゃ……」
もはや自分で自分のことが信用できないし、昨日の浮ついた状態なら普通にやりかねない。
最悪の失態に青ざめていると、
「違う違う。オレの方もキレイなお姉さんにあちこち触られて反応しちゃったからさ。鎮めようと思って、ちょっとぐらいならいいかな? いいよね、って感じでこうやって――」
言いながら蒼太くんが私の上にのしかかってきた。
え、なになに?
押し倒されてベッドの上に転がる私を馬乗りになって上から見つめる蒼太くん……って、なんだこの図は? どういう状況だよ。
「あっ、ちょっと、どこ触って……」
勝手に乳を揉むな!
「はぁ……このちょうど手のひらに収まるサイズ感。いいよねー」
どうもお褒めにあずかりまして……じゃない! ウットリして言うなー! こっちが恥ずかしいわ。そんな大きくもないのに。
そうこうしてるうちに、カットソーの裾から蒼太くんの手が滑り込んできやがった。
引き締まってもないお腹をひと撫ですると、何が楽しいのか、臍の穴に指の先を突っ込んでグルグルと回している。やめてくれ。くすぐったい上に、臍の掃除なんてロクにしてないんだから。
しばらくすると気が済んだのか、手が背中へと回されて、あっという間にホックが外された。なんという早業。慣れてる? 慣れてるよね。あの小さかった蒼太くんが……と、ひとり感慨にふけっている間に、彼の手が直接私のささやかな胸を包んでいた。意外に体温の高い蒼太くんの手が、餅でも捏ねるみたいに、やわやわと私の胸を揉みこんでくる。その丁寧……というか、執拗な愛撫に――
「んぅ……っ」
やばい。ヘンな声、出ちゃった。
あーどうしよう。足の間がなんかモゾモゾしてきたぞ。
「どう? 気持ちいい?」
あああああぁぁぁぁぁ…………っ!!
そのセリフ、聞き覚えある!
やっぱり蒼太くんだったの――!?
けしからん、なんだその学生とは思えない色気は!
「ひゃあっ!」
すでにぷっくりと充血していたらしい胸の先っぽを刺激されて、思わず身体が跳ねる。
「ココ弱いんだね。わかった、いっぱい触ってあげる」
「や、だめ……っ」
なにが「わかった」だよ。大人をからかうんじゃありません。
あっ、こら、乳首を転がすな。
「ゃあ……ぁんっ!」
胸の先に吸いつかれてうっかり漏れた声。
これ、完全に感じてる声じゃん。
ヤバい。本格的にヤバい。
ついに私にもファンタジーが到来……!?
ちゅうちゅう、と強めに吸いつかれた後で、ぺろぺろ、と仔犬のように舐められる。緩急のついた繊細な舌づかいに翻弄されて――
「もう、ほんとにやめて……これ以上、は……」
冗談で済まなくなる気がする……!
年下のイケメンくんに意味深に微笑まれて。
全然、まったく、一ミリも期待しなかったか……と言えばウソになる。
でも、ここでホイホイついてったら、それこそ蒼士に合わせる顔がない!
さすがにそれくらいの理性は残ってた。もう酔いは覚めてるし。
だから、そう……踏みとどまったさ。
「待って待って待って。ホテルはムリ! 無理無理!!」
首をぶんぶんと千切れんばかりに振って断固たる態度でお断りする。
「ふ~ん。じゃあ、ウチ来る?」
「え?」
「大丈夫。兄さんもいるはずだし。それなら問題ないでしょ?」
まぁ二人きりじゃないならいいか。いいのか?
しかし、このやり取り、つい一日前にも蒼士と交わしたような……?
デジャヴか。
「なにぶつぶつ言ってんの? ほら行くよ」
声に出ていたか。恥ずかしい。
羞恥のあまり身悶える私の手をぐいっと握りしめて蒼太くんがスタスタと歩き出した。
華奢な見た目に反して、けっこう力が強い。
私はされるがまま、親に手を引かれた子供のように蒼太くんに引きずられていく。
数時間ぶりにお邪魔する藤沼家はひんやりと暗く静まり返っていた。
蒼太くんがリビングの電気を点けてエアコンのスイッチを入れる。
「あれ? 蒼士は?」
「んー? 知らない」
「は?」
「月曜までに復旧しなきゃいけない障害があるとか言ってたから、今日は会社に泊まり込みじゃないの」
「えぇ……!?」
そういや、蒼士ってSEなんだっけ?
「でもその方が都合いいでしょ。昨日の話をするんなら。……ヨイショ、っと」
ヨイショ、って。オッサンくさいぞ。
――なんてツッコむヒマもなく、
「わ。なになになに……!?」
蒼太くんがいきなり私を横抱きにして抱えあげた。
わーやめてやめて。
実家に戻ってきてから太ったんだよー!
「昨日の再現。ほら、オレの部屋行くよ」
蒼太くんが私を見下ろしてニヤッと微笑む。
ニコ、ではなない。ニヤ、である。
もう彼の笑顔が胡散臭いものにしか思えなくなってきた。
「ぎゃ……っ!」
見覚えのあるベッドに下ろされて、そうか、ここは蒼太くんの部屋だったのか、と今さら理解する。
「兄さん、昨日も夜中に会社から呼び出されて……って、これは覚えてる?」
全然、覚えてない。
私はフルフルと首を左右に振る。
「そっか。まぁそれはいいや。で、オレと朱莉さんは兄さんがいなくなってからも二人でしばらく飲んでたんだけど。朱莉さんがオレの身体をまさぐり始めたから……」
「ウソ!?」
もしそれが本当だとしたら……私ってばどんな痴女だよ!?
「ホントだよ。オレの顔とか身体とかスリスリ撫でまわしてさ。可愛い可愛い、って連呼して……」
「うわ……」
なんということ……自分で自分の所業に引くわ。それ、会社の飲み会とかでやったら完全にアウトなやつ! セクハラ案件!!
欲求不満の自覚はあったけど、まさかここまで末期とは……。ついに爆発して目の前の若い肉体にぶつけてしまったということ? うわー。
「朱莉さん、飲み過ぎだよー、もう寝た方がいいよー……ってことで、とりあえずオレのベッドを貸そうと思って運んだんだ。今みたいな感じで」
「それはそれは……とんだご迷惑をおかけして」
ベッドの上で正座し、三つ指をついて、丁重に頭を下げた。
「まだまだ、話はココからだから」
そうだ。そのまま大人しく寝入っていれば、朝起きた時に素っ裸で身体中あちこちにキスマークが付いてるわけないはず。
「はっ……! もしかして、私が有無を言わさず蒼太くんに襲いかかったんじゃ……」
もはや自分で自分のことが信用できないし、昨日の浮ついた状態なら普通にやりかねない。
最悪の失態に青ざめていると、
「違う違う。オレの方もキレイなお姉さんにあちこち触られて反応しちゃったからさ。鎮めようと思って、ちょっとぐらいならいいかな? いいよね、って感じでこうやって――」
言いながら蒼太くんが私の上にのしかかってきた。
え、なになに?
押し倒されてベッドの上に転がる私を馬乗りになって上から見つめる蒼太くん……って、なんだこの図は? どういう状況だよ。
「あっ、ちょっと、どこ触って……」
勝手に乳を揉むな!
「はぁ……このちょうど手のひらに収まるサイズ感。いいよねー」
どうもお褒めにあずかりまして……じゃない! ウットリして言うなー! こっちが恥ずかしいわ。そんな大きくもないのに。
そうこうしてるうちに、カットソーの裾から蒼太くんの手が滑り込んできやがった。
引き締まってもないお腹をひと撫ですると、何が楽しいのか、臍の穴に指の先を突っ込んでグルグルと回している。やめてくれ。くすぐったい上に、臍の掃除なんてロクにしてないんだから。
しばらくすると気が済んだのか、手が背中へと回されて、あっという間にホックが外された。なんという早業。慣れてる? 慣れてるよね。あの小さかった蒼太くんが……と、ひとり感慨にふけっている間に、彼の手が直接私のささやかな胸を包んでいた。意外に体温の高い蒼太くんの手が、餅でも捏ねるみたいに、やわやわと私の胸を揉みこんでくる。その丁寧……というか、執拗な愛撫に――
「んぅ……っ」
やばい。ヘンな声、出ちゃった。
あーどうしよう。足の間がなんかモゾモゾしてきたぞ。
「どう? 気持ちいい?」
あああああぁぁぁぁぁ…………っ!!
そのセリフ、聞き覚えある!
やっぱり蒼太くんだったの――!?
けしからん、なんだその学生とは思えない色気は!
「ひゃあっ!」
すでにぷっくりと充血していたらしい胸の先っぽを刺激されて、思わず身体が跳ねる。
「ココ弱いんだね。わかった、いっぱい触ってあげる」
「や、だめ……っ」
なにが「わかった」だよ。大人をからかうんじゃありません。
あっ、こら、乳首を転がすな。
「ゃあ……ぁんっ!」
胸の先に吸いつかれてうっかり漏れた声。
これ、完全に感じてる声じゃん。
ヤバい。本格的にヤバい。
ついに私にもファンタジーが到来……!?
ちゅうちゅう、と強めに吸いつかれた後で、ぺろぺろ、と仔犬のように舐められる。緩急のついた繊細な舌づかいに翻弄されて――
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冗談で済まなくなる気がする……!
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