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「右、左、右、そして左……よし」
快晴の午後。
私は庭の木陰に置いたロッキングチェア(アレンの手作り)に揺られながら、究極の選択を迫られていた。
右手に持ったクッキーを食べるか。
左手に持った紅茶を飲むか。
「……交互にいくのが正解ね」
私は結論を出し、サクッとクッキーを齧(かじ)った。
バターの香りが鼻腔をくすぐる。続いて紅茶で流し込む。
「幸せ……」
王宮を去って三日目。
私の生活は、堕落の極みにあった。
家事は全て同居人のアレンがやってくれる。
私は起きて、食べて、寝て、時々アレンの作業(日曜大工)をベンチから眺めて「そこ、釘が曲がってるわよ」と口出しするだけ。
これぞまさに、私が求めていた理想郷(ユートピア)だ。
「おーい、カグヤ。おやつのお代わりはどうだい?」
庭の畑で土いじりをしていたアレンが、泥だらけの手で手を振ってくる。
「いる。三枚持ってきて」
「はいはい」
アレンは苦笑しながらも、キッチンへ向かってくれた。
本当に便利な男だ。
正体は隣国の公爵らしいが、そんなことはどうでもいい。私にとっては優秀な執事兼シェフである。
この平穏が永遠に続けばいい。
そう思った、その時だった。
ガサガサッ!
森の茂みが激しく揺れた。
「ん? 熊?」
私がクッキーを構えて警戒すると、茂みから飛び出してきたのは、熊ではなくピンク色の塊だった。
「はぁ……はぁ……つ、着いたぁ……!」
ボロボロのドレス。
小枝が絡まった髪。
泥だらけの靴。
そこには、王太子の新しい婚約者となったはずのヒロイン、ミナが四つん這いで荒い息を吐いていた。
「……ミナ様?」
私が呆然と呟くと、ミナは顔を上げ、私を見つけてぱあっと表情を輝かせた。
「ああっ! カグヤ様ぁ! 探しましたよぉ!」
彼女はゾンビのような動きで立ち上がり、私に向かって突進してきた。
「ちょっと、泥がつきます! 止まりなさい!」
「うわぁぁぁん! カグヤ様ぁ、助けてくださいぃぃ!」
ミナは私の足元にすがりつき、大声で泣き出した。
騒ぎを聞きつけたアレンが、フライパンを持ったまま飛び出してくる。
「どうした!? 敵襲か!?」
「いいえ、もっと厄介なものが来ました」
私は足元で鼻水を垂らすミナを見下ろし、冷たく言い放った。
「元・部下(教育対象)です」
◆
「……なるほど。お妃教育の課題が分からないから、答えを教えろと?」
リビングのソファにミナを座らせ、アレンが淹れたお茶を飲ませて落ち着かせた後、私は呆れた声を出した。
ミナは涙目でコクコクと頷く。
「そうなんですぅ……。カグヤ様がいなくなってから、先生たちがすごく怖くて……。『こんなことも分からないのですか!』って怒鳴るんですぅ」
「それは貴女が覚えていないからでしょう」
「でもぉ、難しい言葉ばっかりで眠くなっちゃうし……」
ミナは鞄からクシャクシャになったプリントを取り出した。
「明日までにこのテストで満点を取らないと、ヘリオス様に言いつけるって言われて……。もしヘリオス様に嫌われたら、私、生きていけません!」
「知ったことではありません。お帰りください」
私は即座に却下した。
「ええっ!? ひどい! カグヤ様は意地悪です!」
「意地悪で結構。私はもう部外者です。敵に塩を送る義理はありません」
「しお……? お砂糖がいいですぅ」
「比喩です」
私は溜め息をつき、立ち上がった。
「アレン、この子を森の入り口まで送ってあげて。私は昼寝に戻るから」
「え、僕が? まあいいけど……」
アレンがミナに近づこうとした時、ミナがプリントを見ながら独り言を呟いた。
「えーっと、第一問。『我が国の建国記念日はいつか』……これは簡単ですねぇ。クリスマスの次だから、十二月二十六日!」
ピクリ。
私の足が止まった。
「……違います」
「え?」
「建国記念日は七月一日です。十二月二十六日は、初代国王が愛馬のために厩舎(きゅうしゃ)を建てた日です」
「あ、そっかぁ。じゃあ第二問。『主要輸出品である小麦の昨年の生産量は?』……えっと、いっぱい?」
ピクピクッ。
私の眉間が痙攣(けいれん)する。
「……『いっぱい』では答えになりません。数値で答えなさい」
「えーっと、一万トンくらい?」
「四百五十六万トンです! 桁が三つも違います! 一万トンなら国民全員が餓死しています!」
私は振り返り、大声で突っ込んでしまった。
「ひぃっ! ご、ごめんなさい!」
「じゃあ第三問! 『隣国との同盟条約における、我が国の負担義務を述べよ』。……えっと、仲良くすること?」
ブチッ。
私の脳内で何かが切れる音がした。
「……ミナ様」
私は鬼の形相でミナに詰め寄った。
「ひっ、はい!」
「『仲良くする』というのは幼稚園の目標です! 条約における義務とは、有事の際の軍事支援および年間一万バレルの石油提供、さらに国境関税の撤廃です!」
「は、はひぃ……!」
「いいですか、そもそも貴女は歴史の基礎がなっていません! 初代国王の名前は!?」
「えっと、アルフレッド……さん?」
「様をつけなさい! それに二世です! 初代はレオナルド様! アルフレッド様はその孫!」
気がつけば、私はホワイトボード(アレンが廃材で作った伝言板)を引っ張り出し、猛烈な勢いで書きなぐっていた。
「ここ! テストに出ます! 赤線引いて!」
「は、はいぃ!」
「次は経済学! 需要と供給の曲線、覚えてますか!? 右肩上がりなのはどっち!?」
「えっと、えっと、右……手の方?」
「供給です! いいから覚えなさい! 語呂合わせで教えます! 『急な坂道(供給)、需要はダウン(需要)』! 復唱!」
「きゅうなさかみち、じゅようはだうん!」
「声が小さい!」
「きゅうなさかみちぃぃぃ!」
ゼェ……ハァ……。
私がマーカーを叩きつけた時、窓の外は既に夕焼けに染まっていた。
「……覚えましたか」
「は、はい……たぶん……」
ミナは白目を剥きかけながらも、ノートにびっしりと文字を書き込んでいた。
「よろしい。これだけ覚えれば、赤点は回避できるはずです」
私は肩で息をしながら、ドサリと椅子に座り込んだ。
やってしまった。
またしても、やってしまった。
「……お疲れ様、熱血教師」
いつの間にか観客席(ソファ)でポップコーンを食べていたアレンが、ニヤニヤしながら拍手をしてきた。
「素晴らしい授業だったよ。僕も勉強になった」
「……黙りなさい」
私は両手で顔を覆った。
「どうして……どうして無視できないの……。間違った知識を放置するのが、こんなに気持ち悪いなんて……」
「それが君の性分なんだろうね。根が真面目すぎるんだよ」
アレンはお茶を差し出してくれた。
「でも、おかげで彼女は救われたみたいだよ」
見ると、ミナはキラキラした目で私を見ていた。
「すごいですぅ、カグヤ様! 学校の先生より全然分かりやすいです! 私、初めて勉強が面白いって思いました!」
「……そうですか」
「ありがとうございます! 私、頑張ってヘリオス様のお役に立ちますね! そしたら、カグヤ様にも恩返しします!」
ミナは大事そうにノートを抱きしめ、深く頭を下げた。
「あの……私、カグヤ様のこと、怖い人だと思ってましたけど……本当はすごく優しいんですね」
「……勘違いしないでください。貴女のバカさ加減にイライラしただけです」
「えへへ。また分からないことがあったら、聞きに来てもいいですか?」
「二度と来ないでください」
「わーい! また来ますねぇ!」
ミナは全く話を聞かずに、元気よく手を振って帰っていった。
嵐が去った後の静けさが、リビングに戻ってくる。
「……はぁ」
私は深いため息をついた。
「……また仕事をしてしまった」
「まあまあ。君の教え方、スパルタだけど愛があったよ」
アレンが笑う。
「愛なんてないわ。あるのは職業病だけよ」
私はぐったりとテーブルに突っ伏した。
だが、この時の私はまだ気づいていなかった。
ミナが持ち帰ったその「完璧なノート」が、王宮で新たな波紋を呼ぶことになることを。
そして、ミナの後をつけてきた王宮の騎士たちが、すぐそこまで迫っていることを。
快晴の午後。
私は庭の木陰に置いたロッキングチェア(アレンの手作り)に揺られながら、究極の選択を迫られていた。
右手に持ったクッキーを食べるか。
左手に持った紅茶を飲むか。
「……交互にいくのが正解ね」
私は結論を出し、サクッとクッキーを齧(かじ)った。
バターの香りが鼻腔をくすぐる。続いて紅茶で流し込む。
「幸せ……」
王宮を去って三日目。
私の生活は、堕落の極みにあった。
家事は全て同居人のアレンがやってくれる。
私は起きて、食べて、寝て、時々アレンの作業(日曜大工)をベンチから眺めて「そこ、釘が曲がってるわよ」と口出しするだけ。
これぞまさに、私が求めていた理想郷(ユートピア)だ。
「おーい、カグヤ。おやつのお代わりはどうだい?」
庭の畑で土いじりをしていたアレンが、泥だらけの手で手を振ってくる。
「いる。三枚持ってきて」
「はいはい」
アレンは苦笑しながらも、キッチンへ向かってくれた。
本当に便利な男だ。
正体は隣国の公爵らしいが、そんなことはどうでもいい。私にとっては優秀な執事兼シェフである。
この平穏が永遠に続けばいい。
そう思った、その時だった。
ガサガサッ!
森の茂みが激しく揺れた。
「ん? 熊?」
私がクッキーを構えて警戒すると、茂みから飛び出してきたのは、熊ではなくピンク色の塊だった。
「はぁ……はぁ……つ、着いたぁ……!」
ボロボロのドレス。
小枝が絡まった髪。
泥だらけの靴。
そこには、王太子の新しい婚約者となったはずのヒロイン、ミナが四つん這いで荒い息を吐いていた。
「……ミナ様?」
私が呆然と呟くと、ミナは顔を上げ、私を見つけてぱあっと表情を輝かせた。
「ああっ! カグヤ様ぁ! 探しましたよぉ!」
彼女はゾンビのような動きで立ち上がり、私に向かって突進してきた。
「ちょっと、泥がつきます! 止まりなさい!」
「うわぁぁぁん! カグヤ様ぁ、助けてくださいぃぃ!」
ミナは私の足元にすがりつき、大声で泣き出した。
騒ぎを聞きつけたアレンが、フライパンを持ったまま飛び出してくる。
「どうした!? 敵襲か!?」
「いいえ、もっと厄介なものが来ました」
私は足元で鼻水を垂らすミナを見下ろし、冷たく言い放った。
「元・部下(教育対象)です」
◆
「……なるほど。お妃教育の課題が分からないから、答えを教えろと?」
リビングのソファにミナを座らせ、アレンが淹れたお茶を飲ませて落ち着かせた後、私は呆れた声を出した。
ミナは涙目でコクコクと頷く。
「そうなんですぅ……。カグヤ様がいなくなってから、先生たちがすごく怖くて……。『こんなことも分からないのですか!』って怒鳴るんですぅ」
「それは貴女が覚えていないからでしょう」
「でもぉ、難しい言葉ばっかりで眠くなっちゃうし……」
ミナは鞄からクシャクシャになったプリントを取り出した。
「明日までにこのテストで満点を取らないと、ヘリオス様に言いつけるって言われて……。もしヘリオス様に嫌われたら、私、生きていけません!」
「知ったことではありません。お帰りください」
私は即座に却下した。
「ええっ!? ひどい! カグヤ様は意地悪です!」
「意地悪で結構。私はもう部外者です。敵に塩を送る義理はありません」
「しお……? お砂糖がいいですぅ」
「比喩です」
私は溜め息をつき、立ち上がった。
「アレン、この子を森の入り口まで送ってあげて。私は昼寝に戻るから」
「え、僕が? まあいいけど……」
アレンがミナに近づこうとした時、ミナがプリントを見ながら独り言を呟いた。
「えーっと、第一問。『我が国の建国記念日はいつか』……これは簡単ですねぇ。クリスマスの次だから、十二月二十六日!」
ピクリ。
私の足が止まった。
「……違います」
「え?」
「建国記念日は七月一日です。十二月二十六日は、初代国王が愛馬のために厩舎(きゅうしゃ)を建てた日です」
「あ、そっかぁ。じゃあ第二問。『主要輸出品である小麦の昨年の生産量は?』……えっと、いっぱい?」
ピクピクッ。
私の眉間が痙攣(けいれん)する。
「……『いっぱい』では答えになりません。数値で答えなさい」
「えーっと、一万トンくらい?」
「四百五十六万トンです! 桁が三つも違います! 一万トンなら国民全員が餓死しています!」
私は振り返り、大声で突っ込んでしまった。
「ひぃっ! ご、ごめんなさい!」
「じゃあ第三問! 『隣国との同盟条約における、我が国の負担義務を述べよ』。……えっと、仲良くすること?」
ブチッ。
私の脳内で何かが切れる音がした。
「……ミナ様」
私は鬼の形相でミナに詰め寄った。
「ひっ、はい!」
「『仲良くする』というのは幼稚園の目標です! 条約における義務とは、有事の際の軍事支援および年間一万バレルの石油提供、さらに国境関税の撤廃です!」
「は、はひぃ……!」
「いいですか、そもそも貴女は歴史の基礎がなっていません! 初代国王の名前は!?」
「えっと、アルフレッド……さん?」
「様をつけなさい! それに二世です! 初代はレオナルド様! アルフレッド様はその孫!」
気がつけば、私はホワイトボード(アレンが廃材で作った伝言板)を引っ張り出し、猛烈な勢いで書きなぐっていた。
「ここ! テストに出ます! 赤線引いて!」
「は、はいぃ!」
「次は経済学! 需要と供給の曲線、覚えてますか!? 右肩上がりなのはどっち!?」
「えっと、えっと、右……手の方?」
「供給です! いいから覚えなさい! 語呂合わせで教えます! 『急な坂道(供給)、需要はダウン(需要)』! 復唱!」
「きゅうなさかみち、じゅようはだうん!」
「声が小さい!」
「きゅうなさかみちぃぃぃ!」
ゼェ……ハァ……。
私がマーカーを叩きつけた時、窓の外は既に夕焼けに染まっていた。
「……覚えましたか」
「は、はい……たぶん……」
ミナは白目を剥きかけながらも、ノートにびっしりと文字を書き込んでいた。
「よろしい。これだけ覚えれば、赤点は回避できるはずです」
私は肩で息をしながら、ドサリと椅子に座り込んだ。
やってしまった。
またしても、やってしまった。
「……お疲れ様、熱血教師」
いつの間にか観客席(ソファ)でポップコーンを食べていたアレンが、ニヤニヤしながら拍手をしてきた。
「素晴らしい授業だったよ。僕も勉強になった」
「……黙りなさい」
私は両手で顔を覆った。
「どうして……どうして無視できないの……。間違った知識を放置するのが、こんなに気持ち悪いなんて……」
「それが君の性分なんだろうね。根が真面目すぎるんだよ」
アレンはお茶を差し出してくれた。
「でも、おかげで彼女は救われたみたいだよ」
見ると、ミナはキラキラした目で私を見ていた。
「すごいですぅ、カグヤ様! 学校の先生より全然分かりやすいです! 私、初めて勉強が面白いって思いました!」
「……そうですか」
「ありがとうございます! 私、頑張ってヘリオス様のお役に立ちますね! そしたら、カグヤ様にも恩返しします!」
ミナは大事そうにノートを抱きしめ、深く頭を下げた。
「あの……私、カグヤ様のこと、怖い人だと思ってましたけど……本当はすごく優しいんですね」
「……勘違いしないでください。貴女のバカさ加減にイライラしただけです」
「えへへ。また分からないことがあったら、聞きに来てもいいですか?」
「二度と来ないでください」
「わーい! また来ますねぇ!」
ミナは全く話を聞かずに、元気よく手を振って帰っていった。
嵐が去った後の静けさが、リビングに戻ってくる。
「……はぁ」
私は深いため息をついた。
「……また仕事をしてしまった」
「まあまあ。君の教え方、スパルタだけど愛があったよ」
アレンが笑う。
「愛なんてないわ。あるのは職業病だけよ」
私はぐったりとテーブルに突っ伏した。
だが、この時の私はまだ気づいていなかった。
ミナが持ち帰ったその「完璧なノート」が、王宮で新たな波紋を呼ぶことになることを。
そして、ミナの後をつけてきた王宮の騎士たちが、すぐそこまで迫っていることを。
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