15 / 28
15
しおりを挟む
国境での「シチュー戦争」から一週間。
グラン・ノワール公爵領は、いつにも増して活気に満ちていた。
「おい、新人! そっちの土嚢を運べ!」
「へい! ……あー、飯がうめぇ。給料が出るって最高だなぁ」
王国の元兵士たちは、私の目論見通り、驚くほど真面目な労働力として定着していた。
彼らはインフラ整備や農地の開拓に従事し、労働力不足は一気に解消された。
一方、敗北したアイゼン王国からは、莫大な賠償金(ジェラール殿下の個人資産および王家の隠し財産)が支払われた。
廃嫡されたジェラール殿下は、辺境の修道院へ幽閉されたという風の噂だ。
ミナ嬢も実家へ強制送還され、行儀見習いからやり直しさせられているらしい。
全ては解決した。
完璧なハッピーエンドだ。
だからこそ、私は決断しなければならなかった。
***
その日の夜、私はアイザック様の執務室を訪れた。
手には、一通の封筒を持っている。
「失礼します、ボス。……いえ、アイザック様」
「ん? どうした、改まって」
アイザック様は書類から顔を上げ、私を見て微笑んだ。
「仕事ならもう終わりだろう? これから晩酌でも……」
「いいえ。重要な決済案件がございます」
私はスタスタと机の前まで歩み寄ると、持っていた封筒を差し出した。
「これを」
「……なんだ?」
アイザック様が怪訝な顔で封筒を開ける。
中から出てきた書類のタイトルを見て、彼の表情が凍りついた。
『契約終了通知書 および 婚約破棄合意書』
「……カルル。これはどういう冗談だ?」
アイザック様の声が、久しぶりに「絶対零度」まで下がった。
部屋の空気がピリつく。
だが、私は怯まずに眼鏡の位置を直した。
「冗談ではありません。契約履行に基づく、正当な手続きです」
「説明しろ」
「はい。まず、私たちの『偽装婚約』の目的は二つでした。一つは、アイザック様に群がる有象無象の令嬢除け。もう一つは、私の元婚約者であるジェラール殿下からの防衛」
私は指を折って数えた。
「ジェラール殿下は失脚しました。防衛任務は完了です。そして、今回の戦争での勝利により、アイザック様の威光は近隣諸国に轟きました。もはや、貴方に軽々しく言い寄ってくる令嬢はいないでしょう」
「……それで?」
「つまり、私の『防波堤』としての役目は終わりました。これ以上、偽りの婚約を続ける必要性(メリット)は、貴方にはありません」
私は淡々と、しかし内心では心臓を早鐘のように鳴らしながら続けた。
「これからは、本当の意味で公爵夫人にふさわしい、家柄の良い、そして『愛せる』方を正式に探すべきです。私はただの『事務屋』ですから」
言いながら、胸がズキリと痛んだ。
この屋敷での生活は楽しかった。
アイザック様との仕事も、使用人たちとの交流も。
正直に言えば、離れたくない。
けれど、私は合理主義者だ。
「情」で居座り、いつか「やっぱり君はいらない」と言われるリスクを冒すくらいなら、功績があるうちに綺麗に退場(イグジット)するのが、最も賢い選択だ。
「……退職金については辞退いたします。これまでの報酬で十分に頂きましたので」
私は深々と頭を下げた。
「短い間でしたが、お世話になりました。引継ぎ書は明日までに作成し……」
ビリッ!!
乾いた音が、静寂を切り裂いた。
私が顔を上げると、アイザック様が、私の提出した書類を真っ二つに破いていた。
「……あ」
ビリビリビリッ!
彼は無言のまま、書類をさらに細かく引き裂き、紙吹雪のように空中に舞い上げ、ゴミ箱へ捨てた。
「……閣下? 書類の破棄は、承認プロセスのエラーですが」
「却下だ」
アイザック様が立ち上がり、机を回り込んで私の前に立った。
その瞳は、怒りに燃えているようで、どこか悲しげだった。
「誰が『終わり』と言った?」
「ですが、契約上の目的は……」
「目的? そんなものは最初からどうでもよかった!」
アイザック様が私の肩を掴んだ。
強い力だ。
「俺が欲しかったのは『防波堤』じゃない。……君だ、カルル」
「……え?」
「君は計算高いが、自分の感情の計算だけは下手くそだな」
彼は私の顔を覗き込んだ。
「俺がこの一ヶ月、君にどれだけ好意を示してきたと思っている? ドレスを贈り、毎日共に食事をし、君のために戦争までしたんだぞ?」
「それは……優秀な部下への福利厚生の一環かと……」
「違う! 男が女にする求愛行動だ!」
アイザック様が叫んだ。
その必死な様子に、私は目を丸くした。
「……求愛? 私に?」
「ああ、そうだ。俺は君に惚れている。君のその冷徹な眼鏡も、金にうるさい口も、仕事熱心な横顔も、全部だ」
彼は私を強く抱きしめた。
「君がいない執務室なんて、考えられない。君がいない人生なんて、ただの赤字決算だ」
「……っ」
その言葉は、どんな甘い愛の囁きよりも、私の心に深く刺さった。
「赤字決算」なんて。
私の価値観に合わせた、彼なりの最高の殺し文句だ。
「で、ですが……私は可愛げのない女ですよ? 色気もないし、すぐに説教をするし……」
「それがいい。俺には『イエスマン』の妻なんていらない。俺を叱り、支え、共に歩んでくれるパートナーが必要なんだ」
アイザック様は私の体を少し離し、真剣な眼差しで見つめてきた。
「カルル・フォン・アイゼン。……いや、未来のカルル・グラン・ノワール」
彼はポケットから、小さな箱を取り出した。
パカッ。
中には、大粒のブルーダイヤモンドが輝く指輪が入っていた。
私の瞳の色と同じ、透き通った青。
「契約更新の交渉をしたい」
「……条件は?」
私が震える声で尋ねると、彼は悪戯っぽく、しかし限りなく優しく微笑んだ。
「期間は、死ぬまで。給与は、俺の全財産と、俺の心。業務内容は、俺の妻として幸せになること。……どうだ? 割のいい話だと思うが」
私の目から、ポロリと涙がこぼれた。
計算機が壊れたみたいだ。
損得勘定なんて、もうどうでもいい。
「……条件、甘すぎますよ。経営者として失格です」
「君相手なら、いくらでも甘くするさ」
「……承認(アクセプト)、します」
私が頷くと、アイザック様は世界で一番幸せそうな顔をして、私の指に指輪を嵌めた。
「ありがとう、カルル」
彼は私を抱き上げ、くるくると回った。
「閣下! 目が回ります! 業務に支障が!」
「今日くらい休め! 明日は二人で休暇を取るぞ!」
「許可します!」
私たちは笑い合い、そして重なるように口づけを交わした。
契約書類はゴミ箱の中。
でも、私たちの間には、紙切れよりもずっと確かな「永久契約」が結ばれたのだった。
これでめでたしめでたし――と言いたいところだが。
私の「貧乏性」と「職業病」は、結婚式の準備において、さらなる騒動(コメディ)を巻き起こすことになる。
「結婚式? 無駄な出費は抑えましょう。招待状は手書きで、料理は自炊で……」
「待て待てカルル! 公爵家の結婚式だぞ!?」
幸せな戦いは、まだ続く。
グラン・ノワール公爵領は、いつにも増して活気に満ちていた。
「おい、新人! そっちの土嚢を運べ!」
「へい! ……あー、飯がうめぇ。給料が出るって最高だなぁ」
王国の元兵士たちは、私の目論見通り、驚くほど真面目な労働力として定着していた。
彼らはインフラ整備や農地の開拓に従事し、労働力不足は一気に解消された。
一方、敗北したアイゼン王国からは、莫大な賠償金(ジェラール殿下の個人資産および王家の隠し財産)が支払われた。
廃嫡されたジェラール殿下は、辺境の修道院へ幽閉されたという風の噂だ。
ミナ嬢も実家へ強制送還され、行儀見習いからやり直しさせられているらしい。
全ては解決した。
完璧なハッピーエンドだ。
だからこそ、私は決断しなければならなかった。
***
その日の夜、私はアイザック様の執務室を訪れた。
手には、一通の封筒を持っている。
「失礼します、ボス。……いえ、アイザック様」
「ん? どうした、改まって」
アイザック様は書類から顔を上げ、私を見て微笑んだ。
「仕事ならもう終わりだろう? これから晩酌でも……」
「いいえ。重要な決済案件がございます」
私はスタスタと机の前まで歩み寄ると、持っていた封筒を差し出した。
「これを」
「……なんだ?」
アイザック様が怪訝な顔で封筒を開ける。
中から出てきた書類のタイトルを見て、彼の表情が凍りついた。
『契約終了通知書 および 婚約破棄合意書』
「……カルル。これはどういう冗談だ?」
アイザック様の声が、久しぶりに「絶対零度」まで下がった。
部屋の空気がピリつく。
だが、私は怯まずに眼鏡の位置を直した。
「冗談ではありません。契約履行に基づく、正当な手続きです」
「説明しろ」
「はい。まず、私たちの『偽装婚約』の目的は二つでした。一つは、アイザック様に群がる有象無象の令嬢除け。もう一つは、私の元婚約者であるジェラール殿下からの防衛」
私は指を折って数えた。
「ジェラール殿下は失脚しました。防衛任務は完了です。そして、今回の戦争での勝利により、アイザック様の威光は近隣諸国に轟きました。もはや、貴方に軽々しく言い寄ってくる令嬢はいないでしょう」
「……それで?」
「つまり、私の『防波堤』としての役目は終わりました。これ以上、偽りの婚約を続ける必要性(メリット)は、貴方にはありません」
私は淡々と、しかし内心では心臓を早鐘のように鳴らしながら続けた。
「これからは、本当の意味で公爵夫人にふさわしい、家柄の良い、そして『愛せる』方を正式に探すべきです。私はただの『事務屋』ですから」
言いながら、胸がズキリと痛んだ。
この屋敷での生活は楽しかった。
アイザック様との仕事も、使用人たちとの交流も。
正直に言えば、離れたくない。
けれど、私は合理主義者だ。
「情」で居座り、いつか「やっぱり君はいらない」と言われるリスクを冒すくらいなら、功績があるうちに綺麗に退場(イグジット)するのが、最も賢い選択だ。
「……退職金については辞退いたします。これまでの報酬で十分に頂きましたので」
私は深々と頭を下げた。
「短い間でしたが、お世話になりました。引継ぎ書は明日までに作成し……」
ビリッ!!
乾いた音が、静寂を切り裂いた。
私が顔を上げると、アイザック様が、私の提出した書類を真っ二つに破いていた。
「……あ」
ビリビリビリッ!
彼は無言のまま、書類をさらに細かく引き裂き、紙吹雪のように空中に舞い上げ、ゴミ箱へ捨てた。
「……閣下? 書類の破棄は、承認プロセスのエラーですが」
「却下だ」
アイザック様が立ち上がり、机を回り込んで私の前に立った。
その瞳は、怒りに燃えているようで、どこか悲しげだった。
「誰が『終わり』と言った?」
「ですが、契約上の目的は……」
「目的? そんなものは最初からどうでもよかった!」
アイザック様が私の肩を掴んだ。
強い力だ。
「俺が欲しかったのは『防波堤』じゃない。……君だ、カルル」
「……え?」
「君は計算高いが、自分の感情の計算だけは下手くそだな」
彼は私の顔を覗き込んだ。
「俺がこの一ヶ月、君にどれだけ好意を示してきたと思っている? ドレスを贈り、毎日共に食事をし、君のために戦争までしたんだぞ?」
「それは……優秀な部下への福利厚生の一環かと……」
「違う! 男が女にする求愛行動だ!」
アイザック様が叫んだ。
その必死な様子に、私は目を丸くした。
「……求愛? 私に?」
「ああ、そうだ。俺は君に惚れている。君のその冷徹な眼鏡も、金にうるさい口も、仕事熱心な横顔も、全部だ」
彼は私を強く抱きしめた。
「君がいない執務室なんて、考えられない。君がいない人生なんて、ただの赤字決算だ」
「……っ」
その言葉は、どんな甘い愛の囁きよりも、私の心に深く刺さった。
「赤字決算」なんて。
私の価値観に合わせた、彼なりの最高の殺し文句だ。
「で、ですが……私は可愛げのない女ですよ? 色気もないし、すぐに説教をするし……」
「それがいい。俺には『イエスマン』の妻なんていらない。俺を叱り、支え、共に歩んでくれるパートナーが必要なんだ」
アイザック様は私の体を少し離し、真剣な眼差しで見つめてきた。
「カルル・フォン・アイゼン。……いや、未来のカルル・グラン・ノワール」
彼はポケットから、小さな箱を取り出した。
パカッ。
中には、大粒のブルーダイヤモンドが輝く指輪が入っていた。
私の瞳の色と同じ、透き通った青。
「契約更新の交渉をしたい」
「……条件は?」
私が震える声で尋ねると、彼は悪戯っぽく、しかし限りなく優しく微笑んだ。
「期間は、死ぬまで。給与は、俺の全財産と、俺の心。業務内容は、俺の妻として幸せになること。……どうだ? 割のいい話だと思うが」
私の目から、ポロリと涙がこぼれた。
計算機が壊れたみたいだ。
損得勘定なんて、もうどうでもいい。
「……条件、甘すぎますよ。経営者として失格です」
「君相手なら、いくらでも甘くするさ」
「……承認(アクセプト)、します」
私が頷くと、アイザック様は世界で一番幸せそうな顔をして、私の指に指輪を嵌めた。
「ありがとう、カルル」
彼は私を抱き上げ、くるくると回った。
「閣下! 目が回ります! 業務に支障が!」
「今日くらい休め! 明日は二人で休暇を取るぞ!」
「許可します!」
私たちは笑い合い、そして重なるように口づけを交わした。
契約書類はゴミ箱の中。
でも、私たちの間には、紙切れよりもずっと確かな「永久契約」が結ばれたのだった。
これでめでたしめでたし――と言いたいところだが。
私の「貧乏性」と「職業病」は、結婚式の準備において、さらなる騒動(コメディ)を巻き起こすことになる。
「結婚式? 無駄な出費は抑えましょう。招待状は手書きで、料理は自炊で……」
「待て待てカルル! 公爵家の結婚式だぞ!?」
幸せな戦いは、まだ続く。
1,044
あなたにおすすめの小説
【完結済】破棄とか面倒じゃないですか、ですので婚約拒否でお願いします
紫
恋愛
水不足に喘ぐ貧困侯爵家の次女エリルシアは、父親からの手紙で王都に向かう。
王子の婚約者選定に関して、白羽の矢が立ったのだが、どうやらその王子には恋人がいる…らしい?
つまりエリルシアが悪役令嬢ポジなのか!?
そんな役どころなんて御免被りたいが、王サマからの提案が魅力的過ぎて、王宮滞在を了承してしまう。
報酬に目が眩んだエリルシアだが、無事王宮を脱出出来るのか。
王子サマと恋人(もしかしてヒロイン?)の未来はどうなるのか。
2025年10月06日、初HOTランキング入りです! 本当にありがとうございます!!(2位だなんて……いやいや、ありえないと言うか…本気で夢でも見ているのではないでしょーか……)
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※小説家になろう様にも掲載させていただいています。
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
婚約者を奪った妹と縁を切ったので、家から離れ“辺境領”を継ぎました。 すると勇者一行までついてきたので、領地が最強になったようです
藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。
家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。
その“褒賞”として押しつけられたのは――
魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。
けれど私は、絶望しなかった。
むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。
そして、予想外の出来事が起きる。
――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。
「君をひとりで行かせるわけがない」
そう言って微笑む勇者レオン。
村を守るため剣を抜く騎士。
魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。
物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。
彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。
気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き――
いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。
もう、誰にも振り回されない。
ここが私の新しい居場所。
そして、隣には――かつての仲間たちがいる。
捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。
これは、そんな私の第二の人生の物語。
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
わたしはくじ引きで選ばれたにすぎない婚約者だったらしい
よーこ
恋愛
特に美しくもなく、賢くもなく、家柄はそこそこでしかない伯爵令嬢リリアーナは、婚約後六年経ったある日、婚約者である大好きな第二王子に自分が未来の王子妃として選ばれた理由を尋ねてみた。
王子の答えはこうだった。
「くじで引いた紙にリリアーナの名前が書かれていたから」
え、わたし、そんな取るに足らない存在でしかなかったの?!
思い出してみれば、今まで王子に「好きだ」みたいなことを言われたことがない。
ショックを受けたリリアーナは……。
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。
婚約破棄されたので、前世の知識で無双しますね?
ほーみ
恋愛
「……よって、君との婚約は破棄させてもらう!」
華やかな舞踏会の最中、婚約者である王太子アルベルト様が高らかに宣言した。
目の前には、涙ぐみながら私を見つめる金髪碧眼の美しい令嬢。確か侯爵家の三女、リリア・フォン・クラウゼルだったかしら。
──あら、デジャヴ?
「……なるほど」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる