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「……ふあぁ。よく寝た」
翌朝。
アイザック様が伸びをしながら起き上がると、隣のベッドはすでにもぬけの殻だった。
「……カルル?」
彼が窓の外を見ると、プールサイドに整列させられたアロハシャツの集団と、その前で指示棒を振る妻の姿があった。
「……もう始めているのか」
アイザック様は天を仰ぎ、諦めたように着替えを始めた。
***
「いいですか! 本日より、このホテルにおける『南国時間(遅刻の言い訳)』は廃止します!」
炎天下のプールサイド。
私は、集められたホテル従業員三十名に対し、拡声器(マイク)で怒号を飛ばしていた。
私の服装は、昨日市場で調達したアロハシャツとショートパンツ。
ただし、シャツのボタンは上まで留め、裾はきっちりとパンツに入れ、眼鏡を装着している。
名付けて「常夏ビジネススタイル」だ。
「えぇ~……でもぉ、今日は波がいいしぃ……」
「サーフィン行ってから仕事しようかなって……」
従業員たちがダルそうに呟く。
彼らは全員、この国の公務員らしいが、労働意欲はマイナスレベルだ。
カメハメ王も、列の端っこで「まあまあ、そう固いこと言わずにぃ」とへらへらしている。
「黙りなさい! 貴方たちがサーフィンをしている間に、客は逃げているのです!」
私はホワイトボード(どこからか調達した)をバンと叩いた。
「まず、勤務時間の管理から始めます。これを見てください」
私が指差したのは、入り口に設置させた真新しい木箱と、紙のカードだ。
「『タイムカード』システムです」
「たいむ……?」
「出勤時と退勤時に、このカードに時刻を打刻すること。遅刻は一分につき給与カット。逆に、早出・残業には手当を出します」
「きゅ、給与カットぉ!?」
「手当!?」
従業員たちがざわめく。
「貴方たちの給与明細を確認しましたが、一律固定給でしたね? これでは誰も働きません。これからは『成果主義』を導入します」
私はニヤリと笑った。
「部屋の掃除を完璧にこなした者、お客様から『ありがとう』と言われた者、そして……チップを獲得した者。これらは全て人事評価にプラスし、ボーナスを支給します」
「ボ、ボーナスぅ!?」
「金だ……金がもらえるのか!?」
ダルそうだった彼らの目が、急に輝き出した。
南国だろうが北国だろうが、人間を動かす燃料は「報酬(インセンティブ)」である。
「さらに! このホテルの売上が目標を達成した場合、従業員全員に『大入り袋』を出します! 原資は、そこにいるカメハメ王のへそくりです!」
「ええっ!? 私のへそくりぃ!?」
王様が飛び上がったが、私は無視した。
「さあ、稼ぎたい者は働きなさい! サボりたい者は……サメの餌になりなさい!」
「「「イエスマム!!」」」
従業員たちの目の色が変わった。
彼らは一斉に散らばり、猛烈な勢いで窓を拭き、プールを掃除し、草むしりを始めた。
その動きは、昨日のナマケモノが嘘のようだ。
「……すごい」
カメハメ王が口を開けて見ている。
「あいつらが……走っている……!」
「簡単なことです。彼らは『どうせ頑張っても給料は同じ』と諦めていただけです。希望(エサ)を見せれば、人は走るのです」
私は眼鏡の位置を直した。
「さて、次はハード面(設備)の改善ですね」
***
私が次に向かったのは、ホテル内のレストランだ。
「いらっしゃい……あ、奥様」
料理長らしき大柄な男が、気まずそうに出てきた。
昨日の夕食は酷かった。
冷めたスープ、硬いパン、そして謎の煮込み料理。
「料理長。この島の特産品は?」
「え? ああ……海で獲れるロブスターと、裏山で採れるトロピカルフルーツ、あとはスパイスだな」
「なぜそれを使わないのですか?」
「いやぁ、手間がかかるし……輸入した缶詰の方が楽だから……」
「……馬鹿者」
私は厨房に入り込み、冷蔵庫を開けた。
中は缶詰だらけだ。
「宝の持ち腐れとはこのことです! いいですか、観光客が求めているのは『ここでしか食べられないもの』です!」
私は市場で買ってきた食材をカウンターに広げた。
「本日のランチからメニューを一新します。メインは『活ロブスターのスパイシーグリル』。デザートは『完熟マンゴーのパフェ』。パンは焼きたてのココナッツパンです!」
「そ、そんな急に言われても……レシピが……」
「私が教えます! 手を動かして!」
私はエプロンをつけ、包丁を握った。
そこへ、遅れて起きてきたアイザック様がやってきた。
「カルル、ここにいたのか。朝食は……」
「あ、ちょうど良いところに!」
私はアイザック様の手を引き、テラス席へ連れて行った。
「あなた、そこに座ってください。そして、この『トロピカルドリンク』を持って、海をバックに微笑んでください」
「……は?」
「宣伝用の写真撮影です! 『氷の公爵もとろける南国の楽園』というキャッチコピーでポスターを作ります!」
「待て! 俺は客だぞ! なんで広告塔に……」
「モデル料は、今日のランチ(試作品)を一番に食べる権利です!」
「……安いな」
文句を言いながらも、アイザック様は完璧なポーズを決めてくれた。
サングラスをずらし、カクテル片手に微笑む銀髪の美丈夫。
背景の青い海が霞むほどの輝きだ。
「……完璧です。これで女性客の予約は倍増します」
私は素早くスケッチ(画家を雇う金が惜しいので自分で描いた)を取った。
***
正午。
リニューアルオープンしたレストランには、良い香りが漂っていた。
スパイスとガーリックで炒められたロブスターの香ばしい匂い。
それに誘われて、宿泊客(数少ない物好きたち)や、近くを通った観光客が集まってきた。
「なんだ? いい匂いがするぞ」
「あの廃墟ホテルか? なんか綺麗になってないか?」
恐る恐る入ってきた客たちは、キビキビと働くウェイター(ボーナス目当て)に案内され、席についた。
そして、運ばれてきた料理を食べて目を見開いた。
「う、うまい!」
「なんだこのプリプリの海老は!」
「マンゴーが甘い! 缶詰じゃないぞ!」
「それに、あのテラスにいるイケメンを見ろ! 絵画みたいだぞ!」
客たちの歓声が広がる。
アイザック様は、視線に晒されながら黙々とロブスターの殻を剥いていた。
「……美味いな、これ」
「でしょう? 鮮度が違いますから」
私はレジで集金しながら、ニヤリと笑った。
「初日のランチ売上、過去最高を記録しました。この調子なら、口コミで客足は戻ります」
「……たくましいな、君は」
アイザック様がナプキンで口を拭う。
「で? 午後はどうするんだ? 少しは海で遊ぶか?」
「いえ。午後は『財務整理』です」
私はカメハメ王を睨んだ。
「王様。借金の詳細を聞かせてもらえますか? 相手は『海賊』と言っていましたが」
「は、はいぃ……」
王様が震えながら答える。
「隣の島を根城にしている『黒ひげ商会』っていう高利貸しでして……最初は少額だったんですが、利子がトイチ(十日で一割)で……」
「トイチ……完全な違法金利ですね」
私の目が冷たく光った。
「契約書は?」
「これですぅ……」
渡された羊皮紙を見て、私は鼻で笑った。
「……穴だらけですね。法的に無効な条項ばかりです」
「えっ? そ、そうなんですか?」
「はい。ですが、相手は海賊。法律論で攻めても『大砲』で返してくるでしょう」
私は腕を組んだ。
「ならば、こちらも『物理』と『経済』の両面で対抗するしかありません」
「ぶ、物理……?」
「アイザック様」
私は夫に向き直った。
「バカンス中に恐縮ですが、一仕事お願いできますか?」
「……今度はなんだ? 海賊退治か?」
「いえ。海賊との『平和的交渉(という名の脅迫)』です」
アイザック様は溜息をつき、そして凶悪に笑った。
「やれやれ。……まあ、食後の運動にはちょうどいいか」
南国の楽園再建計画。
次は、悪徳金融業者(海賊)への「過払い金請求」のお時間である。
翌朝。
アイザック様が伸びをしながら起き上がると、隣のベッドはすでにもぬけの殻だった。
「……カルル?」
彼が窓の外を見ると、プールサイドに整列させられたアロハシャツの集団と、その前で指示棒を振る妻の姿があった。
「……もう始めているのか」
アイザック様は天を仰ぎ、諦めたように着替えを始めた。
***
「いいですか! 本日より、このホテルにおける『南国時間(遅刻の言い訳)』は廃止します!」
炎天下のプールサイド。
私は、集められたホテル従業員三十名に対し、拡声器(マイク)で怒号を飛ばしていた。
私の服装は、昨日市場で調達したアロハシャツとショートパンツ。
ただし、シャツのボタンは上まで留め、裾はきっちりとパンツに入れ、眼鏡を装着している。
名付けて「常夏ビジネススタイル」だ。
「えぇ~……でもぉ、今日は波がいいしぃ……」
「サーフィン行ってから仕事しようかなって……」
従業員たちがダルそうに呟く。
彼らは全員、この国の公務員らしいが、労働意欲はマイナスレベルだ。
カメハメ王も、列の端っこで「まあまあ、そう固いこと言わずにぃ」とへらへらしている。
「黙りなさい! 貴方たちがサーフィンをしている間に、客は逃げているのです!」
私はホワイトボード(どこからか調達した)をバンと叩いた。
「まず、勤務時間の管理から始めます。これを見てください」
私が指差したのは、入り口に設置させた真新しい木箱と、紙のカードだ。
「『タイムカード』システムです」
「たいむ……?」
「出勤時と退勤時に、このカードに時刻を打刻すること。遅刻は一分につき給与カット。逆に、早出・残業には手当を出します」
「きゅ、給与カットぉ!?」
「手当!?」
従業員たちがざわめく。
「貴方たちの給与明細を確認しましたが、一律固定給でしたね? これでは誰も働きません。これからは『成果主義』を導入します」
私はニヤリと笑った。
「部屋の掃除を完璧にこなした者、お客様から『ありがとう』と言われた者、そして……チップを獲得した者。これらは全て人事評価にプラスし、ボーナスを支給します」
「ボ、ボーナスぅ!?」
「金だ……金がもらえるのか!?」
ダルそうだった彼らの目が、急に輝き出した。
南国だろうが北国だろうが、人間を動かす燃料は「報酬(インセンティブ)」である。
「さらに! このホテルの売上が目標を達成した場合、従業員全員に『大入り袋』を出します! 原資は、そこにいるカメハメ王のへそくりです!」
「ええっ!? 私のへそくりぃ!?」
王様が飛び上がったが、私は無視した。
「さあ、稼ぎたい者は働きなさい! サボりたい者は……サメの餌になりなさい!」
「「「イエスマム!!」」」
従業員たちの目の色が変わった。
彼らは一斉に散らばり、猛烈な勢いで窓を拭き、プールを掃除し、草むしりを始めた。
その動きは、昨日のナマケモノが嘘のようだ。
「……すごい」
カメハメ王が口を開けて見ている。
「あいつらが……走っている……!」
「簡単なことです。彼らは『どうせ頑張っても給料は同じ』と諦めていただけです。希望(エサ)を見せれば、人は走るのです」
私は眼鏡の位置を直した。
「さて、次はハード面(設備)の改善ですね」
***
私が次に向かったのは、ホテル内のレストランだ。
「いらっしゃい……あ、奥様」
料理長らしき大柄な男が、気まずそうに出てきた。
昨日の夕食は酷かった。
冷めたスープ、硬いパン、そして謎の煮込み料理。
「料理長。この島の特産品は?」
「え? ああ……海で獲れるロブスターと、裏山で採れるトロピカルフルーツ、あとはスパイスだな」
「なぜそれを使わないのですか?」
「いやぁ、手間がかかるし……輸入した缶詰の方が楽だから……」
「……馬鹿者」
私は厨房に入り込み、冷蔵庫を開けた。
中は缶詰だらけだ。
「宝の持ち腐れとはこのことです! いいですか、観光客が求めているのは『ここでしか食べられないもの』です!」
私は市場で買ってきた食材をカウンターに広げた。
「本日のランチからメニューを一新します。メインは『活ロブスターのスパイシーグリル』。デザートは『完熟マンゴーのパフェ』。パンは焼きたてのココナッツパンです!」
「そ、そんな急に言われても……レシピが……」
「私が教えます! 手を動かして!」
私はエプロンをつけ、包丁を握った。
そこへ、遅れて起きてきたアイザック様がやってきた。
「カルル、ここにいたのか。朝食は……」
「あ、ちょうど良いところに!」
私はアイザック様の手を引き、テラス席へ連れて行った。
「あなた、そこに座ってください。そして、この『トロピカルドリンク』を持って、海をバックに微笑んでください」
「……は?」
「宣伝用の写真撮影です! 『氷の公爵もとろける南国の楽園』というキャッチコピーでポスターを作ります!」
「待て! 俺は客だぞ! なんで広告塔に……」
「モデル料は、今日のランチ(試作品)を一番に食べる権利です!」
「……安いな」
文句を言いながらも、アイザック様は完璧なポーズを決めてくれた。
サングラスをずらし、カクテル片手に微笑む銀髪の美丈夫。
背景の青い海が霞むほどの輝きだ。
「……完璧です。これで女性客の予約は倍増します」
私は素早くスケッチ(画家を雇う金が惜しいので自分で描いた)を取った。
***
正午。
リニューアルオープンしたレストランには、良い香りが漂っていた。
スパイスとガーリックで炒められたロブスターの香ばしい匂い。
それに誘われて、宿泊客(数少ない物好きたち)や、近くを通った観光客が集まってきた。
「なんだ? いい匂いがするぞ」
「あの廃墟ホテルか? なんか綺麗になってないか?」
恐る恐る入ってきた客たちは、キビキビと働くウェイター(ボーナス目当て)に案内され、席についた。
そして、運ばれてきた料理を食べて目を見開いた。
「う、うまい!」
「なんだこのプリプリの海老は!」
「マンゴーが甘い! 缶詰じゃないぞ!」
「それに、あのテラスにいるイケメンを見ろ! 絵画みたいだぞ!」
客たちの歓声が広がる。
アイザック様は、視線に晒されながら黙々とロブスターの殻を剥いていた。
「……美味いな、これ」
「でしょう? 鮮度が違いますから」
私はレジで集金しながら、ニヤリと笑った。
「初日のランチ売上、過去最高を記録しました。この調子なら、口コミで客足は戻ります」
「……たくましいな、君は」
アイザック様がナプキンで口を拭う。
「で? 午後はどうするんだ? 少しは海で遊ぶか?」
「いえ。午後は『財務整理』です」
私はカメハメ王を睨んだ。
「王様。借金の詳細を聞かせてもらえますか? 相手は『海賊』と言っていましたが」
「は、はいぃ……」
王様が震えながら答える。
「隣の島を根城にしている『黒ひげ商会』っていう高利貸しでして……最初は少額だったんですが、利子がトイチ(十日で一割)で……」
「トイチ……完全な違法金利ですね」
私の目が冷たく光った。
「契約書は?」
「これですぅ……」
渡された羊皮紙を見て、私は鼻で笑った。
「……穴だらけですね。法的に無効な条項ばかりです」
「えっ? そ、そうなんですか?」
「はい。ですが、相手は海賊。法律論で攻めても『大砲』で返してくるでしょう」
私は腕を組んだ。
「ならば、こちらも『物理』と『経済』の両面で対抗するしかありません」
「ぶ、物理……?」
「アイザック様」
私は夫に向き直った。
「バカンス中に恐縮ですが、一仕事お願いできますか?」
「……今度はなんだ? 海賊退治か?」
「いえ。海賊との『平和的交渉(という名の脅迫)』です」
アイザック様は溜息をつき、そして凶悪に笑った。
「やれやれ。……まあ、食後の運動にはちょうどいいか」
南国の楽園再建計画。
次は、悪徳金融業者(海賊)への「過払い金請求」のお時間である。
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